2022/08/31

東急電鉄2020系(2130F)

2020系は2017年末から投入が始まり、増備が進行したことによって長らく田園都市線の主力として活躍してきた8500系も2023年1月で営業運転を終えることになります。5000系が18編成の投入にとどまった後を、2020系の増備が本格化したことで8500系の代替が完結します。2020系は2022年4月現在で290両(10両編成29本)が在籍しています。
客室全体をクリーム基調の色調としており、床中央部・袖仕切を淡い木目調、床両側・車内貫通扉を濃い木目調としています。また広告をデザイタルサイネージとして、扉間の座席上に17インチ表示器を3基設置しております。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のMAP144-15V31A、主電動機は出力140kWのSEA-446、補助電源装置はIGBT-SIVのCDA175です。台車はTS-1041/TS-1042、集電装置はPT-7108-E、冷房装置はCU7080、車両情報制御システムINTEROSを装備しています。
写真の2130Fは2019年10月に総合車両製作所で完成したものです。2022年9月まで、SDGsトレイン『美しい時代へ号』として走る予定です。SDGsを象徴する17のゴールのカラーを使ってキラキラと光が反射するようなモザイク模様をデザインしています。

2022/08/30

東京都交通局5300形(5307編成)

都営浅草線の5300形電車は1991年3月の北総開発鉄道との相互直通運転開始を契機として導入された車両です。開業以来使用していた5000形の後継となる車両で、冷房化により大きなサービス改善となりました。
車体はアルミ合金製で全面に塗装を施しており、かつ丸みを帯びたデザインになっています。腰掛はバケット式のロングシートです。またスクロール式案内表示器・車椅子スペースを備えています。
制御装置はGTO-VVVFインバータのTINV-1、主電動機は出力165kWのTDK6115-A、補助電源装置はD-Dコンバータです。台車はボルスタ付空気ばね台車のKD302/KD302A、冷房装置はTCL-1Aを装備しています。
写真の5307編成は、1992年6月に日本車輌で完成したものです。2019年11月に廃車となりました。後継となる5500形の増備も既に完了しており、216両(8両編成27本)が製造された5300形も5320編成1本を残すのみになっています。

2022/08/29

東京急行電鉄8590系(8693F)

みなとみらい線の開業にむけて、1988年に正面貫通扉を設けた制御電動車10両を新製して既存の8090系とあわせた90両を、6M2Tの8両編成である東横線の8590系5本と3M2Tの5両編成である大井町線の8090系10本に再編成しました。
しかし東横線への新形5050系電車の投入が進んだことにより、8590系は押し出され、大井町線と田園都市線に転用されました。大井町線には8090系10編成が長く活躍していましたので、あとを追うような形で8590系3編成が転用されてきました。
制御装置は界磁チョッパ制御のMMC-HTR-20F、主電動機は出力130kWのTKM-80、補助電源装置はGTO-SIVのINV029-B0です。台車はTS807B・TS-815D/E、集電装置はPT-7108B、冷房装置はRPU-2304C/HC・RPU-3016を装備しています。
写真の8693Fは1988年11月に先頭車2両が東急車輛で完成したものです。2006年8月から大井町線で運用されました。2013年7月に廃車となり、デハ8593・デハ8693の2両が富山地方鉄道に譲渡され、それぞれモハ17483・モハ17484となって2両編成で使用されています。

2022/08/28

東急電鉄1000系1500番代(1523F)

1000系のうち日比谷線直通用に使用していた64両(8両編成8本)から21両(3両編成7本)がリニューアル・ワンマン化のうえ1500番台に改番されましたが、池上線に3両編成で投入された1000N´と呼ばれるグループからも1500番代に編入される編成が現れています。
外観は7000系に準じた濃淡の緑色に金色を配した帯に三日月模様をアクセントとして戸袋部分に追加しています。客室内は壁面が木目、床面がグレー、シートモケットがグリーンの配色です。案内表示はLED式です。
制御装置・補助電源装置はSVF091-B0で、デュアルモードとして冗長性を高めています。主電動機は出力130kWのTKM-88です。台車はTS-1006/TS-1007、集電装置はPT-7108B、冷房装置はRPU-2219を装備しています。
写真の1523Fは、1993年3月に東急車輌で完成した1023Fを2020年2月に1500番代に改造したものです。他に1000N´からの1500番代化は2016年11月に1024F→1524Fに行われただけで急速な進展はいまのところないようです。

過去の記事から
東京急行電鉄1000系(1023F)
https://sanojiro.blogspot.com/2013/01/10001023.html
東京急行電鉄1000系1500番代(1524F)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/06/100015001524f.html

2022/08/27

E217系(クラY-102編成)

E217系は1994年12月のダイヤ改正で、30両(基本11両編成・付属4両編成各2本)が営業運転を開始しました。1999年11月までに745両が製造されましたが、現在では後継のE235系1000番代への置換えが進んでいます。
E217系は近郊形では初の4扉車となりました。付属編成は全車ロングシートとなっています。209系と同様に片持ち式の腰掛を採用し、ラッシュ時対策として中間ににぎり棒を設けています。側窓には熱線吸収ガラスを採用して、カーテンを省略しております。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC88、主電動機は出力95kWのMT73、補助電源装置はIGBT-SIVのSC89です。台車はDT61B/TR246B、集電装置はPS28A、冷房装置はAU720Aを装備しています。
写真のクラY102編成は1994年8月に川崎重工で完成したものです。E217系の1次車に相当し、F-52編成として5連に組み替えられて国府津車両センターに転属し、東海道線で使用されていたこともあります。2008年2月に東京総合車両センターで機器更新を完了しております。

2022/08/26

京浜急行電鉄1000形(1073編成)

京浜急行電鉄では2002年2月に登場した1000形の6次車でステンレス構体を初めて採用し、より高品質・高性能化とともにコスト低減を図りました。6M2Tの8両編成とし、赤と白のカラーフィルムをライン上に貼付しています。先頭部のワイパーカバーは廃止されました。
内装は引き続き明るい暖色系でまとめられ、内装板はアルミデコラ化粧板です。座席は妻部のクロスシートを廃止して、すべて片持ち式のロングシートを採用しております。バケットタイプで着席区分を明確化し、一人当たりの幅は455mmです。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のMAP-138-15V174、主電動機は出力155kWのMB-5121-A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV153-F0です。台車はTH-2100BM/TH-2100BT、集電装置はPT7117-A、冷房装置はCU71H-G1を装備しています。
写真の1073編成は2007年3月に東急車輌で完成したもので、前述の通り1000形の6次車に相当します。6次車から運転台と運転台座面がそれぞれ150mm高くなりました。また近年ホームドアの導入により、車体上部に車番シールを貼り付けています。

2022/08/25

西武鉄道2000系(2007F)

2000系は駅間距離が短く、平坦区間を走行する新宿線用として開発された車両です。西武鉄道では101系電車のように車体の長さが20mでドアが片側3か所という通勤電車を長く製造しており、20m・4扉の車両は401系(国鉄モハ63形)以来久々に導入されました。
西武では初めての直流複巻電動機・界磁チョッパ制御・電力回生ブレーキを装備した「省エネ電車」となりました。前面も長く続いた非貫通スタイルを脱して、正面に貫通扉を設けています。ちなみに戸袋窓は最初からついておりません。
制御装置は界磁チョッパ制御のMMV-HTR20D、主電動機は出力130kWの直流複巻電動機HS-835-Hrb/TDK-8030-A、補助電源装置はMG-117S(AS)です。台車はFS-372A/FS-072、集電装置はPT7116C-1を装備しています。
写真の2007Fは1977年7月に西武所沢車輌工場で完成したもので、2000系の1次車に相当します。1983年12月に8連化、2001年8月に更新修繕、2009年3月にシングルアーム式パンタグラフへの換装を完了しました。長きにわたり新宿線で活躍しましたが、2022年4月に廃車となりました。

2022/08/24

小田急電鉄5000形(5060F)

5000形は「より広く、より快適に」をコンセプトとして、従来の通勤車のイメージを一新する車両として設計されました。2019年度から導入が始まり、2022年5月現在で100両(10両編成10本)が在籍しています。
車体はステンレス製ですが、レーザー溶接などの新技術の採用により平滑な仕上がりです。幅2.900mm・裾絞り形状の車体は8000形以来久々に採用された規格で、これも広さを実感できる要素です。またホームドアの普及に対応して、側面の車番標記の位置を上げています。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のMAP-194-15V330、主電動機は出力190kWのMB-5157-A2、補助電源装置のINV207-E0です。台車はNS-102/NS-102T、集電装置はPT7113-B、冷房装置はCU7372、列車情報管理装置としてN-TIOSを装備しています。
写真の5060Fは2022年3月に川崎車両で完成したものです。去る3月のダイヤ改正で新宿ー新松田間の急行が町田ー新松田間の運転で6両編成の列車になった影響か、日中に5000形を見かける機会が気持ち減ったような気がします。 

2022/08/23

東京地下鉄13000系(13112F)

13000系は東京メトロ日比谷線で使用していた03系の置換えを目的として、2016年度から2020年度にかけて308両(7両編成44本)を導入したものです。ホームドアの導入を踏まえて、車体長20m車体の4扉車7両編成となりました。
アルミ製でダブルスキン構体を採用しています。室内は化粧板を白系統、妻部は淡い木目調、床面を紺色としています。腰掛は片持ち式で座席幅460mmのバケットシートを採用しています。側扉上部に設けた車内情報案内装置は17インチワイド3画面です。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のMAP-214-15V284/MAP-214-15V286、主電動機は出力205kWの永久磁石同期電動機MM-S5B、補助電源装置はSIVのNA-GAT-185Aです。台車はSC-103形操舵台車、集電装置はPT-7174A、冷房装置はCU7623、車両制御情報管理装置TISを装備しています。
写真の13112Fは2017年9月に近畿車両で完成したものです。相互直通運転先の東武鉄道の70000系と同時期に導入され、操作性と事故対応力の向上を目的として、主要装置と機器取り扱いの共通化に注力した車両でもあります。

2022/08/22

EF210形100番代(152号)

EF210形の100番代はスイッチング素子にIGBTを使用した1C1Mのシステムとなり、補助電源装置SIVのバックアップ用に主回路ののVVVFインバータ1台を充てています。そのためSIVの故障時にも一定電圧と周波数を保つことができシステムの冗長性を高めています。
ボルスタレス台車に方押式ユニットブレーキと空転・滑走を防止するための砂撒き装置としてセラミック粉末を少量噴射するセラジェットを装備しています。また軸箱支持方式は軸梁式としています。
EF210形の軸配置はB-B-B、総出力は3.390kWです。主回路は先述の通りIGBTを使用した1C1M、主電動機はFMT4×6、補助電源装置はSIVです。台車はFD7E/FD8、集電装置はFPS4Aを装備しています。
写真の152号機は2008年12月に三菱電機で完成し、新鶴見機関区に新製配置されたものです。EF210形100番代は1999年度から2010年度にかけて73両が製造され、岡山・新鶴見・吹田機関区に新製配置されました。

2022/08/21

小田急電鉄4000形(4065F)

4000形はバリアフリーの推進や居住性の向上、走行騒音の低減に加え、主要機器・回路の二重化による輸送障害の低減を意図して導入されたものです。三代目となる地下鉄千代田線乗入れ車でJR東日本のE233系をベースとして設計されています。
車体はE233系をベースとしたステンレス製で、車体幅は2.770mmで3000形に続いて裾絞りのないストレート車体となりました。先頭部は「く」の字形状で丸みを帯びたオリジナルのデザインで、前面と帯色にインペリアルブルーを採用しています。
制御装置はIPM-VVVFインバータ制御のMAP-198-15V172、主電動機は出力190kWのMB-5123-A、補助電源装置はIGBT-SIVのOE-SC86です。台車はTS-1033/TS-1034、集電装置はPT7113-B、冷房装置はCU720、列車情報管理システムTIOSを装備しています。
写真の4065Fは2012年12月に総合車両製作所横浜事業所で完成したもので、4000形の4次車に相当します。照明を調光機能付きのLEDとなり、また新製時から側扉上の車内案内表示装置が17インチワイド2画面となっています。

2022/08/20

小田急電鉄3000形(3083F)

3000形は代々木上原ー登戸間の複々線化完成や各停10両化の推進に伴い、製造年次の新しい6両編成・8両編成に新製中間車を増結して10両固定編成への編成組替が行われました。6両編成からは3090番代が5本、8両編成からは3080番代が7本組成されました。
新製された中間車は2006年度に製造された8次車に準拠し、車体の強度向上が図られています。また腰掛を区分するための握り棒の形状や、床の側扉付近を警戒色化するなど細部の改良も行われています。
制御装置はIPM-VVVFインバータ制御のMAP-198-15V115/MAP-198-15V116、主電動機は出力190kW全密閉外扇式のMB-5123-A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV146-E0です。台車はTS-1026/TS-1027、集電装置はPT7113-B、冷房装置はCU710、TIOSを装備しています。
写真の3083Fですが、まず8両が3663Fとして2005年12月に日本車両で完成しました。3663Fは3000形の6次車に相当します。増結用のデハ3433・サハ3383の2両が2019年2月に川崎重工で完成し、3663Fを編成組替・番号変更することで3083Fが組成されました。

2022/08/19

東京地下鉄10000系(10120F)

10000系は2008年の副都心線の開業に向けて導入された車両です。副都心線のワンマン・ATO運転に対応しますが、有楽町線とも共用されています。快適性・使いやすさ・車体強度の向上、保守の省力化、火災対策の強化、コストダウンに重点をおいて設計されました。
車体はアルミ合金によるダブルスキン構体ですが、鍵穴風の標識灯などレトロ感もあるデザインになっています。客室はシートがブラウン系の配色でまとめられ、天井構造の工夫と貫通扉・荷棚に強化ガラスを採用したことによって開放感が実感できる空間が作られています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のMAP-178-15V150/MAP-178-15V137、主電動機は出力165kWのMM-111A2、補助電源装置はIGBT-SIVのINV154-D1/2/3です。台車はFS777/FS777T/FS777CT、集電装置はPT-7136F、冷房装置はHRB504-3/CU7610です。
写真の10120Fは2007年12月に日立製作所で完成したもので、10000系の2次車に相当します。2次車では前面のゴールド帯が省略されています。新製当初からATO装置を搭載し、車内案内表示も2画面となりました。1次車とは異なり8両での運用には対応していません。

2022/08/18

東急電鉄5050系(5151F)

2022年に創立100周年を迎える東急グループでは、特別企画列車「東急グループ100周年トレイン」を運行しています。東急電鉄の7路線で各1編成を運行していますが、東横線では5050系の5151Fを充当しています。
「東急グループ100周年トレイン」には、東急グループのスローガンである「美しい時代へ」を念頭において「東急100周年 ロゴマーク」のデザインをモチーフにした車体ラッピングを施しています。
先頭部にはヘッドマークを掲示し、また車内には1922年の目黒蒲田電鉄創立から現在に至る歴史とそれに連なる今後の取り組みや、東急線を走ってきた歴代車両を紹介するポスターシリーズなどを掲載しています。
写真の5151Fは2004年4月に東急車輛で完成したもので、5050系のトップナンバーとなる編成です。5社直通によって多彩な車両が走る現在の東急東横線ですが、東急電鉄の車両については5000シリーズに統一されています。

2022/08/17

小田急電鉄3000形(3652F)

3000形の8両編成は3次車で登場しました。8両編成で4M4Tとし、制御装置は1C4M2群制御で、補助電源装置はIGBT-SIVを編成で2台搭載しました。8両編成は併結運転を行わないため、先頭車の電気連結器・ブレーキ読換装置・TIOS読換装置は装備しておりません。
その他の仕様は6両編成と同等で、台枠の内傾をなくして純粋なストレート形状の車体とし、スカートも奥行きのあるものに変更されています。列車情報管理システムTIOSを導入して、運転・サービス・保守など多様に活用しているのが2次車までとは大きく異なるところです。
制御装置はIPM-VVVFインバータ制御のMAP-198-15V115、主電動機は出力190kWのMB-5102-A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV146-E0です。台車はTS-1026/TS-1027、集電装置はPT7113-B、冷房装置はCU710、列車情報管理システムTIOSを装備しています。
写真の3652Fは2004年2月に日本車両で完成したもので、3000形の3次車に相当します。3000形の8両編成は、3659F~3665Fの7本が中間車2両を新製して10連に組み替え・3080番代に車番変更されたため、現在では3651F~3658Fの8本が在籍しています。

2022/08/16

E235系1000番代(クラJ-06編成)

E235系1000番代は横須賀・総武快速線で使用しているE217系の置換えのため製造が進められている車両です。山手線用のE235系を基本としていますが、近郊形タイプとなりますので、2階建てグリーン車を組み込んでいることやトイレの設備があることなどの相違点があります。
車体は軽量ステンレス製でsustina構体を採用しています。山手線用のE235系ではドア部にラインカラーの着色をしていましたが、ホームドア未整備の路線でのわかりやすさを考慮してE217系と同様にスカ色の識別帯を横方向に貼るようになっています。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のSC104A、主電動機は出力140kWのMT79、補助電源装置は待機二重系SIVのSC107Aです。台車はDT80/TR273系、集電装置はPS33H、冷房装置はAU737/AU742系、列車情報管理装置INTEROSを装備しています。
写真のクラJ-06編成は2021年1月に総合車両製作所新津事業所で完成したものです。E235系1000番代は最終的に745両(11両編成51本・4両編成46本)を導入する計画になっています。

2022/08/15

西武鉄道6000系(6114F)

西武鉄道6000系は、西武鉄道としては初めての10両固定編成で新製された車両です。ステンレス車体とVVVFインバータ制御による省エネ車両となっています。1992年から98年にかけて250両(10両編成25本)が製造されました。そのうち18編成を有楽町線との相互直通運転に使用し、7編成は西武線内専用として西武新宿線で使用していました。
2008年6月に開始した副都心線直通に備えて、23編成に対応工事が行われました。外観としては前面のFRP部分がシルバーから白色に変更され、識別は容易でした。また行先表示はフルカラーLEDに換装されました。空調に関しても乗務員による手動だけでなく、マイコンによる自動モードの導入により空調管理がより的確にできるようになりました。
列車情報管理装置(TIS)を導入し、情報の一元管理・冗長性の向上・配線の削減などを実現しています。副都心線での運転に必要な装備として、ATO装置・ワンマン運転用装備を追設しています。運転台についても、ワンハンドルマスコン・TISモニタの装備など一新されました。
写真の6114Fは1995年7月に東急車輌で完成したもので、6000形の4次車に相当します。2017年7月にVVVF更新工事を完了しています。2013年3月から東急東横線・みなとみらい線に直通運転を開始し、東横線でもよく見られる車両となっています。

2022/08/14

小田急電鉄3000形(3277F)

3000形は小田急の通勤車のなかで最大勢力を誇りますが、なかでも6両編成は27本と最多の編成数となっています。去る3月のダイヤ改正では小田原線の町田ー新松田間の急行運用が増えたり、江ノ島線の各停が藤沢で系統分割されたりと注目を集めます。
3000形の車体はストレート形状で、2次車からは戸袋窓がありません。3次車以降はスカートの形状が異なります。腰掛は片持ち式のバケットシートで、袖仕切りは大型のものを備えています。各側扉上にはLCD式の車内案内表示装置を装備しています。
制御装置はIPM-VVVFインバータ制御のMAP-198-15V115/MAP-198-15V116、主電動機は出力190kWのMB-5102-A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV146-E0です。台車はTS-1026/TS-1027、集電装置はPT7113-B、冷房装置はCU710、列車情報管理システムTIOSを装備しています。
写真の3277Fは2006年5月に日本車両で完成したもので、3000形の7次車に相当します。7次車では行先表示が正面・側面ともにフルカラードット式LEDに変更されました。また優先席の腰掛部分に握り棒が設けられました。

2022/08/13

東京地下鉄17000系(17187F)

有楽町線・副都市線では7000系180両(10両編成6本・副都心線のみ8両編成15本)を大規模改修のうえ、継続して使用してきましたが、より高品質な輸送サービスを提供することを目指して17000系に代替することになりました。
車体はアルミ合金によるダブルスキン構体です。運転台にはモニタ表示器3面を備えており、左が計器類、中央がTISモニタ、右が予備となります。室内の配色はモノトーンを基調としており、背ずりや吊手にラインカラーを用い、床と腰掛の座面は濃い色で構成しています。
制御装置はSiC素子適用VVVFインバータ制御のVFI-HR4420E、主電動機は出力205kWのMM-S5C、補助電源装置はSiC素子適用SIVのNC-GAT240Dです。台車はボルスタつきモノリンク台車FS781、集電装置はPT7174-B、冷房装置はCU7627を装備しています。
写真の17187Fは2021年10月に近畿車両で完成したものです。17000系は2022年5月に最終編成となる17195Fが営業運転を開始し、長期間使用した7000系の代替が完了しました。8両編成は後半の投入となり、2021年5月の搬入開始以来、ハイペースでの置換え完了となりました。

2022/08/12

E257系2000番代(オオNA10編成)

東海道線の特急「踊り子」に長らく使用していた185系の置換えには、中央本線の特急「あずさ」「かいじ」に使用されていたE257系特急形電車が充当されることになりました。あわせて「湘南ライナー」も特急「湘南」として運行されるようになりました。
車体のカラーを伊豆の空と海の色をイメージしたペニンシュラブルーを基調としたデザインに変更しています。座席モケットも同様にペニンシュラブルー基調に変更しました。また着席利用を円滑にするためE657系・E353系と同様の座席管理システムを導入しています。
制御装置はPWM-VVVFインバータ制御のSC119/SC118、主電動機は出力145kWのMT72A、補助電源装置は待機二重系SIVのSC120です。台車はDT64/TR249系、集電装置はPS36、冷房装置はAU302、車両情報制御システムTIMSを装備しています。
写真のオオNA10編成は、2002年6月に東急車輌で完成し、モトM113編成として松本車両センターに新製配置されたものです。2019年6月に長野総合車両センターで東海道線向けの転用改造と機器更新を完了し、大宮総合車両センターに転属しました。

2022/08/11

東急電鉄5000系(5101F)

東急電鉄5000系は、2002年度から2008年度にかけて導入されたものです。田園都市線に180両(10両編成18本)、東横線に32両(8両編成4本)が導入されました。環境対応・バリアフリー・標準化による導入コストの削減が特徴といえると思います。
5000系の車体は軽量ステンレス製で、先頭部はFRPとなっています。以前の車両よりも床の高さを40mm下げてホームとの段差を縮小しています。客室内は青系統の色調でまとめられ、片持式のバケットシートを採用しています。15インチ液晶モニタによる案内装置も設けました。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御で、補助電源装置はIGBT-SIVを採用しています。主電動機は190kWの誘導電動機です。台車はTS-1019A/TS-1020Aを装備しております。空調装置は52.500kcal/hの能力を持つ屋上集中式です。
写真の5101Fは2002年4月に東急車輌で完成したものです。5000系による8500系の置換えは当初の構想よりも少数に変更されたようで、現在2020系による置換えが進んでおります。長期間多くが活躍した田園都市線の8500系の活躍も最終章に近い状態です。

2022/08/10

小田急電鉄2000形(2054F)

2000形は1000形をベースとしながら最新技術の導入と軽量化・メンテナンスフリー化を促進した改良形式で、1994年度から2001年度に3次にわたって72両(8両編成9本)が製造されたものです。
車体は1000形と同じく幅2.860mmの裾絞り形状の軽量ステンレス製です。側扉の幅は1.600mmと広めにとってあります。腰掛は座面が深めのバケットシートを採用し、赤系統のモケットとなっています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のMAP-178-15V50、主電動機は出力175kWのMB-5061-A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV205-D0です。台車はSS143/SS043、集電装置はPT7113-B、冷房装置はCU195Eを装備しています。
写真の2054Fは2000年10月に東急車輛で完成したもので、2000形の3次車に相当します。3次車では側窓が遮光ガラスとなり、カーテンが省略されました。2054Fは2600形でVVVF制御・8両固定編成化された2668Fから捻出した制御装置・主電動機を転用しています。

2022/08/09

東武鉄道50070系(51077F)

50070系は東京地下鉄副都心線直通用の派生形式です。副都心線ではワンマン運転を行うため、ATOやワンマン運転用の設備が必要で運転台のレイアウトが変更されています。副都心線内にはホームドアを設置するため、停車時の位置関係から先頭車の車体長を50000系よりも130mmほど延長しています。
50000系列ではビード等突起のない無塗装のアルミ車体に、前頭部などにシャイニーオレンジをアクセントとして配しています。室内の配色は白をベースとして、床材をグレーのツートンカラーにしています。また座席は一人当たりの幅を460mmとした片持ち式のバケットシートです。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR2820F/VFI-HR1420L、主電動機は出力165kWのTM-03、補助電源装置はIGBT-SIVのINV146-G0です。台車はTRS-03M/TRS-03T、集電装置はPT-7112-A、冷房装置はRPU-15005、車両情報制御装置ATIを装備しています。
写真の51077Fは、2012年1月に日立製作所で完成したものです。2011年度に製造された51076F・51077Fでは車内案内表示を従来のLED式から17インチLCDに変更し、各扉上に設置しました。また50070系では多様な列車種別に対応するため新製当初から種別・行先表示をフルカラーLED式としています。

2022/08/08

東武鉄道50050系(51058F)

50050系は東上線用の50000系をベースとして、東京地下鉄半蔵門線・東急田園都市線との相互直通運転に使用する車両としたものです。50050系は5M5Tの10両固定編成で、中間に運転台のある30000系を地上線に転用し旧型車両を代替することになりました。
車体はアルミ合金製のダブルスキン構体とし、前頭部と車体側面にアクセントとしてシャイニーオレンジを配しています。腰掛は大型の袖仕切を設けたロングシートで、一人当たりの幅を460mmとしています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR2820F/VFI-HR1420L、主電動機は出力165kWのTM03、補助電源装置はIGBT-SIVのINV146-G0です。台車はTRS-03M/TRS-03T、集電装置はPT7112-A、冷房装置はRPU-15005を装備しています。
写真の51058Fは2006年12月に日立製作所で完成したものです。地下鉄乗入れ用の機器は地下鉄乗入れ運用から撤退した30000系から転用しました。側面の固定窓を簡易開閉式に改造しています。

2022/08/07

小田急電鉄1000形(1092F)

1000形は新製から25年を経過し、老朽化や他系列に比較して性能的な見劣りが目に付くようになってきました。ワイドドア車を除いた160両に対して、入念なリニューアルが計画されていましたが、その後の情勢の変化により対象とする車両が絞り込まれました。
リニューアル後も戸袋窓は存置されていますが、妻窓は廃止されました。また側窓は熱線吸収ガラスに交換されて、カーテンを廃止しました。室内の色調は森と風をイメージして変更され、化粧板や天井板などが交換されています。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のMAP-198-15V267/MAP-198-15V279、主電動機は出力190kWのMB-5057-A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV207-C0です。台車は新製当初と同じくFS534/FS034、集電装置はPT7113-B、冷房装置はCU195CA、列車情報管理システムTIOSを装備しています。
写真の1092Fは1992年11月に川崎重工で完成したものです。2022年2月に車体修理と機器更新を完了しました。1000形のリニューアルは本編成で完了し、次にリニューアルが行われるのは3000形となるとのことです。

2022/08/06

小田急電鉄1000形(1066F)

1000形は8000形の後継として1987年度から1992年度にかけて製造されたもので、小田急の通勤車では初めてステンレス車体となりました。新製から既に四半世紀を経過し、老朽化や体系列に比べて性能面での見劣りも目立ち始めてきたため、2014年度から4両編成を手始めに車体修理・機器更新が行われました。
更新に際して、行先表示を幕式からフルカラーLED式に換装し、客室内照明と前照灯をあわせてLEDに換装しています。側窓は熱線吸収ガラスに交換し、カーテンを廃止すると同時に、冷房装置の能力向上を図っています。また側扉上部には17インチLCD2画面による車内情報案内装置を設置しています。
制御装置はSiCーVVVFインバータ制御のMAP-198-15V267、主電動機は出力190kWのMB-5157-A、補助電源装置はIGBT-SIVのSVH210-4075Aです。台車はFS534/FS034、集電装置はPT7113-B、冷房装置はCU195CA、列車情報管理システムTIOSを装備しています。
写真の1066Fは1990年2月に日本車両で完成したもので、1000形の4次車に相当します。千代田線乗入れには未対応で製造されました。2014年11月に車体修理と機器更新を完了しています。またTASCを後日搭載しています。

2022/08/05

小田急電鉄1000形(1062F)

小田急の通勤電車といえば、アイボリーに青帯、前面スタイルは「小田急顔」というのは、今となっては昔の話で、いまではステンレス製の銀色の電車がほとんどとなっています。
小田急の通勤電車で初めてステンレス製の車体を採用したのが、1988年に登場した1000形です。各駅停車の8両編成化による輸送力増強と、営団地下鉄千代田線乗り入れ用の9000形の置換えを目的として導入された電車です。
1000形は最初に地上線専用の4連が登場し、各駅停車で走り始めました。1000形の窓配置は8000形と同じで、戸袋窓や妻窓も設けらています。車内の構成は、8000形の後期形に準じたものとなっております。
写真の1062Fは1989年11月に東急車輌で完成したもので、1000形の3次車に相当します。千代田線乗入れに対応した設備を持っていましたが、4000形の登場により地上線専用となりました。長期間営業運転から離れておりますが、5000形の増備により廃車となるものと思われます。

2022/08/04

211系(チタN1編成)

211系近郊形電車は、東海道線の111系の代替と東北・高崎線の輸送力増強を目的として1985年に導入されたものです。国鉄では113系・115系が長期間に渡って増備されたため、久しぶりの新型近郊形電車となりました。また国鉄改革を色濃く反映した形式ともいえます。
車体は軽量ステンレス製で、車体幅は2.950mmとしました。業務用スペースを見直して、客室スペースを拡げています。腰掛は新規設計となり、クロスシート・ロングシートともにバケットシートタイプとし、座り心地の改善を図りました。
制御方式は直並列組み合わせ抵抗制御、界磁添加励磁制御、回生ブレーキ付きで、主制御器はCS57A、主電動機は出力120kWのMT61です。台車はDT50B/TR235B/TR69、冷房装置はAU75G/AU713を装備しています。
写真のチタN1編成は1985年12月に東急車輌で完成したものです。グリーン車は二階建てグリーン車サロ124・サロ125からの改造車に差し替えています。2014年4月に6両が秋田総合車両センターで転用改造を受けてナノN601編成として中央本線・篠ノ井線に転用されました。転用対象外の車両は2012年8月に廃車となりました。

2022/08/03

小田急電鉄8000形(8053F)

8000形は1982年度から1987年度にかけて7次にわたって160両(6両編成・4両編成各16本)が製造されたもので、小田急の通勤車では唯一の普通鋼製の車両となっています。従ってケープアイボリーとロイヤルブルー帯の標準カラーを保つ車両でもあります。
腰掛はセミバケット化され、握り棒によって区分されています。側窓がUVカットガラスに換装され、カーテンを廃止しています。ドットLEDスクロール式の車内案内表示装置を千鳥状に配置しています。
制御装置はIPM-VVVFインバータ制御のMAP-198-15V115A、主電動機は出力190kWのMB-5123-A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV095-H1です。台車はFS516B/FS016、集電装置はPT7113-B、冷房装置はCU195Aを装備しております。
写真の8053Fは1984年5月に東急車輌で完成したもので、8000形の3次車に相当します。2010年12月に車体修理と機器更新を完了しております。8000形の車体修理・機器更新は2002年度から2013年度の長期間に渡って行われました。

2022/08/02

E217系(クラY-101編成)

E217系は113系の代替として1994年から1999年までに745両が製作されました。209系通勤型電車の近郊形バージョンともいえる形式といえます。現在E235系1000番代への置換えが進行中です。
車体は軽量ステンレス製で、車体幅は211系と同じく2.950mmとしています。近郊型の普通車としては初めて4扉構造を採用しました。腰掛はロングシートを基本として、一部にセミクロスシートを採用しています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC88、主電動機は出力95kWのMT73、補助電源装置はIGBT-SIVのSC89です。台車はDT61B/TR246B、集電装置はPS28A、冷房装置はAU720Aを装備しています。
写真のクラY101編成は1994年8月に東急車輌で完成したものです。2010年4月に東京総合車両センターで機器更新を完了しています。機器更新に際して識別帯の色調が従来よりも若干明るいものに変更されました。

2022/08/01

京浜急行電鉄1000形(1892編成)

2000形と800形が引退し、撮影する楽しみが少々薄れたように感じていた京浜急行ですが、増備の続く1000形は大小の変化を伴いながら製造・更新が行われており、20次車である1890番代2編成が新たな仕様で登場しました。
2021年5月6日から平日の「モーニング・ウィング3号」では、三浦海岸ー金沢文庫間を1890番代4連で走り、金沢文庫で2100形8両編成を増結して12両編成で品川に向かうという新しい運行形態が見られるようになりました。
日中は羽田空港ー逗子・葉山間のエアポート急行で他の1000形4連と組み合わせて8両編成で走っています。相方となる4連はアルミ車・ステンレス車の両方が使われます。今後は貸切列車への充当などで新たな展開が見られることでしょう。
写真の1892編成は、2021年3月に総合車両製作所横浜事業所で完成したものです。2021年度の鉄道事業設備投資計画では21次車として1890番台12両(4両編成3本)の増備が行われ、1500形の代替が行われました。