2021/09/29

小田急電鉄3000形(3657F)

小田急電鉄の3000形は総勢346両が在籍しています。小田急電鉄の車両総数は1087両ですから、ダントツの多数派ということになります。小田急の車両では最多製造数、最長製造期間となっています。
標準化志向の車両ではありますが、前面のスカートのいかつい形状は独特のものであります。先頭部のデザイン自体も独特で、8000形~2000形に至る流れとも、4000形・5000形とも違うデザインになっています。前照灯の位置も通勤型では独自の位置となります。
また通勤電車の冷房装置は近年は集中式がほとんどですが、小田急では3000形が初めての採用となりました。低騒音化にも相当な神経を使っていますが、これは沿線の文化を反映しているのでしょうか。
写真の3657Fは2004年10月に東急車輌で完成したもので、3000形の4次車に相当します。4M4Tの8両固定編成です。4次車では車内の案内用のモニタがLCD式1台になり、千鳥式の配置となっています。

2021/09/26

小田急電鉄5000形(5052F)

5000形は2019年から製造されている小田急線内のみで運転するために設計された最新型の通勤用車両です。スピード感のある新しいデザインを採用し、70000形GSEと並んで複々線化完成後の新しい小田急を代表する車両といえるでしょう。
拡幅車体を採用し、内装にはガラス材を多用し車内空間が広く感じられる工夫が施されています。床材は木目調でフローリングをイメージしたものになっています。車内情報案内装置も17インチワイドLCD式が各出入口上部に2台設置されています。
制御装置はフルSiCVVVFインバータ制御で、出力190kWの誘導電動機を駆動します。1000形の更新車と機器の共通化が図られています。次世代型の情報管理装置N-TIOSにより回生ブレーキを優先したブレーキ制御が行われます。台車はボルスタレス台車NS-102/NS-102Tを装備しております。
写真の5052Fは2020年7月に川崎重工で完成したものです。5000形は2019年度に1編成、2020年度に4編成、2021年度に4編成の増備が計画されています。2021年度の増備車についても既に5058Fまでの3編成が完成しています。

2021/09/25

小田急電鉄3000形(3276F)

小田急電鉄3000形は、小田急の通勤車の中でも突出した多数派となっておりますが、コストダウン一辺倒の車両ではなく、バリアフリーの深化やサービスレベルを改善するために新しい技術を積極的に取り入れた車両です。
乗車する機会も多い電車になりますが、室内の意匠も温かみがあって優れたものです。化粧板に濃淡のトーンを使い分け、腰掛がレッドからパープルでグラデーションにしているのが温かみを感じられるゆえんだと思います。
出力190kWの誘導電動機を、IPM-VVVFインバータ制御で制御するわけですが、低騒音化にもさまざまな工夫を施しているそうです。3次車からは列車情報管理装置TIOSを装備し、制動や情報案内などさまざまな制御を一元的に行っています。また7次車では、行先表示をフルカラードットLEDに変更されました。
写真の3276Fは2006年3月に日本車両で完成したもので、3000形の7次車に相当します。6両固定編成は他の形式の4両固定編成と10両編成を組むために、新宿方(写真では反対側)先頭車に装備している電気連結器を2段化しています。

2021/09/22

相模鉄道12000系(12106F)

相模鉄道では、2019年11月に相鉄・JR直通線が開業し、JR線との相互直通運転が始まりました。JRの運転系統としては埼京線を横須賀線経由で東海道貨物線まで延長運転し、相鉄線の海老名まで乗り入れるようになっています。
運転本数としては朝のピークには1時間に4本、日中には1時間に2本の運転となっています。今年3月のダイヤ改正以降は、各停として運転し西谷で横浜発着の特急と接続するようになっています。本数・運賃を考えますと、それなりの利用状況になっている模様です。
車両はJRが埼京線用のE233系7000番台、相鉄が12000系を充当していますが、E233系のほうが多く走っている印象を受けます。ただし相鉄渾身の12000系は存在感抜群で、sustinaによる平滑なステンレス車体は全面塗装してあってもまったく違和感がありません。
写真の12106Fは2020年2月に総合車両製作所で完成したものです。2023年には相鉄・東急直通線が開業することになると思われますが、その時点でさらに運転系統が大きく変わることになるでしょう。これはあくまで私個人の憶測ですが、直通運転が増えることでいずみ野線の二俣川行各停や本線の西谷発各停などが朝のピーク時に見られるようになるかもしれません。

2021/09/19

相模鉄道20000系(20107F)

2017年度に20101Fが導入されて以来、1編成のみの状態が続いていた相模鉄道20000系ですが、2020年度に60両(10両編成6本)が増備され、10両編成7本が揃いました。そして2021年度に増備される8連はほぼ同様の外観ながら21000系という新形式となりました。
これは20000系が東横線直通、21000系が目黒線直通と使用目的が異なるためだと推測しています。相鉄新横浜線・東急新横浜線が開業した後、どのような運転形態が採られるのか非常に興味深いところです。
日中は10分サイクルに横浜ー海老名間の特急、JRまたは東急線を経由し海老名までの各停、横浜ー湘南台間の各停を1本ずつ運転し、西谷で本線特急とJRまたは東急直通の各停・二俣川で本線特急といずみ野線各停を接続するようのを基本にしてはどうでしょうか?これでは西谷ー海老名間の輸送力が過剰で、実際にはもっと複雑なダイヤが組まれると思いますが。
写真の20107Fは2021年1月に日立製作所で完成したものです。20000系の増備により、新7000系が全廃、8000系3編成、9000系1編成が廃車になっております。その結果YNBの電車がずいぶんと増えたように感じます。 

2021/09/18

東急電鉄5000系(5117F)

東急田園都市線の5000系は、2002年から2008年にかけて180両(10両編成18本)が導入されました。当初の構想では8500系をほとんど置き換える方向性だったようですが、副都心線直通を控える東横線への5050系導入が優先されたのか、8500系が延命されました。5000系も4編成が東横線に投入されました。
5000系の車体は軽量ステンレス製で、通勤・近郊電車の標準仕様ガイドラインに準拠しており、JR東日本のE231系とは基本的な構造や部材が共通化されています。車内の造作は8500系よりかなり変化しているのですが、出入口上部に設けらえたLCDによる案内表示が乗客にとって目新しい点ではなかったかと思います。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御で、8500系に比較すると明らかに走行音が静かになっています。台車は軸梁式ボルスタレス台車のTS-1019A/TS-1020Aを装備しています。10両編成では5M5Tとなります。
写真の5117Fは、2008年7月に東急車輌で完成したものです。2009年4月に6扉車の2代目5417を新造し、6扉車を3両に増やしました。初代は5417は5522に改番され東横線の5122Fに組み込まれました。2016年2月には総合車両製作所で5417(3代目)・5517/5817(2代目)を新製し、全車4扉の編成となりました。これはホームドアの整備に対応するためです。

2021/09/15

小田急電鉄3000形(3653F)

小田急電鉄3000形は、省エネルギー化やリサイクル性の向上による環境負荷の低減と、バリアフリーの推進などサービスの向上を目指して導入された車両で、2001年から346両が製造されました。小田急の通勤型車両としてはもちろん最多勢力となっています。
3000形の車体は軽量ステンレス製ですが、2次車から通勤・近郊電車の標準仕様ガイドラインに準じて設計され、側扉は1.300mmとなり、戸袋窓も廃止しています。腰掛も片持式となり、LCD2台による車内案内装置も装備しています。
3次車から列車情報管理システムTIOSを搭載し、ブレーキや冷房装置も制御できるようになりました。制御装置はIPM-VVVFインバータ制御で、標準仕様化がさらに進められ機器構成の見直しを行い、主電動機の出力も190kWに強化されています。
写真の3653Fは2004年3月に日本車両で完成したもので、3000形の3次車に相当します。8両編成は3次車で初めての投入となり、4M4Tとなっています。併結運転を行わないために先頭車の電気連結器やTIOSの読換装置の装備はありません。また8両編成の一部は中間車2両を増備して10両固定編成になっております。 

2021/09/13

東急電鉄2020系(2138F)

東急田園都市線では、2002年から5000系を導入してきましたが、新玉川線(当時)開業に備えて導入された8500系も引き続き多く使用してきました。2018年から新型2020系の導入により、まず2000系・8590系が置き換えられ、さらに8500系の本格的な置換えが再開されました。
客室内部は待望の新型だけに一新されていて、クリーム色をベースに木目調のトーンが取り入れられています。高い背もたれの座席とデジタルサイネージによって、従来の電車とはかなり違った印象があります。
制御方式はSiC素子を用いたIGBT-VVVFインバータ制御を採用しております。台車は軸梁式ボルスタレス台車であるTS-1041・TS1042/TS1042Aを装備しています。また次世代型の車両情報制御システムINTEROSを備えています。
写真の2138Fは、2020年10月に総合車両製作所で完成したものです。5000系はJR東日本のE231系をベースとしていましたが、2020系はE235系をベースとしています。なんといっても最新型の電車ですので8500系と比較すると走行音が相当低減されているのもわかります。

2021/09/12

小田急電鉄1000形(1095F)

小田急電鉄が通勤型として1000形を増備していた頃の特急車といえば、10000形でした。3100形から7000形と順調に発展してきた小田急パノラマカーがまた一段と魅力的になったと、当時は思っていました。さらに御殿場線に直通する「あさぎり」には20000形という新形が投入されました。
まさにバブル真っ盛りの、日本経済の繁栄がどこまで続くのだろうか?日経平均はいつ40.000円を越すのだろうか?などと今となっては楽観的な言説もよく聞かれた時代です。華やかな10000系・20000系ですが、ハイデッカー・ダブルデッカー構造がバリアフリーに対応しにくいというので2012年度には小田急線から引退してしまいました。
今では長野電鉄・富士急行でコンパクトになって活躍する姿を見るか、先ごろオープンしたロマンスカーミュージアムで展示されている姿を見ることができます。一方で通勤型の1000形は、5000形に代替されて廃車される車両もありますが、リニューアルして活躍を続ける車両もあります。
写真の1095Fは、4連の1056Fと6連の1256Fを2016年4月に10両固定編成化し、あわせて車体修理と機器更新を実施したものです。中間に入る運転台の客室化改造や機器構成の見直しも併せて行われました。車番は10両固定編成として新製された編成の追番に変更されています。

過去の記事から
小田急電鉄10000形(10001F)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/09/1000010001f.html
小田急電鉄20000形(20001F)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/09/2000020001f.html

2021/09/11

小田急電鉄1000形(1091F)

1987年度に導入された小田急電鉄1000形ですが、1991年度に導入された5次車で10両編成1本が初めて投入されました。小田急の一般車では初めての10両固定編成で、車両番号は1090番台が起こされました。
10両編成で5M5Tとなっています。地下鉄千代田線乗入れ仕様で、出入口上部にはドットLEDスクロール式の案内表示装置やドアチャイムを新たに装備しました。併結運転を行うことはないので、先頭車に電気連結器は装備しておりません。
今では千代田線直通運転は4000形に譲って撤退しましたが、リニューアルにより機能の向上を図っています。列車情報管理システムTIOSを導入し、制御機器・主電動機・冷房装置・室内設備なども一新していますので、新車に近い改善が図られているといえるでしょう。
写真の1091Fは、1992年1月に日本車両で完成したものです。2018年2月に車体修理と機器更新を完了しております。1000形の10両固定編成は優先的に車体修理と機器更新が行われています。
 
過去の記事から
小田急1000形〈1091F〉
https://sanojiro.blogspot.com/2010/05/10001091f.html

2021/09/10

相模鉄道8000系(8705F)

相模鉄道では9月6日から、「相鉄・東急線直通事業」に備えて、目黒方面への直通を見込んでいるという21000系(21102F)の営業運転が始まりました。21000系は2021年度の設備投資計画で32両(8両編成4本)の増備が予定されており、既に3編成が完成しています。
21000系は20000系と基本的な性能や外観は共通ですが、20000系は東急東横線・21000系は東急目黒線への直通を想定しています。2023年度の開業予定と言われていますが、運転系統がどのようになるか楽しみです。
入れ替わりに廃車となると思われるのが、8000系のうちVVVFインバータ装置を更新していない比較的初期に製造されたグループです。8702F~8704Fの3編成は既に廃車されましたので、8701F/8705F/8706Fの3編成は2021年度に廃車となると噂されています。
写真の8705Fは、1992年3月に日立製作所で完成したもので8000系の3次車に相当します。2012年3月に新塗装化されました。2016年5月には前照灯をLEDに換装しています。その他、シングルアームパンタへの換装や行先表示のLED化等が実施されました。 

過去の記事から
相模鉄道8000系(8701F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/07/80008701f.html
相模鉄道8000系(8702F)
https://sanojiro.blogspot.com/2012/08/80008702f.html
相模鉄道8000系(8706F)
https://sanojiro.blogspot.com/2019/06/80008706f.html

2021/09/08

東京地下鉄8000系(8114F)

営団地下鉄(当時)8000系は半蔵門線用の車両ですが、3次車のうち8112F~8114Fの3編成については、東西線の輸送力増強のために、東西線に当初から10両編成で投入されました。8000系としては初めて新製当初から10両編成を組んでいました。
JR中央・総武緩行線に相互直通運転を行うために、5000系と仕様を揃えており、先頭部の連結器は密着連結器、運転台のマスコンはツーハンドルとしていました。東西線では快速が運転されているため通過標識灯を運行番号・行先表示の脇に追加していました。
東西線の5000系と05系の中間に投入されたもので、当初から東西線における8000系の使用は一時的な措置と考えられていました。そのため識別帯は半蔵門線用のパープルで、乗降口の上に「東西線」とステッカーで掲示されていました。
写真の8114Fは1987年9月に近畿車両で完成したものです。冷房準備車として完成し、1988年4月に冷房改造が行われました。1989年1月に東西線から半蔵門線に移籍しています。2015年1月には大規模修繕と制御装置の更新を完了しました。

2021/09/05

京浜急行1000形(1417編成)

大小の仕様変更を行いながら20次に渡って増備され、472両(8両編成27本・6両編成24本・4両編成28本)の大所帯となっている京浜急行1000形ですが、2004年度に導入された3次車でも大きな仕様変更が行われました。
編成の構成を8両編成は4M4Tから6M2Tに、4両編成は2M2Tから3M1Tに電動車の比率を上げています。これは雨天時の空転・滑走を抑えることにより乗り心地の改善を図っています。また新火災対策への対応が行われました。
VVVFインバータの素子は、GTOからIGBTに変更となり制御装置も変更されています。シーメンス製でトラクションコンテナにまとめられていましたが、小型・軽量化されました。また起動時のメロディ音も発生しなくなりました。
写真の1417編成は2019年4月に京急ファインテックで、2号車を付随車に変更することにより3M1Tから、2M2T編成にする改造が行われました。あわせて機器更新も実施され、制御装置もシーメンス製から東洋電機製に換装されています。

2021/09/02

相模鉄道20000系(20106F)

相模鉄道20000系は、2018年度に第1編成が導入されてから、2020年度に6編成が増備され、現在7編成になっています。2021年度には20000系の派生形式である21000系が4編成導入されます。「相鉄・東急直通線」が開業するまでに相鉄線内で相当な存在感を示すことでしょう。
YOKOHAMA NAVYBLUEと称する濃紺一色の塗装ですが、9000系・12000系も含めて他社に類がないだけに相当目立ちます。2013年から「デザインブランドアッププロジェクト」を立ち上げ考え抜かれたデザインですが、いよいよ相鉄電車といえばこのカラーということで確固たる存在感を示しています。
当面線内での運転に使用される20000系ですが、装備については直通運転に備えています。例えば、運転台には地下鉄区間で使用するATOに関連した装置・ボタン類が既に設置されています。保安装置については線内用のATS-Pを装備していますが、将来の拡張に対応できる統合形装置を採用しています。
写真の20106Fは、2020年12月に日立製作所で完成したものです。第1編成の営業開始は2018年2月で、なかなか見ることのできない存在でした。YOKOHAMA NAVYBLUEも9000系・12000系を含めて、8000系・10000系にも1編成ずつ取り入れられています。

2021/09/01

相模鉄道12000系(12104F)

2019年11月に開業した相模鉄道のJR直通線ですが、現在では西谷駅で相鉄本線の特急とJR直通の各停が同一ホームで乗り換えできるようになり、さらに利便性が増しているようです。車両についてはJR東日本のE233系7000番台が多いようですが、YNBの相鉄12000系はインパクト抜群です。
12000系の車体は軽量ステンレス製ですが、「sustina」という最新仕様で平滑な仕上がりのため、塗装が非常に良くなじんでいます。また室内も20000系と同様ガラスを要所に取り入れた斬新なデザインですが、拡幅車体である分だけより快適性が増しているように思います。
12000系は車体はE235系、メカニズムはE233系といわれたりもしますが、JRとの共通運用はきっちりと押さえつつ、「デザインブランドアッププロジェクト」によって磨き上げられたデザインは抜群です。
写真の12104Fは、2019年7月に総合車両製作所で完成したものです。JR線への直通は新宿までの乗り入れを基本としていますが、むしろJR線内で濃紺の塗装とスタイルが存在感を示すと思います。

過去の記事から
相模鉄道12000系(12101F)
https://sanojiro.blogspot.com/2020/02/1200012101f.html
相模鉄道12000系(12102F)
https://sanojiro.blogspot.com/2019/06/1200012102f.html
相模鉄道12000系(12103F)
https://sanojiro.blogspot.com/2020/02/1200012103f.html
相模鉄道12000系(12105F)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/05/1200012105f.html