2021/08/29

東京地下鉄7000系(7131F)

営団地下鉄(当時)が1974年の有楽町線(池袋ー銀座一丁目)開業に際して導入された7000系は、有楽町線の延伸に合わせて増備が行われ、輸送力増強を目的として最終の増備となった6次車である7133F・7134Fは1989年に導入されました。
車体は6000系に準じたアルミ製ですが、側窓は1983年度に増備された3次車から側窓が一段下降式で大きくなりました。それまでは田の字のような小さい側窓になっており、7101Fから7120Fは編成中の5両が3次車なので、田窓と一段下降式の側窓が混在していました。
7131Fを含む5次車は新富町-新木場間の延長開業に備えて増備されたもので、新製当初から冷房装置を搭載していました。3次車以降は冷房装置を搭載できるよう考慮されていましたが、1次車・2次車は新製当初は非冷房で、3次車も含めて1988年から93年にかけて冷房改造が行われました。
写真の7131Fは、1988年5月に東急車両で完成したものです。当初は10連でしたが、2008年2月に副都心線対応のリニューアルに際して8連に短縮され、中間車2両は廃車となりました。ちなみに副都心線対応のリニューアルで冷房装置も換装され、能力は2割程度強化されています。

2021/08/28

東京地下鉄7000系(7113F)

私が学生だった頃から走り続けている電車でいまだに現役という車両もさすがに少なくなってきました。東京メトロでいえば有楽町線由来の7000系、半蔵門線の8000系といった所ですが、さすがに後継の17000系・18000系の製造も始まりましたので引退も近づきつつあります。
中でも東横線の急行・各停で活躍している副都心線の7000系は、機器は一新されてはいますが、もとはといえば1974年の有楽町線開業以来の大ベテランです。黄色い帯に、少しくたびれた内装で走っていたのを飯田橋・市ヶ谷の両駅と有楽町の間でときどき利用した記憶があります。
千代田線用の6000系もですが、50年は使用できる車両を目指して開発されたそうですが、アルミ製の車体は長持ちしています。副都市線で使用するためのATO装置やワンマン運転用の設備を増設し、VVVFインバータ制御に更新されています。内装もきれいにリニューアルが行われました。
写真の7113Fは1974年8月に日本車両で完成したものです。当初は5連でしたが、1983年4月に中間車5両を日本車両で製造して10連化されました。2007年10月に副都市線対応のため8連となり、大掛かりなリニューアルを行いました。2021年7月には営業運転を退き、7000系の8連では7115Fに続く2本目の引退編成となりました。

2021/08/27

小田急電鉄60000形(60252F)

小田急電鉄60000形は日本初の地下鉄乗入れに対応した特急電車です。現在も千代田線に乗り入れていますが、以前乗り入れていた有楽町線には入線していないようです。地下鉄乗入れの他、JRの御殿場線乗り入れにも対応できるため20000形の後継としての役割も果たしています。
車体はアルミ合金製のダブルスキン構造となっています。新たに取り入れられたフェルメールブルーの塗色は地下鉄線内でも明るさを感じられることを考えて採用されたものです。客室については50000形の基本デザインを受け継いで、特急にふさわしいものとなっています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御で、主電動機は出力190kWの誘導電動機です。ブレーキは電気指令式でTIOSを通して制御されます。地下鉄に乗り入れるために非常用貫通路がありますが、流線形の先頭デザインの中で巧みに処理されています。
写真の60252Fは2007年12月に日本車両で完成したもので、60000形の1次車に相当します。60000形は2007年から2015年にかけて4次に分けて42両(6両編成5本・4両編成3本)が導入されました。

過去の記事から
小田急電鉄60000形(60251F)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/09/6000060251f.html
小田急電鉄60000形(60253F)
https://sanojiro.blogspot.com/2019/09/6000060253.html
小田急電鉄60000形〈60254F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2013/02/6000060254f.html
小田急電鉄60000形(60255F)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/08/6000060255f.html

2021/08/26

東京地下鉄7000系(7130F)

有楽町線新富町ー新木場間の延長開業にあわせて増備された7128F~7132Fの5次車では、新製当初から冷房装置を搭載していました。写真の7130Fは、1988年4月に川崎重工で完成したものです。ちなみに同年には丸の内線02系・日比谷線03系・東西線05系の製造も始まっています。
1998年3月に始まった西武池袋線乗入れに対応するために、西武池袋線用のATS装置、列車無線装置などを新たに装備しました。速達列車にも充当されることになりましたが、新製当初からの貫通路上の種別表示窓は使用せず、LEDの行先表示に列車種別を併記することになりました。
2008年6月に開通した副都心線で使用するために、2007年7月に大規模な改修工事が実施されました。ワンハンドルマスコン・ATO運転・ホームドア制御・ホームドア状況確認等を盛り込んだワンマン運転用のユニット運転台に交換されました。
同日付で7630と7730を廃車し、4M4Tの8両に編成を短縮しました。制御装置と主電動機も更新され、冷房電源と補助電源を賄うSIVを装備し、冷房装置も能力増強型に更新されています。車内に設けられた案内表示器は3色LEDによる2段表示のものです。

2021/08/25

東武鉄道9000系(9108F)

東急東横線に乗り入れてくる車両の中でも、東武鉄道9000系は必要最低限の車両を仕様の変更を伴いながら数次に渡り製造したため、細かな点にバラエティのある車両となっています。またステンレス地にマルーンの帯を巻いているのもこの系列だけになっています。
1993年に実施された有楽町線のダイヤ改正にあわせて6年ぶりに増備された9108Fは、車体のビードが目立たなくなり、ダルフィニッシュ仕上げとなりました。また帯が側扉にも回っています。これは同時期に製作されていた10030系の仕様を反映したものです。
補助電源装置も静止型インバータに変更となっています。また空気圧縮機についても編成中に2台から3台に増強されました。ただし制御装置や台車に関しては、9102F~9107Fと共通になっています。
写真の9108Fは、1992年9月にアルナ工機で完成したものです。2008年2月に副都心線直通に対応するためのリニューアルを完了しました。ATO装置を装備した他、運転台は新たに増備された50070系に準じたものに一新されています。

過去の記事から
東武鉄道9000系〈9101F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/08/90009101f.html
東武鉄道9000系(9105F)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/04/90009105f.html
東武鉄道9050系(9152F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/07/90509152f.html

2021/08/23

東京地下鉄7000系(7127F)

営団地下鉄有楽町線(当時)用の7000系は、池袋ー銀座一丁目が開業した1974年から89年まで長きにわたって製造された電車です。千代田線6000系と車体・台車などがほぼ同じ仕様でしたが、これは6000系と同じ綾瀬工場で保守を行うためでした。
写真の7127編成は1987年7月に日本車両で完成したもので、営団成増(当時)ー和光市間の延長開業と東武東上線への乗入れに備えて増備された7000系の4次車に相当します。基本的な仕様は7121F~7126Fまでの3次車に準じますが、東武鉄道線への乗入れに必要な保安機器を当初から搭載していました。
当初から10連でしたが、3次車同様冷房準備車として落成しました。冷房準備車にしたことで屋根のカーブが強くなっています。これは同時期に製造された6000系・8000系と同じです。1990年5月に冷房改造が行われました。
2007年6月に副都心線対応工事を行い、大規模改修、制御装置と主電動機の更新が行われました。編成は4M4Tの8両編成に短縮されました。あわせて冷房装置を更新して能力を増強し、側扉の窓も大きくなっています。

2021/08/22

東武鉄道9000系(9107F)

東武鉄道9000系電車は、営団地下鉄(当時)有楽町線への直通運転を目的として1981年に試作車を導入したものです。東武の通勤車では8000系以来20年ぶりの新製車の導入でした。量産車6編成の投入は、地下鉄乗入れ間近の1987年となり試作車の使用結果をもとに仕様は大きく変更されました。
量産車の車体は軽量ステンレス製となりました。前面の艶消し仕様や側窓の上部に丸みをつけるなど当時の仕様を取り入れてはいましたが、3社で製造するため工作が容易になるよう初期のステンレス車のような側面のコルゲート板を使用しています。
制御装置は地下鉄線内で高加減速性能が必須であることから、AFE式チョッパ制御を採用しました。主電動機は出力150kWの複巻電動機を装備しています。台車はS型ミンデン空気ばね式のTRS-86M/TRS-86Tを装備しました。
写真の9107Fは、1987年8月に富士重工で完成したものです。副都心線直通に対応するためのリニューアル工事を2007年11月に完了しています。東急線内では東京地下鉄7000系に次いでベテラン感のある車両になっています。

2021/08/21

東急電鉄5050系(5158F)

東急東横線といえば、渋谷ー桜木町間の路線という印象が強かったのですが、現在では副都心線を介して新宿三丁目・池袋まで直通し、さらに東武線・西武線まで乗り入れ、横浜方もみなとみらい線を介して元町・中華街駅まで入るということで激変しています。
運転についても以前は、急行・各停の2本立てに日比谷線直通の各停が入る形でしたが、現在は特急が加わって速達性が大幅に向上しています。横浜から新宿・池袋まで行くのに、JRの湘南新宿ラインも含めて本当に便利になったと思います。
車両については、8000系が長らく主力を占め、8590系・9000系が脇を固める感じでしたが、2004年以降5050系が集中的に増備されて、5000系4編成とともに東急車についてはきれいに統一されています。
写真の5158Fは、2005年6月に東急車輌で完成したものです。前面のスカートは初期型タイプ、網棚は金属網、ドア内側の化粧板はなしと5050系の中でも比較的初期のタイプの特徴を持っています。

2021/08/20

東京急行電鉄8500系(8622F)

東京急行電鉄8500系は主に東横線で主力車両として用いられていた8000系を新玉川線・営団地下鉄半蔵門線乗入れのため、さらに仕様を見直して1975年に導入されたものです。全盛期は400両を数えましたが、2020系の増備により近年急速に廃車が進行しています。8500系も既に4月1日の時点で110両(10両編成11本)まで減勢していますが、写真の8622Fは健在です。
車体はステンレス製で、8000系を基本としていますが、運転台を拡げて、ATC装置などの装備に備えました。前面には東急のシンボルカラーである赤帯を設けています。今では目立ちませんが、当時は7000系・8000系も銀一色でしたので、8500系の赤帯は目立ちました。
制御方式は界磁チョッパ制御、制動方式は電気指令式で回生ブレーキも備えています。台車はボルスタ式の空気バネ台車TS-807M/A・TS815Cを装備しています。運転台のマスコンは現在では多数派のワンハンドル式ですが、きわめて早期の採用例です。
8622Fは3両が1976年12月に東急車輌で完成したもので、8000系の8次車に相当します。当初は8000系の中間車3両を組み込んだ6連でした。1981年2月に8943が完成し、8000系の8038と入れ替えました。1982年11月には8850.8750.8958.8851が完成し、8000系から編入していた8219.8138と入れ替えし8連となりました。1984年10月には8884.8776を組み込み10連になりました。2000年12月には編成中4両を対象に車体更新を行いました。

2021/08/19

小田急電鉄30000形(30056F+30256F)

30000形も製造から20年を経過したため、車体・客室内・機器類など多岐にわたるリニューアルを行い、愛称も「EXEα」に変更されました。塗装はシルバーとグレーのツートーンに、オレンジと細帯をあしらったものになり、印象も一新されました。
車体の修理が行われ、先頭部の列車名表示がなくなり、側面表示装置はフルカラーLEDになりました。前照灯もLED化されています。客室内のデザインも変更され、化粧板を木目調とし、腰掛はブルー・ベージュ系のツートーンになりました。
制御装置はsic素子を用いたVVVFインバータ制御に更新し、主電動機も出力150kWの誘導電動機に換装されました。また6両編成が2M4Tから3M3T、4両編成が1.5M3.5Tから2M2Tと電動車比率を高めています。
写真の30056F+30256Fは、1999年5月に川崎重工で完成したもので30000形の3次車に相当します。2020年4月にリニューアルを完了しました。30000形のリニューアルにはバリアフリーやセキュリティの強化も取り入れられています。

過去の記事から
小田急電鉄30000形(30251F)
https://sanojiro.blogspot.com/2019/09/3000030251f.html
小田急電鉄30000形(30052F+30252F)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/08/3000030052f30252f.html 

2021/08/18

小田急電鉄30000形(30055F+30255F)

小田急電鉄では海老名駅近くにロマンスカーミュージアムを2021年4月にオープンしました。待望の施設で、私もコロナがもう少し落ち着いたら訪ねてみたいものです。ロマンスカーといえば3100形などの赤い連接車のイメージですが、3100形を代替する30000形ではまったく新しいイメージが創造されました。
観光需要だけでなく通勤需要を取り込むためにボギー車方式を採用し、10両編成で定員588名と11両連接車の3100形の456両よりも大幅に輸送力を増強しています。車体は普通鋼製ですが、ブロンズ系の新しい塗装になりました。室内は広々としており、快適性も増しています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御を採用し、主電動機は出力195kWの誘導電動機を装備しています。台車はボルスタレス台車ですが、ヨーダンパが取り付けられました。10両編成は6両と4両に分割でき、柔軟な運用にも対応できるようになっています。
写真の30055F+30255Fは、1999年4月に日本車輌で完成したもので30000形の3次車に相当します。70両が製造された30000形ですが、リニューアルが進んでおり当初の塗装を維持しているのは30055F+30255Fと30057F+30257Fの2編成だけになっています。

過去の記事から
小田急電鉄30000形(30057F+30257F)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/08/3000030057f30257f.html

2021/08/17

東京急行電鉄8500系(8616F)

長らく東急田園都市線で主力として活躍してきた8500系ですが、21世紀に入ってから新鋭5000系の登場により一挙に置き換えられるかと思いましたが、東横線への5050系の投入が優先されて8500系は280両の勢力を維持しました。さすがに近年では車齢40年以上を経過して2020系による置換えが本格化し、全車引退も近づいてきました。
写真の8616Fは、1975年に8000系の7次車として全電動車・冷房電源なしの4両編成として東急車輌で完成しました。1976年3月にデハ8722を組み込み5両編成となりましたが、この段階でも冷房電源のない暫定編成でした。
5連になってからまもなく1976年3月に完成したデハ8717を組み込んで6両編成となり、東横線に転用されました。1976年7月にはサハ8916が完成し、デハ8717と差換えたことにより冷房電源が確保されました。1976年12月には新玉川線の開業に備えて田園都市線に復帰しています。
1982年11月の8両編成化にあわせてデハ8844とサハ8952、1983年1月の10両編成化にあわせてデハ8853とデハ8751を新製しました。これらの車両は8000形の14次車に相当します。1998年4月には14次車を除く6両に車体更新が実施されました。2002年にはスカートを設置しました。東武線への乗入対応編成となり、2021年3月に廃車となりました。

2021/08/16

東京地下鉄7000系(7104F)

1974年に有楽町線の開通に合わせて導入されて以来、路線の延伸や運行区間の拡大に対応して増備や改造を繰り返してきた7000系も、後継の17000系の導入に伴い置換えが始まっています。有楽町線・副都心線共用の10連の代替が先行しましたが、副都心線用8連にも運行を離脱する編成が出始めています。
写真の7104編成は、1974年5月に川崎重工で完成したもので、7000系の1次車に相当します。当初は5両編成でしたが、1983年6月に川崎重工で中間車5両を増備して10両編成となりました。中間車は池袋ー営団成増間の開業に合わせて導入された3次車に相当します。
3次車は千代田線6000系4次車・半蔵門線8000系2次車の仕様を反映しており、冷房装置の準備工事を行い、側窓も1段下降式になっています。そのため7101Fから7120Fは、編成中で側窓の大きさが異なっています。1993年3月には冷房装置が装備されました。
車体の大規模改修により、1次車の田の字の側窓は1段下降式となり、行先表示がLED化されました。2004年8月には制御装置をVVVFインバータ制御に換装し、5M5Tとしています。その後、副都心線対応工事・東急東横線乗入れ工事を行いました。2021年3月に運用を離脱しています。

過去の記事から
有楽町・副都心線7000系〈7101F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2011/05/70007101f.html
有楽町・副都心線7000系(7102F)
https://sanojiro.blogspot.com/2012/06/70007102.html
有楽町・副都心線7000系〈7105F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/10/70007105f.html
有楽町・副都心線7000系〈7110F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/02/70007110f.html
有楽町・副都心線7000系〈7118F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2011/02/70007118f.html

2021/08/15

小田急電鉄1000形(1064F)

小田急1000形は、1988年から92年にかけて160両が導入されたものです。その他1500形とも呼ばれるワイドドア車が、1990年から91年にかけて36両が導入されました。老朽化や陳腐化が目立ち始めてきたこともあり、2014年から車体更新・機器更新を行っています。
客室内の内装は「森と風」をイメージして色調が一新されました。妻窓は閉鎖となり、袖仕切りも大型化されています。側窓は熱線吸収ガラスに変更し、カーテンを撤去し、LED照明・LCD式車内案内表示が取り入れられました。
制御装置はSic素子を用いたVVVFインバータ制御に、主電動機は出力190kWの誘導電動機に換装されました。列車情報管理システムTIOSを導入し、ブレーキも電気指令式になりました。外観では前照灯のLED化、電気連結器の2段化が目立ちます。
写真の1064Fは1989年12月に川崎重工で完成したものです。2017年4月に小田急エンジニアリングで車体修理・機器更新を完了しています。ワイドドア車を除く160両が車体修理・機器更新の対象になるといわれていましたが、5000形の導入により更新を行わずに直接廃車となる編成・車両も出てきています。

2021/08/14

半蔵門線8000系〈8107F〉

長きに渡り東急田園都市線・東武伊勢崎線との相互直通運転に活躍してきた東京メトロ半蔵門線の8000系電車ですが、いよいよ後継となる18000系電車による置換えが始まりました。18000系の第1編成である18101Fが営業運転入りしたことによって、最初に8000系の中から運用を離脱したのは写真の8107Fで、8月6日が最終の営業運転だったようです。
8000系は千代田線6000系・有楽町線7000系から発展した形式ですが、正面のデザインが直線を強調した独自のものになっています。またパープルのラインカラーは、珍しいと思います。半蔵門線以外の使用例としては大阪地下鉄の谷町線くらいしか思い浮かびません。
また国鉄→JRの205系以来広く採用されるようになったボルスタレス台車を初めて本格的に採用した電車でもあります。台車形式はSS101となっています。また東急線に乗り入れるため、営団地下鉄(当時)としては、初めてワンハンドルマスコンを採用しています。
写真の8107Fは1982年11月に川崎重工で完成したもので、8000系の2次車に相当します。当初は冷房準備車でしたので、1989年3月に冷房改造が行われました。中間車8607.8707の2両は1994年8月に日本車両で完成したもので、6次車に相当します。6次車は05系に準拠した車体ですので、編成中でも外観が異なるのがわかります。2009年1月に大規模修繕と制御装置の更新を完了しています。

京浜急行1000形(1631編成)

順調に増備が進む京浜急行1000形ですが、先代は普通鋼製でほぼ同じデザインの車体で統一されていましたが、1000形はアルミ製とステンレス製のフィルム貼りと全面塗装が混在し、1800番台では前面が大きく異なるなどバラエティ豊かです。
1000形の6連には、当初は1300番台の車号で増備が進められましたが、2016年度の増備車である16次車から1600番台の車号が与えられています。16次車ではフィルム貼りの面積が広がり、ほぼ車体をカバーするようになりました。また車端部のクロスシートが復活しています。
前年度に増備された17次車から、車体外装が全面エナメル塗装に変更となりました。フィルム貼りでは銀色のままだった扉周りや窓枠も塗装されました。車内扉上の情報表示画面は2画面一体型になっています。
写真の1631編成は、2018年6月に川崎重工で完成したもので、1000形の18次車に相当します。2018年度は1000形が42両(6両編成7本)が増備され、4扉のためホームドアに対応できない800形の代替が進みました。

過去の記事から
京浜急行1000形(1601編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2017/03/10001601.html
京浜急行1000形(1607編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/10/10001607.html

2021/08/13

東京地下鉄8000系(8106F)

東急田園都市線では長く活躍してきた8500系が急速に新鋭2020系に置換えされています。長く相互乗り入れに活躍してきた東京メトロ8000系も、いよいよ新型18000系への置換えが始まります。2025年度には置換えが完了する計画になっています。
1981年に登場した8000系ですが、当時としては先進的なデザインでした。6000系・7000系をさらに都会的にしたような印象です。窓の小さかった側扉も交換されて、1段下降式の大きな側窓とあいまって、現在でもそれほど古さは感じられません。
当初から冷房装置の搭載を考慮して扇風機もなく、ラインデリアを取り入れて平天井になっていました。リニューアルで室内もきれいに整備され、新しい電車のような17インチの液晶画面による案内表示装置が取り付けられています。
写真の8106Fは、1981年3月に川崎重工で完成したもので8000系の1次車に相当します。当初は6連でしたが、1982年11月に東急車輌で中間車2両が完成し8連に、1994年8月には日本車両で中間車2両が完成し10連になりました。2005年6月に大規模修繕を受け、制御装置も更新されました。

2021/08/12

小田急電鉄3000形(3252F)

小田急3000形は、2001年に導入されてから増備が継続され、現在346両と最多勢力を誇ります。両数が圧倒的に多いので、利用する機会も多い形式となります。2000形以来7年ぶりの新形式で最初に登場したのは6両編成でした。
車体は2000形と同じくステンレス製ですが、側面は裾絞り形状をやめて直線となりました。また先頭車は1954年の2200形以来久々の非貫通式となっています。座席はバケットタイプのロングシートで、ドア上部にLEDによるスクロール式の案内装置を設けました。また側窓は遮光ガラスを採用し、カーテンを省略しています。
制御方式はIPM素子を用いたVVVFインバータ制御としています。集電装置は当初からシングルアーム式を搭載しました。台車は軽量化設計で軸梁式のボルスタレス台車TS-1026を装備し、車輪も防音タイプとなっています。
写真の3252Fは2002年1月に日本車両で完成したものです。最初の6両編成4本は側扉がワイドドアになっており、以降の3000形と窓割が大きく異なっております。また当時代替となって廃車となったのは2600形でした。

過去の記事から
小田急電鉄3000形〈3251F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2013/02/30003251f.html
小田急電鉄3000形〈3254F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/11/30003254f.html

2021/08/11

211系3000番台(マリ501編成)

現在新型E131系電車の投入により注目を集めている千葉以東のローカル輸送ですが、2006年4月の段階では113系電車に統一されていました。2005年度から2006年度にかけてE231系増備によって捻出された国府津車両センターの113系によって、113系の経年車の置換えが行われました。
2006年度には高崎車両センターに配置されていた211系の基本編成にグリーン車が組み込まれたことによって、211系3000番台の5両編成が捻出されました。この211系14本によって113系6両編成の一部が置き換えられました。転入に際してカラー帯が湘南色から変更されました。
2008年度には、京浜東北・根岸線にE233系1000番台を投入することで捻出される209系0番台780両のうち324両を2000番台・2100番台に改造し、千葉以東のローカル輸送はすべて209系化する計画に変更となり、211系の千葉以東での活躍は6~7年で終焉を迎えることになりました。
写真のマリ501編成は、1989年8月に川崎重工で完成し、新前橋電車区に新製配置されたものです。2006年9月に幕張車両センターに転属してマリ404編成となりました。2008年2月に霜取り用パンタを増設しマリ501編成に変更されました。2013年2月には3両化されて長野総合車両センターに転属して115系の代替に充当されました。

2021/08/10

小田急電鉄1000形(1067F)

小田急電鉄1000形は、1987年から93年にかけて160両(ワイドドア車36両を除きます)が導入されました。新製後約25年を経て老朽化が進み、既に車体更新を行った8000形(VVVF車)に比較しても走行騒音などで劣るようになっていたため、性能向上とバリアフリー化を目指して2014年からリニューアルに着手しました。
8000形の車体修理と同様に外観はそれほど大きく変化していませんが、行先・種別方式が幕式からフルカラーLEDになったのが、目を引きます。よく見ると前照灯もLED化されています。バリアフリー対応としては、車いす用のスペースと座席に握り棒を新設しています。戸袋の引き込み防止の対策も施されています。
主回路システムはSic素子を用いたVVVFインバータ制御に換装し、約30%消費電力を削減しています。あわせて機器の小型・軽量化も図られました。また誘導電動機と駆動装置の換装により走行騒音の低減を図っています。冷房能力も従来より20%程度能力が向上し、近年の酷暑に対応しています。
写真の1067Fは1990年10月に日本車両で完成したもので、2018年7月に車体修理・機器更新を完了しております。1000形のリニューアル車は当初3000形TIOS車と併結しての10両編成での運用を主としていましたが、2編成で8両編成を構成したり、最近は4両編成で箱根登山鉄道小田原ー箱根湯本間の運用に入ったりと新たな動きが見られます。

2021/08/09

東京地下鉄7000系(7120F)

営団地下鉄の千代田線6000系・有楽町線7000系・半蔵門線8000系は1970年代から80年代にかけて営業運転を開始しましたが、高い理想を掲げた基本方針に基づいて設計されただけに優れた車両に仕上がり、長きにわたって第一線で活躍することができました。
特に非対称の前面デザインはまさに斬新なものでした。なにしろ国鉄は103系を量産していた時代です。有楽町線用に製造された7000系も、新富町開業にあわせて投入された2次車まではさすがに冷房装置もなく、側窓も田の字型の小さいものでした。
2008年度の副都心線開業にあわせて、車両を有楽町線と共用することになり、7000系も大改造が行われました。ATO装備とワンマン運転対応に比べれば小規模な改造ですが、それまでに2次車までの小窓も1段化されています。
写真の7120Fは、1980年2月に川崎重工で完成したものです。当初は5連でしたが、1983年5月に日本車両で中間車5両が完成して10連となりました。1991年8月に冷房改造が行われ、さらに2008年4月に副都心線対応改造を完了して8連となっています。

2021/08/08

相模鉄道20000系(20105F)

相模鉄道20000系は、「相鉄・東急直通線」事業に充当することを目的として導入されたものです。9000系のリニューアル車に続く「デザインブランドアッププロジェクト」によって考え抜かれたYOKOHAMA NAVYBLUEの塗装はインパクト抜群で沿線でも存在感を示しています。
20000系の車体は前頭部も含めてアルミニウム製で、3D切削加工やプレス加工、叩き出しなど熟練工と先進技術の組み合わせによって複雑な曲面デザインを造形しています。車内についていえば、中央部が高くなった天井や時間帯によって色調を変えられるLED照明などが新しい要素といえるでしょう。
制御装置はSic素子を用いたVVVFインバータ制御で、装置の小型・軽量化も考慮されました。ブレーキ装置は、回生ブレーキ併用電気指令方式で省エネルギー化が図られています。台車はモノリンク式ボルスタレス台車で、電動台車SS184M・付随台車SS184Tを装備しています。
写真の20105Fは2020年11月に日立製作所で完成したものです。20000系は2両を抜くことで8両編成を構成できますが、本年度に完成した8両編成には21000系という新しい系列が与えられています。

過去の記事から
相模鉄道20000系(20101F)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/04/2000020101f.html
相模鉄道20000系(20102F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/05/2000020102f.html
相模鉄道20000系(20103F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/07/2000020103f.html
相模鉄道20000系(20104F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/07/2000020104f.html

2021/08/07

113系1000番代(マリ209編成)

113系1000番代は、1969年に地下区間を経由することになる横須賀・総武本線の直通運転に使用するために不燃化・難燃化対策を施したものです。1972年からはさらにATC装置の搭載や冷房準備工事もしくは冷房装置を搭載するようになりました。
1972年以降に完成した車両の目立つ変更点は、前照灯が小さいシールドビームとなり、タイフォンの位置を下げたことでしょう。また側窓は同時期に製造された103系と同様に隅の角ばったユニット窓になりました。冷房装置はAU75Aを採用し、側面に行先表示器を設けました。
主電動機は出力120kWのMT54Dを装備し、台車は電動車はDT21B、付随車はTR62を装備しています。基本的な性能・機器構成は、基本番台とほぼ同じものでした。目立つ変更点としてはATC装置を装備するために、乗務員室の面積を拡大したことがあります。
写真のマリ209編成は2010年12月に廃車となりました。1972年8月に近畿車両で新製された4両から構成されています。E217系の登場により房総地区のローカル運用に転用されました。前面強化や車両更新工事が行われていました。 

2021/08/06

小田急電鉄1000形(1057F)

小田急1000形は新製後約25年を経過し、老朽化や他系列に比較して性能面でも陳腐化が目立ってきたため、2014年度から車体修理・機器更新が始まりました。新製時と同じくまず4両編成が対象となりました。
車体については行先表示のフルカラーLED化・前照灯のLED化や電気連結器の二段化・妻窓の閉鎖などが行われましたが、それほど大きな変化はないように見受けられます。室内設備は一新され、腰掛の幅寸法の拡大や17インチモニタの設置・照明のLED化など新しい仕様になりました。
制御装置はSic素子を用いたVVVFインバータ制御に更新され、主電動機も出力190kWの誘導電動機に換装されました。列車情報システムTIOSを装備し、運転台も3000系以降と同様に一新されました。ブレーキも電気指令式に変更されています。
写真の1057Fは1988年2月に川崎重工で完成したもので、1000形の1次車に相当します。千代田線の乗り入れには未対応でした。2015年3月に車体修理・機器更新を完了しております。1066Fに次いで1000形の車体修理・機器更新を2014年度に施行された編成となりました。

過去の記事から
小田急電鉄1000形(1051F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/07/10001051f.html
小田急電鉄1000形(1055F)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/11/10001055f.html
小田急電鉄1000形(1062F)
https://sanojiro.blogspot.com/2012/01/10001062f.html

2021/08/05

小田急電鉄1000形(1251F)

小田急電鉄1000形は1987年度に導入されましたが、同年度に製作されたのは32両(4両編成8本)で地下鉄千代田線への乗入れは未対応でした。1988年度に導入された2次車の30両(4両編成3本・6両編成3本)は、全編成が千代田線乗入れ対応車となりました。
ATCやIR無線など地下鉄千代田線乗入れに必要な設備を搭載しました。また6両+4両の中間に位置する先頭車の乗務員室に貫通路を構成するための仕切と扉を設けています。集電装置も千代田線内の剛体架線に対応できる構造になっています。
2次車で初めて登場した6両編成は、3M3Tで、デハ1000形・サハ1050形が新しく製作されました。現在の小田急では10両貫通編成が増加傾向にありますが、かつては6両+4両で急行の分割・併合運転も盛んにおこなわれていました。
写真の1251Fは、1988年12月に東急車両で完成したものです。1992年度に1000形の10両固定編成にいったん千代田線直通用の設備を移設して地上線用となり、2004年度には運用増により再度千代田線直通運用に入りましたが、4000形の登場により地上線用になりました。今のところ車体修理・機器更新の対象にはなっていません。

2021/08/04

E231系1000番代(コツK-22編成)

国府津車両センターに配置されているE231系1000番代は、113系の置換えを目的として2004年1月から2006年1月までに590両(10両編成42本・5両編成34本)を導入したものです。高崎・宇都宮線に投入されているE231系から大きな変更点はありません。
湘南新宿ラインでの共通運用に備えて、耐寒・耐雪仕様になっています。E217系を基本とした二階建てグリーン車を基本編成の4.5号車に連結したのが最大の特徴です。グリーン車Suicaシステムの導入により、グリーン車がずっと利用しやすくなりました。
基本編成の1.2.9.10号車、付属編成の14.15号車がセミクロスシートとなっております。E231系の特徴であるTIMSですが、グリーン車SuicaシステムはTIMSと座席管理装置などが連動することにより機能しているものです。
写真のコツK-22編成は2004年11月に川崎重工で完成したものです。6.7号車については2001年11月に川崎重工で完成したものを、高崎線・宇都宮線で運用されていた編成にもグリーン車を組み込んだために捻出した車両を編入したものです。2021年3月に東京総合車両センターで機器更新を完了しました。

2021/08/01

東京地下鉄8000系(8101F)

東京メトロ半蔵門線の8000系は、1981年から94年にかけて190両(10両編成19本)が導入されたものです。当初から東急田園都市線に乗り入れ、長らく活躍してきましたが、いよいよ後継となる18000系による置換えが始まります。
8000系の車体は軽量アルミ製で6000系・7000系の延長線上にあるデザインです。前面の傾斜や前照灯周りの造作が異なるので、よりシャープな印象を受けます。車内はアイボリー系の内装でぐっと明るくなりました。
制御装置は7000系のチョッパ制御を基本に改良したものです。台車は現在では採用例が多くなっているボルスタレス台車を初めて採用しました。東急線に乗り入れるために営団地下鉄(当時)では初めてワンハンドルマスコンを取り入れています。
写真の8101Fは、1981年2月に東急車輌で完成したものです。1988年4月に冷房改造を行いました。当初は8連で編成中の2両は1994年7月に日本車輌で完成したものです。2006年6月には大規模修繕を行い、VVVFインバータ制御に更新し、車内もリニューアルされました。