2023/08/31

小田急電鉄4000形(4064F)

4000形はバリアフリーの推進や居住性の向上、走行騒音の低減に加え、主要機器・回路の二重化による輸送障害の低減を意図して導入されたものです。三代目となる地下鉄千代田線乗入れ車でJR東日本のE233系をベースとして設計されています。
車体はE233系をベースとしたステンレス製で、車体幅は2.770mmで3000形に続いて裾絞りのないストレート車体となりました。先頭部は「く」の字形状で丸みを帯びたオリジナルのデザインで、前面と帯色にインペリアルブルーを採用しています。
制御装置はIPM-VVVFインバータ制御のMAP-198-15V172、主電動機は出力190kWのMB-5123-A、補助電源装置はIGBT-SIVのOE-SC86です。台車はTS-1033/TS-1034、集電装置はPT7113-B、冷房装置はCU720、列車情報管理システムTIOSを装備しています。
写真の4064Fは2011年7月に東急車輌で完成したもので、4000形の3次車に相当します。2013年度以降ににJR常磐緩行線乗入れ機器の搭載、2016年度以降に東京地下鉄千代田線用のATO・TASC搭載、車内案内表示装置の17インチワイド2画面化を行いました。

2023/08/30

E231系(ケヨMU17編成)

武蔵野線で使用されていた205系5000番代の老朽取替は、主に中央・総武緩行線から転用した209系500番代とE231系によって行われました。E231系は山手線へのE235系投入に伴い、捻出されたE231系500番代に代替されました。E231系500番代では中央・総武緩行線の全編成を代替できないので、6編成が機器更新・6M4T化のうえで継続使用されています。
車体は軽量ステンレス製で、識別帯の色は上から朱色、白、茶色です。武蔵野線では4M4Tの8両編成となっています。車内案内表示は1段式のスクロールタイプで、シートカラーは近郊タイプも含めてE231系としては共通の青系です。
更新後の制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC113、主電動機は出力95kWのMT73、補助電源装置はIGBT-SIVのSC114Aです。台車はDT61G/TR246系、集電装置はPS33B、冷房装置はAU725A、列車情報管理装置TIMSを装備しています。
写真のケヨMU17編成は2001年9月に新津車両製作所で完成し、ミツB39編成として中央・総武緩行線で使用されていたたものです。2016年12月に東京総合車両センターで機器更新、2020年6月に武蔵野線転用改造を受けています。

2023/08/29

東急電鉄5050系4000番代(4113F)

東急電鉄では、大井町線で既に実施している有料着席サービス「Q SEAT」を東横線にも拡大し、2023年8月10日から渋谷駅を平日19時30分以降に発車する急行列車5本の運転を開始しました。そのため4.5号車に組み込むQ SEATを新造し、8両編成から10連化された4112Fから4115Fまでの4編成が登場しました。
私自身は「Q SEAT」サービスを利用したことはないのですが、大井町線でロングシート状態の6000系Q SEAT車を利用しました。普通車としての利用となりますが、6人掛けで区分がはっきりした座席で余裕もありますので通常の普通車よりも快適でした。
これら4編成はQ SEAT車をロングシートに固定した状態で営業運転入りしました。10両編成化とともに相鉄線直通対応工事も施行されましたので、2023年3月の相鉄線との相互直通運転開始後は相鉄線にも入線しています。
写真の4113Fは、2007年12月に東急車輌で完成した5167Fに、2023年2月に総合車両製作所横浜事業所で新製したデハ4513とサハ4413を組み込み、2023年4月に車両番号を変更したものです。新製された2両がQ-Seat車です。

過去の記事から
東急電鉄5050系(5167F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/11/50505167f.html

2023/08/28

東京地下鉄9000系(9123F)

南北線ではラッシュ時間帯の増発を目的として2009年度に5次車として9000系2編成を増備しました。9000系としては9年ぶりの増備となりましたが、10000系を基本として各部の仕様変更が行われており、灯具とカラーデザインを変更した先頭部の印象が大きく変わりました。
車体は10000系と同様にアルミ合金によるセミダブルスキン構造でヘアライン仕上げとなっています。外観は既存の9000系を基本としつつ前照灯・尾灯の変更、識別帯の変更により、新造車としての明確化を図っています。客室内は座席にポールにより仕切りを設けています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR1420T/VFI-HR2820K、主電動機は出力160kWのHS-32534-16RB、補助電源装置はIGBT-SIVのINV153-E3です。台車はTS-1014/TS-1015、集電装置はPT-7110D、冷房装置はCU711Dを装備しています。
写真の9123Fは2009年4月に日本車両で完成したものです。10000系を基本とした仕様変更を行った反面、5次車は2編成のみの増備となるため、乗務員の取扱機器は既存の9000系との共通性を極力確保する設計となっています。

2023/08/27

リニア中央新幹線について

リニア中央新幹線の建設が進められていますが、私個人としては下記のような疑問を感じています。

①そもそも必要性があるのか
ビジネス関連の人流は縮小傾向(生産人口の減少、ハイブリットワークの普及)にある。
航空機ほど速くない。東海道新幹線ほど頻繁に走れない。高速バスほど安くもない。
リニアができても普通に東海道新幹線を利用する人が多く、無理にリニアに誘導したらそれこそ東海道新幹線と深刻なカニバリが起きるのではないか。

②ほんとうに速くなるのか
乗るまで・降りてからにけっこうな時間がかかるのではないか。
名古屋以遠など既存の新幹線に直通できないのは致命的な欠陥なのではないか。
実績がないリニア方式で本当に開業できるのか。(建設、車両の調達、運行体制の整備)

③経営が継続できるのか
リニア利用客のイメージが湧かない。シーズありきの建設計画ではないか。
施設・車両や乗務員なども共用できず、東海道新幹線と二重投資になるのではないか。
施設のメンテナンスや車両の更新が継続できるのか。

私自身としては、在来型新幹線(というのも変ですが)東海道新幹線の別途線増として建設する方が、まだ事業経済性が高いように感じています。

品川と名古屋で東海道新幹線と線路を接続し、直通できるようにすれば、トータルでの所要時間が短縮でき、本来の目的である東海道新幹線のサブルートとしての価値を高めることもできる。
②運ぶのは人だけとは限らない、増加傾向にある物流に対応する貨物輸送の比重を高める方がマネタイズの機会が高まる。むしろドライバー不足が社会的には喫緊・深刻な課題であり、整備の意義が高まる。あわせて北陸新幹線を大阪まで延長し、貨物輸送も可能とすることでサブルートを含めた物流の骨格を形成することができる。
③車両・施設・人員も東海道新幹線と共用でき、管理費を抑制することができる。また線路容量の増大を利用して、岡山ー山陰・四国方面に新在直通ルートを整備し、新幹線ネットワークをさらに充実させることもできる。

もちろんさえないおっさんのたわごとで、どうにもならないことではありますし、新たな問題もあります。
①現行のJRのスキーム
②巨額となるであろう貨物施設への投資
③貨物新幹線システムの開発
などです。とはいうものの現在の方向性については、やはり疑問を禁じえません。

2023/08/26

EF210形(18号)

EF210形電気機関車は、JR貨物が東海道・山陽本線の主力機関車として使用していたEF65形の老朽置換え、東海道本線での26両編成(1.300t)コンテナ列車の牽引を目的として導入したものです。
1996年3月に試作車の901号機が完成し、各種試験のあと1997年12月から営業運転を行いました。東海道本線における地上設備の準備も整い、1998年10月のダイヤ改正で量産機が投入されました。性能は試作機から変更なく、コストダウン・標準化を目指して仕様を変更しました。
制御方式は1C2MのGTO-VVVFインバータ制御で、電気指令式ブレーキ、主電動機は出力565kWのFMT4×6です。台車は軸梁式ボルスタレス台車で、両端がFD7E、中間がFD8です。集電装置はPS22を装備しています。自重は100.8tとなります。
写真の18号機は1998年11月に川崎重工で完成し、岡山機関区に新製配置されたものです。「ECO-POWER桃太郎」の愛称名を運転台側窓下に表示しています。この愛称は量産車の投入に際して公募で選定されたものです。

2023/08/25

西武鉄道30000系(30103F)

西武鉄道30000系は、「人にやさしく、みんなの笑顔を作り出す車両」をコンセプトとして、従来の車両設計にはとらわれない車両となりました。「生みたてのたまご」をモチーフとした通勤電車としては少々異色なデザインではありますが、内容的には6000系・20000系の延長線上にある車両ということができます。
車体はアルミ無塗装仕上げで、青と緑のグラデージョンを施しています。天井は中央をドーム形状の高天井とし、照明の反射によって奥行きを長く見せる意匠です。優先席のモケットはハートをイメージとし、吊手は「たまご」形の形状で、高さも従来から30mm下げられました。車内案内表示は15インチ液晶モニタを2台側扉上に設けています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR1820A、主電動機は出力165kWのHS-35234-15RB、補助電源装置はIGBT-SIVのMELSIV-ilです。台車はSS175M/SS175T、集電装置はPT7116B、列車情報管理装置S-TIMを装備しています。
写真の30103Fは2014年10月に日立製作所で完成したもので、30000系の8次車に相当します。仕様は7次車と同じです。ちなみに30000系は西武鉄道では特急車両を除いて唯一拡幅車体を採用しています。

2023/08/24

西武鉄道6000系(6156F)

6000系は地下鉄乗入れ用車両として1992年から98年にかけて250両(10両編成25本)が導入された車両で、西武初のオールステンレス車両で、6M4Tの10両固定編成。GTO-VVVFインバータ制御・ボルスタレス台車・列車情報装置など当時としては最新の仕様を取り入れました。
5次車から日立製作所による製作となり、車体はアルミ製に変更されました。アルミ製ですが、灰色に塗装しています。またステンレス車にあった側面のビードはなくなっています。5次車までは戸袋窓が設けられていましたが、現在では簡易的な工事ではありますが閉鎖されています。
更新後の制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のMAP-178-15V272、主電動機は出力170kWのMB-5160-A/MB-5161-A、補助電源装置はIGBT-SIVのNC-SAT150Aです。台車はSS150/SS050、集電装置はPT44S-A-M、冷房装置はCU722Aを装備しています。
写真の6156Fは1998年2月に日立製作所で完成したもので、6000系の6次車に相当します。6次車では戸袋窓を廃止しております。2008年10月に副都心線対応改造、2019年11月に武蔵丘車両検修場でVVVF更新工事、屋根・床修繕工事を完了しています。

2023/08/23

東急電鉄9020系(9021F)

東急田園都市線で30両(10両編成3本)が使用されていた2000系は、新型2020系の投入により捻出され、9020系15両(5両編成)3本に改番・組成変更されて大井町線に転用されました。大井町線には新形車両の投入計画がありますが、オリジナルの9000系の置換えが優先されるか、少数派の9020系の置換えが先行するかは現状では不明です。
車体は外観は9000系・1000系の延長線上に位置します。一見良く似ておりますが、凹凸部分の加工方法が変更されたり、分散型クーラーの配置が異なったりなどの差異があります。また現在では防犯カメラの増設やシートモケットが新形車両と同様のグリーンの色調になったりと変化が見られます。
2000系として新製された当初の制御装置はGTO-VVVFインバータのVF-HR-132、主電動機は出力170kWのTKM-92、補助電源装置はINV029-C0でした。台車はTS-1010・1011、集電装置はPT-44S-D-M、冷房装置はRPU-2214Cです。制御装置などは9020系への改造に伴い既に新形に換装されています。
写真の9021Fは、1992年3月に東急車輌で完成した2000系2101Fの先頭車2両に、2102Fから1両・1993年2月に東急車輌で完成した2103Fから2両の中間車を組み合わせたものです。2019年3月から9020系に改番され、営業運転を開始しました。

2023/08/22

東京都交通局6300形(6303編成)

東京都交通局6300形は、三田線の開業以来使用してきた6000形の代替を目的として導入された車両です。三田線としては25年ぶりのモデルチェンジ車両となりました。その間の乗客のニーズの高度化と多様化を反映して設計されています。
車体はステンレス製となり、先頭部はFRP成形の自由度を活かしてソフトな曲面構成とし、大形曲面ガラスを使用して運転席の視界改善を図りつつスピード感のある半流線形としました。また識別帯は三田線のラインカラーのブルーに赤色を加えたツートンカラーとなっています。
制御装置はGTO-VVVFインバータ制御のTINV-06、主電動機は出力180kWのTIM-6、補助電源装置はTSIV-6です。台車はT-6A/B、冷房装置は42.000kcal/hの能力を持つTCL-6B、車両制御情報管理装置TISを装備しています。
写真の6303編成は1993年6月に川崎重工で完成したもので、6300形の1次車に相当します。新形式の6500形が2022年度に8両編成13本投入されたため置換対象となり、2023年3月に廃車となりました。

2023/08/21

東京都交通局5500形(5519編成)

東京都交通局5500形は浅草線で使用している5300形の更新を目的として導入されたものです。丸みを帯びた5300形に比べると鋭角的な印象を受けます。新しい中にも歌舞伎の隈取りを意識したという江戸のテイストを盛り込んでいるのが特徴でしょう。
車体は軽量ステンレス構体を採用しています。客室設備についてはユニバーサルデザインの考えを多く取り入れています。座席幅は一人当たりの幅を475mm確保しています。江戸切子をモチーフにした模様入りガラスを採用した袖仕切りも個性的です。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のTINV-1B、主電動機は出力155kWのTIM-1B、補助電源装置はSIVのCDA173です。台車はT-1D/T-1E、集電装置はPT7180-A、例簿装置はTCL-1E、車両情報制御装置INTEROSを装備しています。
写真の5519編成は2020年11月に総合車両製作所で完成したものです。京浜急行線の品川ー羽田空港間では頻繁に見ることのできる電車ですが、京急蒲田から横浜よりでは乗入れ本数も少なく、それほど頻繁に走っているわけではありません。

2023/08/20

E657系(カツK3編成)

E657系特急形電車は、JR東日本が「スーパーひたち」「フレッシュひたち」で使用していた651系・E653系の代替を目的として導入したものです。フルアクティブサスペンションの導入を初めとした乗り心地の向上やバリアフリーへの対応、機器の二重化による故障の低減などを図っています。
車体はアルミ合金製のダブルスキン構体です。外観は651系の流れを継承しつつ進化をしたともいえるDynamic&Smoothをテーマとして曲面で構成したスタイルとなっています。グリーン車となる5号車に多目的室や車椅子対応の大型洋式便所などバリアフリーに関連する設備を設けています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のCI22、主電動機は出力140kWのMT75B、補助電源装置はIGBT-SIVのSC95です。電動台車はDT78、付随台車はTR263系、集電装置はシングルアーム式のPS37A、冷房装置は集中式のAU734を装備しています。また車体間ダンパと先頭車とグリーン車にフルアクティブサスペンションを装備しています。
写真のカツK3編成は2011年11月に近畿車両で完成したものです。2015年2月に座席表示システム改造、2016年1月に前面FRP強化工事を完了しています。E657系は2012年3月のダイヤ改正から営業運転を開始しました。上野東京ラインの開業により、有楽町で常磐線特急が走る姿を見ることができるというのも私には新鮮に感じられます。

2023/08/19

E233系5000番代(ケヨF52+552編成)

京葉線に投入されたE233系5000番代には、10両貫通編成20本の他、と4+6に分割可能編成も4本が製作されました。これは201系を使用していた誉田駅での分割・併合を行う列車に充当するためです。
側扉上に設けたVISによる車内案内表示は17インチ液晶ディスプレイの2画面タイプで広告コンテンツの更新にはWIMAX通信を使用しています。戸閉装置は1000番代と同様に3/4閉機能を装備しています。また分割可能編成のみ転落防止自動放送装置を設けています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC85A、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はIGBT-SIVのSC86Aです。台車はDT71系/TR255系、集電装置はPS33D、冷房装置はAU726、列車情報管理装置TIMSを装備しています。
写真のケヨF52+552編成は2011年2月に新津車両製作所で完成したものです。京葉線用E233系の識別帯はワインレッドとなっています。E233系5000番代の運用区間は、京葉線東京-蘇我・西船橋ー南船橋間、外房線千葉ー勝浦間、内房線蘇我ー上総湊間と東金線です。

2023/08/18

京浜急行電鉄600形(601編成)

京浜急行電鉄600形のトップナンバーである601編成は、補助電源装置を2023年7月に更新しました。営業運転への復帰後まもなくは自社線内のみでの運行となり、入れ替わるような形で長らく自社線内のみで使用していた1000形1001編成が浅草線方面への直通運用に入るようになりました。
600形の登場は1994年になります。既に30年を経過しているわけですから早いものです。当初は全席クロスシートで登場しました。当時は首都圏の外延化がまだ進んでおり三浦半島方面などからの長距離を利用する乗客へのサービスを意識したものだと想像しています。
主回路はGTO-VVVFインバータのRG627B-M、主電動機は出力120kWのTDK6160-A1、換装前のSIVはSVH-85-461A-Mです。台車はTH-600M・TH600T、冷房装置はCU71F-G2を装備しています。
601編成は1994年3月に東急車輌で完成しました。2007年12月にロングシート化、2009年8月に車体更新、2012年11月にトレインビジョンの設置が行われました。車体更新時にワイパーカバーを切り抜いた現行のスタイルとなっています。

2023/08/17

東急電鉄2020系(2124F)

東急田園都市線では2018年度から、2020系電車の導入により8500系の代替を再開しました。2020系はJR東日本のE235系と車両仕様を共通化し量産効果によるコストダウンを図りつつ、省エネルギー化・低騒音化を進め、沿線に調和したデザインを取り入れています。
車体はsustinaブランドによる軽量ステンレス製で、雨樋の露出がないために平滑で見栄えの良い印象を受けます。先頭形状は丸みの強い独特のデザインとなっています。客室内の配色は床下中央が明るい色調の木目調、両端が濃い木目調、座席はグリーン、化粧板はクリーム系となり明るい空間ができています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のMAP144-15V31A、主電動機は出力140kWのSEA-446、補助電源装置はIGBT-SIVのCDA175です。台車はTS-1041/TS-1042、集電装置はPT-7108-E、冷房装置はCU7080、車両情報制御システムINTEROSを装備しています。
写真の2124Fは、2018年6月に総合車両製作所新津事業所で完成したものです。長く田園都市線で活躍した8500系も8637Fを最後に2023年1月に現役を退きました。反面新鋭2020系も第一編成の2121Fは2017年12月と時の流れの早さも感じます。

2023/08/16

京浜急行電鉄1500形(1541編成)

京浜急行電鉄1500形は、1985年から86年にかけて製造された20両の鋼製車体・界磁チョッパ制御の車両が廃車となり、1000形による置換えの対象車両となっております。現在工場内で試運転が行われている1000形6連の最新編成は1501編成となる模様です。
現在使用されている1500形の車体はアルミ製ですが、800形の流れを組みつつもより、明るい車内となっています。更新により座席も片持ち式となり、暖色系の色調になっています。さすがに情報案内装置は3色によるスクロール式で、最新車両よりは古い装備です。
主回路換装後はIGBT-VVVFインバータのRG-694A-M、主電動機は出力155kWのTDK6162-A、補助電源装置はIGBT-SIVのSVH-85-461A-Mです。台車はTH-1500M・TH-1500T、冷房装置はCU71Eを装備しています。
写真の1541編成は、4両編成で1990年2月に東急車輌で完成しました。2005年12月に車体更新が行われました。2007年3月には8連だった旧1643編成から、1647.1646号を組み込んで6連化されました。2015年2月には1500形では最後に主回路を更新し、あわせて中間2両を電装解除しています。

2023/08/15

京成電鉄3000形(3013編成)

京成電鉄3000形は、環境への配慮や省エネルギー化、保守の簡略化、バリアフリー化をコンセプトとして、乗入れ線を含んだ全線で運用できる汎用車両として導入されたものです。6M2Tの8連と4M2Tの6連の2タイプがあります。
車体はステンレス製のブロック構体を採用して、部品点数や製作工程の低減を図っています。先頭部のみ普通鋼製で、それほど目立ちませんが非常用の貫通路も設けています。車内はすべてロングシートで、座席幅460mmの片持ち式座席を採用しています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のRG-681-A-M、主電動機は出力125kWのMB-5100-A/TDK6174-A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV153-A0です。台車はFS-564/FS-064、集電装置はPT-7131-B、冷房装置はCU718/RPU-11013を装備しています。
写真の3013編成は2004年11月に東急車輌で完成したもので、3000形の3次車に相当します。3000形は2021年4月現在で278両が在籍し、京成電鉄の車両の中では最多勢力となっております。

2023/08/14

相模鉄道20000系(20101F)

相模鉄道20000系は2017年度と2020年度の2次にわたり70両(10両編成7本)が導入されました。「相鉄・東急直通線」事業による東急線への直通車両として導入した車両で、「デザインブランドアッププロジェクト」による初の新製車両でもあります。
車体は前頭部も含めてアルミニウム製で、ダブルスキン方式としています。先頭形状は様々な工法を組み合わせることによって複雑な曲面を造形しています。客室内部はグレートーンでまとめられ、金属やガラスを多用して開放感のある空間をつくっています。また時間帯に応じてLED照明の色調も変化します。
制御装置はSiC素子を用いたVVVFインバータ制御で、補助電源装置はIGBT-SIVです。ブレーキ方式は回生ブレーキ併用電気指令方式としています。主電動機は出力190kWの誘導電動機です。台車はモノリンク式ボルスタレス台車SS184M/SS184Tを装備しています。
写真の20101Fは、2018年2月に日立製作所で完成したものです。2023年3月から東急線への乗入れを開始しています。東急線内で見るヨコハマネイビーブルーは新鮮味があります。東急線への乗入れ対応工事も行われ、編成番号を正面に掲示するようになっています。

2023/08/13

西武鉄道40000系(40152F)

西武鉄道では2016年度より40000系の導入を進めています。30000系に続く新型通勤車両で、2000系の老朽置換えに充当されています。アルミダブルスキン構体を採用した10両固定編成となっています。
40000系の50番代は座席がロングシートになっています。モケットを青色にしたバケットシートで背ずりが高く波形を描いているのが特徴です。側扉上にはS-TVSと呼ばれる17インチワイドLCDによる表示装置を設けています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSVF-102H/SVF-098E、主電動機は出力190kWのSEA-547A、補助電源装置はIGBT-SIVのMELSIV-Gです。台車はSS185M/SS185T、集電装置はPT7116-D、冷房装置はCU723A、列車情報管理装置S-TIMを装備しています。
写真の40152Fは2020年2月に川崎重工で完成したものです。2023年3月から「ムーミン」ラッピングトレインとして営業運転に就いております。西武鉄道と奧むさし飯能観光協会で展開しているそうです。

2023/08/12

E531系(カツK420編成)

E531系一般形交直流電車は、常磐線中距離電車で長年に渡って使用してきた403系・415系近郊形電車の置換えを目的として導入されたものです。基本編成が4M6Tの10連、付属編成は2M3Tの5連で編成を構成し、両側先頭車とも電気連結器を装備しています。
設計・仕様はE231系近郊タイプを基本としています。車体は軽量ステンレス製で識別帯は青色です。混雑緩和を目的として拡幅車体となっており、普通車はセミクロスシート車とロングシート車が混在しています。また側扉には半自動スイッチを備えております。当初は普通車のみでしたが、グリーン車を組み込みました。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のCI13主変換器/TM31主変圧器、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はIGBT-SIVのSC81です。台車はDT71/TR225系、集電装置はPS37、冷房装置はAU726、列車情報管理装置TIMSを装備しています。
写真のカツK420編成は、2006年9月に新津車両製作所で完成したものです。グリーン車は2007年2月に東急車輌で完成しました。E531系は2005年7月から常磐線で営業運転を開始しました。2015年3月のダイヤ改正で上野東京ラインが開業し、運転区間が品川まで延伸されました。

2023/08/11

京浜急行電鉄1500形(1707編成)

京浜急行1500形に1990年8月に省エネルギーや保守費用の更なる低減を目的として、制御装置にVVVFインバータ車を採用したマイナーチェンジ車が導入されました。車号は新たに1700番代が起こされています。
車体は軽量アルミ製となっており、新製当初から先頭車にスカートが設置されました。もっとも更新時に現行のものと換装されたので、厳密にはタイプの違うものでした。また1700番代の第二編成から腰掛にバケットシートが採用されました。
制御装置はGTO-VVVFインバータ制御のRG657B-M、主電動機は出力120kWのTDK6160-A、補助電源装置はGTO-SIVのSVH-85-461A-Mです。台車はTH-1500M/TH-1500Tを装備しています。また正面の行先表示は現在ではフルカラーLEDに換装されています。
写真の1707Fは1992年2月に東急車輛で完成したものです。1999年2月に3号車1921の浦賀寄り台車にレール塗油器を追設しました。現在も都営浅草線直通運転に活躍していますが、羽田空港ー逗子・葉山間のエアポート急行の運行に入る機会が増えているようです。

2023/08/10

東京地下鉄9000系(9104F)

9000系は1991年の南北線駒込ー赤羽岩淵間の開業に備えて導入された車両です。営団地下鉄(当時)としては初めてのVVVFインバータ制御車です。路線の延長や乗入れ区間の拡大などにより増備された車両では仕様の変更が行われました。
車体はアルミ製で、南北線では当初からホームドアを導入しており、ワンマン運転を行うためにATO装置などの機器の搭載場所が必要で乗務員室の奥行きが深いのが特徴です。大規模改修後の室内の配色は5次車に準じ、袖仕切りも大型化し17インチLCDによる案内表示器も装備しています。
更新後の制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のMAP-238-15V-293、主電動機は出力225kWのMM-HEI7、補助電源装置はSIVのNC-GAT240Bです。台車はSS122/SS022、集電装置はPT-4315S改、冷房装置はCU7619を装備しています。
写真の9104Fは9104.9804は1991年7月に完成した1次車、9204~9703は1996年2月に完成した2次車相当し、いずれも川崎重工で製造されたものです。1次車は駒込ー赤羽岩淵間の開業に際して投入されたもので4両編成でした。四ツ谷ー駒込間の延長に際して2次車が投入され6両編成に統一する際に編成の組換えが発生しています。2017年12月に大規模改修と制御装置更新を完了しています。

2023/08/09

E235系1000番代(クラF-07編成)

E235系1000番代は横須賀・総武快速線で使用しているE217系の置換えを目的として導入されたものです。山手線用のE235系を基本としていますが、座席や床のカラーが異なり袖仕切りの形状も変更されています。
E235系の特徴であるデジタルサイネージですが、1000番代では側扉上のディスプレイも21インチに大型化されています。側扉上にLCDディスプレイがある電車はかなり増えていますが、座席の上や車内貫通扉の上にまである車両はまだ珍しいのではないでしょうか。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のSC104A、主電動機は出力140kWのMT79、補助電源装置は待機二重系SIVのSC107Aです。台車はDT80/TR273系、集電装置はPS33H、冷房装置はAU737/AU742系、列車情報管理装置INTEROSを装備しています。
写真のクラF-07編成は2021年2月に総合車両製作所新津事業所(グリーン車のみ横浜事業所)で完成したものです。基本編成の東京寄り先頭車にも電気連結器を装備していますが、これは初期の編成のみの装備となっています。

2023/08/08

東京地下鉄18000系(18109F)

18000系は半蔵門線で約40年間使用してきた8000系190両(10両編成19本)の代替を目的として2021年に導入されたものです。半蔵門線では08系以来約18年ぶりの新型車両となります。設計工数低減のため有楽町・副都心線用17000系と共通化した部分もあります。
車体はアルミ合金によるダブルスキン構体を採用しています。袖仕切・荷棚・車内貫通路に強化ガラスを採用して見通しを良くしているのは近年の新型車両に共通する仕様です。実際に乗車してみると17000系の室内をパープル系の配色にしたという印象です。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のMAP-214-15V336、主電送機は出力205KWの永久磁石同期電動機、補助電源装置はSiC-SIVです。台車はFS-781形、集電装置はシングルアーム式パンタグラフ、車両制御情報管理装置TISを装備しています。
写真の18108Fは2022年8月に日立製作所で完成したものです。18000系は2021年8月に営業運転を開始しました。2025年度中に8000系の代替を完了する予定です。2023年度の増備車も入線しておりますので、計画通りに増備が進んでいるという印象です。

2023/08/07

東京地下鉄10000系(10119F)

10000系は2008年の副都心線の開業に向けて導入された車両です。副都心線のワンマン・ATO運転に対応しますが、有楽町線とも共用されています。快適性・使いやすさ・車体強度の向上、保守の省力化、火災対策の強化、コストダウンに重点をおいて設計されました。
車体はアルミ合金によるダブルスキン構体ですが、鍵穴風の標識灯などレトロ感もあるデザインになっています。客室はシートがブラウン系の配色でまとめられ、天井構造の工夫と貫通扉・荷棚に強化ガラスを採用したことによって開放感が実感できる空間が作られています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のMAP-178-15V150/MAP-178-15V137、主電動機は出力165kWのMM-111A2、補助電源装置はIGBT-SIVのINV154-D1/D2/D3です。台車はFS777/FS777T/FS777CT、集電装置はPT-7136F、冷房装置はHRB504-3/CU7610です。
写真の10119Fは2007年11月に日立製作所で完成したもので、10000系の2次車に相当します。2次車の仕様は1次車に準じますが、前面のゴールド帯が省略されています。またATO装置、3/4閉扉スイッチ、戸閉め弱め制御機能を搭載しています。また車内案内表示が2画面となりました。

2023/08/06

E233系3000番代(ヤマU230編成)

E233系3000番代はE231系近郊タイプの後継となる車両で、当初の2編成はE217系の捻出を目的として導入されましたが、2011年9月からは211系の代替として増備が行われました。田町車両センター、次いで高崎車両センターに新製配置されました。
車体は軽量ステンレス製で、識別帯は湘南色です。E233系では通勤タイプと前面デザインが同じで空気清浄器も装備しています。5両編成の付属編成は前橋・黒磯方の2両がセミクロスシートです。また併結する基本編成はE233系に限定せず、E231系とも併結されています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC98、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はIGBT-SIVのSC86Bです。台車はDT71系/TR255系、集電装置はPS33D、冷房装置はAU726を装備しています。
写真のU230編成は、2013年1月に新津車両製作所で完成したもので5両の付属編成です。新製配置は高崎車両センターでしたが、2015年3月のダイヤ改正で同区の車両配置がなくなったため、小山車両センターに転属しました。

2023/08/05

E231系1000番代(ヤマU584編成)

小山車両センターに所属しているE231系は、宇都宮・高崎線で使用されていた115系の置換えを目的として導入されたものです。E231系としては初の近郊タイプの車両となります。車両番号は耐寒耐雪構造のため1000番代を基本に、セミクロスシート車は2000を付加しています。
運転室構体にE217系と同様に衝撃吸収構造を採用したため、通勤タイプに比べて運転室が長くなり、側面に窓も設けています。また前照灯も視認性向上のため上部に設けています。宇都宮・高崎線用として導入されたE231系は当初普通車のみで編成されていました。現在ではグリーン車を組み込み、湘南新宿ライン・上野東京ラインに使用されています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC59A、主電動機は出力95kWのMT73、補助電源装置はIGBT-SIVのSC66です。台車はDT61G/TR246系、集電装置はPS33B、冷房装置は普通車がAU726・グリーン車がAU729、列車情報管理装置TIMSを装備しています。
写真のヤマU584編成は2006年2月に東急車輌で新製されたものです。小山車両センターのE231系は普通車のみの編成で新製され、2004年から2005年にかけてグリーン車を組み込みましたが、U584編成からU591編成は当初からグリーン車を組み込んでおります。

2023/08/04

東京都交通局6500形(6510編成)

都営三田線では、1993年から2000年にかけて導入された6300形6両編成を使用してきました。相互直通運転先である東急目黒線を含め沿線地域の開発が進んでいるため、混雑緩和を目的として8両編成化を行うことになりました。そこで環境の多様化に対応し、質の高いサービスを提供できる新形車両として導入されたのが6500形です。
外装のデザインは、先頭部も含めてシンプルな箱形とし、また行先表示器や前照灯に関しても視覚的なノイズとなる要素を極力抑えた造作となっています。客室設備もシンプルな造形でまとめられガラスを多用した見通しの良い空間になっています。また扉間の腰掛を6人掛けにしたことにより、余裕のあるレイアウトになっています。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のTINV-6B、主電動機は出力170kWのMB-5188-A、補助電源装置はTSIV-6Bです。台車はT-6C/T-6D、集電装置はPT7601-A、冷房装置はTCL-6F、車両情報制御装置TCMSを装備しています。
写真の6510編成は2022年6月に近畿車両で完成したものです。6500形1次車は104両(8両編成13本)が導入されました。6500形の投入により、6300形の1次車・2次車合計13編成が営業運転を退き、廃車となりました。

2023/08/03

東京都交通局6300形(6309編成)

東京都交通局6300形は、三田線の開業以来使用してきた6000形の代替を目的として導入された車両です。車両の冷房化と車内設備のグレードアップにより、乗客サービスの充実が図られました。
営団(当時)・東急との相互直通運転を行うため、車両の寸法・重量・運転性能や機器の配置や取扱いの共通化を図っています。車体はステンレス製となり、スピード感やハイテクイメージの演出が図られました。
制御装置はGTO-VVVFインバータ制御のTINV-06、主電動機は出力180kWのTIM-6、補助電源装置はTSIV-6です。台車はT-6A/B、冷房装置は42.000kcal/hの能力を持つTCL-6B、車両制御情報管理装置TISを装備しています。
写真の6309編成は1994年5月に川崎重工で完成したもので、6300形の2次車に相当します。仕様は1次車と共通ですが、スカートの形状を変更しています。6500形が2022年8月までに8両編成13本が新製されたため置換対象となり、2022年10月に廃車となりました。

2023/08/02

E217系(クラY-19編成)

E217系は横須賀線・総武快速線で使用されていた113系1000番代の後継車両として1994年から1999年にかけて745両が製作されたものです。E235系1000番代によって置換えが進んでおり、少しずつ数を減らしておりますが、まだ活躍する姿を見ることができます。
車体は軽量ステンレス製で、座席はロングシートを基本とし、一部にセミクロスシートを採用して遠距離輸送と観光輸送を考慮しました。グリーン車は朝夕ラッシュ時の座席確保を目的として二階建て構造を採用しました。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC88、主電動機は出力95kWのMT73、補助電源装置はIGBT-SIVのSC89です。台車はDT61B形/TR246系、集電装置はPS28A、冷房装置は普通車がAU720A・グリーン車がAU721を装備しています。
写真のクラY-19編成は1997年1月に川崎重工(1号車のみ1999年1月に川崎重工)で完成したものです。2012年6月に東京総合車両センターで機器更新工事を完了しました。2017年11月にホームドア対応工事を完了しています。

2023/08/01

東京都交通局5300形(5314編成)

都営浅草線の5300形電車は1991年3月の北総開発鉄道との相互直通運転開始を契機として導入された車両です。現在では第三世代となる5500形に置き換えられていますが、初代の5000形に比べると冷房もつき、スタイルも洗練されずいぶんと進化したように感じました。
車体はアルミ合金製で全面に塗装を施しており、かつ丸みを帯びたデザインになっています。前面のブラックマスクがアクセントとなっています。室内も形状的に柔らかな造作で、座席も乗り心地の良いバケット式のロングシートが採用されました。
制御装置はGTO-VVVFインバータのTINV-1、主電動機は出力165kWのTDK6115-A、補助電源装置はD-Dコンバータです。台車はボルスタ付空気ばね台車のKD302/KD302A、冷房装置はTCL-1Aを装備しています。
写真の5314編成は、1993年6月に日立製作所で完成したものです。5314編成までは、スカートが小型になっています。2021年5月に廃車となりました。かつては当たり前のように走っていた5300形も5320編成を最後に営業運転から退くことになっているでしょう。