東武鉄道9000系は営団(当時)有楽町線への直通運転開始に備えて、新造されたものです。1981年に試作車を1編成がまず製造されました。東上線で営業運転に使用されてから、1987年度に量産車が6編成、1993年度に1編成が増備されました。
車体はステンレス製で、左右非対称の前面デザインに特徴があります。コルゲート外板を採用する現在では懐かしいデザインです。識別帯はロイヤルマルーンで、30000系まで続きました。
制御装置はAFEチョッパ制御のATRF-RG609A、主電動機は出力140kWのTM-81、補助電源装置はブラシレスMGのTBG-81です。台車はTRS-81M/TRS-81T、集電装置はPT-4815-A-M、冷房装置はRPU-3002AJを装備しています。
写真の9101Fは1981年11月に東急車輛・富士重工・アルナ工機が分担して完成させた試作車です。2008年6月の副都心線開業後は有楽町線のみに直通できることを示す「Y」マークを掲示していましたが、2010年4月から有楽町線へのホームドア設置に伴いいよいよ池袋口の地上線専用となり「Y」マークも撤去しています。