2021/11/29

京浜急行電鉄2100形(2149編成)

京浜急行2100形は、1998年から2000年にかけて80両(8両編成10本)が導入されたものです。2000形の後継車両に相当し、将来のスピードアップにも対応できる性能とされました。海外製品の導入も特徴の一つでした。
2100形の車体はアルミ製で、前面デザインは600形と同じです。側扉は片側二か所とし、腰掛は転換クロスシートを採用しました。車体更新工事によって室内照明もLED化され、車内案内情報装置も17インチLCDに変更されています。
新製当初はシーメンス製の制御システムSIBAS32を導入し、音階を奏でるインバータ装置として有名でしたが、現在では東洋電機製のIGBT-VVVFインバータ装置に換装され、主電動機も東洋電機製に交換されています。
写真の2149編成は、1999年5月に東急車輌で完成したもので、2100形の3次車に相当します。2011年8月に主回路機器をシーメンス製から東洋電機製に交換しています。2014年8月に車体更新工事を完了しています。

過去の記事から
京浜急行2100形(2149編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/10/21002149.html

2021/11/28

相模鉄道21000系(21103F)

相模鉄道21000系は、既存の20000系と同様に東急線直通に充当するために導入された車両です。20000系は東横線への直通を想定していますが、21000系は目黒線への直通に充当されるものです。
21000系は8両編成になったこと以外は、外観は20000系とほぼ変わりません。強いて言えば非常用のドアコックのうち一か所が車体中央部の床下に設置されていることで、これは東急目黒線の3020系などと同じになっているそうです。
客室内についても20000系の2次車と同じ仕様になっています。最近の電車でよく見るLCDの表示器は21.5インチと大形になっています。直通運転に必要な一部機器は現時点では準備工事に止めており、後日本装備となるとのことです。
写真の21103Fは、2021年9月に日立製作所で完成したものです。21000系は2021年度の設備投資計画で32両(8両編成4本)が導入されることになっています。21000系が揃うまでは8両編成が不足するため、8両編成を所定とする運用の一部に10両編成も入ります。

2021/11/27

小田急電鉄3000形(3095F)

小田急電鉄3000形では、複々線化工事の完成や一部各停の10両編成化によって10両固定編成の所要数が増加したことから、3000形の6両編成と8両編成に新製した中間車を増結することで10両固定編成を組成しています。
既存車と新造車の経年差を少なくするため、最後に新製された編成から逆順に対象を選択しております。6両編成からの10連化の場合、新造された中間車は電動車と付随車の2両ずつで5M5Tとなります。また番号は1000形の10両固定編成に準じて3090番台が付番されました。
新造中間車は3000形の8次車を基本としており、車体強度を高めた構体が採用されています。室内には立席用のつかみ棒が曲線状になっているなどの変更点もあります。反面併結運転がなくなるため電気連結器やブレーキ読換装置・TIOS読換装置などを撤去しています。
写真の3095Fは、2006年6月に6両編成として日本車両で完成した3000形の7次車3279Fに、2011年10月に日本車両で完成した中間車4両を組み込み・6両に番号変更を行ったものです。2021年4月現在で3090番台は50両(10両編成5本)が在籍しています。

過去の記事から
小田急3000形(3092F)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/08/30003292f.html
小田急3000形(3093F)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/08/30003093f.html

2021/11/24

小田急電鉄1000形(1096F)

小田急電鉄1000形の1096Fが、東京オリンピック・パラリンピックの記念ラッピングをして営業運転に就いておりました。アイボリーを地色としていたので、1000形にはよく似合っていたように思います。
小田急のラッピング電車といえば、「小田急 F-Train」の記憶があります。2011年に川崎市多摩区にオープンした「藤子・F・不二雄ミュージアム」の開館を記念して、3000形の3093Fに装飾を施したものでした。
オリンピックとリンクして鉄道路線の新規開業こそありませんでしたが、営々とした設備投資の積み重ねにより、首都圏の通勤電車網は前回開催時に比べて質量ともに大幅に充実したということはいえると思います。
写真の1096Fは、2017年1月に4連の1052Fと6連の1252Fをリニューアルし、10両固定編成に改造したものです。1052Fは1987年12月に東急車輌、1252Fは1989年1月に日本車輌で完成したものです。10連化に伴い編成の中間となる運転台は撤去され、客室に改造されました。

過去の記事から

2021/11/23

東京地下鉄17000系(17104F)

東京メトロ17000系は、有楽町線に使用する車両ということで考えますと7000系・07系・10000系に続いて4世代目となります。50年持つ車両を標榜して導入された7000系も大規模な改修を施しているとはいえ、さらなる輸送サービスの改善を目指して17000系に置き換えられることになりました。
車体は10000系と同様ダブルスキンのアルミ合金製ですが、レトロな味わいもあった10000系よりも更に現代的なイメージです。ホームドアの普及もあってか、路線カラーの識別帯を側面中央部だけではなくて上部にもつけています。車体の肩部に表記した車いすとベビーカーのピクトグラムも東京メトロの最新型ならではです。
MAP-214-15V335形VVVFインバータ装置もフルSic素子を用いた最新型のものです。装置箱も小型軽量化されています。ブレーキ装置も車両制御情報管理装置を用いて、回生ブレーキの有効性を高めて省エネルギー化を図っています。情報技術の活用が進んでいるさまもうかかがえます。
写真の17104Fは、2021年2月に日立製作所で完成したものです。17000系は10両編成は予定の6編成を既に充足し、現在は8両編成の増備を進めています。2022年度中には増備が完了し、7000系が全廃となる予定です。

過去の記事から
東京地下鉄7000系(7113F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/08/70007113f.html
東京メトロ東西線07系(07103F)
https://sanojiro.blogspot.com/2019/09/0707103f.html
有楽町・副都心線10000系(10101F)

2021/11/21

小田急電鉄8000形(8252F)

1982年度から87年度にかけて7次にわたり160両が導入された小田急電鉄8000形電車ですが、2020年度になって18両(6両編成3本)の廃車が発生しています。これは5000形40両(10両編成4本)の導入によるものです。
廃車となったのは、製造当初の界磁チョッパ制御のまま残っていた8251Fと8255F、踏切事故により損傷した8264Fの3本です。2020年度には1000形26両もあわせて廃車となっています。
8000形としていえば、1982年に新車として鉄道ファン誌に取り上げられていたのを記憶しています。国鉄のキハ37系と同じ号で、特集内容はEF64形1000番台だったように思います。いまは現物が手元にないのではっきりとはしないのですが。
写真の8252Fは1983年2月に川崎重工で完成したもので、8000形の1次車に相当します。2006年3月に車体更新と機器更新を完了しています。5000形の導入による廃車は1000形の更新未施工車が優先されているのが現況です。

過去の記事から
小田急8000形(8251F)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/12/80008251f.html
小田急8000形〈8255F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/10/80008255f.html

2021/11/20

東急電鉄5050系(5167F)

東急東横線では、2004年度から5050系を導入し、8000系・8590系・9000系の置換えを行いました。長らく主力として活躍した8000系に比較して、電力消費量・騒音・振動を大幅に低減しています。五社による相互直通とあわせて東横線も大きく変貌したと思います。
5050系の基本構造は田園都市線用の5000系・目黒線用の5080系と共通で、軽量ステンレス製の車体です。先頭部だけがFRPでできています。東横線のラインカラーは桜色としています。これは5050系で初めて導入されたカラーです。客室は暖色系の配色でまとめられています。
5050系の制御方式は、IGBT-VVVFインバータ方式で、出力190kWの誘導電動機を装備しています。台車はTS-1019A/TS-1020Aを装備しております。主電動機と台車は3000系以降同じものとしています。集電装置はシングルアーム式で8両編成で4台を搭載しています。
写真の5167Fは、2007年12月に東急車輌で完成したものです。窓周りは艶消し仕上げ、スカートは初期型、TIP(客室内に設けられたモニタ)は15インチと初期型に近い中でも、ドア内側の化粧板はありと仕様に変更された点もあります。

2021/11/19

小田急電鉄30000形(30054F+30254F)

小田急電鉄30000形は2021年4月現在で70両(6両編成・4両編成7本ずつ)が在籍し、小田急の特急車両では最多勢力となっています。従来からターゲットとしていた観光需要だけではなく、通勤需要にも適応した車両として設計がまとめられました。
車体長20mでボギー車構造を採用したため、10両編成では588名の定員を確保しています。置換えの対象となった3100形の定員は456名でした。6両編成と4両編成で分割することが可能で、中間となる車両には自動幌装置を装備し、運転台から操作されます。
腰掛のシートピッチは1.000mmを確保しています。リニューアルに際して、照明をLEDに変更した他、ゆったりトイレと呼ばれる大型の手洗いも導入されています。元々の設計がバリアフリーにも親和性があったといえると思います。
写真の30054F+30254Fは1997年5月に日本車両で完成したもので、30000形の2次車に相当します。2019年5月に日本車両でリニューアルと機器更新を完了しています。小田急ロマンスカーの新しい領域を確立した形式として活躍を続けるものと思われます。

過去の記事から
小田急電鉄30000形(30051F+30251F)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/09/3000030051f.html
小田急電鉄30000形(30052F+30252F)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/08/3000030052f30252f.html
小田急電鉄30000形(30053F+30253F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/11/3000030053f30253f.html
小田急電鉄30000形(30055F+30255F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/08/3000030055f30255f.html
小田急電鉄30000形(30056F+30256F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/08/3000030056f30256f.html
小田急電鉄30000形(30057F+30257F)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/08/3000030057f30257f.html

2021/11/17

東急電鉄5050系4000番台(4106F)

東急東横線の5050系4000番台は、2013年の東京メトロ副都市線との相互乗入れ開始に備えて2011年度から導入されたものです。東横線としては初の10両編成の車両ですが、既存の5050系8連と区別するために4000番台の車番が与えられました。
副都心線内で行われるワンマン運転対応機器や、副都心線を介して相互直通運転を行うことになる西武・東武線への乗入れに対応するための一体型ATS-P/S保安装置などを新製当初から備えております。
東急東横線も、東急・横浜高速・東京地下鉄・西武・東武と五社の車両が走り、バラエティーに富んだ構成になっておりますが、運用の調整や各社の車両すべてに対応する乗務員の苦労など舞台裏がどうなっているのかも興味深いところです。
写真の4106Fは2012年3月に東急車輌で完成したものです。10両すべてが新製車両となっております。また車体の窓周りは光沢仕上げ、先頭車のスカートは強化型を装備していることなど5050系の中でも後期グループの仕様になっています。

2021/11/16

203系(マト51編成)

203系電車は1971年から常磐緩行線と千代田線の相互乗入れに使用していた103系1000番台の代替を目的として1982年から1986年にかけて170両(10両編成17本)が製造されました。抵抗制御の103系ではトンネル内での温度上昇の影響が大きいための代替でした。
203系の車体は軽量化を目的としてアルミ合金製となりました。前面はやや傾斜をもたせたデザインです。客室設備は201系に準拠したものとなりました。腰掛のモケットは茶色で中央のみ薄いオレンジ色として着席区分を示しています。新製当初よりAU75G冷房装置も搭載しました。
主回路は201系を基本としたサイリスタチョッパ制御で、機器の小型軽量化が図られています。また地下鉄線内での運転条件を考慮して回生ブレーキの使用範囲を広げています。主電動機は出力150kWのMT60、台車はDT46A・TR234を装備しています。
写真のマト51編成は1982年8月に川崎重工で完成したものです。常磐線の我孫子ー取手間の複々線化により1編成の増備が必要になった際に導入された量産先行車的位置づけの編成となります。側面の車両標記が番号板になっていたのが特徴でした。2011年6月に廃車となりました。

2021/11/15

東京地下鉄10000系(10108F)

東京地下鉄10000系は2008年の副都心線開業にあわせて導入されたものです。2006年から2009年度にかけて360両(10両編成36本)が増備されました。副都心線と有楽町線で共用する車両でもあります。
車体はアルミ製のダブルスキン構体としています。先頭車は貫通路を中央に配したラウンド形としています。副都心線でのワンマン運転に対応するため、運転台などに搭載する機器も多くなっています。車内はガラス通路の採用で見通しが良いのが特徴で、15インチLCDの案内表示装置も備えています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御を採用しました。主電動機は出力165kWの誘導電動機です。補助電源装置はSIVを採用し、台車はモノリンク式ボルスタレス台車FS777を装備しています。
写真の10108Fは2007年5月に日立製作所で完成したもので、10000系の2次車に相当します。2次車では新製当初からATO装置を本装備とし、前面のゴールド帯は省略されています。相互乗入れ先の東急東横線では特急に充当されているのを見る機会が多いです。 

2021/11/14

東京都交通局5500形(5521編成)

都営浅草線の5500形は、5300形を代替するもので「浅草線リニューアル・プロジェクト」の一環として導入されたものです。歌舞伎の隈取をモチーフにした外観デザインは、穏健な5300形とはまた違った印象があります。
5500形の車体は、軽量ステンレス製となっております。座席は片持ち式のロングシートで1人あたりの幅を475mm確保しています。袖仕切りのガラスは江戸切子をモチーフにした模様が入れられています。また防犯カメラやLED照明も新製当初から取り入れています。
制御方式はフルSiCーVVVFインバータ制御を採用しています。列車情報管理制御装置INTEROSを備え、ブレーキなど運転台からの指令もINTEROSを介して、各機器に伝達されます。台車はボルスタ付き空気バネ台車TS-842/TS-843を装備しています。
写真の5521編成は、2020年12月に総合車両製作所横浜事業所で完成したものです。京急線への乗入れについては、羽田空港方面がほとんどを占めておりますが、わずかに逗子・葉山などに乗り入れる運用があります。

過去の記事から
浅草線5300形(5301編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/09/53005301.html

2021/11/13

東京地下鉄15000系(15103F)

東京メトロ東西線で使用されている15000系電車は、05系初期車の代替を目的として導入されたものです。東西線の朝ラッシュ時の慢性的な遅延に対応するため、1.800mm幅のワイドドアを採用し、駅での停車時間の短縮を図っているのが最大の特徴です。
車体はアルミ製ですが、車間貫通路は有楽町線・副都心線用10000系のような透明のものでなく従来のスタイルになっています。化粧板は明るめのグレーになっています。車内案内情報装置は17インチワイドの液晶画面を備えております。
10両編成で5M5Tとなっています。制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御で、主電動機は出力225kWの誘導電動機です。台車はモノリンク式ボルスタ付台車FS-778を装備しています。冷房装置や補助電源装置については10000系に準拠しています。
写真の15103Fは2010年7月に日立製作所で完成したものです。15000系は2021年4月現在で160両(10両編成16本)が在籍し、05系のワイドドア車とあわせて朝のラッシュ時に優先的に使用されています。

2021/11/12

小田急電鉄30000形(30053F+30253F)

小田急電鉄30000形は、3100形の代替を目的として1995年度から1999年度にかけて3次に渡って70両(6両編成・4両編成7本ずつ)が導入されたものです。新製から20年を経過したため2016年度からリニューアルが進められており、車体・客室内部・機器類など全般について、快適性や環境に配慮した改善が進められています。
30000形の車体は普通鋼製で、屋根・床材にはステンレス鋼を用いています。展望室こそありませんが、側窓が大きく連続しているため採光には優れています。リニューアルによって、腰掛はブルー・ベージュ系のツートンカラーとし照明をLEDに変更しています。客室内は広く快適なものといえるでしょう。
リニューアルにより制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御から最新のSic-VVVFインバータ制御に更新し、主電動機も出力150kWの誘導電動機に換装しています。台車はモノリンク式軸箱支持方式のボルスタレス台車SS146/SS146A/SS046を装備しています。電動車比率の変更によりSS046付属台車からSS146A電動台車への変更が発生しています。
写真の30053F+30253Fは1997年4月に日本車両で完成したもので、30000形の2次車に相当します。2021年2月に日本車両でリニューアルと機器更新を完了しています。リニューアル後はEXEαという愛称となり、塗装も変更されています。

2021/11/10

相模鉄道11000系(11004F)

相模鉄道では「そうにゃんトレイン」を運行しています。2014年から毎年デザインを替えて運行を継続しています。現行の「そうにゃんトレイン」は八代目となります。新作の絵本をモチーフにしていることのことです。
「そうにゃんトレイン」に充当されているのは11000系で、11003Fと11004Fを1年ごとに交互に使用しています。子供は喜ぶと思いますが、日常の通勤で利用している人にも心が和らぐ効果があればよいと思います。
車体の前面と側面、車内の壁面に「そうにゃん」のラッピングを施しています。「そうにゃんつり革」「そうにゃん柄の座席シート」も七代目そうにゃんトレインから継承して引き続いて使用しているとのことです。
写真の11004Fは、2011年5月に東急車輌で完成したものです。2009年度以来の増備でしたが、仕様の変更はありませんでした。11000系はJR東日本のE233系を基本としている車両ですが、JR線直通には12000系が充当されることになり相鉄線内で運行されています。

過去の記事から
相模鉄道11000系(11003F)五代目そうにゃんトレイン
https://sanojiro.blogspot.com/2018/07/1100011003f.html
相模鉄道11000系(11004F)四代目そうにゃんトレイン
https://sanojiro.blogspot.com/2017/06/1100011004f.html

2021/11/08

東京急行電鉄5050系(5172F)

東急東横線の主力となっている5050系ですが、歴代の東横線の車両の中ではダントツのカッコよさだと思っています。やや流線形の前面デザインと中間車の2丁パンタグラフからスピード感や力強さを感じます。
直線的なデザインで実用本位の8000系や9000系の印象が強いからそう思うのかもしれません。反面やや丸みを帯びた8090系・8590系は目立つ存在でありました。5050系もE231系と親戚筋にあたる電車でもありますが、外観から受ける印象はかなり異なります。
2013年の副都心線との直通運転開始後は、東京地下鉄・西武・東武から乗入れてくる車両で一挙にバラエティーに富みますが、その直前は少数の9000系の他は横浜高速鉄道のY500系も含めて、ほぼ5000系シリーズに統一されていました。
写真の5172Fは2010年10月に東急車輌で完成したものです。撮影した時点では東横線は8両編成に統一されていましたので、副都心線との相互乗入れで10両編成が入ってくるようになってから掲示されるようになった8carsのステッカーはありませんでした。

2021/11/07

東武鉄道50000系(51008F)

2003年に半蔵門線が押上まで開業したことにより、東武伊勢崎線もあわせて東急田園都市線に乗り入れることになりました。東武では1997年から製作された30000系が充当されたのですが、6両+4両で10両編成を構成しているので、中間に運転台が入ることにより混雑時における運用には難点があったようです。
そのため2005年から50050系が導入され、180両(10両編成18本)が揃えられましたが、30000系も2編成だけが半蔵門線直通運用に残っていました。いよいよその2編成も東上線に転用されることになったのですが、50050系を新造するのではなく東上線で使用されていた50000系を転用するという手法が取られました。
50000系は使用目的に応じて、50050系・50070系・50090系という派生形式があるのですが、共通仕様はそのままで、使用目的に応じたカスタマイズをしているので、上記のような転用が可能となりました。
写真の51008Fは、2010年6月に日立製作所で完成したものです。2019年12月に南栗橋車両管区に転属して、半蔵門線・田園都市線直通用になりました。30000系の31606F+31406Fが入れ替わりに森林公園検修区に転属して東上線に転用されました。転用に際して中間運転台を撤去して10両固定編成となっています。

過去の記事から
東上線50000系(51008F)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/05/5000051008f.html
伊勢崎線・日光線30000系〈31606F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/08/3000031606f.html

2021/11/06

小田急電鉄8000形(8253F)

小田急電鉄8000形は、1982年度から87年度にかけて160両(6両編成・4両編成16本ずつ)が製造されました。省エネルギー化や長寿命化を意図して設計されたのが功を奏して、現在でも十二分に活躍しています。
車体は普通鋼製ですが、防蝕性外板やステンレス鋼を部分的に用いたり、シーリングなどの工夫により長寿命化が図られました。客室内は、寒色系の色調でまとめられていました。またラインデリアを取り入れて天井はフラットになっています。
制御装置は界磁チョッパ制御で、出力140kWの直流複巻電動機を制御します。回生ブレーキを使用することで省エネルギー化を図っています。台車はアルストムリンク軸箱支持式の空気バネ台車を装備しました。
写真の8253Fは、1983年4月に川崎重工で完成したもので、8000系の1次車に相当します。2005年11月に車体修理・機器更新を行い、制御装置はIPM-VVVFインバータ制御に変更され、主電動機も出力190kWの誘導電動機に換装しています。そのため6両編成で4M2Tから3M3Tへと電動車比率を下げています。

2021/11/05

EF64形(16号)

EF64形電気機関車は奧羽本線福島ー米沢間の板谷峠越えに使用されていたEF16形の置換えを目的として、1964年に導入されました。次いで中央本線・篠ノ井線に投入され、1976年までに79両が増備されました。奧羽本線用に福島機関区に配置された12両も1968年10月のダイヤ改正で交流電化へ切り換えられたため中央(西)本線に転用されました。
EF64形は軸配置B-B-B、重量96tのF形機関車で、直流電化勾配線の標準機となるべく開発されたものです。主回路構成などはEF62・63形を基本に一部を改良し、碓氷峠の66.7‰という急勾配区間用の設備を省略し、車体軽量化や積雪・降雪対策が施されました。
駆動装置は釣掛式で、高速性能を重視しています。台車は両端台車がDT120A形、中間台車がDT121A形を装備しています。部品はEF60・62形とできるだけ共通化されました。また旅客列車牽引用にEG(電気暖房装置)を備えています。また重連運転も可能とされました。
写真の16号機は1966年4月に東芝府中工場で完成し、甲府機関区に新製配置されたものです。JR貨物に継承され、最終配置は塩尻機関区篠ノ井派出でした。2005年3月に廃車となりました。

過去の記事から
碓氷峠鉄道文化むらEF6254
https://sanojiro.blogspot.com/2009/08/ef6254.html

2021/11/03

東武鉄道9000系(9103F)

私にとって東武鉄道の通勤電車といえば、私鉄版103系と呼ばれた8000系の印象が強いです。ほぼ同じ外観で大量に増備され、同じ車体に更新された5000系もありました。後年はその8000系も6050系に準じた前面形状に改修され、印象が一変しました。
近年は50000系・60000系・70000系とそれぞれ違うカラーで新型車両が導入されましたが、東武の場合は会社単位というより、路線別に個性を持たせるということでカラーを統一するという考えはないようです。
8000系全盛の中で異色をはなったのが、地下鉄乗入れ用の9000系でした。1981年に試作車の9101Fが導入され、所要最低限の増備を年次をかけて行ったので、少数派の形式でありながらバリエーションがあるという8000系とは毛色の違う車両となりました。
写真の9103Fは1987年6月に東急車輌で完成したものです。2007年3月にリニューアルを行い、ATOの装備など多岐に渡る、副都心線乗入れ対応が行われました。この9000系が製造されていた頃には、東急東横線で見ることができるとは思いもしませんでした。

2021/11/01

小田急電鉄3000形(3254F)

小田急電鉄3000形は在来車の置換えを進めるために、環境負荷軽減やバリアフリー化の推進、サービスレベルの向上を目指して導入された車両です。2000形以来7年ぶりの新型車両の導入となりました。3000形では2600形以来の裾を絞った拡幅車体をやめ、前面貫通路もなくしています。床面高さは1.120mmとなり、従来の車両よりもホームとの段差を30mm少なくしています。側窓は1段下降式の1連窓とし、戸袋窓も設けられています。
制御装置はIPM-VVVFインバーター制御を採用しております。パンタグラフに保守性に優れたシングルアーム式を新製当初から採用しました。また台車は小田急では初めてとなる軸梁式台車TS-1026を装備しました。車輪も防音タイプとしています。
写真の3254Fは2002年2月に日本車両で完成したもので、3000形の1次車に相当します。1次車から2次車までは、前面の青帯がロイヤルブルーの太帯で営業運転に就いていましたが、現在では3次車以降と同様の細帯に変更されています。