2018/09/30

京浜急行新1000形(1489編成)

京急新1000形のうち、ステンレス車体の4両編成は、2008年から2011年にかけて11本が完成しました。2016年には正面デザインを変更した1800番台が登場しましたので、写真のタイプの4両編成は製造されないものと思われます。
車内は、細かな仕様変更がなされており、優先席の床の色調を区別するために瑠璃色のコルク模様にしたり、出入口には滑り止めの役目も果たす黄色いコルク模様の床材を採用しています。
ステンレス車体の4両編成は、全電動車編成となり、機器配置も見直されています。ステンレス車体となってから、側窓の一部が開閉可能となり、出入口と貫通仕切扉の化粧板は省略されています。
写真の1489編成は。2011年3月に川崎重工で完成したもので、新1000形の10次車に相当します。10次車では出入口上部に設けたトレインビジョンが2画面タイプとなりました。JR東日本のE233系など近年の通勤電車でよくみられる設備ですね。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

過去の記事から
京浜急行新1000形(1489編成)https://sanojiro.blogspot.com/2011/04/10001489.html

2018/09/29

京浜急行新1000形(1081編成)

京急新1000形の2007年以降に完成した車両は、アルミ合金製の車体をステンレス車体に変更しました。機器・車内レイアウトなども見直され、高性能・高品質とともにコストダウンを図っています。
ステンレス車体を採用しましたが、窓下のラッピング面積が比較的広くとられ、京急の電車というイメージを維持しています。また前面のワイパーカバーは廃止され、形式名の1000はステッカーにより表現されております。
車内は車端部のクロスシートをやめて、すべてロングシートとなりました。また先頭車のレイアウトの見直しにより、運転台に隣接した座席はなくなっています。主回路機器は、IGBT素子を採用したVVVFインバータ制御ですが、国産品に回帰しました。
写真の1081編成は、2008年1月に東急車輌で完成したものです。新1000形ステンレス車の8両編成は原則として東急車輌~総合車両製作所横浜事業所で製作され、主回路機器は三菱製となっています。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

2018/09/27

京浜急行新1000形(1025編成)

京浜急行の新1000形は、2003年に8両編成・4両編成ともそれぞれ2本ずつ合計24両が完成しました。これらは新1000形の2次車に相当します。4両編成については編成替えを考慮しない機器配置に改められました。
側窓は1次車に比べて上方向に20mm拡大し、扉間の窓は支柱を廃した大型1枚窓になりました。これで車体に対してガラスが平滑に見えますので、通勤電車としては非常に洗練された外観に感じられるようになりました。
1次車と同様に車端部の座席はクロスシートになっていますが、1次車から2100形と同じノルウェー製の腰掛を採用しています。客室側には補助いすも装備しています。また台車のTH-2100AM/ATも2100形のTH-2100M/Tから派生したものです。
写真の1025編成は、2003年5月に東急車輌で完成したものです。前面の表示器は新製当初は幕式でしたが、現在ではLED式に換装されています。高速シャッタースピードで撮影しても字がきちんと写るものです。
【撮影:佐野次郎 2018.2.12 屏風浦駅】

過去の記事から
京浜急行新1000形(1025編成) ※前面の表示器が幕式
https://sanojiro.blogspot.com/2012/02/10001025.html

2018/09/24

京浜急行2100形(2141編成)

京浜急行2100形は、1998年から2000年にかけて80両(8両編成10本)が製造された2扉・クロスシートの電車です。2000形の後継車両に相当し、外国製品を取り入れて新製コストの低減を図りました。
車体は軽量アルミ製で、前面デザインは600形を基本としています。車内は京急では初めて転換クロスシートを採用しました。車体更新工事により、車端部近くの側窓が開閉可能となり、出入口上部には液晶ディスプレイによる案内装置が設けられました。
主回路はシーメンス社のGTO素子のインバータ装置を採用しました。電動機を制御するための動作音が音階のように聞こえると話題でしたが、現在は国産の動作音の少ないIGBT素子の制御装置に換装されたため聞かれなくなりました。
写真の2141編成は、1999年4月に東急車輌で完成したもので、2100形の3次車に相当します。2014年2月に主回路を換装し、2017年3月に車体更新工事を完了しました。両工事とも2100形として最終の施工となりました。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

過去の記事から
京浜急行2100形〈2141編成〉 ※主回路換装・車体更新前

2018/09/23

京浜急行600形(654編成)

京浜急行600形の4次車では、4両編成6本が登場しました。快特や朝夕の特急の増結、また4両単独で普通に使用されました。実際に乗車しましたが、普通でのクロスシートの電車はすごく新鮮に感じました。
とはいうものの混雑の激しい首都圏で、クロスシートの一般車がすごくよいものかというと意見の分かれるところだと思います。一度座ってしまえば快適ですが、乗降はロングシートの方が便利ですし、混む時間帯は座れないことが多いです。
京浜急行では2100形が転換クロスシートを維持し、快特やウィング号に活躍しています。乗車時間の長い三浦半島への移動や、有料着席列車にはクロスシートが必要だと思いますが、3扉の600形のクロスシートは車端部に残るのみとなってしまいました。
写真の654編成は、1996年4月に川崎重工で完成したものです。2013年11月に車体更新を実施し、あわせて扉間のロングシート化を行いました。4連を2本つなげて、羽田空港ー新逗子間のエアポート急行にも使用されています。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

過去の記事から
京浜急行600形〈654編成〉※車体更新前

2018/09/22

京浜急行600形(608編成)

京浜急行600形88両の完成時期は、1994年から96年にかけてと1000形のような汎用車に比較すると短期間ですが、1996年に完成した4次車32両(8両編成1本・4両編成6本)では仕様に変化が見られます。
車内は4人掛と2人掛のクロスシートによる配置でしたが、腰掛は可動式をやめて固定式となりました。また腰掛の背ずり、座面とも新しい設計になりました。座席レイアウトの変更により、側窓の支柱の位置も調整されました。
主電動機の出力は120kWから180kWに強化され、電動車比率が6M2Tから4M4Tに下げられました。それに伴い制御機器も変更されています。また集電装置は従来の菱形パンタに代えて、シングルアーム式パンタグラフを採用しています。
写真の608編成は、1996年2月に東急車輌で完成したものです。2005年10月に扉間の座席をロングシート化し、2012年8月に車体更新を完了しています。近年前面の表示器がLED化されました。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

過去の記事から
京浜急行600形(608編成)※車体更新前

2018/09/19

京浜急行600形(603編成)

3扉・クロスシート・地下鉄乗入れという新しいカテゴリを開いた京急600形電車ですが、扉間ロングシート化・車体更新工事の施行により、現在では新1000形アルミ車に近い電車となっています。
車体で目立つのが、前面の「600」という形式名のワイパーカバーの打ち抜きです。これは新1000形アルミ車・2100形と同じデザインなので、3系列で京急の新型電車という共通イメージを打ち出しています。
また前面のスカートが換装されたのも、600形の更新前とは印象が異なる理由の一つです。その他車内には、近年の電車では標準装備に近い出入口上のディスプレイが設置されています。細かな仕様変更により、最新の電車に近い車内になっているといえそうです。
写真の603編成は、1995年3月に東急車輌で完成したもので600形の2次車に相当します。2007年3月に扉間の腰掛をロングシート化し、2010年7月に車体更新工事を完了しています。近年前面の表示器をLED化しています。
【撮影:佐野次郎 2017.5.3 京急田浦ー追浜間】

過去の記事から
京浜急行600形〈603編成〉 ※車体更新前
https://sanojiro.blogspot.com/2010/02/600603.html
京浜急行600形(603編成) ※車体更新後 前面表示器LED化前
https://sanojiro.blogspot.com/2012/05/600603.html

2018/09/15

京浜急行1500形(1713編成)

京浜急行1500形のうち、現在も8両編成を組んでいるのは、1992年から93年にかけて製造されたVVVFインバータ制御にマイナーチェンジされた1700番台の40両のみになっています。1990年8月に完成した1701編成は、2013年9月に廃車となりました。
VVVF制御に変更してはいますが、既に製造された界磁チョッパ制御の1500形とは併結運転が可能で、最高速度向上にも対応した設計とされました。そのため非常増圧ブレーキが当初から装備されました。
1500形の中では1700番台のみが、現在でも都営浅草線への直通運用に就いており、京成線・北総線にも乗り入れます。また近年では、エアポート急行にも使用されています。
写真の1713編成は、1992年2月に川崎重工で完成したものです。2007年7月には車体更新を完了しています。更新工事によって、車内の色調などは一新されています。前面の行先表示が近年LED式に更新されましたが、高速シャッタースピードで撮影しても文字がきちんと写ります。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

過去の記事から
京浜急行1500形(1713編成) 2012年の撮影 

京浜急行電鉄1500形(1701編成)

京浜急行1500形は、先代1000形に代わる汎用車両として1985年から93年にかけて合計166両が製造され、現在も快特から普通まで主力として活躍を続けていますが、1701編成だけが2013年9月に廃車となりました。
廃車の理由は2012年9月24日深夜に追浜ー京急田浦間で発生した土砂崩れに起因する脱線事故に遭い、大きく損傷したためです。大雨により線路内に土砂が堆積しており、非常ブレーキを使用しても間に合わなかったそうです。
1701編成は1990年8月に東急車輌・川崎重工で完成したもので、1500形で新製当初からVVVFインバータ制御を採用した最初の編成です。翌1991年には主回路に界磁チョッパ制御を用いた1549.1644.1650編成が製造されたあと、92年に1700番台の製造に移行し1707.1713編成、93年に1719.1725.1731編成が製造されました。
2006年には1700番台では初めて更新修繕を実施しました。2013年9月に廃車になりましたが、損傷の少なかった8号車であった1706号だけは廃車後も解体されず、金沢検車区で訓練用に保管されています。

2018/09/11

京浜急行1500形(1565編成)

京浜急行1500形は、現在158両が在籍していますが、編成両数別の内訳は28両(4両編成7本)、40両(8両編成5本)、90両(6両編成15本)となっており、6両編成が最多となっております。
京浜急行の新製車は1986年に製造された800形の最終増備車以降は、長らく4両、8両が中心で、6両編成は先代1000形の編成替えにより賄われました。先代1000形の廃車の進行により6両編成が不足することから、1500形の編成替えが行われました。
2006年から、主回路のVVVFインバータ制御への更新と合わせて編成替えが始まり、2013年8月から1600番台の電動車を1561以降の車両番号への改番も行われ、2016年6月に一連の改番、編成替えが完了しました。
写真の1565編成は、旧1607編成として1988年1月に川崎重工で完成したものです。当初は6連でしたが、1993年に4連となり、2003年1月に8連化されました。2010年3月に主回路をVVVFインバータ制御に換装するともに2両を1549編成に供出して6連となり、中間車2両を電装解除して1900番台に改番しました。2014年7月に1565編成に改番されました。
【撮影:佐野次郎 2018.4.30 南太田駅】

過去の記事から
京浜急行1500形〈1607編成〉8連時代
京浜急行1500形(1607編成)6連・VVVF化後
京浜急行1500形(1549編成)
京浜急行新1000形(1607編成)

2018/09/08

京浜急行800形(827編成)

京浜急行800形も現時点では5編成30両が残るのみとなり、2018年度の設備投資計画に盛り込まれた新1000形42両の増備により引退することになりそうです。4扉の800形の引退により、横浜など5つの主要駅でホームドアの整備が進められます。
800形は地下鉄には乗り入れず、京急線内でのみ使用されますので、前面に貫通路もありません。このような形式は今後は製造されず、1500形・新1000形の6両編成が普通列車の主力として活躍することでしょう。
また800形は単独で運転され、他形式とは併結運転を行わない形式でもあります。客室内に扇風機を備えているのも京急では800形が最後になりました。現在となっては珍しい装備ですね。
写真の827編成は、1986年8月に川崎重工で完成したものです。同時期に製造された826編成と同様に、当初から6両固定編成になっています。800形の最終増備車で2000形、1500形の仕様を一部盛り込んでいます。
【撮影:佐野次郎 2018.8.12 京急富岡ー杉田間】

過去の記事から
京浜急行800形〈801編成〉
京浜急行800形(805編成)
京浜急行800形(815編成)

2018/09/07

京浜急行800形(823編成)

京浜急行800形は、1978年から86年にかけて132両が製造されました。主に普通として使用することを目的として、低速から中速域での加減速性能を重視した性能を持っています。2011年から廃車が始まり、現時点で30両(6両編成5本)まで減少しています。
車体は普通鋼製で、出入口は四か所に設けています。乗降を円滑にするために多くした出入口ですが、現在では3扉車主体の京急においてホームドア導入の支障になるため、廃車が進む要因となっています。時代とともに車両に求められる要素も変わっていきます。
主回路は界磁チョッパ制御を採用し、余った電気を架線に戻せる回生ブレーキも使用可能になりました。運転台には、現代では主流のワンハンドルマスコンが採用されました。京急の電車としてはさまざまな新しい技術を取り入れた電車でもあります。
写真の823編成は、1981年4月に川崎重工で完成したものです。当初は3両編成でしたが、翌年の82年2月に同じ川崎重工で中間車3両が完成し、6両編成となりました。2016年11月から、窓周りアイボリーの製造当初の塗装を復元して営業運転に就いています。
【撮影:佐野次郎 2018.9.5 屏風浦駅】

2018/09/03

東京都交通局5300形(5301編成)

都営地下鉄浅草線の5300形電車は、1991年3月から京成線・京急線に加えて、北総開発鉄道への相互直通運転を開始することを契機に導入されたものです。冷房装置を搭載していなかった開業以来の5000形を代替し、サービス向上を図りました。
車体はアルミ製で、省エネを目的として軽量化されています。外観デザインは丸みを帯びた都会的かつ親しみやすいフォルムとされました。室内は「浅草」のイメージを表現し、柔らかな意匠となっています。
制御装置はVVVFインバータ制御を採用し、主電動機には容量165kWの誘導電動機を採用して保守の省力化と機器の小型・軽量化が図られています。行先表示は当初からLED式を採用していました。
写真の5301編成は、5300形のトップナンバーで1991年3月に日立製作所で完成したものです。後継となる5500形の投入に伴い、既に運用を離脱して2018年8月1日に総合車両製作所に回送されました。そのまま廃車となるものと思われます。
【撮影:佐野次郎 2013.4.14 四ツ木ー立石間】

2018/09/01

小田急電鉄1000形(1096F)

小田急電鉄1000形は、1987年度から93年にかけて196両が製造されました。2014年度から、製造から約25年を経過して老朽化が進んでいたことからリニューアル工事が開始されました。ワイドドア車36両を除く160両がリニューアルされる予定になっています。
客室については、座席幅の拡大、カラーリングなど大幅にデザインを変更しています。また行先、広告用として17インチワイド形の表示器を出入口の上に新設しました。冷房装置について8%能力が増強されているのは、昨今の酷暑への対応でしょうか。
主回路のVVVFインバータ装置に、フルSiC(シリコンカーバイド)パワーモジュールを採用したことにより、消費電力を従来の1000形から約32%削減すると同時に、機器の小型・軽量化を実現しています。行先表示は幕からフルカラーLEDに換装されました。
写真の1096Fは、2017年1月に4連の1052Fと6連の1252Fをリニューアルし、10両固定編成に改造したものです。1052Fは1987年12月に東急車輌、1252Fは1989年1月に日本車輌で完成したものです。10連化に伴い編成の中間となる運転台は撤去され、客室に改造されました。
【撮影:佐野次郎 2018.8.14 百合ヶ丘ー読売ランド前間】