2024/08/04

E353系(モトS108編成)

E353系は中央本線の特急「スーパーあずさ」で使用していたE351系の老朽取替を目的として導入されたものです。空気ばね式車体傾斜装置を採用し、E351系と同等の曲線通過性能を目指しています。E351系だけでなく、「あずさ」「かいじ」に使用されていたE257系も置換え、E257系は東海道線の特急「踊り子」「湘南」、波動輸送用に転用されています。
E353系の車体はE657系の構体を基本としたアルミ合金のダブルスキン構体です。車体が傾斜しても車両限界を超えないように、断面を屋根に向かって絞っています。床面の高さを下げてバリアフリー対策をしていることや照明に新製当初からLEDを採用しているのが、新型車両らしいところです。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC108・SC109、主電動機は出力140kWのMT75B、補助電源装置はIGBT-SIVのSC110・SC89Bを装備しています。台車はDT81・DT82・TR265系、集電装置はシングルアーム式のPS39、冷房装置はAU738です。写真のモトS108編成は、2018年3月に総合車両製作所横浜事業所で完成したものです。E353系は2017年12月から営業運転を開始し、2018年7月から「あずさ」「かいじ」、2019年3月から「富士回遊」にも使用されています。