2021/12/29

小田急電鉄8000形(8257F)

小田急電鉄の通勤電車といえば、ケープアイボリーにロイヤルブルー帯というのが標準塗装ですが、いまやこのカラーリングの現役車両は8000形だけになりました。2021年4月現在で在籍している142両については機器更新で3000形に準じる性能になっていますので、しばらくは活躍が続きそうです。
正面窓まわりをブラックフェースとし、前照灯と尾灯を一体のケースでまとめるのは80Sスタイルといえそうです。京浜急行の1500形や2000形も前照灯と尾灯を一体のケースにまとめていますし、窓まわりをブラックにするのは国鉄201系も同様でした。当時は近代的なデザインに感じました。
8000形の車体は普通鋼製ですが、屋根板・床板にはステンレス鋼を採用し、大型の1段下降式窓周りのシーリングを入念に行うなど、防蝕対策には力が入れられています。車体修理や保守が適切に行われていることもあって、長期間の使用にも対応できているように思います。
写真の8257Fは1985年4月に日本車両で完成したもので、8000形の3次車に相当します。8052Fと同様にイベントカラーとして白地にオレンジレッド・イエロー・ブラウンのストライプカラーで新製されました。1987年度に標準塗装となりました。2008年11月に車体修理と機器更新を完了しています。
 
過去の記事から
小田急5000形〈5056F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/05/50005056f.html
小田急5000形〈5063F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/10/50005063f.html

2021/12/26

東京地下鉄17000系(17181F)

東京地下鉄では、1974年10月の有楽町線池袋ー銀座一丁目間開業を契機に導入し、1989年まで増備した7000系の置換えに着手しました。17000系180両(10両編成6本・8両編成15本)を2022年度までに導入し、7000系は全廃となる予定です。
17000系の車体はアルミ製で、床面高さを1.140mmとし、7000系の1.200mmよりもホームとの段差を小さくしています。座席はシート幅460mmのバケットシートで、背ずりの部分が黄色いのが特徴です。室内灯もすべてLEDとなっています。
制御装置はフルSic-VVVFインバータ制御、補助電源装置はSIV2台を搭載します。主電動機は地下鉄の過酷な条件に適合するPMSM(永久磁石同期電動機)を採用しています。また台車はボルスタ付きモノリンク式空気バネ台車FS781を装備しています。
写真の17181Fは、2021年5月に近畿車両で完成したものです。相互乗入れ先の東急東横線では有楽町線とも共用となる10両編成よりも、副都心線専用となる8両編成のほうが見る機会が多くなるように思います。

過去の記事から
東京地下鉄17000系(17101F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/06/1700017101f.html
東京地下鉄7000系(7103F)
https://sanojiro.blogspot.com/2020/02/70007103f.html

2021/12/25

小田急電鉄5000形(5053F)

小田急電鉄5000形は、代々木上原ー登戸間の複々線化の完成を契機として導入された最新型の通勤車両です。「より広く、より快適に」がコンセプトで、スピード感のあるデザインが特徴となっています。5M5Tの10両固定編成で、千代田線への乗入れは考慮されていません。
5000形の車体は軽量ステンレス製で、幅2.900mm・裾絞りの拡幅車体を採用しています。先頭部は非貫通で、流線形となっています。客室内はガラスを多用して広さを演出しています。腰掛は片持ち式、床面は木目調となっています。車内案内表示装置はワイド17インチLCDを2台出入口上部に備えております。
制御装置はフルSic-VVVFインバータ制御装置を採用しています。主電動機は190kWの誘導電動機で、1000系の更新車と共通です。制動装置は電気指令式でN-TIOSで制御されます。台車は軸梁軸箱支持式ボルスタレス台車NS-102/NS-102Tを装備しています。総じて機器の小型・軽量・静音化、二重化による信頼性の向上が図られています。
写真の5053Fは、2020年8月に川崎重工で完成したものです。5000形は2021年11月現在で90両(10両編成9本)が在籍しています。私個人としても非常に見栄えの良い車両だと思います。通勤用車両としては相鉄の12000系と双璧をなす存在だと思っております。

2021/12/22

小田急電鉄1000形(1097F)

小田急電鉄1000形は2021年4月現在で、170両が在籍しています。そのうち70両が1090番台の10両固定編成です。7編成のうち、1091F~1094Fまでの4編成は新製当初から10両編成で、1095F~1097Fの3編成は既存の編成を組み替えたものです。
中でも写真の1097Fは、1055Fから3両、1255Fから5両、1081Fから2両で10両編成を組成しています。1055Fの下り先頭車と1255Fの上り先頭車を1081Fの中間車に差し替えています。この変則的な組成により先頭車を中間車に改造する工程を省いています。
車体修理と機器更新もあわせて行われましたので、Sic-VVVFインバータ制御に制御装置を更新し、空気圧縮機や主電動機も換装しています。また新型の電車と同様に車内には2画面の情報案内表示装置も設置されました。
1055Fは1988年に日本車両、1255Fは1990年1月に東急車輌、1081Fは1993年2月に川崎重工で完成したものです。1081Fは1000形で唯一の8両固定編成かつ最終増備車でした。上り方4両が2020年7月、下り方6両が2020年10月に車体修理・機器更新・改番を完了しました。

過去の記事から
小田急電鉄1000形(1055F)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/11/10001055f.html
小田急電鉄1000形〈1255F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/11/10001255f.html
小田急電鉄1000形(1081F)
https://sanojiro.blogspot.com/2012/01/10001081f.html

2021/12/21

205系(ハエ15編成)

埼京線の205系は1989年7月に営業運転を開始しました。1990年まで3次にわけて導入され、開業以来使用していた103系を置きかえました。103系の車体色は山手線から転用された車両が多かったので山手線と同じ黄緑6号でしたが、新製投入された205系の識別帯は緑15号となりました。
その後の所要増に対しては、他路線からの転用で賄われました。1996年3月の恵比寿延長に際して山手線から1編成、京浜東北線から3編成を転用しました。1996年12月のダイヤ改正では中央・総武緩行線から1編成を転用しています。2002年12月のりんかい線開業で山手線から1編成、2004年10月のダイヤ改正で山手線から1編成を転用しています。
埼京線では6扉車も山手線からの転用で組み込んでいました。2001年6月にハエ8編成にサハ204-902を組み込み、2004年末までに32編成中24本にサハ204形を2.3号車に組み込みました。
写真のハエ15編成は、1990年6月に川崎重工で完成したものです。2013年9月に廃車となりました。廃車後はインドネシアに譲渡されました。2013年6月から12月までにE233系7000番台が導入され、無線式列車制御システム(ATACS)搭載工事に伴う予備車を確保するまで暫定的に残ったハエ28編成を除いて205系の代替が完了しました。
 
過去の記事から
埼京線205系〈ハエ28編成〉
https://sanojiro.blogspot.com/2013/05/20528.html
E233系7000番台(ハエ136編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/05/e2337000136.html

2021/12/20

東京地下鉄05系(05108F)

東西線05系は1988年度から2004年度にかけて13次にわたって430両(10両編成43本)が導入されました。輸送力増強や5000系の代替を目的とし、長期にわたる増備となりましたので、途中で大きな仕様変更も行われました。
車体は軽量アルミ製とし、先頭形状は傾斜と曲面を用いてスピード感を表現しています。客室内は暖色系の配色でまとめられ、座席の1人あたりの占有幅は440mmです。冷房装置を搭載したことにより、サービス改善となりました。
制御方式は高周波分巻チョッパ制御、補助電源装置は170kWのコンバータを採用しました。台車はボルスタレス式のSS112/SS012を装備しています。冷房装置は42.000kcalのCU76を搭載しました。
写真の05108Fは1990年6月に完成したもので、05系の2次車に相当します。2次車は1次車に準じた仕様ですが、前面窓を上下にやや拡げ自動放送装置が装備されています。2010年9月に廃車となりました。

2021/12/18

小田急電鉄1000形(1754F)

小田急電鉄では新しい通勤型車両として2019年度から5000形の導入を進めております。代替として廃車されたのは、8000形のうち主回路を界磁チョッパ制御のままとしていた8251Fと8255F、事故廃車の8264Fの3編成の他、1000形の非更新車なかでもワイドドア車の代替が優先的に進められています。
さてこのワイドドア車、導入当時からの輸送状況の変化により、大きな改造も行われていました。まず1997年度から99年度にかけて、側扉の開口幅を2.000mmから1.600mmに改めています。扉そのものはそのままで引き残しにするようにしています。また扉間の腰掛は7人掛けとして着席定員の増加を図っています。
2004年度には4両編成6本を6両編成4本に組み替えています。編成の変更により4両の制御車を中間付随車に改造しています。乗務員室を撤去して客室に改造されました。ただし乗務員室隣の側扉の幅は1.500mmのままとなっているので、通常の中間車とはレイアウトが異なります。
写真の1754Fは1992年2月に1553Fとして完成した4両編成に、1555Fからサハ1854、デハ1904を組み込んで2004年7月に編成組替・車種間改造・改番・車体修理・機器更新を行ったものです。1000形のワイドドア車では最後に残った1編成ということになりそうです。

2021/12/16

205系(ナハ50編成)

南武線には山手線から205系(ナハ34~45の6両編成12本)を転用したあとも103系が残っていました。残りの103系を代替するために中間車の先頭車化改造によってナハ46~51の6両編成6本を組成することになりました。
先頭車改造の種車は山手線用のサハ205形で、クハ205形1200番台とクハ204形1200番台が改造によって作られました。そのため側扉の窓は小型になっております。改造によって作られた先頭部の形状は新しいデザインになっています。
その中でナハ48編成が仙石線に残る103系を置き換えるために郡山総合車両センターで3100番台に改造されて転出しました。代わりに浦和電車区の209系0番台を209系2200番台に改造して補っています。
写真のナハ50編成のうち、中間車4両は1985年7月に川崎重工で完成したものです。先頭車2両は1985年8月に近畿車両で完成し、2004年11月に鎌倉総合車両センターで先頭車化改造を完了し、ナハ50編成を組成しました。2015年6月に廃車となり、インドネシアに譲渡されました。

2021/12/15

小田急電鉄1000形(1756F)

小田急電鉄では朝ラッシュ時の激しい混雑にワイドドア車を投入することになり、1000形のワイドドア車を1990年度から1991年度にかけて2次に渡り36両(4両編成4本・6両編成2本)を導入しました。
1000形と同様の軽量ステンレス車体ですが、側扉の幅を2.000mm(乗務員室隣のみ1.500mm)に拡大したため、台枠を補強したほか側窓・戸袋窓の寸法・形状が異なっております。腰掛は扉間が5人掛け、車端部が2人掛けのセミバケットタイプとなっています。
制御装置はGTO-VVVFインバータ制御で、制動装置は空気指令式です。台車はアルストムリンク軸箱支持方式の空気バネ台車FS534A/FS034Aを装備しています。機器は1000形とほぼ同じですが、車体重量の増加に対応した仕様変更はありました。冷房装置は12.500kcal/hに能力を増大した集約分散式です。
写真の1756Fは、1992年2月に川崎重工で完成した1556F4両に1555Fから2両を組み込んで2004年9月に東急車輌で6両編成化・車番変更・車体修理・機器更新を行ったものです。1555→1856は運転台を撤去して付随車になっています。2021年10月に5000形5059Fの営業運転開始に伴い、営業運転から離脱した模様です。

2021/12/14

205系(ナハ42編成)

南武線には1989年2月から、4次に分けて96両(6両編成16本)の205系が新製投入されましたが、103系も引き続き使用されていました。残る103系の置換えは2002年10月から2003年7月にかけて山手線から72両(6両編成12本)が転入することで再開されました。
山手線から205系が捻出されたのはE231系500番台が新製投入されたことによるものです。205系に代わるE231系500番台が山手線に投入されたのは、山手線の保安装置を新型のD-ATCに切り替えるためでした。
南武線への転用に際して短編成化・識別帯の変更が行われ、ナハ34~45編成となりました。側扉の窓が小さいのが、南武線に新製投入されたグループとの主な相違点です。ナハ45編成については2005年6月に5000番台に改造され、武蔵野線用ケヨM15編成となりました。
写真のナハ42編成は、1985年12月に川崎重工で完成し、山手電車区に新製配置され、ヤテ26編成となりました。うち6両が2003年3月に大宮総合車両センターで南武線転用工事を完了しました。2015年8月に廃車となり、インドネシアに譲渡されました。

過去の記事から
武蔵野線205系〈ケヨM15編成〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/01/205m15.html

2021/12/13

205系(ナハ16編成)

南武線の205系は1989年から90年にかけて4次にわたって96両(6両編成16本)が新製投入されました。6両編成で4M2Tの構成になっていました。ラインカラーを示す識別帯は黄色1号と黄かん色2号、ぶどう色2号を組み合わせたものとなりました。
205系の車体は軽量構造のステンレス車体を採用しています。前面は201系のイメージを継承したブラックフェィスとし、側窓は1段下降式となっています。暖色系で室内の配色をまとめ照明も明るくなったことから、戸袋窓・妻窓を廃止しています。
主回路は添加励磁制御を採用しています。主電動機はMT61形直巻電動機です。制動方式は回生ブレーキ併用電気指令空気ブレーキとしています。台車は軽量ボルスタレス式のDT50/TR235を装備しています。
写真のナハ16編成は1990年9月に川崎重工で完成し、中原電車区に新製配置されたものです。2009年12月にパンタグラフをシングルアーム式のPS33Eに交換しました。2014年12月に廃車となりました。

2021/12/12

東急電鉄5050系(5178F)

東急東横線の車両は5050系・5000系あわせて342両が元住吉検車区に配置されています。増備期間は長きに渡り、2004年4月の5151Fから2020年3月の4111F用の中間車2両と幅があります。大勢は2013年3月の副都市線直通時には揃っております。
2004年のみなとみらい線開業時点では長く使われていた8000系も主力でしたが、5050系の急速な増備によって完全に置換えられました。8000系は腰掛が扉間一杯にあり、ドア近くの立席部がほとんどなかったのを記憶しています。
8000系は界磁チョッパ制御を採用し、回生ブレーキを使用することはできましたが、5050系では技術の進化を反映して相当の消費電力の削減と走行音の低減を実現しています。それほど目立ちませんがホームと電車の段差も少なくなっています。
写真の5178Fは2019年11月に総合車両製作所で完成したものです。現時点では編成単位で製造された最終編成になっています。田園都市線の5000系6ドア車代替用の車両と同様に座席は背もたれが高くなり、色調も異なります。

2021/12/11

東急電鉄5050系(5157F)

横浜在住の私にとって東急東横線といえば、根岸線に次いで親しみのある路線です。車両が入れ替わった他は、それほど大きな変化の感じられない根岸線に比べると、東横線は運転面でも車両でも大きく変化しています。
横浜側の始発駅はかつては桜木町駅でしたが、思いきって桜木町ー横浜間を廃止して、みなとみらい線を介して元町・中華街まで運転上は一本の路線として運行されています。自宅まで至近とまではいきませんが、バックアップルートとしては心強い存在になりました。
また特急の運転開始によって、本当に速くなりました。副都心線を介して、新宿にも池袋にも早く着きますし、武蔵小杉で目黒線の急行と同一ホームで接続するのには感嘆しました。かつての武蔵小杉駅は相対式ホーム2面2線のシンプルな駅だったのです。
写真の5157Fは、2005年5月に東急車輌で完成したものです。現在東横線を走る東急車は5050系と5000系に統一されています。それでも五社直通により、各社の車両をあわせると相当なバリエーションとなっています。

2021/12/10

山手線103系

引退直前の車両には、撮影熱が高まる傾向は強いようです。そもそも通勤電車や新幹線は数十年前には、わざわざ撮影している人は少数だったと思います。やはり1枚あたりのコストが現代よりも高価だったことや、在来線特急などが多く走っていたこともあると思います。
いつでも撮れると思って撮らずにいると撮れなくなってしまう電車のひとつが山手線でしょう。私が現役時代を実見しただけでも、103系→205系→E231系500番台→E235系と四世代に渡って車両が入れ替わっています。
103系は1963年から84年にかけて3.447両が新製されたという驚くべき車両です。電動車と付随車を適切に組み合わせて経済性を高めた車両です。全電動車方式では変電所の能力も追いつかないための措置で、車両だけでは鉄道が成立しないことがよくわかります。
山手線には1963年に試作車が投入され、ATC導入のために同一系列内での差替えをはさみながら1988年に205系への代替が完了するまで走り続けました。ウグイス色のラインカラーはその後の形式にも継承されています。

過去の記事から
山手線103系(カラー写真)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/05/103.html

2021/12/08

小田急電鉄3000形(3255F)

小田急電鉄3000形は2001年度に1次車24両(6両編成4本)を導入しましたが、2002年度に導入された2次車から「通勤・近郊電車の標準仕様ガイドライン」に準拠して仕様が変更されました。
車体は側扉幅を1.300mm、側扉間3.520mmに寸法を改め、小田急の通勤型電車では初めて戸袋窓を廃止しました。客室内部については、腰掛を片持ち式のバケットタイプとしています。あわせて袖仕切を大型タイプに変更しています。
側面は大きく変化したわけですが、反面機器類に大きな変更は行われませんでした。前面のデザインに変更もありません。ただし当初は現在とは異なり、ロイヤルブルーの太帯という姿で登場しました。
写真の3255Fは2003年1月に東急車輌で完成したもので、3000形の2次車に相当します。3次車では走行機器の見直しやTIOSの導入が行われましたので、2次車は外見はほぼ3次車以降に準じており、走行機器は1次車に準じていることになります。

2021/12/07

東京地下鉄08系(08101F)

東京メトロ08系は、営団地下鉄(当時)半蔵門線水天宮前ー押上間の延伸開業と、東武伊勢崎線・日光線南栗橋への直通運転を開始するのにあわせて、60両(10両編成6本)を導入したものです。東西線05系(11次車)と仕様の共通化を図り、コストダウンと機器統一性を持たせています。
08系の車体はアルミ製で、前面形状は8000系のイメージを継承していますが、縦曲線主体のシャープな形状とし、下部にスカートを設けています。客室設備については、座席をシート幅450mm・片持ち式のバケットシートとし、3-4人に区切るためのポールを設けています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御で、補助電源装置はSIVを装備しています。台車はモノリンク式ボルスタレス台車ND-730・ND-730T/CTを装備しています。また車両制御情報管理装置(TIS)を導入して運転制御や機器操作の管理を行っています。
写真の08101Fは2002年11月に日本車両で完成したものです。比較的新しい車両ですので、大きな改修は行われておりませんが、行先表示のLEDは換装され、高速シャッタースピードで撮影しても、行先や列車種別が視認できるようになっています。

過去の記事から
東京地下鉄8000系(8101F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/08/80008101f.html
東京地下鉄18000系(18101F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/10/1800018101f.html
東西線05系〈05136F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/04/0505136f.html

2021/12/06

東京地下鉄8000系(8105F)

東京メトロ半蔵門線の主力車両である8000系は、当初8両編成と10両編成を混用する計画でしたが、相互乗入れ先の東急田園都市線の混雑の激化から10両編成に統一することになりました。そのため車両番号と製造順序の相違などがあります。
中でも8101F~8107Fを10連化するために製造された中間車は1994年度に導入された6次車で、東西線の05系(1~4次車)に準拠した構体で製作されているので、5次車までとは明らかに仕様が違います。特に車体裾が短いため編成の中で目立ちます。
側窓の寸法も05系に準じた縦長で、側扉の窓も複層ガラスを採用しております。客室の仕様も異なり、袖仕切りのデザインも変更され、座席の占有幅を450mmに拡大してバケットシートが採用されました。台車もモノリンク式のSS035を装備しています。
写真の8105Fは、8105~8405・8905・8005が1980年11月に川崎重工で、8505・8805が1981年9月に東急車輌で完成したもので8000系の1次車に相当します。1988年5月に冷房改造されました。8605・8705は1994年7月に日本車両で完成したものです。2009年10月に大規模修繕と制御装置の更新を行っています。

2021/12/05

小田急電鉄4000形(4052F)

小田急電鉄4000形は東京メトロ千代田線乗入れ用として、2007年度から2016年度にかけて5次に渡って160両(10両編成16本)が導入されました。「人と環境にやさしく故障に強い車両」が4000形のコンセプトで、JR東日本のE233系をベースとして標準化が推進されました。
4000形の車体はE233系を基本とした軽量ステンレス製で、裾絞りのないストレート車体です。床面高さを1.130mmとしてホームとの段差を少なくし、バリアフリーの推進を図っています。腰掛は片持ち式に大型の袖仕切りと近年よく見られる構成です。側扉上部には15インチLCDによる車内案内表示装置を装備しています。
4000形は10両編成で6M4T、制御装置はIPM-VVVFインバータ制御です。主電動機は出力190kWの誘導電動機です。台車は軸梁軸箱支持式のボルスタレス台車を装備しています。制動方式は電気指令式でTIOSによって編成全体が制御されます。
写真の4052Fは2007年3月に東急車輌で完成したもので、4000形の1次車に相当します。2013年度にJR常磐緩行線乗入れ関連機器の追設、2016年度に千代田線用ATO装置の搭載、前照灯のLED化等が行われました。

過去の記事から
E233系2000番台(マト4編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2019/08/e23320004.html
千代田線16000系(16101F)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/09/1600016101.html

2021/12/04

小田急電鉄8000形(8265F)

小田急電鉄8000形は1982年度から87年度にかけて導入された車両ですが、1972年に千代田線乗入れ用とはいえ斬新なデザインの9000形を既に導入していた小田急が、1982年まで従来と同じ正面デザインである5200形の新製を継続していたのか不思議でした。
8000形の導入によって、9000形と比べても遜色のないデザインの通勤車両になったと導入当時には感じました。それからは1000形・2000形・3000形・4000形・5000形と10年以内の比較的短いサイクルでモデルチェンジをしている印象です。
8000形も初期の車両は室内の色調を寒色系でまとめていました。1986年度に導入された6次車からは暖色系のカラーリングに改められたのですが、室内の色調に関しては在来の車両との連続性があったと考えられます。
写真の8265Fは1986年10月に日本車両で完成したもので、8000形の6次車に相当します。2010年2月に小田急エンジニアリングで車体修理と機器更新を完了しています。8000形の6連では最終年度の更新で、車いすスペースの折り畳み式腰掛がなくなりました。

過去の記事から
小田急5200形〈5268F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/10/52005268f.html
小田急電鉄4000形(4066F)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/08/40004066f.html
小田急電鉄5000形(5052F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/09/50005052f.html

2021/12/01

小田急電鉄8000形(8258F)

小田急電鉄8000形は、2002年度から2013年度にかけて車体修理と機器更新が行われました。長期間に渡って実施されたために変更点も多く発生しています。2003年度からは制御方式や編成構成の変更が行われ、機器類は3000形の3次車以降と共通化されました。2021年4月に在籍しているのはこれ以降の編成です。
制御装置はIPM-VVVFインバータ制御方式に変更となりました。主電動機は出力190kWの誘導電動機に換装され、6両編成で4M2Tから3M3Tに変更となっています。またブレーキも電気指令式に変更となり、運転台もワンハンドルマスコンに変更となりました。
車内については2002年度と同じ施工内容ですが、側窓をUVカットガラスとしてカーテンを撤去しています。LEDスクロール式の車内案内情報装置を1両につき4台、千鳥状に配置しています。車いすスペースも設けられました。
写真の8258Fは、1984年6月に川崎重工で完成したもので8000系の3次車に相当します。2004年11月に小田急エンジニアリングで車体修理と機器更新を完了しています。5000形の導入による廃車は、8000形の更新車よりも1000形の非更新車が優先されているのが現状です。