小田急電鉄では朝ラッシュ時の激しい混雑にワイドドア車を投入することになり、1000形のワイドドア車を1990年度から1991年度にかけて2次に渡り36両(4両編成4本・6両編成2本)を導入しました。
1000形と同様の軽量ステンレス車体ですが、側扉の幅を2.000mm(乗務員室隣のみ1.500mm)に拡大したため、台枠を補強したほか側窓・戸袋窓の寸法・形状が異なっております。腰掛は扉間が5人掛け、車端部が2人掛けのセミバケットタイプとなっています。
制御装置はGTO-VVVFインバータ制御で、制動装置は空気指令式です。台車はアルストムリンク軸箱支持方式の空気バネ台車FS534A/FS034Aを装備しています。機器は1000形とほぼ同じですが、車体重量の増加に対応した仕様変更はありました。冷房装置は12.500kcal/hに能力を増大した集約分散式です。
写真の1756Fは、1992年2月に川崎重工で完成した1556F4両に1555Fから2両を組み込んで2004年9月に東急車輌で6両編成化・車番変更・車体修理・機器更新を行ったものです。1555→1856は運転台を撤去して付随車になっています。2021年10月に5000形5059Fの営業運転開始に伴い、営業運転から離脱した模様です。