211系近郊形電車は、東海道線の111系の代替と東北・高崎線の輸送力増強を目的として1985年に導入されたものです。国鉄では113系・115系が長期間に渡って増備されたため、久しぶりの新型近郊形電車となりました。また国鉄改革を色濃く反映した形式ともいえます。
車体は軽量ステンレス製で、車体幅は2.950mmとしました。業務用スペースを見直して、客室スペースを拡げています。腰掛は新規設計となり、クロスシート・ロングシートともにバケットシートタイプとし、座り心地の改善を図りました。
制御方式は直並列組み合わせ抵抗制御、界磁添加励磁制御、回生ブレーキ付きで、主制御器はCS57A、主電動機は出力120kWのMT61です。台車はDT50B/TR235B/TR69、冷房装置はAU75G/AU713を装備しています。
写真のチタN1編成は1985年12月に東急車輌で完成したものです。グリーン車は二階建てグリーン車サロ124・サロ125からの改造車に差し替えています。2014年4月に6両が秋田総合車両センターで転用改造を受けてナノN601編成として中央本線・篠ノ井線に転用されました。転用対象外の車両は2012年8月に廃車となりました。