2010/07/31

東武鉄道10030系(11032F)

  東武鉄道では1983年から10000系電車110両を製造しましたが、1988年には技術の進歩を取り入れた10030系にモデルチェンジしました。東上線ではよく走っている電車です。
 10030系は10000系と同じくステンレス車体ですが、側面の凹凸が少なくなり、正面デザインを変更して非常にすっきりとした印象になりました。
 主回路には10000系と同様界磁チョッパ制御を採用しましたが、ボルスタレス台車やモニタ装置等新しい技術が取り入れました。他社にはVVVFインバータ制御の新車が出始めていたころでしたが、東武では10030系と同じデザインの10080系試作車を導入するにとどまりました。
 写真の11032Fは1989年9月にアルナ工機で完成したものです。10両固定編成なので、急行・準急にのみ使用されます。

東武鉄道10000系(11003F)

 東武鉄道が8000系に代わる通勤電車として導入したのが、1983年に登場した10000系電車です。最初に東上線に投入され、その後伊勢崎線・日光線でも走るようになりました。
 車体は地下鉄乗り入れ用の9000系に続いて軽量ステンレス製となりました。車内は明るい色調でまとめられています。外観は京王7000系に少しだけ似ていますが、印象としては無骨ですね。
 主回路は界磁チョッパ制御を採用し、回生ブレーキを使用できる省エネ電車となりました。また勾配区間では抑速ブレーキも使用できます。台車は空気バネ式のS形ミンデン台車を採用しています。
 写真の11003Fは1985年10月にアルナ工機で完成したものです。アルナ工機は旧社名をナニワ工機といって路面電車のメーカーとして名高いですね。

2010/07/29

東武鉄道8000系(8177F)

 東武鉄道8000系は、1963年から85年にかけて712両が製作されました。私鉄の通勤電車としては最も長期間・大量に製作された電車ということになるでしょう。
 8000系の編成も支線区での2両編成から東上線における10両編成まで多様です。固定編成では2両・4両・6両・8両編成が存在します。写真の8177Fは8両固定編成となっています。
 伊勢崎線・東上線では数を減らしている8000系ですが、大宮ー船橋間の野田線では全車が8000系による運転となっています。当面は8000系の活躍する姿を見ることができそうですね。
 8177Fは1977年8月に東急車輛で完成したもので、冷房装置を当初から装備しています。2001年に更新修繕を受けています。

2010/07/27

東武鉄道8000系(8122F)

 JR東日本の201系や京王電鉄6000系・3000系、京浜急行1000形など「昭和の通勤電車たち」が次々と姿を消していく中で、いっこうに衰える気配のなかった東武8000系ですが、伊勢崎線では運用が減り、また東上線でも50000系の製造が再開されたことにより廃車が続出しています。
 製造両数が多いことから私鉄版103系とも呼ばれていた8000系ですが、103系とは異なり乗り心地の良い空気バネ台車を履いています。また正面デザインも改造により新しくしているため、それほど古い電車だという感じはしませんが、実際には40年以上走っている電車も多く残っています。
 私の個人的な東武8000系体験といえば、20年くらい前の話になりますが大学の先輩が東上線沿線に住んでいて、遊びに行くときに乗ったのがいつも8000系でした。大学の最寄り駅から有楽町線に乗って、和光市で東上線に乗り換える。そんな感じでしたね。
 写真の8122Fは1966年8月に日本車輛で完成したもので、1980年8月に冷房改造を行いました。また1989年6月に津覇車輛で車体更新を実施しています。

2010/07/25

京王電鉄1000系(1732F)

 渋谷と吉祥寺を結ぶ京王井の頭線は、高級住宅地をぬって走る路線でもあります。浜田山のあたりはすごいですね。都心からそれほど離れているわけでもないのに、家がデカイ。「山の手」という表現がぴったりくるまちです。
 踏切の近くで撮影をしていて、近所の方に冷たいお茶をいただきました。熱中症に気をつけるようにとのことでしたが、こういうことは初めてでした。そういえば子どもの頃は駅で撮影していて、機関士に「何か来るのかい?」などと尋ねられたりしましたが、今では現業の方に声をかけられることはまずないですね。
 イヤな事件もあるせいか、見知らぬ人に声をかけることが非常にためらわれるようになっていますね。自分もおいそれとは話しかけられません。
 私は先日マンションの管理組合の理事長の任期を満了したのですが、次の理事の方の集まりがよくなく、ちと考えさせられました。誰もが入れ込んでゴリゴリやることもないとは思いますが、地域の活動も必要だと思うのですが・・・。

京王電鉄1000系(1731F)

 井の頭線では1996年に1000系電車が営業運転についてからも、先代の主力車両である3000系電車と併用を続けていました。しかしながら乗車位置や輸送力の違いがあることや、ATC装置への対応を考慮して3000系全車の置き換えを進めることになり、2008年に5次車が導入されました。
 1000系電車の5次車は、車体を京王線用の9000系と共通化を図ってモデルチェンジしました。側面の凹凸が完全になくなりたいへんすっきりとした印象になりました。また行先表示が大型化され先頭部と一体化しています。JR九州のキハ200形気動車の新形とともに日本で最大の行先表示でしょう。
 主回路は9000系と同様のIGBT-VVVFインバータ制御を採用し、保守の負担軽減を図っています。また客室のドアの上には近年の新形電車では定番の17インチ液晶モニタを設置しています。
 写真の1731Fは2009年10月に東急車輛で完成したもので、1000系の5次車に相当します。アクセントカラーはサーモンピンクです。

京王電鉄1000系(1001F)

 井の頭線の主力車両である1000系電車は、1996年1月に営業運転を開始しました。基本的な構造は京王線用の8000系電車をベースにしています。
 車体は先代の主力車両である3000系電車と同じく軽量ステンレス製ですが、3000系の18m・3扉から20m・4扉とひとまわり大きくなっています。同じ5両編成とはいっても収容力が増しているわけです。
 加速性能は3000系電車と同等の加速度2.6km/h/secとしていますが、主回路をVVVFインバータ制御としたことで、スムースな加速を可能とするとともに乗り心地も改善しています。
 写真の1701Fは1995年11月に東急車輛で完成したもので、1000系の第1編成に相当します。アクセントカラーはブルーグリーンとなっています。

2010/07/24

205系5000番代(ケヨM35編成)

 武蔵野線用の205系電車のVVVFインバータ化の改造工事は、当初34編成で終了する予定でした。
 ところが、りんかい線で使用されていた70-000系のうち、10両編成化で余った車両をJR東日本が購入して209系に編入改造の上3100番代として川越・八高線に投入することになったため、モーター付きの車両が2両不足することになりました。
 そこで武蔵野線用のM61編成を5000番代に改造して、モーター付き車両2両をモーターなし車両に差し替えることで需給を調整することになりました。
 2005年12月に東京総合車両センターで改造工事を受け、M35編成となりました。5000番代への改造により、京葉線からの209系500番代転用による置換え対象からも外れます。

205系5000番代(ケヨM20編成)

 京葉線には武蔵野線からの直通列車が、東京方面と南船橋・海浜幕張方面と両方向に乗り入れてきます。いずれも京葉線以上に混んでいるような印象があります。
 東京側の直通電車は「武蔵野快速」として、八丁堀・新木場・舞浜・新浦安・市川塩浜駅に停車します。新浦安で京葉線の各駅停車と接続すると便利だと思いますが、実際には接続する列車は少ないです。
 武蔵野線の電車は2005年12月のダイヤ改正以来205系で統一されています。0番台が4編成、VVVFインバータ制御に改造された5000番代が36編成活躍しています。
 写真のM20編成は、山手線へのE231系500番代導入によって捻出された車両を2004年10月に大宮総合車両センターでVVVFインバータ制御に改造したものです。

2010/07/20

「カレーショップC&C新木場店」の唐揚カレー

 ここのところもの凄く暑いですね。電車を待っていても「急病人発生のため何分遅れ」というアナウンスを耳にしたりします。この暑さですから体調を悪くされる方も多いと思います。
 そうはいっても撮り鉄に出かけることはやめられません。そんなときに強い味方になってくれるのが「駅そば」や「カレーライス」です。何しろ注文してから出てくるのが早いですから。
 私佐野次郎が20ウン年前にアルバイトしていたカレーショップC&Cは、京王電鉄の子会社が経営しているのですが、京王沿線以外にも出店しています。つい最近、京葉線・東京メトロ有楽町線・りんかい線が乗り入れる新木場駅にオープンしました。新木場とはいい場所に店を開いたものだと思います。利用客が多いわりには飲食店がそれほどありません。
 C&Cのカレーはカレーソースが絶妙です。小麦粉っぽくもなく、しょっぱくもなく、適度な甘みがあって食べ飽きない味です。たまねぎをやや多めに使っているのかどうかわかりませんが、いい意味で「中庸」といえるでしょう。

2010/07/19

京葉線201系(ケヨK2+K52編成)

 「省エネ電車」として国鉄時代から活躍してきた201系電車も、中央快速線での定期運用から撤退し、常時走るのは京葉線だけになりました。根岸線の103系を見慣れていた私にとっては、201系は座席が茶色とクリーム色のまだらになった電車という印象が強いです。
 京葉線は583系や489系を使用した舞浜行きのディズニーランド輸送用の臨時列車が走るときには、大勢撮影している人がいましたが、最近では通常運用を撮影される方も相当おられます。
 E233系5000番台の導入により京葉線の電車は総入れ替えとなり、201系・205系・209系は姿を消すことになります。新旧の車両が入り乱れて走る今の京葉線はファンにとっては貴重な記録の対象になるでしょう。
  写真のケヨK2+K52編成は1983年12月に日本車輛で完成したもので、中野電車区に新製配置されたものです。中央・総武緩行線で使用されましたが、2000年8月に京葉車両センターに転属してきました。

京成電鉄3050形(3055編成)

 7月17日に「成田スカイアクセス」が開業しましたが、有料特急の「スカイライナー」の他に、特急用として3050形電車が導入されました。
 京成線でよく走っている3000形の7次車に相当しますが、内外装を新しくしていて3050形として区別しています。
 ステッカーの色が3000形とは異なるほか、座席のモケットが飛行機をデザインした独自のデザインとなったり、前面窓の下に飛行機をあしらったシンボルマークを配置したりしています。
 京浜急行にも品川ー羽田空港間ノンストップのエアポート快特として乗り入れてきます。2100形快特と同じような高速で立会川駅を通過して行きました。
【撮影:佐野次郎 2010.7.18立会川駅】

2010/07/17

EF81形〈92号機〉

 上野と札幌を結ぶ寝台特急「北斗星」「カシオペア」の牽引機関車が、EF81形からEF510形に交代しました。
 私は寝台特急の先頭に立つ機関車といえば、EF65形やEF66形の印象が強いのですが、東京駅に出入りする寝台特急も1994年12月の「みずほ」を最初に次々と削減され、昨年の3月には「富士・はやぶさ」まで廃止されてしまいました。
 青函トンネルも工事が国鉄改革の頃に重なり、日本三大なんとか査定などと揶揄されもしましたが、寝台特急「北斗星」は大人気となり、最盛期には3往復が運転されていました。EF81形電気機関車も大いに脚光を浴びました。
 写真は91号機が上野ー青森間を常磐線経由で結んでいた寝台特急「ゆうづる」を上野駅まで牽引してから、尾久の基地までバック運転で回送しているところを撮影したものです。「ゆうづる」は最盛期には583系電車も含めて7往復が運転されていました。
【撮影:佐野次郎 1985年頃上野駅】

2010/07/15

東京急行電鉄9000系(9006F)

 東急9000系の9006Fが東横線での運用を終えて、大井町線に転属することになります。既に長津田検車区で改造工事に入っている模様です。
 9006FはTOQ-BOX号として、ラッパの装飾を施して走っていました。つい先日最後まで残っていた正面の装飾を撤去しましたが、それからすぐの転属となります。
 これで東横線に残る9000系は残り9編成となります。加速する新車の投入ペースから見ても、副都心線への乗り入れ開始までには東横線から退くことになりそうです。
 9006Fは1988年3月に東急車輛で完成したものです。当時は日本経済の絶頂期でもありましたが、東急では9000系と1000系の新造とともに、7600系や7700系など既存車両のVVVFインバーター化にも取り組んでいました。

2010/07/11

東京急行電鉄5050系(5170F)

東急東横線では5050系の5170Fが7月6日に営業運転を開始しました。私こと佐野次郎も本日横浜から白楽まで乗車しましたが、車内はピカピカでまさに「新車!」という感じでした。
東横線の5050系の編成番号は5173Fまで進んでから、欠番となっていた5170Fまで戻っています。続いて5171F.5172Fと製造されるようですね。
3本の欠番は本来田園都市線用の5000系電車のうち、現在東横線で使用されている5118F.5119F.5122Fを改番するという噂もありましたが、これで5000系の改番はなくなったと考えるべきでしょう。
写真の5170Fは2010年6月に東急車輛で完成したものです。ちなみに5050系の前面が少し傾斜しているのはホームを通過する際の風圧を軽減するためだからだそうです。

東京急行電鉄7600系(7602F)

 7600系電車は2010年7月現在総勢6両〈3両編成2本〉と、東急の現役車両の中では最も少数派の電車です。
 7600系は1967年から72年にかけて72両が製造された7200系電車のうち9両を1986年から88年にかけてVVVFインバーター制御化改造したものです。
 7200系は今では信じられませんが、当初は田園都市線を中心に活躍していました。現在の大井町線も田園都市線の一部だったころですね。また東横線の急行にも使用されていた記憶があります。先代6000系と並び東横線では少数派でしたが・・・。
 写真の7602Fは1986年4月に7600系に改造されたものです。7600系になってからも1988年にMc車のTc化や、1994年にワンマン運転対応の改造と赤黒ステッカーの貼り付けを行っています。

東京急行電鉄1000系(1012F)

 東急池上線・多摩川線の主力となっているのが1988年から1991年にかけて製造された1000系電車です。東横線・大井町線で活躍している9000系電車を一回り小さくしたような外観をしています。
 1000系は当初東横線~営団日比谷線の直通列車に使用されていた7000系電車の置き換えに充当されました。当時は中目黒から日吉まで1時間に4本直通列車が運転されていました。
 1991年から目蒲線に投入されたのですが、それまで目蒲線・池上線には緑色の旧形電車が走っていました。現在では旧目蒲線の多摩川ー目黒間は東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線に直通する近代的な車両が走っていますので隔世の感がいたします。
 写真の1012Fは1990年に目蒲線への転用を考慮した1000N系として1990年9月に東急車輛で完成したものです。その後編成を組み替えて3両編成になっています。

2010/07/04

相模鉄道新7000系(7755F)

 相模鉄道7000系は1986年に製作された12次車から大幅な仕様の変更を行い新7000系となりましたが、さらに1988年に製作された14次車からは主回路をVVVFインバーター制御に変更しました。
 オリジナルの7000系に比べると内容が大幅に変わっていて、新形式にしたほうがよいのではないかと思うくらいの変貌ぶりです。台車もVVVF車では新形式に変更されています。
 実用本位の7000系に比べると、新7000形はなかなか凝ったデザインをしています。しかも通勤電車でありながら、扉間にクロスシートを設けています。車端部のクロスシートは東急9000系や京急600形・新1000形、横浜市営地下鉄3000形など採用例がありますが、中間部にあるのは関東では相模鉄道だけのように思います。
 写真の7755Fは1989年4月に日立製作所で完成したもので、7000系の15次車に相当します。現在のところ、オリジナルの塗装のままで走っています。

2010/07/03

相模鉄道新7000系(7713F)

 相模鉄道の7000系電車は1975年から1985年にかけて11次にわたり80両が製造されたあと、1986年に製造された12次車から前面デザインなどのモデルチェンジを行いました。
 7000系の12次車以降は新7000系と呼ばれています。前面のデザインには当時国鉄の205系電車などに見られたブラックマスクを取り入れています。
 側面の帯のデザインも変更されたのですが、現在では新塗装への変更が進み8000系や9000系と同じような塗装になりつつあります。
 写真の7713Fは1986年3月に日立製作所で完成したもので、7000系としては12次車に相当します。主回路は7000系と同じく抵抗制御となっています。

相模鉄道7000系(7709F)

 相模鉄道でも昭和生まれの通勤電車である7000系電車が、年々数を減らしています。現在では、7000系の稼働車は10両編成1本、8両編成4本となっております。
 10両編成で活躍していた7007Fのうち、2010年3月にはモハ7007+モハ7146が編成を離脱し、写真の7709F8両編成となっています。
 また2009年度の廃車として7706F8両編成が廃車となっております。2010年度には11000系の製造がないので、7000系の廃車は一時休止ということになりそうです。
 写真の7709Fは1980年1月に日立製作所で完成したもので、7000系としては6次車に相当します。クハ7709には転落防止幌のあとが残り、編成の中間に入っていたことがわかりますね。

京浜急行電鉄1000形(1057編成)

 5月のダイヤ改正で運転を開始した「エアポート急行」のうち京急川崎ー新逗子間の列車については、2000形の8連や600形や新1000形の4連を2本組み合わせた8連で運行している列車が多く見受けられます。
 今まで快特の付属編成で使用していた4両編成をエアポート急行に回し、足りない分をラッシュ時専用のような格好になっていた2000形の8連で補っているように思います。
 その他にも新1000形の8両固定編成が運用に入っています。これからは、車両の需給の変化により8両固定編成が増えるものと思われます。
 写真の1057編成は、2005年8月に東急車輛で完成したもので新1000形の4次車に相当します。行先表示にフルカラーLEDを採用したのが特徴です。

2010/07/01

京浜急行電鉄2100形(2125編成)

 京浜急行では5月のダイヤ改正から、それまで12両編成で運転されていた快特が、基本的に8両編成に短縮されて運転されるようになりました。
 これは京急川崎ー金沢文庫間で連結され、空港線に直通していた4両の付属編成が、「エアポート急行」として単独で運転されるようになったためです。
 停車駅の少ない速達列車には、乗客が集中しますので8両編成では短いような気もしますが、日中には「エアポート急行」がうまく機能してそれほど混雑はしていないようです。
 写真の2125編成は1998年10月に東急車輛で完成したもので、2100形としては2次車に相当します。2010年6月にインバーター装置をシーメンス社製から東洋電機製に換装していますので、この編成も「歌わなく」なってしまいました。