2026/08/19

【空想鉄道】京成・京急の経営統合と、「スマートシュリンク」論

報道によって知りました京成電鉄と京浜急行電鉄による「車両や運行システムの共通化」に向けた共同検討のニュースは、非常に興味深いものがあります。京成が2028年度に導入する新型有料特急「3900形」が都営浅草線や京急線への直通を見据えている点など、これまでは単なる「相互直通」だった関係から、一歩踏み込んだプラットフォームの共通化へと時代が動きつつあるのを感じます。

この動きを見ていく中で、一小市民としての「空想鉄道(思考実験)」が頭をよぎりました。
これから訪れる深刻な人口減少と人手不足の時代を見据え、単なるハードの共通化にとどまらず、いっそ両社が企業として経営を統合し、さらに都営浅草線を第二種鉄道事業者(運行のみを担当)として一元管理する「スカイアクセス株式会社(仮)」のような巨大再編へ舵を切っても良いのではないか、と思うのです。
日本の社会インフラを前向きにあえて縮める「スマートシュリンク」を成功させる上で、この統合は極めて合理的なシナジーを生み出します。その要諦は、乱暴を承知で言えば「ハードは京成、ソフトは京急」に寄せるという役割分離にあります。
基本となる車両や信号システムといったハードウェアは、柔軟な組成変更が可能な京成3200形や3100形のような「枯れた標準技術」をベースに一本化し、製造・保守コストを徹底的に引き下げる。一方で、過密ダイヤを高効率で回し、トラブル時に職人技でダイヤを復原する運行管理(ソフト面)のノウハウは、日本屈指の技術を持つ京急ベースを全線へ展開する。
これが実現すれば、各沿線の実情に合わせた「攻めの減量」が可能になります。
例えば、人口減少が顕著な三浦半島エリアでは、京成のノウハウを活かして「4両・6両の短い編成でのワンマン運転」にスマートシュリンクし、無駄な電気代やメンテコストを削る。逆に京成千葉線のようなエリアでは、京急のお家芸である「職人技の分割併合」を津田沼駅で実施することで、短い編成のまま乗り換えなしで都心へ直通させ、路線としての商品力を劇的に向上させることもできます。
そうなると、名車京急2100形のような2ドアの尖った専用車両は運用の柔軟性を欠く面もあるため、寿命を迎えた段階で、3ドアでありながら車内を快適な自動転換クロスシートにした「3100形転換座席仕様」のような共通標準車へ代替していくのが妥当、ということになります。
新会社のブランドとして、ラインカラーには両社のDNAであり視認性も高い「赤」を据え、ロゴマークには空と海、そして北総線をも包み込む「青」を配すれば、色彩計画としても美しく丸く収まります。そしてその新会社の象徴(シンボル)として、停車駅を品川・日本橋・高砂あたりにソリッドに絞り込んだ、羽田〜成田間の「伝説のノンストップ超特急」が1日に1.2本だけ象徴的に走る。そんな未来の日本の大動脈の一つの姿を夢想してしまいます。

近年の「物言う株主」の方々には、単に配当を増やすことや経営者のすげかえばかりに終始せず、インフラの10年、20年先を見据えたこうした社会的メリットのある大局的な提案をしていただきたいものです。それができぬのであれば、思いっきり増税し、納税を通して社会に貢献願いたい、と思うのは私だけでしょうか。
酷暑の続く中、愛読している鉄道ピクトリアル誌をひっくり返しながら、持続可能な社会OSとしての鉄道の未来に思いを馳せる。これもまた、一小市民の空想鉄道論でしょうか。

2026/08/16

京浜急行電鉄1000形(1891編成)

このところ、私自身は撮影に出かける回数が減少しており、月一回ペースくらいになっています。生活というものがありますので、このくらいのペースで継続していくのがよいのかもしれません。
時間ができましたので、杉田駅近くの踏切に出かけてきました。1702編成や1703編成など未撮影の編成もありますが、今回は撮影できませんでした。まあ焦る必要もないでしょう。そのうちに撮れると思います。
増備が続く1000形ですが、1890番代の銀1000タイプみたいなバージョンが製造中だそうです。2両編成と合わせてさらにバリエーションが増えるということで、いつか撮影してみたいものです。
写真の1891編成は、2021年3月に総合車両製作所横浜事業所で完成したものです。座席はロングシートとクロスシートの転換が可能な自動回転式座席を装備し、京急の電車では初めてのトイレが4両編成中2か所に設けられています。

2026/08/15

自宅鉄道博物館別館 ナロネ20-1 入線

自宅鉄道博物館別館にナロネ20-1が入線しました。KATO製品の中古を1両買いしたものです。20系客車はNゲージの黎明期からKATOが製品化したものです。90年代に一度リニューアルして以降は、ぐっと実感的な製品が供給されています。
JRへの移行前後に寝台特急のテコ入れとして改造によって様々な個室寝台車が登場しました。残念ながら大勢を覆すには至らず、今では走っていないのはご存じの通りです。ですが、1958年には個室寝台だけで構成された車両が新製されていたのです。
20系固定寝台客車には、3種のA寝台車が製作されましたが、ナロネ20は、定員18名で一人用個室と2人用個室で構成された2等寝台車(当時)です。「あさかぜ」専用として、わずか3両が新製されました。
ナロネ20-1は、1958年8月に日本車輌で完成し、品川客車区に新製配置されました。山陽新幹線が博多まで全通した1975年3月のダイヤ改正で運用から退き、廃車となりました。所属は一貫して品川客車区でした。

2026/08/13

自宅鉄道博物館別館「ななつ星 in 九州」入線

自宅鉄道博物館別館に「ななつ星 in 九州」が入線しました。KATOの旅するNゲージシリーズを購入したものです。このシリーズは定着して、新製品のリリースが継続して行われおり、ディスプレイ派の私には強い味方です。
実車はJR九州が2013年に日本初のクルーズトレインとして導入した「ななつ星 in 九州 」のうちのマイネフ77-7007です。2室のDXスイートで客室は構成されていますから、定員は4名ということになります。(6名での使用は可能)
車体はアルミ合金のダブルスキン構造で、ロイヤルワインレッドの光沢塗装で仕上げています。台車は787系電車をベースにして、ブレーキ方式は空気ブレーキ併用電気指令式で、DF200牽引時には電気指令式が使用できるという仕組みです。
マイネフ77-7007は、2013年8月に日立製作所で完成したものです。また「ななつ星 in 九州」は、運行開始10年目を迎える前の2022年10月に「第2章」として車両の大規模リニューアルを行っています。

2026/08/12

【思考実験】デバイス信仰からの脱却と、100年先を見据えた「国家の兵站・インフラ論」

近年のまるでわが身を焼かれるようにさえ感じられる酷暑や、目まぐるしく変わる地政学的リスクのニュースに接するたび、一小市民として、この国の持続可能性について深く考えさせられます。

世間では「新型ドローンの導入」や「最新の防衛装備品の調達」といったトピック、あるいは「何でも民営化すれば効率化する」という風潮が目立ちますが、これらは本当に100年後の日本を支える骨格になり得るのでしょうか。
今回は、少し大局的な視点から、公共インフラと安全保障の「グラデーション(融合)」について、私の頭の中の思考を整理してみたいと思います。
1. 使用期限のある「生もの」と、100年残るインフラの差
現在、防衛予算の増額が議論されていますが、その中身の多くは弾薬の備蓄やドローンの調達に向けられているように見受けられます。
しかし、あえて現実的なコストを見つめ直すと、これらには特有の「罠」があります。弾薬には厳格な「使用期限」という寿命があり、有事が起きなければいずれ莫大な費用をかけて廃棄するしかありません。ドローンもまた、電子戦やAIの進化によって数ヶ月で「ただのゴミ」に変わるほどの激しい陳腐化リスクを抱えています。
これらは昨今の厳しい国際環境を考慮すると自衛のために最低限保有せざるを得ないものの、本質的には「資産」として国家を豊かにすることはありません。
一方で、もし同じ予算を「鉄道の標準軌(フル規格)化」や「主要港湾の強靭化」といった基礎インフラに投じたらどうでしょうか。これらは一度整備すれば100年経っても陳腐化せず、有事には強固な「兵站(ロジスティクス)」として機能し、平時には「北海道の豊かな農産物や、地方の先端産業の物資を秒単位で首都圏へ運ぶ大動脈」として、日本経済に継続的に富をもたらし続けます。
平時と有事の双方で機能する「デュアルユース(二面性)」の視点こそ、これからの人口減少期に不可欠な知恵だと感じます。
2. 「新在二本立て」の限界と、大宮〜新宿のミッシングリンク
現在の日本の物流を象徴する青函トンネルでは、新幹線(標準軌)と貨物列車(狭軌)が線路を共用する「三線軌条」という極めて複雑な運用が行われています。レールの摩耗や夜間の保守時間の奪い合いは、すでに一民間企業の努力で維持できる限界を超えています。
日本が明治期に「狭軌」を採用して以来、在来線は世界標準から孤立したままです。もし、国防・産業上の重要路線から段階的に「標準軌化」へ舵を切り、JR貨物が走らせているせコンテナ専用電車(スーパーレールカーゴ)のような高速貨物電車を新幹線規格で縦横無尽に走らせることができたら、日本の物流は劇的に変わるはずです。
さらに言えば、長年幻の構想とされてきた「大宮〜新宿」間のを公費で整備するようなグランドデザインがあっても良いのではないでしょうか。新宿ルートの整備で線路容量が限界に達した大宮ー東京間を事実上複々線化することにより、北海道から隅田川、そして大阪・山陽・さらには九州へと「一本の標準軌のレール」で高速物流が繋がれば、ドライバー不足の2024年問題も、有事の即応体制も、一挙に解決へと向かうはずです。
3. 「所有は公、運営は民」という上下分離の必要性
なぜこれが実現しないのかといえば、「JR各社」という上場した民間企業に、国家の安全保障や100年先の骨格たるインフラの維持管理を丸投げしてしまっているからです。民間企業である以上、株主への説明責任や目先の四半期決算に縛られ、数千億円規模の不採算な基礎投資には二の足を踏まざるを得ません。
少子高齢化で民間が「電池切れのスマホ」のように疲弊していくこれからの時代、私たちは「何でも民営化すればいい」という近視眼的なベクトルを一度見直す必要があるものと考えています。
フランスのように、線路やトンネルなどの「下部構造」は国家や自治体が安全保障インフラとして100%所有・維持(公有)し、日々の効率的なダイヤ編成や運行サービスは民間のプロに委託する(民営)という「上下分離方式」への完全なシフトが理想的です。
あとがき:一市民として
戦前の日本には、平時は世界中で外貨を稼ぎ、有事には有力な航空母艦へ迅速に改造できることを前提に、国が補助金を出して民間に優秀な大型客船を建造させていた歴史(徴傭船制度)がありました。そこには、限られた国家予算の中で平時の経済と有事の防衛を一体として捉える、極めて高い合理性がありました。
翻って現代の私たちは、目先の人気取りの政治や、「何でもお上のせい」にする客分意識、あるいは逆に「すべて自己責任」とするなんとも冷淡な空気に流されている部分がないでしょうか。
本来あるべき世の姿とは、
「指導者が百年単位で脚本(グランドデザイン)を練り上げ、公的機関が淡々とインフラを維持し、企業はその中で創意工夫を施して発展し、そして私たち一市民は、目先の一日を誠実に生きながらリテラシーを磨いていく」
そのような関係性ではないかと思います。
短絡的なポピュリズムに惑わされず、未来に向けて骨太な議論ができる国であってほしい。一小市民として今持続可能な日本の「社会OS」の再起動に思いを馳せています。

2026/08/11

RM Re-Library(RMリライブラリー)

現在では紙媒体による鉄道書も徐々に少なくなってきている印象があります。鉄道雑誌の老舗たる鉄道ジャーナル誌もとうとう姿を消し、かつては積極的に新刊を出していたJTBキャンブックスも新作を出しておりません。
それを受けて私自身もより鉄道書の購入を絞り込んでいます。鉄道ピクトリアル誌は増刊・別冊を含めてたいていは購入していますが、次に購入しているのは、RMライブラリーです。興味のある刊を選んで購入しています。
バックナンバーを合本にして再リリースしている、RM Re-Library(RMリライブラリー)のほうは、オリジナルと重複にならなければ、たいてい購入しています。今ではほとんど姿を消してしまったローカル私鉄についてもコアな知識を得られます。
また国鉄時代の気動車や客車についても、鉄道ピクトリアル誌とはまた違ったアプローチで知ることができます。最近は隔月刊になっていますが、RMライブラリーとともに長く続いてほしいシリーズです。

2026/08/09

自宅鉄道博物館本館 EF64-39 入線

自宅鉄道博物館本館にEF64-39が入線しました。TOMIX製品の最新ロットを購入したものです。
EF64形0番代はかなり以前にユーロライナーカラーのTOMIX製品を持っておりましたが、そちらを手放して以来の復活となります。今回は国鉄色です。
この製品ですが、ナンバープレートが格段に取り付けしやすくなり、地味なところでも改良が加えられていて、企業努力が感じられます。5次形がプロトタイプですが、こういった作り分けも近年では実に細やかになっています。
5次車ってのは何なのかといえば、1971年に身延線や青梅線などの貨物列車の輸送改善を目的に製造されたグループで、37~45号車が該当します。甲府機関区に新製配置されました。前面窓が熱線入りガラスとなるなどの改良を施しています。
39号機は1971年5月に汽車会社・東洋電機で完成し、甲府機関区に配置されました。国鉄の分割・民営化では、高崎第二機関区の配置でJR東日本に継承されました。2015年6月に廃車となりました。