2022/05/31

小田急電鉄3000形(3082F)

小田急電鉄3000形は、複々線化の完成や各停の10両編成化を進めていることに対応して、6両編成・8両編成で新製された編成に、増結用の中間車を新製して10両固定編成への組成変更を行っています。
8両編成からの10両編成への組成変更は、8両編成として最後に新製された3665Fから逆順で行われています。小田原・藤沢方の先頭車の次に、新造中間車をM₅・T₃の順に組み込んでいます。10両編成で5M5Tとなるのは6両編成から変更した編成と同様です。
3665Fと3664Fは2011年度に主電動機を全密閉式のMB-5123-Aに換装しており、新製された中間車も同じ全密閉式のMB-5123-Aを搭載しています。8両編成から変更された3080番台の中では、3081F~3083Fが全密閉式の主電動機を搭載しています。
写真の3082Fは、2006年3月に日本車両で完成した3000形の7次車に相当する3664Fに、2018年12月に川崎重工で完成した3432(M₅)・3382(T₃)を組み込み、編成組替・番号変更を行ったものです。

2022/05/30

E235系1000番代(クラF-08編成)

E235系1000番代は、横須賀・総武快速線で使用されているE217系の代替を目的として導入された電車です。いよいよ普通車の腰掛がロングシートに統一されています。また正面は非貫通構造になりました。
近年では主流となったフルカラーLEDですが、駅番号も表示され、撮影時にも文字がはっきりと写ります。車内の情報案内装置は21インチに大型化され、台数も大幅に増加しています。中吊り広告も残しますが、デジタルサイネージの導入も進んでいます。
機器面で注目されるのは、非常走行用電源装置(EPS)の搭載です。これは架線停電など長時間のトラブル発生時に、利用客の降車誘導を最低限にするため、最寄り駅や降車誘導しやすい場所まで走行するための蓄電池やコンバータなどで構成される装置です。
写真のクラF-08編成は、2021年3月に総合車両製作所新津事業所で完成したものです。E235系1000番代の増備は基本11両編成・付属4両編成それぞれが13編成ずつ完成したところでいったん中断されるかたちになっていましたが、最近になってから再開されました。

2022/05/29

EF210形300番代(329号)

EF210形300番代は、山陽本線瀬野ー八本松間で補助機関車として使用していたEF67形の置換えを目的として2013年から製造されているものです。補助機関車として必要な機能を装備していますが、通常の貨物列車の牽引ができる機関車として作られています。
2000年に登場したEF210形100番代をベースとしており、基本的な性能には変化はありません。補助機関車としての必要な機能を追加し、両端の連結器に大型のシリコン緩衝器を備えております。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のFMPU17、主電動機は出力565kWのFMT4×6、補助電源装置はSIVです。運転整備重量は100.8t、台車は両端はFD7S、中間はFD8S、集電装置はFPS4Aを装備しています。
写真の329号機は2020年12月に川崎重工で完成し、新鶴見機関区に新製配置されたものです。300番代は塗装が変更されており、黄色の帯が加えられたほか、ナンバープレートもブロック式に変更されています。

2022/05/28

EF210形(14号)

現在根岸線を走る貨物列車の牽引機関車はEF210形・EH200形の2形式が大勢を占めるようになっております。両形式ともJR貨物が導入した機関車で、国鉄から継続して使用されている機関車はEF65形1000番代だけになっています。
JR貨物が導入した新形式の電気機関車は、VVVFインバータ・電気指令式自動空気ブレーキ・ボルスタレス台車とユニットブレーキを採用していることが、国鉄時代から継続して使用している機関車と決定的に異なります。
主回路についていえば、国鉄の電気機関車の主電動機はすべて直流直巻電動機で、直流電気機関車は抵抗制御と直並列制御の併用で制御していました。JR貨物の導入した新形式は誘導電動機をVVVFインバータで制御するようになっています。
写真の14号機は1998年10月に川崎重工で完成したものです。2019年10月に新塗装に変更され、「ECO-POWER桃太郎」の愛称名は車体中央に大きく掲示されるようになっています。岡山機関区の所属機では初の塗装変更でした。

2022/05/27

EF210形(17号)

EF210形電気機関車は、JR貨物が東海道・山陽本線の主力機関車として使用していたEF65形の老朽置換え、東海道本線での26両編成(1.300t)コンテナ列車の牽引を目的として導入したものです。
1996年3月に試作車の901号機が完成し、各種試験のあと1997年12月から営業運転を行いました。東海道本線における地上設備の準備も整い、1998年10月のダイヤ改正で量産機が投入されました。性能は試作機から変更なく、コストダウン・標準化を目指して仕様を変更しました。
制御方式は1C2MのGTO-VVVFインバータ制御で、電気指令式ブレーキ、主電動機は出力565kWのFMT4×6です。台車は軸梁式ボルスタレス台車で、両端がFD7E、中間がFD8です。集電装置はPS22を装備しています。自重は100.8tとなります。
写真の17号機は1998年11月に川崎重工で完成し、岡山機関区に新製配置されたものです。「ECO-POWER桃太郎」の愛称名を運転台側窓下に表示しています。この愛称は量産車の投入に際して公募で選定されたものです。

2022/05/26

E231系0番代(ミツB42編成)

E231系は、209系950番代によって行われた約1年の試験・営業運転の成果を反映した量産形式です。中央・総武緩行線用としてE231系0番代が2000年から2001年にかけて420両(10両編成42本)が投入されました。4M6Tの10両編成で5号車に6扉車サハE230形を組み込みました。
中央・総武緩行線では、2002年12月のダイヤ改正で地下鉄東西線乗入れ運用を削減したことにより、B57編成を増備しました。また2006年には京浜東北・根岸線用の209系900番代の置換えのためB80~82編成を増備しました。これにより捻出された209系500番代3本が京浜東北・根岸線に転用されました。
2003年に習志野電車区の車両配置を三鷹電車区に集約し、三鷹車両センターにE231系460両(10両編成46本)、209系500番代130両(10両編成13本)を配置しました。山手線へのE235系の投入により、現在ではE231系500番代(10両編成52本)、E231系0番代60両(10両編成6本)という陣容になっています。E231系は機器更新を行った上で6M4T、全4扉車に編成変更されています。
写真のB42編成は2001年11月に新津車両製作所で完成し、三鷹電車区に新製配置されたものです。8両が2020年2月に秋田総合車両センターで機器更新・転用改造を行い武蔵野線に転用され、ケヨMU15編成となりました。転用対象外となったサハE230-42・サハE231-124の2両は2019年12月に廃車となりました。

過去の記事から
E231系900番代(ミツB901編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/06/e231900b901.html
E231系0番代(ミツB11編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/06/e231b11.html
E231系500番代(ミツA529編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2018/06/e231500a529.html

2022/05/25

西武鉄道40000系(40153F)

西武鉄道40000系は、2000系の置換えを目的として導入されたもので「人にやさしい、みんなと共に進む電車」をコンセプトにしています。30000系に続く西武鉄道のスタンダード車両とすることを考慮していますが、地下鉄線や他社線への乗入れも可能になっています。
車体はアルミ合金によるダブルスキン構造で、最大幅2.808mmのストレート車体です。また特徴のある先頭部もアルミ構造です。車内の空間がより広く感じられるよう、袖仕切や妻引戸にガラスを使用しています。17インチワイド画面の表示装置(S-TVS)をドア上に備えています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSVF-102H/SVF-098E、主電動機は出力190kWのSEA-547A、補助電源装置はIGBT-SIVのMELSIV-Gです。台車はモノリンク式ボルスタレス空気ばね台車SS185、集電装置はPT7116-D、冷房装置は50.000kcal/hの能力を持つCU723Aを装備しています。また列車情報制御装置S-TIMを備えます。
写真の40153Fは、2020年9月に川崎重工で完成したものです。40000系の50番台は、座席がロングシート(固定)です。40101F~40106Fの6編成は座席がクロスシート、ロングシート転換可能となっています。

2022/05/24

西武鉄道6000系(6112F)

西武鉄道6000系は営団地下鉄(当時)有楽町線への相互直通運転に使用するため、1992年から98年にかけて250両(10両編成25本)が製作されたものです。6101F.6102Fの2編成を除いて2006年から10年にかけて、東京メトロ副都心線・東急東横線・みなとみらい線への相互乗入対応工事が実施されました。
6000系の車体は西武では初めてステンレス製となりました。時代を反映して戸袋窓・妻窓もあり、車体側面にはビードもあります。先頭部は新製時は銀色でしたが、副都市線線対応で白色になり印象が変わりました。行先表示もLEDに換装されています。
更新後の制御装置はVVVFインバータ制御のMAP-178-15V272、主電動機は出力170kWの誘導電動機MB-5160-A/MB-5161-A、補助電源装置はIGBT-SIVのNC-SAT150Aです。台車はボルスタレス台車のSS125/SS025、集電装置はPT44S-A-M、冷房装置はCU722Aを装備しています。
写真の6112Fは1994年12月に東急車輌で完成したもので、6000系の3次車に相当します。2009年12月に副都心線対応工事を完了しています。さらに2018年7月にはVVVF更新工事を完了しています。

2022/05/23

東急電鉄2020系(2136F)

東急電鉄2020系は、車両仕様の共通化を基本として、快適性と安全性の向上を推進することを目的として2018年に導入されたものです。仕様の共通化によるコストダウンと相互直通運転各社の乗務員の負担軽減を意図しています。2020系は田園都市線で使用する10両編成です。
車体は軽量ステンレス製で、sustinaを採用したことで平滑な仕上がりになっています。客室内の色調はクリーム系でまとめられ、袖仕切りの形状も含めて曲線もある柔らかい印象です。多数設置された17インチ液晶画面からは斬新な印象も受けます。
制御装置はSiC素子IGBT-VVVFインバータ制御のMAP144-15V31A、主電動機は出力140kWのSEA-446、補助電源装置はIGBT-SIVのCDA175です。台車はTS-1041/TS1042、集電装置はPT-7108-E、冷房装置は50.000kcal/hの能力を持つCU7080を装備しています。
写真の2136Fは2020年5月に総合車両製作所で完成したものです。2020系の増備が順調に進んでいることで、2022年2月現在で8500系は2編成まで減少しました。5000系の導入から20年を経てようやく8500系の置換えも完結することになりそうです。

2022/05/22

東武鉄道9000系(9101F)

東武鉄道9000系は営団(当時)有楽町線への直通運転開始に備えて、新造されたものです。1981年に試作車を1編成がまず製造されました。東上線で営業運転に使用されてから、1987年度に量産車が6編成、1993年度に1編成が増備されました。
車体はステンレス製で、左右非対称の前面デザインに特徴があります。コルゲート外板を採用する現在では懐かしいデザインです。識別帯はロイヤルマルーンで、30000系まで続きました。
制御装置はAFEチョッパ制御のATRF-RG609A、主電動機は出力140kWのTM-81、補助電源装置はブラシレスMGのTBG-81です。台車はTRS-81M/TRS-81T、集電装置はPT-4815-A-M、冷房装置はRPU-3002AJを装備しています。
写真の9101Fは1981年11月に東急車輛・富士重工・アルナ工機が分担して完成させた試作車です。2008年6月の副都心線開業後は有楽町線のみに直通できることを示す「Y」マークを掲示していましたが、2010年4月から有楽町線へのホームドア設置に伴いいよいよ池袋口の地上線専用となり「Y」マークも撤去しています。

2022/05/21

東急電鉄5000系(5102F)

東急電鉄5000系は、2002年から田園都市線に投入された5000系シリーズの第一弾です。5M5Tの10両編成となっています。コーポレートカラーの赤帯とラインカラーのグリーン帯を配しています。
5000系の車体は軽量ステンレス製で、新製当初から先頭部にスカートを装備しております。シートモケット・化粧板・床材は清涼感を演出するために青系統の色調でまとめられました。液晶ディスプレイ2画面による情報表示装置も備えています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR2820B/D、VFI-HR1420B/W、主電動機は出力190kWのTKM-98、補助電源装置はIGBT-SIVのINV146-Bです。台車はボルスタレス式空気ばね台車TS-1019/TS1020A、集電装置はPT-7108B/D、冷房装置はCU708/HRB504-2を装備しています。
写真の5102Fは2002年12月に東急車輌で新製されたものです。2008年5月に6扉車2両(5502.5802)を導入し、2009年7月に再度オール4扉車に組成変更されました。5000系は現在ではホームドアの整備が進んだことにより、すべて4扉車に統一されています。

2022/05/20

神奈川臨海鉄道DD55形(18号)

神奈川臨海鉄道DD55形ディーゼル機関車は1963年から1994年の長期にわたり18両が製造されました。国鉄DD13形類型の機関車ですが、1963年製の11号機のみDML61S機関を搭載するセミセンターキャブ機で同一形式でありながら構造がまったく違います。
6気筒のDMF31S型エンジンを2機搭載、液体変速機がDD13形の基幹技術であります。大きく違うのは塗装ということになるのですが、当初はエンジ色とクリーム色の塗分けでした。塗装も18号機からブルー系に変更されましたが、これもまた現行とは異なる塗装でした。最新型のDD60形に倣った現行の塗装のほうがよりシンプルだと感じます。
根岸駅でJR貨物のコンテナ車をリレーして、本牧ふ頭に近い横浜本牧駅までリレーしていくのが本牧線での主なミッションです。待機のために根岸駅近くに留置されている姿をよく見かけます。また根岸線のホームから稼働している姿を撮影することも可能です。
写真の18号機は1992年に富士重工で完成したものです。DD55形としては1981年以来久々の増備となり、機関を直噴式のDMF31SDに変更しています。18号機の増備によって4.5号機が廃車となり、4号機は真岡鉄道、5号機が東急車輌に売却されました。

過去の記事から
神奈川臨海鉄道DD55形(14号)
https://sanojiro.blogspot.com/2011/06/dd5514.html

2022/05/19

京浜急行電鉄600形(601編成)

京浜急行600形は、都営浅草線に直通する3扉・クロスシートという新しいカテゴリの電車として、1994年から96年にかけて88両(8両編成8本・4両編成6本)が製造されました。現在では全車扉間ロングシートに改造され、1000形に近い車両になっています。
新製当初の車内は4人掛のボックスシートを中心とした構成でした、一部座席を可動・収容してラッシュ時には立席スペースを確保する機能を備えていました。車体は軽量アルミ製で、当初前面がイロンデルグレーに塗られていました。
制御装置はGTO-VVVFインバータのRG627B-M、主電動機はTDK6160-A1、補助電源装置はGTO-SIVのSVH-85-461A-Mです。台車はTH-600M/TH-600T、集電装置は菱形パンタグラフPT-4323S-A-M冷房装置はCU-71Fを装備しています。
写真の601編成は、1995年3月に東急車輌で完成したものです。2007年12月に扉間の座席をロングシートに換装し、2009年8月には車体更新を行い、現行の外観となりました。さらに前面の表示器をLED化しています。

過去の記事から
京浜急行電鉄600形〈601編成〉 ※2010年2月の撮影
京浜急行電鉄600形(604編成) ※2011年5月の撮影

2022/05/18

EH200形(10号)

EH200形直流電気機関車は、中央本線や上越線など急勾配が連続する路線における貨物列車牽引用として導入されたものです。またEF64形基本番代を代替する機関車でもあります。2001年に試作車が製造され、2003年から2011年にかけて量産車24両が製造されました。
車体は箱型両運転台構造で、中央で2車体に分割されます。車体長は25mとなっています。車体には「ECO-POWER BLUETHUNDER」の愛称名が表示されています。JR貨物の新形式機関車には一般公募による愛称名の募集が行われております。
主回路は、1インバータ1主電動機を駆動単位とする個別制御方式とし、8群構成としています。主変換装置はインバータ2台を1箱にまとめ、インバータ装置はIGBT素子を使用するPWM方式3レベル電圧形、主電動機は定格出力565kWのFMT4で、新形機関車では共通のものです。
写真の10号機は2006年3月に東芝で完成し、高崎機関区に新製配置されたものです。根岸線を走る貨物列車ではEF210形と並んでよく使用されています。2010年頃にはEF200形・EF66形・EF64形1000番代も使用されていたのですが、現在では形式が整理されています。

2022/05/17

東京急行電鉄5080系(5185F)

5080系は田園都市線用の5000系に続いて、2002年から2008年にかけて60両(6両編成10本)が製造されました。第一陣の投入時点で3000系の就役4年目でしたが、車両の標準化の観点から5080系の投入となりました。JR東日本のE231系を設計のベースとしており、部品を共通化したことから約3割の導入コストが削減されたといわれています。また目黒線はワンマン運転を行うためATOなど関連機器を搭載しております。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSVF065-A0/SVF065-B0、主電動機は出力190kWのTKM-99、補助電源装置はIGBT-SIVのINV146-D2です。台車はTS-1019A/TS-1020A、集電装置はPT-7108、冷房装置はCU708C/HRB504-2Aを装備しています。
編成は3M3Tの6両編成です。側面上部の帯は3000系と同じく目黒線のラインカラーとしてネイビーブルーとしています。客室内は3000系と同じくローズ系の色彩で統一しています。
写真の5185Fは2008年5月に東急車輌で完成しました。目黒線日吉延伸用に増備されたもので、側扉の窓ガラスが二重化され、内側に化粧板が貼られています。2023年3月の相鉄線への直通に備えて中間車を増備して8両編成化されるものと思われます。

2022/05/16

小田急電鉄5000形(5057F)

小田急電鉄5000形は2018年3月の代々木上原ー登戸間の複々線化完成後、はじめて導入された新型通勤車両です。長い年月を経て進められた複々線化完成による抜本的な輸送サービスの改善を反映して、快適性やスピード感など従来の車両とは一味違った車両に仕上がっているように思います。
スマートな外見も目を引きますが、拡幅車体を活かした広々とした車内が特筆すべき点でしょう。床面はフローリングをイメージした木目調、シートは明るいオレンジ色です。袖仕切り・荷棚・貫通扉にはガラスを使用し、見通しがよくなっています。照明は新製当初からLED、空気清浄器も装備と新型車両ならではです。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のMAP-194-15V330、主電動機は出力190kWのMB-5157-A2、補助電源装置はIGBT-SIVのINV207-D0です。台車はNS-102系、集電装置はPT-7113-B、冷房装置はCU7372を装備しています。
写真の5057Fは、2021年5月に日本車両で完成したものです。2022年3月のダイヤ改正で、コロナの影響による利用客の減少にあわせて一部の急行が10連から6連になったりと輸送力のスリム化が図られ、一部に混雑が見られるのは残念なところです。

2022/05/15

E233系6000番代(クラH007編成)

E233系6000番代は横浜線で使用されていた205系の置換えを目的として2014年1月から8月にかけて一気に224両(8両編成28本)が製造されました。205系と同じく4M4Tの8両編成ですが、拡幅車体の採用により、定員は1.244名と1割増加しています。
車体は軽量ステンレス製で、識別帯は黄緑とグリーンです。腰掛は占有幅460mmのバケットシートでモケットはグリーン系の配色です。客室内の照明はLEDになっています。また17インチの液晶モニタによる情報案内装置を出入口上に設けています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC85A、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はSC91です。台車はDT71/TR255、集電装置はシングルアーム式のPS33D、冷房装置はAU726を装備しています。
写真のクラH007編成は2014年3月に新津車両製作所で完成したものです。2017年4月にホームドア対応工事改造を完了しています。その他車内には空気清浄機、先頭部両端にはホーム検知装置を備えています。

2022/05/14

E233系2000番代(マト5編成)

E233系2000番代は、JR東日本が東京地下鉄千代田線と直通運転を行っている常磐緩行線の203系を置き換えるために導入したものです。2009年から2011年にかけて180両(10両編成18本)が製造され、2017年に10両(10両編成1本)が増備されました。2016年3月から小田急線にも乗り入れています。
車体は軽量ステンレス構体で、地下鉄線内の車両限界を考慮して裾絞りのない2.770mm幅になっています。非常用の貫通路を右側に配置しました。客室内はクリーム系の配色でまとめられ、腰掛は占有幅460mm・Sばね方式のバケットシートを備えております。また17インチディスプレイの車内表示機器を装備しています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC85B、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はSC91です。ブレーキ方式は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキとなっております。台車は軸梁式ボルスタレス式のDT71/TR255、集電装置はPS33D、冷房装置はAU726を装備しています。
写真のマト5編成は2010年12月に東急車輌で完成したものです。2015年2月に小田急乗入れ対応工事とモニターの2画面化を完了しています。モニターを2画面化したのは1画面に広告を表示するためです。

過去の記事から
203系(マト51編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2021/11/20351.html
203系100番台(マト69編成)
https://sanojiro.blogspot.com/2022/02/20310069.html

2022/05/13

EF210形100番代(123号)

EF210形電気機関車は、東海道・山陽本線の主力機関車として使用されてきたEF65形の老朽取替と東海道本線での26両編成(1.300t)コンテナ列車の牽引を主たる目的として開発されたものです。1999年度に増備車で使用を一部見直すことになり、新たに100番代として区分されました。
機関車としての性能は0番代と共通ですが、主回路システムにはIGBT素子を用いた1インバータ1モーター制御方式を採用し、主回路故障の際の運転冗長性向上が図られました。補助電源装置インバータ回路が故障した場合のバックアップ用として、第1群主回路用インバータを補助電源用に切り替える回路も設けられました。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のFMPU13、主電動機は出力565kWのFMT4×6、補助電源装置はIGBT-SIVのFAPU3です。台車は両端がFD7E、中央がFD8、集電装置はFPS-4を装備しています。
写真の123号機は2006年3月に三菱電機で完成し、新鶴見機関区に新製配置されたものです。EF210形の愛称である「ECO-POWER桃太郎」のロゴマークを100番代では車体中央部に表記するようになりました。

2022/05/12

EF64形1000番代(1019号)

国鉄からJRへの移行期には、画一的であった車両の塗装を地域独自の塗装に改めることが行われました。常磐線の中距離電車や、広島地区の115系3000番代などから始まり、各地に広がっていったように記憶しています。
JRへ移行して既に四半世紀を経過した現在となっては、車両の世代交代も進み、オリジナルの国鉄時代の塗装に希少価値が出て、もてはやされるようになっています。もともと車両オリジナルの塗装ですから、デザインとしてもはまっているのでしょう。
上越線で使用されてたEF58・EF15・EF16形を置き換えるために1980年から1982年にかけて53両が製造されたEF64形1000番代も、JR貨物への継承機を中心に塗装が改められ、オリジナルの塗装を保つ車両は少なくなっています。
写真の1019号機は、1981年7月に東洋電機・川崎重工で完成したもので、八王子機関区に新製配置されました、1986年3月に高崎第二機関区に転属しています。2010年3月には愛知機関区に転属しています。これは高崎機関区・岡山機関区のEF64形を集約したものです。2018年度に廃車となりました。

2022/05/11

東京地下鉄10000系(10112F)

東京地下鉄10000系は、副都心線の開業にあわせて導入された車両です。副都心線でのワンマン運転・ATO・ホームドアに対応し、有楽町線にも使用されます。7000系の未改造車の置換用を含めて2006年度から2009年度にかけて360両(10両編成36本)が製造されました。
車体は東西線05系13次車に準拠しており、アルミ製のダブルスキン構体としています。先頭形状はラウンド形になっており、貫通路は中央に配置しています。腰掛の専有幅は460mmで、貫通路にガラスを採用するなど広さを感じる造作となっています。
制御方式はVVVFインバータ制御で、制御装置はMAP-178-15V150/MAP-174-15V137、主電動機は出力165kWのMM-111A2です。台車はFS777系、集電装置はPT-7136F、冷房装置はCU7610を装備しています。
写真の10112Fは2007年8月に日立製作所で完成したもので、10000系の2次車に相当します。仕様は1次車に準じますが、前面のゴールド帯はなくなり、車内表示装置が2画面となりました。行先表示のLEDは換装されているようです。

2022/05/10

EF65形1000番代(2117号)

JR貨物で更新工事を施行したEF65形電気機関車の塗色はライトパープルをベースに、上部をスカイブルーとディープパープルの2色で塗り分け、裾部分にディープパープルの帯を入れています。また側開戸をカラシ色に塗装しています。近年は国鉄色に復元した車両も出ています。
1989年11月から2008年5月にかけてJR貨物が機関車の更新工事を行ったのは機関車の新規製造の単年度への集中を避け、設備投資額を平準化することと、故障防止対策を広範囲に渡って行うことが目的でした。
更新工事の内容は台車枠または台車部品の更新、車輪をタイヤから一体車輪に取り換え、基礎ブレーキ装置の更新、主電動機・補助電動機の絶縁更新、基盤電気品の更新、主電動機の車軸装荷をコロ軸受けに変更、車体の改修など多岐にわたりました。
写真の2117号機は、1978年9月に川崎重工・富士電機で1117号機として完成し、新鶴見機関区に新製配置されたものです。2002年2月に大宮車両所でC更新工事を完了しています。2012年度に省令改正に対応して2117号機に改番されました。

2022/05/09

東京都交通局6300形(6302編成)

東京都営地下鉄三田線では、1968年の高島平ー巣鴨間の部分開業以来6000形電車を使用してきましたが、車両の冷房化によるサービスの向上や営団(当時)・東急との相互直通運転への対応を目的として6300形電車を1993年から2000年にかけて222両(6両編成37本)導入しました。
車体はステンレス製とし、スピード感やハイテクイメージを指向してデザインされました。先頭部はFRPによる曲面構成です。車内は暖色系の明るい配色でまとめられました。腰掛は足元スペースを拡大し、バケットタイプのロングシートとしています。また車端部にはボックスシートが設けられました。
制御装置はGTO-VVVFインバータ制御のTINV-6、主電動機は出力180kWのTIM-6、補助電源装置はTSIV-6です。台車はT-6A/T-6B、冷房装置はTCL-6Bを装備しています。また車両制御情報管理装置TISを導入しています。
写真の6302編成は1993年6月に川崎重工で完成したものです。三田線では新型車両6500形が2022年度末までに8両編成13本が導入される予定になっています。6両編成の6300形のうち初期に製造された編成は置換え対象になるものと思われます。

2022/05/08

京浜急行電鉄1000形(1894編成)

京浜急行1000形は、20次車でロング/クロス転換座席、トイレを備えた1890番台が登場しました。2M2Tの4両編成で、1890番台の車番は、600形と同じようなハイフン付きとなり、1890番台ではプレートに貼られています。
車体はサスティナ構体を採用しています。表面が平滑であるため全面塗装も自然な仕上がりで、普通鋼製やアルミ製のように見えます。車内はロングシートとクロスシートを転換できる仕様となりました。これによって座席指定列車から通常運行まで多様な列車に使用することができます。
走行機器については主電動機とVVVFインバータ制御装置が新たに設計されたものになりました。艤装もVVVF制御装置と集電装置をT車に行っていますが、これはM車の重量が過大にならないための措置だと思われます。またトイレを設置したことに対応する地上設備が金沢検車区に設けられました。
写真の1894編成は2021年12月に総合車両製作所横浜事業所で完成したもので、1000形の21次車に相当します。2021年度には21次車として12両(4両編成3本)の1890番台が製造されます。代替対象となる1500形のうち普通鋼製の4両編成から運用を離脱する編成も出ています。1894編成は2022年2月に営業運転を開始しています。

2022/05/07

東京地下鉄8000系(8118F)

営団地下鉄(当時)半蔵門線は、1978年の渋谷ー青山一丁目間の部分開業の時点では全列車を相互直通運転となる東急新玉川線・田園都市線の8500系によって運転していました。1981年4月から千代田線6000系・有楽町線7000系を基本とした8000系を営業運転に投入しました。
8000系の車体は軽量アルミ製で、識別帯の色はパープルを採用しました。車内はアイボリー系の内装とし、冷房装置をすぐに取付できるように準備工事を施し、天井も中央にラインデリアを設けた平天井としました。8000系の導入当時は地下鉄線内はトンネルそのものを冷房するという考え方でした。
制御装置は更新によりVVVFインバータ制御のMAP-174-15V146、主電動機は出力165kWのMM-18011A、補助電源装置はINV172-A0に換装されています。台車はボルスタレス式のSS101、集電装置はPT-4315、冷房装置はMS-RE1101を装備しています。
写真の8118Fは8両が半蔵門ー三越前間の延長開業に備えて1988年12月に完成した4次車で、1987年8月に日本車両で完成し一時的に他編成に組み込まれていた3次車8618・8718を組み込んだものです。2010年8月に大規模修繕と制御装置更新を行いました。

2022/05/06

東京地下鉄17000系(17183F)

東京メトロでは、17000系の導入により有楽町・副都心線用の7000系の置換えを進めています。既に有楽町線にも使用する10両編成6本の投入は完了し、副都心線専用の8両編成の増備が急速に進み、2022年3月の時点で7000系も2編成が残るだけになっています。
有楽町・副都心線用としては10000系以来約15年ぶりの新型車両となります。車両のデザインは今となってはメカ性の強い7000系、レトロモダンな10000系の流れは汲みつつ、穏当なスタイルでまとまっているように感じます。10000系を順当にバージョンアップしたといえるでしょう。
室内の配色は、クリーム調で柔らかい感じの10000系に比べるとややモノトーン調になりましたが、袖仕切りや貫通扉・荷棚にガラス素材を道いて見通し良く、広さが感じられる空間になっています。腰掛の背ずりはラインカラーのゴールドで鮮やかな配色ですが、混雑時には見えにくい部分なのは残念です。
写真の17183Fは2021年7月に近畿車両で完成したものです。東横線に乗り入れてくる東京メトロの車両は近いうちに10000系・17000系の2本立てとなります。昭和から走り続ける電車は東武9000系のみということになるでしょうが、こちらも室内はリニューアルされて良い状態が保たれています。

2022/05/05

東京急行電鉄5050系4000番代(4104F)

5050系4000番代は副都心線との相互直通運転開始に備えて増備されたもので、従来の8両編成と区別するため4000番代の車号が与えられました。10両編成で5M5Tとし、8両編成にはない単独M車が編成に含まれています。
車内のTIPディスプレイが17インチとなり、網棚が穴あきの板に変更されています。外板も全面光沢仕上げとなっております。ちなみに4000番代のうち4104F~4106Fは相互直通運転開始前に直通運転を行う各社に貸し出しを行いました。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR2820L/VFI-HR1420W、主電動機は出力190kWのTKM-99、補助電源装置はIGBT-SIVのINV146-D2です。台車はTS-1019A/TS-1020A、集電装置はPT-7108D、冷房装置はCU708/HRB504-2Aを装備しています。
写真の4104Fは、2012年3月に東急車輌で完成したものです。デハ4604は2009年4月に完成した旧デハ5921→サハ5472で、5000系からの編入車です。このため内装が青色系で網棚を備えています。

2022/05/04

小田急電鉄1000形(1092F)

小田急電鉄1000形は軽量化・省エネ・高信頼性などを意図して導入された車両で、千代田線乗入れも可能な仕様とされました。1987年度から1992年度にかけて6次にわたって160両(4両編成19本・6両編成6本・8両編成1本・10両編成4本)が製造されました。その他にワイドドア車が36両製造されました。
小田急では初めて車体は軽量ステンレス製となりました。車体幅は千代田線乗入れを考慮して2.860mmで裾絞り形状としています。側窓は2連ユニットの1段下降式で、戸袋窓も設けています。客室内の配色は暖色系となりました。
制御装置はGTO-VVVFインバータ制御のMAP-184-15V5、主電動機は出力175kWの誘導電動機MB-5026-A、補助電源装置はGTO-SIVのINV023-A0です。制動装置は空気指令式電空併用方式です。台車はアルストム式空気ばね台車FS534/FS034、集電装置はシングルアーム式のPT7113-B、冷房装置は11.500kcal/hの能力を持つCU195C(1両につき4台)を装備しています。
写真の1092Fは1992年11月に川崎重工で完成したもので、1000形の6次車に相当します。千代田線乗入れ運用に充当されていましたが、4000形の増備により現在では小田急線内でのみ使用されています。2022年2月に車体修理・機器更新を完了しました。(※写真は更新着手前の撮影です。)

2022/05/03

209系500番代(ミツC508編成)

209系500番代は中央・総武緩行線で使用されていた103系を置き換えるために1998年11月から2000年3月までに170両(10両編成17本)が製作されたものです。10両編成で4M6Tとし、全車が4扉車です。
E217系に準じた車体幅2.950mmの拡幅車体を採用し、編成当たり約80名の定員増となり混雑緩和を図っています。腰掛の形状は209系0番代と同様の片持ち式バケットシートですが、リサイクル性を考慮してクッション材にはポリエステル樹脂綿の成形品を使用しました。また前面のFRPは白になっています。
制御装置はGTO-VVVFインバータ制御のSC41C、主電動機は出力95kWのMT68A、補助電源装置はGTO-SIVのSC37Aです。台車はDT61D/TR246L、集電装置はPS28B、冷房装置はAU720Aを装備しています。
写真のミツC508編成は、1999年3月に新津車両製作所で完成し、習志野電車区に新製配置されたものです。2003年12月に車両基地統合により、三鷹電車区(現:三鷹車両センター)に転属しました。2018年12月に秋田総合車両センターで転用改造・機器更新を受け、8両が武蔵野線用のケヨM84編成となっています。転用から外れたサハ209-531・532の2両は2018年10月に廃車となりました。

2022/05/02

205系(ナハ39編成)

南武線では長らく101系・103系を使用していました。初めて205系が投入されたのは、1989年2月で、96両(6両編成16本)が投入されました。その中でナハ1編成は、浦和電車区の中間車4両を組み込んで三鷹電車区に転属しました。
浦和電車区の10連をそのまま三鷹電車区に転用すればよいように思いますが、この転用の目的は輸送力増強のため横浜線の編成を1本増やすことですので、浦和電車区の10連から6両を抜き、サハ204形100番代を新製し蒲田電車区→クラH26編成を組成しています。
103系は205系の新製投入後も残存していましたが、2002年10月から2003年7月にかけて山手線へE231系500番代を新製投入したことで捻出された72両(6両編成12本)が転入し、ナハ34~45編成となりました。
写真のナハ39編成は、1985年11月に日本車両で完成し、ヤテ23編成として山手電車区に新製配置されたものです。編成中6両が2002年12月に中原電車区に転属し、南武線に転用されました。2015年12月に廃車となり、インドネシア譲渡となりました。

2022/05/01

EH200形(4号)

EH200形直流電気機関車は、中央線・信越線・上越線など25‰の急勾配区間が連続する路線での貨物列車牽引を目的として開発されました。EF64形電気機関車の後継機であり、重連運転を行う運用を1両で代替することで、設備投資抑制と保有機関車数の削減を意図しています。
車体は箱型両運転台構造として中央で2車体に分割しています。軸配置はB-B+B-Bとしています。25‰上り勾配においてタンク車18両(1.100t)の引き出しを確実に行えるようにするため、駆動軸を8軸としています。
制御方式はIGBT-VVVFインバータ制御で、主電動機は出力565kWのFMT4を8機搭載しています。ブレーキ方式は発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキです。台車はボルスタレス空気ばね台車FD7J/K/L/M、集電装置はシングルアーム式のFPS4を装備しています。
写真の4号機は2004年2月に東芝府中工場で完成し、高崎機関区に新製配置されたものです。EH200形は2001年に試作車1両、2003年から2011年にかけて量産車24両の計25両が製作されました。根岸線ではEF210形とならんで頻繁に見ることができる機関車です。