2022/02/28

E233系7000番代(ハエ110編成)

E233系7000番代は、埼京線で使用されていた205系の置換えを目的として2013年3月から12月にかけて310両(10両編成31本)、2019年1月から6月にかけて相鉄線乗入れを目的として70両(10両編成8本)が製造されたものです。
帯色は205系と同じ緑15号で、座席モケットも緑色系統としています。車内にはVISを備えていますが、コンテンツの更新にWiMAXを活用しています。新製当初からLED室内灯を採用し、蛍光灯と比べて約40%の消費電力を削減しています。
制御装置はVVVFインバータ制御のSC85A、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はIGBT-SIVのSC91です。集電装置はシングルアーム式のPS33D、台車はDT71A/TR255A、冷房装置は50.000kcal/hの能力を持つAU726系を装備しています。
写真のハエ110編成は2013年7月に新津車両製作所で完成したものです。2015年10月にATACS(無線式列車制御システム)対応改造、2019年6月に相鉄線乗入れ対応工事を完了しています。

2022/02/27

相模鉄道21000系(21102F)

相模鉄道の車両もここ数年ですっかりと様変わりをした感があります。「相鉄・JR直通線」「相鉄・東急直通線」という二つの都心直通プロジェクトを進めることで新しいステージに進むことの表れだと思います。
7000系は比較的ゆっくりと退いた感がありますが、新7000系はあっというまに置き換わった気がします。最大勢力であった8000系も初期の車両の廃車が進み、12編成から6編成に半減しました。
代わって勢力を伸ばしたのが、「相鉄・JR直通線」向けの12000系と「相鉄・東急直通線」向けの20000系・21000系です。東急目黒線に直通するといわれている21000系が最新で2021年度に32両(8両編成4本)が導入されました。
写真の21102Fは、2021年7月に日立製作所で完成したものです。2021年9月に営業運転を開始しましたが、第一編成の21101Fは東急・都営三田線など直通路線に貸し出されたため、21102Fが21000系では最初に営業運転入りした編成となりました。

2022/02/26

京浜急行電鉄1000形(1033編成)

京浜急行電鉄では2001年度から1000形を導入し、既に21次車まで増備が継続しています。途中で、アルミ車体からステンレス車体への変更や、最新の車両ではクロス/ロング可変座席の採用など大小の仕様変更を行っておりますが、初期の車両については車体修理と機器更新が始まっています。
車体修理によって側窓も開閉可能なように改造されています。2次車では仕切りのない大型1枚窓になっていましたが、改造によって印象は変わりました。しかし安全には換えられません。先頭部に「けいきゅん」マークが追加されたのは2100形と同様で、これで車体修理済であることがすぐにわかります。
制御装置は新製時はGTO-VVVFインバータ制御で、海外製品で音階を奏でるように聞こえるとして知られておりました。機器更新で国内製品に換装され、起動音の顕著な特徴はなくなっています。また車内も更新により袖仕切りの形状が変わったり、表示装置が大形になったりと仕様が新しくなっています。
写真の1033編成は、2003年6月に川崎重工で完成したもので1000形の2次車に相当します。2021年11月に車体修理と機器更新を完了しました。音階を奏でるインバータ装置を持つ電車としては最後の存在になっていました。

過去の記事から
京浜急行1000形(1033編成) 更新前
https://sanojiro.blogspot.com/2011/10/10001033.html

2022/02/25

東京都交通局5300形(5327編成)

都営地下鉄浅草線の5300形電車は、京急・京成との間で実施していた相互乗入れを北総線に拡大することを契機として、冷房化によるサービス改善と5000形の代替を目的として導入されたものです。1991年から98年にかけて7次に渡って216両(8両編成27本)が製造されました。
車体はアルミ合金製で丸みを帯びたデザインとなりました。明るいイメージを持たせるためにホワイトを基調とした塗装を施しています。座席は乗り心地の改善を目的としてバケット式のロングシートが採用されました。またスクロール式案内表示器・車椅子スペースを備えています。
制御装置はGTO-VVVFインバータ制御のTINV-1を採用し、補助電源装置はD-Dコンバータ、ブレーキ装置は電空併用電気指令式電磁ブレーキ方式でした。台車はボルスタ付空気バネ台車KD-302/KD-302A、冷房装置は42.000kcal/hの能力を持つ集中式TCL-1Aを装備しています。
写真の5327編成は1998年3月にに近畿車両で完成したもので、5300形の7次車に相当します。都営車による京急快特120km/h運転に備え、主電動機の出力を165kWから180kWに増強し、制御装置は三田線用の6300形1・2次車と同じものを搭載していました。2019年8月に廃車となりました。

2022/02/24

205系(ケヨM62編成)

武蔵野線には1991年に40両(8両編成5本)が新製投入されました。京葉線に直通運転を行うため、線路条件を考慮して8両編成で6M2Tとしています。保安装置はATS-P、ATS-B、ATS-SNを装備しました。
先頭車の前面形状は京葉線向けと同様ですが、FRP部分は銀色になっています。また運行番号表示器はマグサイン式です。識別帯はオレンジ色とぶどう色2号、白を組み合わせたものとなりました。京葉線・武蔵野線向け新製車、相模線用500番台が独自の前面形状となりました。
205系の武蔵野線への新製投入は40両で終了し、以降も103系が主力として継続使用されました。山手線を中心とする他線からの転用により、205系で車種統一されたのは2005年12月となりました。
写真のM62編成は1991年10月に川崎重工で完成したものです。2019年8月に廃車となりました。2020年10月に武蔵野線での205系の営業運転は終了し、現在は209系500番台とE231系が使用されています。

過去の記事から
209系500番台〈ケヨM71編成〉
https://sanojiro.blogspot.com/2011/01/209500m71.html
E231系0番台(ケヨMU12編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2020/07/e2310mu12.html

2022/02/23

E235系1000番代(クラF-02編成)

E235系1000番代は、横須賀・総武快速線で使用されているE217系の置換えを目的として導入されたものです。山手線に導入されたE235系をベースとして、二階建てグリーン車を組み込んだ車両です。横須賀・総武快速線用の車両では初めて普通車の腰掛がロングシートに統一されました。
E235系1000番代の車体は、軽量ステンレス製です。山手線用のE235系ではドア部に着色していますが、ホームドア未整備駅での視認性を考慮し、E217系と同様のカラー帯を採用しています。普通車の腰掛は袖仕切りが大きくなったのが特徴です。また防犯カメラも新製当初から搭載しています。
制御装置はSiC素子適用VVVFインバータ制御で、補助電源装置はIGBT-SIVです。主電動機は出力140kWの誘導電動機MT79形を装備しています。車両情報制御システムは最新型のINTEROSを採用しております。非常走行用電源装置を装備したことも特筆されます。
写真のクラF-02編成は、2020年7月に総合車両製作所新津事業所で完成したものです。E235系1000番代の増備は、11両の基本編成・4両の基本編成13本まででいったん中断し、E131系の増備が優先されていますが、遠からず増備が再開されるものと推測されます。

2022/02/22

日新 NDD5601

根岸駅では、1日中タンク車の姿が絶えることはありません。ENEOS株式会社根岸製油所に隣接しており、広大な専用線があるからです。専用線の入換のために3両のディーゼル機関車が活躍しています。
日新という企業が物流業務の一環として専用線内の入換作業を担当しているようです。3両あるディーゼル機関車のうちNDD5601.5602という薄緑色の機関車をよく見かけます。キャブが後位寄りにありますので、国鉄のDE10形を連想しますが、軸配置はB-Bです。
根岸製油所の一部の施設を整理したりと事業の再構築を進めているようです。今後もタンク車が現在のように大量に使用されるかどうか、数十年先にはどのようになっているかわかりませんが、大きく姿を変えていると想像しています。
根岸線の建設当初は、当面は貨物輸送を行うが、ゆくゆくは運びきれなくなるので貨物線は臨海部の路線に移すことを考えていたようです。神奈川臨港鉄道本牧線と高島貨物線をつなぐイメージだったと思いますが、山下公園付近の貨物線のほうが先に廃止されてしましました。

2022/02/21

日新 D504

根岸線の根岸駅は、ENEOS株式会社根岸製油所に隣接しており、貨物輸送を大掛かりに行っているために大量のタンク車を見ることができます。入換用としてディーゼル機関車も稼働しています。
入換用のディーゼル機関車は本線に出ることはなく、株式会社日新が物流業務の一環として管理しているようです。写真の青いD504と、薄緑色のNDD5601.5602の3両がタンク車の入換に活躍しています。
根岸駅ではその他にも神奈川臨海鉄道本牧線のDD55形を見ることもできます。こちらはタンク車ではなくコンテナ車をJR貨物からリレーして横浜本牧駅まで運ぶのが主な役目です。地下鉄の新車などの甲種輸送も行っていますので、注目も集めます。
残念なのは磯子駅に専用線があり貨物を取り扱っていたころに写真を撮っておかなかったことです。ロッド式の台車を持つディーゼル機関車が活躍していました。1985年4月に廃車となった神奈川臨海鉄道のDD45 1です。根岸線のホームから容易に撮影できたはずでした。

2022/02/20

京浜急行電鉄1000形(1893編成)

京浜急行1000形は2021年度に21次車として12両(4両編成3本)が導入されます。2020年度の20次車で初めて登場した転換座席を備えた20次車と共通の仕様で、2021年度からは1500形の代替が始まります。
車体はサスティナ構体を採用しており、全面塗装を施していても平滑で鋼製車やアルミ車のように見えます。座席はロングシートとクロスシートを変換できるものです。運転台の隣には非常に小さい窓を設けているのも特徴です。
主電動機とVVVFインバータ制御装置は20次車から新たに設計されたものです。機器配置も、VVVFインバータ制御装置を中間の付随車に装備するなど新しい構成になっています。集電装置も付随車に装備されています。
写真の1893編成は、2021年11月に総合車両製作所で完成したものです。座席指定列車であるウィング号やイベント列車のほか、エアポート急行にも使用されています。変化を重ねながら増備が続く1000形ですが、1890番代車は新形式にしてもよいくらいの変貌ぶりです。

2022/02/19

EF210形900番代(901号)

EF210形直流電気機関車は、JR貨物がEF65形の代替を目的として導入したものです。列車の密度が高いために貨物列車の増発が困難となっている東海道線で輸送力の増強を図るために、26両編成のコンテナ列車(1.300t)を牽引できる機関車として設計されました。
車体は箱型両運転台方式で、外板は腐蝕防止を図るため耐候性鋼板を使用しております。屋根は機器の着脱の便を図るため、2分割で取り外し可能な構造としています。軸配置はB-B-Bで、1時間定格出力が3.390kW、30分定格出力3.540kWの出力を持っています。
制御方式はGTO-VVVFインバータ制御で、主電動機はFMT3を6機搭載しています。ブレーキ方式は電気指令式空気ブレーキです。台車は両端にFD5・中間にFD6、集電装置はPS22を装備しています。
写真の901号機は1996年3月に三菱電機・川崎重工で完成したもので、EF210形の試作機に相当します。1996年6月から新鶴見機関区を基地として東海道線で試験を行いました。1997年8月に岡山機関区に転属しました。2005年3月に量産化改造が行われ、主電動機もFMT4に換装されています。

2022/02/18

小田急電鉄50000形(50002F)

小田急電鉄50000形「VSE」が2022年3月のダイヤ改正で定期運用を退き、イベント用に転用されたあとで2023年秋には引退するという発表に接し、非常に残念だと感じています。背景には小田急の特急の体質の変化と、VSEの先進性がゆえの早期退役があるように思います。
小田急の特急といえば、箱根への観光輸送の輸送がもともとは大きかったと思いますが、近年は着席通勤「走る休憩室」的な役割が増してきていました。そのためいわゆる連接構造のロマンスカーも編成数を減らし、30000形や60000形などマルチユースの車両が増えています。
50000形は乗り心地の改善と高速性能の充実を図るため、さまざまな新技術を取り入れています。床下機器もカバーで覆っていますので機器の艤装も独特のものでしょう。堅実な反面、新味の少なかった7000形は長期にわたって使用できた反面、50000形は改修を断念することになったと思われます。
写真の50002Fは、2005年2月に日本車両で完成したものです。早期の引退は残念ですが、箱根特急のテコ入れという導入意図は十分果たしたと思います。インバウンドでの観光需要の好調が持続していれば、改修しての継続使用やGSEの増備による代替もありえたと思います。

2022/02/16

小田急電鉄50000形(50001F)

小田急電鉄50000形は最新技術を積極的に導入することによって最高の乗り心地と快適性の実現を目指し、2004年度に20両(10両編成2本)が導入されたものです。また箱根方面への観光輸送に特化したフラッグシップとしての役割を担うものです。
車体はアルミ合金のダブルスキン構造で10車体11台車の連接車となっています。側扉は小田急では初採用のプラグドアです。側窓は天地方向には小さく見えますが、横方向の眺望の拡がりを重視しています。そのため間柱を少なくしています。客室内は編成全体をひとつの連続した空間という考え方でデザインされ、明るさと温かみを演出しています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御、補助電源装置はIGBT-SIVです。主電動機は出力135kWの誘導電動機を装備します。台車はボルスタレス式ですが、高位置に空気バネを備えた特殊なものです。また車体傾斜制御を備え、ブレーキの制御もTIOSを介して行われます。
写真の50001Fは、2004年12月に日本車両で完成したものです。50000形は2022年3月で定期運用から撤退し、イベント用に転用した後2023年秋に引退することが発表されました。早期引退の理由は機器更新が困難なためとのことですが、特急らしい風格のある車両であるだけに残念に思います。

2022/02/15

205系(ナハ40編成)

205系は国鉄の厳しい財政事情を反映して、初期投資額を抑えるために制御機器に界磁添加励磁方式を採用するなど、様々な工夫を施して1985年に第一陣が山手線に導入されたものです。山手線に集中的に投入され、JR東日本への移行後も増備が続き投入路線も増えました。
車体は軽量ステンレス車体を新たに導入しながらもデザイン的には201系の流れを汲んでおり、正面のブラックマスクを継承しつつ、前照灯を腰部に移しています。2次車から側窓が1段下降式となり、よりスマートになりました。
制御方式は界磁添加励磁制御、主電動機はMT61、補助電源装置はSIVです。ブレーキ方式は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキとなっています。台車は軽量ボルスタレス式台車DT50/TR235、集電装置はPS21、冷房装置はAU75Gを装備しています。
写真のナハ40編成は1985年11月に完成し、山手線のヤテ24編成として山手電車区に新製配置されました。2003年1月に南武線用として6連で中原電車区に転属し、ナハ40編成となりました。2015年6月に廃車となり、インドネシアに譲渡されました。

2022/02/14

E233系6000番代(クラH011編成)

E233系6000番代は、横浜線で使用されていた205系の置換えを目的として、2014年1月から2014年8月にかけて224両(8両編成28本)が製造されたものです。4M4Tの8両編成で、205系と同様に黄緑とグリーンのラインカラーとしています。カラー帯には「YOKOHAMA LINE」のロゴマークを入れています。
車体は軽量ステンレス製で、前面左右にはホーム検知用のセンサを装備しています。客室内はロングシートで幅460mmのセパレートタイプとしています。照明は新製時からLED照明を採用し、側扉上には情報提供装置として液晶モニタを2画面設置しています。
制御方式はIGBT-VVVFインバータ制御で、主電動機は出力140kWの誘導電動機MT75です。台車はDT71/TR255系、集電装置はシングルアーム式のPS33D、冷房装置は50.000kcal/hの能力を持つAU726系を装備しています。
写真のクラH011編成は、2014年5月に総合車両製作所新津製作所で完成したものです。2016年10月にホームドア対応工事を完了しています。E233系6000番代の営業運転開始は2014年2月でした。

過去の記事から
E233系6000番代(クラH001編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/05/e2336000h001.html
205系(クラH1編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/10/205h1.html

2022/02/13

小田急電鉄8000形(8254F)

小田急電鉄8000形は1982年度から87年度にかけて7次にわたって160両(6両編成・4両編成16本ずつ)が製造されたものです。小田急の一般車としては最古参ですが、機器更新によって機能的には3000形に近い水準になっています。
腰掛は後年の改修によってセミバケットシートとなっています。車内案内表示装置も1両につき4台が設置されました。種別・行先表示装置は新製時は幕式でしたが、現在では2色ドットLED式に変更されています。
制御装置はIPM-VVVFインバータ制御、補助電源装置はIGBT-SIVです。集電装置はシングルアーム式のPT7113-B、台車はアルストムリンク軸箱支持方式の空気ばね台車FS516A/FS016、空調装置は屋上分散式のCU195Aを装備しています。
写真の8254Fは1983年5月に日本車両で完成したもので、8000形の1次車に相当します。2004年3月に小田急エンジニアリングで車体修理と機器更新を完了しています。制御方式・制動方式の変更を伴う改修としても初年度の施工となりました。

2022/02/12

相模鉄道21000系(21104F)

相模鉄道21000系は、2021年度の設備投資計画で32両(8両編成4本)が導入されたものです。21000系は8両編成になったこと以外は、外観は20000系とほぼ変わりません。保安装置など直通関連機器が主たる相違点のようです。既存の20000系は東横線系統への直通に充当するために導入された車両とされています。
21000系は目黒線への直通に充当されるものと思われますが、開業後の運転形態が非常に気になります。おそらく東急線に直通する列車が増える一方で、西谷ー横浜間の運転となる列車が設定されるのではないかと思います。既に西谷には折り返し線が整備されています。
また21000系が東急新横浜線・目黒線を介してどこまで乗り入れるのかも気になります。都営三田線には21101Fを用いて訓練をしていたくらいですから乗り入れるのでしょう。逆に東急車など他社の車両がどのくらい相鉄線内に入ってくるのかも気になります。
写真の21104Fは、2021年10月に日立製作所で完成したものです。相鉄の8両編成は21000系のほかには10000系しかありません。8両編成で運転されるのはいずれかの系列となりますが、8両編成を所定とする運用の一部に代走として10両編成も入ります。

2022/02/11

205系(クラH6編成)

横浜線の205系電車は1988年から89年にかけて175両(7両編成25本)が新製投入されました。7両編成で4M3Tとし、保安装置はATC(京浜東北線用)とATS(横浜線内用)の両方を備えていました。識別帯色は黄緑6号と緑15号を組み合わせたものとなりました。ちなみに横浜線はJR東日本では山手線に次いで二番目に205系が新製投入された路線でした。
新製後に6扉車のサハ204形100番台を組み込みました。また輸送力増強を目的として、他路線からの転用により3編成を増やしました。2009年3月の増発用に転入したクラH28編成は、唯一6扉車の組込みがありませんでした。
2003年度から直通運転を行う京浜東北・根岸線にあわせてD-ATCの取付を開始しました。また2006年度から前面の行先表示をLED化し、字幕による種別表示の使用を停止しています。また集電装置をシングルアーム式のPS33Eへの換装も行われました。
写真のクラH6編成は1988年9月に日本車両で完成し、蒲田電車区に新製配置されたものです。1994年11月に近畿車両で完成した6扉車サハ204-106を組み込み8両編成となりました。1996年12月に横浜支社の発足に伴い大船電車区(現:鎌倉車両センター)に転属しました。2014年5月に廃車となり、インドネシアに譲渡となりました。

2022/02/10

京成電鉄3400形(3408編成)

京成電鉄3400形は、1978年5月に京成上野ー成田空港間に運転を開始した「スカイライナー」号が1993年5月にAE100形への代替が完了したことにより、初代車両であるAE形の電気部品と走行装置を活用し、相互直通運転用の通勤車として製作したものです。
車体は普通鋼製で、床板にステンレス鋼を用いています。前頭部形状は当時の最新型車両であった3700形に準じたものです。側窓は十分な採光を得るために大型の1段下降式となっています。腰掛はロングシートで1人あたりの専有幅を440mmとしています。
界磁チョッパ制御の制御装置は再利用していますが、定速運転指令方式を除外しています。主電動機は複巻電動機TDK8500A、補助電源装置はCLG-350Cを更新した上で再利用しています。台車はFS383A/FS083A、冷房装置は10.500kcal/hの能力を持つCU-15CAを1両につき3台装備しています。
写真の3408編成は旧AE-10編成6両を1993年1月、旧AE-30編成からAE-23.28の2両を1993年3月に大栄車輌で更新・一般車化改造したものです。2020年8月に廃車となりました。3400形としては初めての廃車となりました。

過去の記事から
京成電鉄AE100形〈AE118編成〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/01/ae100ae118.html
京成電鉄3700形〈3708編成〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/09/37003708.html

2022/02/09

相模鉄道20000系(20101F)

相模鉄道20000系は2017年度と2020年度の2次にわたり70両(10両編成7本)が導入されました。「相鉄・東急直通線」事業による東急線への直通車両として導入した車両で、「デザインブランドアッププロジェクト」による初の新製車両でもあります。
車体は前頭部も含めてアルミニウム製で、ダブルスキン方式としています。先頭形状は様々な工法を組み合わせることによって複雑な曲面を造形しています。客室内部はグレートーンでまとめられ、金属やガラスを多用して開放感のある空間をつくっています。また時間帯に応じてLED照明の色調も変化します。
制御装置はSiC素子を用いたVVVFインバータ制御で、補助電源装置はIGBT-SIVです。ブレーキ方式は回生ブレーキ併用電気指令方式としています。主電動機は出力190kWの誘導電動機です。台車はモノリンク式ボルスタレス台車SS184M/SS184Tを装備しています。
写真の20101Fは、2018年2月に日立製作所で完成したものです。当初は1編成のみで非常に目立つ車両で、相模鉄道のホームページ上でわざわざ運用予定が告知されていました。現在ではほぼ同じ外観の21000系も含めて最多勢力となっております。

2022/02/08

203系100番代(マト69編成)

203系の最終増備となった3次車では、さらなる重量軽減とコストダウンを図るためのマイナーチェンジが行われ、車号も100番代に区分されました。同時期に製造された205系と共通の仕様が見られます。
最大の相違点は、軽量化と構造の簡素化によってコストダウンを図るためにボルスタレス台車DT50A/TR235Aを採用したことです。あわせてMM´ユニット間の連結器を密着連結器から棒連結器に変更しています。
車体についてはそれほど大きな変化はありませんが、屋上通風器・荷物網棚の材質変更や、軽量化のために塗り屋根の厚さを変更しています。また標準化を意図して、床敷物の色を変更しています。
写真のマト69編成は、1986年3月に東急車輌で完成したものです。シートモケットのカラーはJR東日本の201系と同様にオリジナルの焦茶色系統からミントブルーに変更されていました。2011年8月に廃車となりました。

2022/02/07

E233系1000番代(サイ102編成)

E233系1000番代は京浜東北・根岸線で使用されていた209系0番台を置き換える目的で導入されたものです。輸送障害へ対応するために通常よりも早い時点での置換えとなりました。209系では4M6Tとしていましたが、E233系1000番台では6M4Tとし、5号車には予備のパンタグラフを装備しています。
京浜東北線大宮ー東神奈川間では2028~31年頃にATACS(無線式列車制御システム)の導入を目指しているそうです。指令所のATOSとの連携により、遅延回復や省エネ運転など効率的な運転が実現できるとしています。
また根岸線を含めて2025~30年頃にATO(自動列車運転装置)の高性能化とワンマン運転も構想されています。ゆくゆくはドライバレス運転(添乗員付き自動運転GoA3)の実現を目指しているということです。
写真のサイ102編成は2007年9月に東急車輌で完成したものです。輸送システムの変革の中で継続して京浜東北・根岸線で使用されるということであれば、改造工事が実施されることになります。継続使用か新車への置換えかどのようになることでしょうか。

2022/02/06

相模鉄道12000系(12106F)

相模鉄道12000系は「相鉄・JR線直通」事業に充当するため、2019年度に60両(10両編成6本)が導入されたものです。2018年度に第1編成が営業運転を開始した20000系に続いて「デザインブランドアッププロジェクト」による新製車両となります。
車体は軽量ステンレス製ですが、外板の接合にレーザー溶接を取り入れ平滑な仕上がりになっています。総合車両製作所の「sustina」をベースとしており、車体断面はJR東日本のE235系と同じです。客室内はグレートーンでまとめられ、腰掛は1人あたりの幅を460mmとしたロングシートです。
制御装置は回生ブレーキつきIGBT-VVVFインバータ制御、補助電源装置はIGBT-SIVを採用しています。台車は軸梁式ボルスタレス台車ST-DT71A/ST-TR255Aを装備しています。車両情報制御装置TIMSを採用し、JR車両との共通化を図っております。
写真の12106Fは、2020年2月に総合車両製作所で完成したものです。12000系はJR線への直通が始まってからも相鉄線内運用に入ることがあります。20000系・21000系とならんで非常に存在感のある車両だと思います。

2022/02/05

相模鉄道11000系(11005F)

相模鉄道11000系は、5000系・7000系の代替を目的として2009年から2013年にかけて50両(10両編成5本)が導入されたものです。導入コストの低減とバリアフリー・安定輸送対策に重点を置いており、JR東日本のE233系電車をベースとしています。
11000系の車体は軽量ステンレス製で運転台のスペースを拡大して安全性の向上を図っています。客室はクリーム色を基調にまとめられ、腰掛は1人あたりの幅を460mmに拡大したバケットシートとしています。車内案内装置は17インチワイドLCDを各出入口上部に備えています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ装置、補助電源装置はIGBT-SIVを採用しています。台車はE233系と同仕様の軸梁式ボルスタレス台車ST-DT71/ST-TR255を装備しております。TIMSや機器や配線の二重系化もE233系と同様に採用しました。
写真の11005Fは、2013年3月に総合車両製作所で完成したものです。11000系は導入の時点では都心方面への直通運転に備えた標準車両と位置づけられていましたが、現状では相鉄線内だけで使用されています。

2022/02/02

相模鉄道10000系(10703F)

相模鉄道10000系は2100系と6000系の置換えを目的として導入されたもので、ライフサイクルコストの低減と環境への配慮を重点に置いています。基本的なシステム・メカニズムはJR東日本のE231系とほぼ同じとなっています。
10000系の車体は相鉄では初めてステンレス製となりました。前面はFRP製です。座席はE231系とほぼ同じ、片持ち式のバケットシートを採用しています。床面の高さは9000系に比べて25mm低くなり、その分ホームとの段差が縮小しています。
制御方式はIGBT-VVVFインバータ制御、補助電源装置はIGBT-SIVを採用しています。台車は軸梁式ボルスタレス台車ST-DT-61G/ST-TR246M・P/ST-TR246Nを装備しています。またE231系と同様にTIMS(列車情報管理装置)を採用し、コストダウンとメンテナンスフリーを進めています。
写真の10703Fは、2003年3月に東急車輌とJR東日本新津車両製作所で完成したものです。JR東日本長野総合車両センターで機器更新を行っておりますが、過去に更新された10701FはYNB化され、10702Fは前面の改造のみでしたので、10703Fがどのような形で営業運転に復帰するか興味深いところです。

過去の記事から
相模鉄道10000系(10701F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/04/1000010701f.html
相模鉄道10000系(10702F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/07/1000010702f.html