2021/08/10

小田急電鉄1000形(1067F)

小田急電鉄1000形は、1987年から93年にかけて160両(ワイドドア車36両を除きます)が導入されました。新製後約25年を経て老朽化が進み、既に車体更新を行った8000形(VVVF車)に比較しても走行騒音などで劣るようになっていたため、性能向上とバリアフリー化を目指して2014年からリニューアルに着手しました。
8000形の車体修理と同様に外観はそれほど大きく変化していませんが、行先・種別方式が幕式からフルカラーLEDになったのが、目を引きます。よく見ると前照灯もLED化されています。バリアフリー対応としては、車いす用のスペースと座席に握り棒を新設しています。戸袋の引き込み防止の対策も施されています。
主回路システムはSic素子を用いたVVVFインバータ制御に換装し、約30%消費電力を削減しています。あわせて機器の小型・軽量化も図られました。また誘導電動機と駆動装置の換装により走行騒音の低減を図っています。冷房能力も従来より20%程度能力が向上し、近年の酷暑に対応しています。
写真の1067Fは1990年10月に日本車両で完成したもので、2018年7月に車体修理・機器更新を完了しております。1000形のリニューアル車は当初3000形TIOS車と併結しての10両編成での運用を主としていましたが、2編成で8両編成を構成したり、最近は4両編成で箱根登山鉄道小田原ー箱根湯本間の運用に入ったりと新たな動きが見られます。