2022/11/30

E259系(クラNe017編成)

E259系は成田エクスプレス用の新型車両として、2009年から2010年にかけて132両(6両編成22本)が製造されました。1991年の成田エクスプレスの運行開始以来使用されていた253系の置換え用車両です。コロナ禍の影響で一時期日中の運行を絞っていましたが、6連中心ではありますが、運行を再開しています。
E259系の車体はアルミ合金のダブルスキン構造で、赤・白・黒をベースとした253系のデザインを継承していますが、高運転台構造になりました。253系に比べ側窓を上下に150mm拡大しています。17インチ液晶ディスプレイによる四か国語対応の情報案内装置も目新しい点です。またグリーン車の腰掛は2+2配置ですが、本革仕様になっています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC90A、主電動機は出力140kWのMT75B、補助電源装置はIGBT-SIVのSC89Aです。ブレーキ方式は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキです。台車は軸梁式ボルスタレス方式のDT77/TR262、集電装置はPS33D、冷房装置は能力36.000kcal/hのAU302Aを装備しています。情報制御装置としてTIMSを搭載しています。
写真のクラNe017編成は2010年4月に近畿車両で完成し、鎌倉車両センターに新製配置されたものです。2017年3月にはフリーWi-Fiを設置しています。また2019年7月にホームドア対応工事を完了しております。

2022/11/29

E233系3000番代(コツE-13編成)

E233系3000番代はE231系近郊タイプの後継となる車両で、当初の2編成はE217系の捻出を目的として導入されましたが、2011年9月からは211系の代替として増備が行われました。田町車両センター、次いで高崎車両センターに新製配置されました。
車体は軽量ステンレス製で、識別帯は湘南色です。E233系では通勤タイプと前面デザインが同じで空気清浄器も装備しています。2階建てグリーン車を組み込み、側扉に半自動回路を備え、台車に振動抑制のためのヨーダンパを装備しているのは近郊タイプ独自の仕様です。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC98、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はIGBT-SIVのSC86Bです。台車はDT71系/TR255系、集電装置はPS33D、冷房装置は普通車がAU726・グリーン車がAU729を装備しています。
写真のコツE-13編成は、2012年2月に新津車両製作所で完成したもの(グリーン車のみ東急車輌)です。新製配置は田町車両センターでしたが、2013年3月のダイヤ改正で同区の車両配置がなくなったため、国府津車両センターに転属しました。

2022/11/28

E233系8000番代(ナハN2編成)

E233系8000番代は、南武線で使用していた205系・209系の老朽取替を目的として2014年7月から2015年12月にかけて、210両(6両編成35本)が製造されたものです。輸送障害の低減を導入の目的とし、205系と比較して約7割のエネルギーで走行するとされています。
車体は軽量ステンレス製で、定員増による混雑緩和を目的として幅2.950mmの拡幅車体としています。識別帯は黄色、オレンジ、茶色のラインです。座席モケットは南武線のカラーにあわせたオリジナルデザインです。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC85A、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置は待機二重系SIVのSC86Aです。台車はDT71/TR255、集電装置はPS33D、冷房装置はAU726を装備しています。
写真のN2編成は2014年8月に総合車両製作所新津事業所で完成したものです。両先頭車にはレール塗油器を装備しています。2020年9月にホームドア対応工事を完了しております。2020年3月に中原電車区の検修部門が鎌倉車両センター中原支所、運転部門が川崎運輸区に組織変更されています。

2022/11/27

横浜市交通局3000A形(3251F)

横浜市交通局3000形は3号線(現在のブルーライン)新横浜ーあざみ野間10.9kmの路線延長に対応する輸送力増強車両として、1992年から93年にかけて42両(6両編成7本)が製造されました。
車体は軽量ステンレス製で、外板はビードプレス成形として外観見栄えの向上を図っています。この車両から濃淡ブルーの帯を車体側面に貼り付けるようになりました。車内の配色は明るい暖色系でまとめ、各車両に一か所の優先席を設けています。
制御装置はGTO-VVVFインバータ制御のMAT-148-75V32、主電動機は出力140kWのSEA-331、補助電源装置はSVM120-483Bです。台車はボルスタレス台車のSS-124/SS-024、冷房装置はRPU-4001R、列車制御管理装置YTMを装備しています。
写真の3251Fは、1992年12月に東急車輛で完成したものです。2005年12月に東急車輌でワンマン化改造(運転台変更・ATO取付)を行い3000A形となりました。あわせて車内情報装置のニュース放送対応、ドアチャイムの新設も実施されました。後継となる4000形の導入により、本編成は既に営業運転から退いております。

2022/11/26

横浜市交通局3000N形(3341F)

横浜市交通局3000N形42両(6両編成7本)は、1999年8月の横浜市営地下鉄戸塚ー湘南台間の延長開業に対応して導入されたものです。3000形1次車を基本として、安全性・快適性・経済性・省保守化を追求して改良されました。
車体は前頭部をステンレスによる直線と平面によるカット面で構成するデザインとしたため、1次車に比べてシャープな印象となりました。客室内は座席幅を460mmに広げ、袖仕切を大型化しました。また側窓には遮光ガラスを採用しています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のMAP-148-75V77、主電動機は出力140kWのMB-5080A、補助電源装置はIGBT-SIVのMELSIV-7000です。台車はSS153/SS053、冷房装置は17.000kcal/hの能力を持つCU712を1両につき2台装備しています。
写真の3341Fは1999年6月に東急車輌で完成したもので、3000形の2次車に相当します。2006年4月に東急車輌でワンマン化対応工事が行われ、運転台の変更やATOの装備が行われています。2015年2月に照明のLED化が行われました。

2022/11/25

EF66形100番代(131号)

EF66形100番代は、JR貨物が1989年3月のダイヤ改正で貨物列車の増発と輸送力増強を行うために導入したものです。工期が短いために既存車のマイナーチェンジで対応することになり、0番代の最終号機から14年ぶりの製造となりました。
JR貨物の新しい標準塗装を採用したためイメージは大きく異なります。車体の外観は側面は0番代に準じていますが、前面は一新され全体的に丸みを帯びたデザインとなりました。運転室の助手席を廃止して、そのスペースに空調装置CU43形を取り付けています。
制御装置は電磁空気単位スイッチSR123形・抵抗バーニア制御器CS27A形・界磁制御器CS28A形、主電動機は出力650kWのMT56×6、電動発電機はMH127A-DM84Aです。台車は空気ばね台車のFD133C・FD134B、集電装置はPS22Dパンタグラフを装備しています。
写真の132号機は1991年9月に川崎重工・富士電機で完成し、岡山機関区に新製配置されたものです。100番代としては5次車となりますが、2次車から前照灯と標識灯を角型にして一体のライトケースに収め、側面に青帯を追加しています。

2022/11/24

東京地下鉄9000系(9122F)

東京メトロ南北線の9000系は1991年度から2009年度にかけて路線の延長や直通運転区間の拡大などにあわせて仕様を変更しながら増備されましたが、2009年度に輸送力増強を目的として導入した5次車は、10000系を基本にして車体などに変更が加えられました。
5次車の車体は副都心・有楽町線用の10000系と同様のアルミ合金によるダブルスキン構体です。座席の専有幅は460mmとなり、袖仕切りを大型化しています。床材は路線カラーであるエメラルドグリーンとし、15インチ液晶による車内表示器を設置しています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR1420T/VFI-HR2820K、主電動機は出力160kWのHS-32534-16RB、補助電源装置はIGBT-SIVのINV153-E3です。台車はTS-1014/TS-1015、集電装置はPT-7110D、冷房装置はCU711Dを装備しています。
写真の9122Fは2009年1月に日本車両で完成したもので、9000系としては5次車に相当します。5次車はE編成と称します。2023年3月に相互直通運転先の東急目黒線が東急・相鉄新横浜線につながりますので、東京メトロ南北線車両にどのような展開が見られるか楽しみなところです。

2022/11/23

横浜市交通局3000R形(3511F)

3000R形は横浜市営地下鉄の開業以来使用してきた1000形の置換えを目的として導入されたものです。2004年から2005年にかけて1000形と同数の84両(6両編成14本)が製造されました。「人と環境に優しく使いやすい車両」を基本理念として設計されています。
車体は軽量ステンレス製でブロック工法を採用し、側面外板のコルゲーションも廃止して平滑な仕上がりとなっています。客室内はバケットシートを採用し、座席中間部に握り棒を新たに取り付けています。またバリアフリー化のため、床面高さを下げています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のMAP-148-75V77A、主電動機は出力140kWのMB-5080-A2、補助電源装置はSIVのNC-WBT135です。台車はSS162/SS062、冷房装置は17.000kcal/hの能力を持つCU712Aを1両につき2台装備しています。
写真の3511Fは2005年6月に日本車両で完成したもので、3000形の3次車に相当します。新製当初からATO運転・ワンマン運転に対応しています。2018年1月に照明をLED化、2021年3月にVVVF更新と車内案内表示装置更新を完了しています。

2022/11/22

東急電鉄5080系(5181F)

田園都市線用の5000系に続いて目黒線用の5080系が2003年に登場しました。2008年までに60両(6両編成10本)が製造されました。6両編成で3M3T、目黒線ではワンマン運転を行うためATOを装備しています。
側面窓上部の帯は目黒線を示すネイビーブルーとなっています。腰掛は柄を5000系と同じとしてピンク色基調にしています。側面の行先表示と車内案内表示は3000系と同様に3色LEDを採用しました。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSVF065-A0/B0、主電動機は出力190kWのTKM-99,補助電源装置はIGBT-SIVのINV146-D2です。台車はTS-1019A/TS-1020A、集電装置はPT-7108D、冷房装置はCU708C/HRB504-2を装備しています。
写真の5181Fは2003年3月に東急車輌で完成したもので、5080系のトップナンバーに相当します。5080系は2023年3月の相鉄線直通に備えて中間車2両を増備して8両編成化が進められています。

2022/11/21

小田急電鉄5000形(5061F)

5000形は「より広く、より快適に」をコンセプトとして、従来の通勤車のイメージを一新する車両として設計されました。2019年度から導入が始まり、2022年11月現在で110両(10両編成11本)が在籍しています。
車体はステンレス製ですが、レーザー溶接などの新技術の採用により平滑な仕上がりです。幅2.900mm・裾絞り形状の車体は8000形以来久々に採用された規格で、これも広さを実感できる要素です。またホームドアの普及に対応して、側面の車番標記の位置を上げています。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のMAP-194-15V330、主電動機は出力190kWのMB-5157-A2、補助電源装置のINV207-E0です。台車はNS-102/NS-102T、集電装置はPT7113-B、冷房装置はCU7372、列車情報管理装置としてN-TIOSを装備しています。
写真の5061Fは2022年10月に川崎車両で完成したものです。2022年度の増備車ですが、これにより最古参の8000形で制御装置を更新したグループの置換えに着手しています。8056F・8259Fが5061Fの投入と入れ替わりに運用から離脱したようです。

過去の記事から
小田急電鉄8000形(8056F)
https://sanojiro.blogspot.com/2022/10/80008056f.html
小田急電鉄8000形(8259F)
https://sanojiro.blogspot.com/2010/11/80008259f.html

2022/11/20

横浜市交通局3000S形(3571F)

2007年10月のブルーラインのATO運転・ワンマン化の実施に際して、1985年3月の横浜ー新横浜間延長開業に際して導入した2000形は、機器更新時期となっており改造範囲が大きくなることから、他の3000形との共通化を進めかつ再利用品を活用した3000S形車両を導入することになりました。
車体はステンレス製で、3000R形と同一構造としております。客室は扉間6人掛でバケットタイプのロングシートを配置しています。運転台についてはATO・ワンマン運転に対応したものとなっています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のMAP-148-75V77A、主電動機は出力140kWのMB-5080-A3、補助電源装置はIGBT-SIVのSVM135-4025Aです。台車は2000形から流用したS形ミンデン式空気ばねボルスタレス台車SS-104/SS-004、冷房装置は17.000kcal/hの能力を持つCU712A-G1を1両につき2台装備しています。
写真の3571Fは2006年3月に日本車両で完成したもので、3000形の4次車に相当します。2016年1月に室内灯をLED化しています。2020年2月には車内案内のデジタルサイネージ化、2020年3月にはATC/O、VVVF装置など電気機器更新が行われました。

2022/11/19

横浜市交通局3000V形(3611F)

横浜市営地下鉄ブルーライン3000V形は、老朽化した3000A形の更新に向けて導入されたものです。基本的な車体寸法や性能は従来の3000形に準拠していますが、バリアフリー化や省エネルギーの推進、走行安全性の強化などの改良が加えられています。
客室内の配色はブルー系基調となり、各側扉の上には17インチワイド液晶画面による案内表示装置を2画面設置しています。また各車両前後の貫通扉は全面ガラスとし、横浜の観光名所をデザインしています。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のMAP-148-75V303A、主電動機は出力140kWのMB-5170-A2、補助電源装置はSiC-SIVのNC-GBT135Aです。両先頭車の中間車寄りの台車がPQモニタリング台車となっており、軸重や横圧の測定を可能としています。
写真の3611Fは2017年3月に日本車両で完成したもので、3000形の5次車に相当します。2編成目以降の増備も計画されていましたが、4000形の新製という形で進められることになり、3000V形は1編成のみの存在となっています。

2022/11/18

EF65形1000番代(2087号)

EF65形1000番代は、フレートライナーや固定編成客車を牽引するために導入されたものです。東北本線や上越線でも使用するため耐寒耐雪構造を採用し、運転室正面に開戸を設けるなど設計を変更しました。1968年度から1978年度まで139両が製造されました。
車軸配置はB-B-B、主電動機は出力425KWのMT52Aを6機搭載しています。台車は両端台車がDT115B、中間台車がDT116C、集電装置はPS22Bを装備しています。塗色は全体を青15号、両端上部と側面帯をクリーム1号としていました。
2012年5月から国土交通省の省令により、最高速度100km/hを超える運転を行う場合には運転状況記録装置の搭載が義務付けられましたが、JR貨物の1000番代は100km/h以下で運転されるため装置を搭載しないことになりました。装置を搭載する旅客会社所有の1000番代と区別するため、JR貨物の車両は2000番代に改番されることになりました。
写真の2087号は、1977年8月に1087号として川崎重工・富士電機で完成したものです。新鶴見機関区に新製配置され、JR貨物に継承されました。2006年6月に大宮車両所でC更新工事を受け、さらに2087号機に改番されました。2020年の全検時に国鉄色になっています。

2022/11/17

東京急行電鉄3000系(3005F)

東京急行電鉄3000系は2000年8月の目蒲線の運転系統変更による目黒線の開業に備えて専用車両として導入されたものです。営団地下鉄(当時)南北線と東京都営地下鉄三田線との相互直通運転の協定に則り、運転機器等の取扱を共通化しました。1999年から2001年にかけて78両(6両編成13本)が製造されました。
車体は軽量ステンレス製でビードのない平板で、艶消しの仕上げとなりました。先頭部は曲線デザインのFRP製です。車内の配色はピンク系の暖色でまとめられました。腰掛は片持ち式とし、座面が茶色、背面が赤色としています。側扉上部にはLED式案内表示を装備しました。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR2420E/SVF038-A0、主電動機は出力190kWのTKM-98・99、補助電源装置はIGBT-SIVのINV127-B0です。台車はTS-1019/TS-1020、集電装置はPT-7108B、冷房装置はRPU-11012H/HRB503-1を装備しています。
写真の3005Fは2000年8月に東急車輌で完成したものです。現在では行先表示が3色LEDからフルカラーLEDに変更されています。2023年3月の直通開始時には中間車を増結して8連化されるようです。

2022/11/16

横浜市交通局4000形(4621F)

横浜市営地下鉄ブルーラインの4000形は、3000A形の老朽取替用として導入されたもので、3000V形をベースとして安全性やサービスの向上、バリアフリーの推進を図った車両です。3000形グループ共通の「く」の字状の前面スタイルから、車体デザインを一新しています。
車体は軽量ステンレス製で、客室内は路線名と同じくブルーを基調としたインテリアです。座席は一人当たりの幅480mmのバケットシートとし、貫通路は全面ガラスに横浜をイメージした名所や建物をプリントしています。側扉上には17インチ液晶表示器を2画面設けています。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のMAP-148-75V303A、主電動機は出力140kWのMB-5170-A2、補助電源装置はSiC-SIVのNC-GBT135Aです。台車はSS162MB/SS162TB、冷房装は21.000kcal/hの能力を持つCU718を2台、列車制御管理装置YTMを装備しています。
写真の4621Fは、2021年12月に川崎車両で完成したものです。2022年5月に営業運転を開始しました。営業運転開始直後は記念装飾付きで運行されていました。4000形は2023年度までに48両(6両編成8本)を導入する予定になっています。

2022/11/15

東京地下鉄9000系(9115F)

9000系は1991年の駒込ー赤羽岩淵間の開業に備えて導入されました。路線の拡大や乗入れ区間の拡大により、2009年までに5次にわたって138両(6両編成23本)が製造されました。その間の技術の進化を反映して仕様も変更されています。
制御装置は1995年度に導入された2次車かた千代田線06系・有楽町線07系の流れを汲んでIGBT素子に変更され、台車も変更されました。また座席はすべて一人当たり幅450mmのロングシートとなり、車端部のでクロスシートはなくなりました。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御ののMAP-198-15V58/VF-HR4820D、主電動機は出力190kWのMM-7C2、補助電源装置はIGBT-SIVのTN-AA130Cです。台車はモノリンク式ボルスタレス台車SS135B/SS035B、集電装置はPT-4315S、冷房装置はRPU11011を装備しています。
写真の9115Fは1997年6月に東急車輌で完成したもので、9000系の3次車に相当します。3次車の仕様は2次車に準じ、C´編成と称します。1999年に東急目黒線乗入れ対応工事、2001年に埼玉高速鉄道乗入れ対応工事を完了しています。

2022/11/14

E233系3000番代(コツE-66編成)

E233系3000番代はE231系近郊タイプの後継となる車両で、2011年9月からは211系の代替として増備が行われました。2015年3月からE231系とE233系の運用が共通化され、基本編成と付属編成を両系列で混用するようになっています。
車体は軽量ステンレス製で、識別帯は湘南色です。側扉に半自動回路を備え、台車にヨーダンパを装備しているのは近郊タイプとしての仕様です。5両編成の付属編成では14・15号車の2両がセミクロスシートとなっています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC98、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はIGBT-SIVのSC86Bです。台車はDT71系/TR255系、集電装置はPS33D、冷房装置はAU726系を装備しています。
写真のコツE-66編成は、2012年4月に新津車両製作所で完成したものです。新製配置は田町車両センターでしたが、2013年3月のダイヤ改正で同区の車両配置がなくなったため、国府津車両センターに転属しました。

2022/11/13

東京地下鉄17000系(17194F)

東急東横線では8両編成で運転されている急行の一部と各停に使用されている車種は、東急5050系・5000系、みなとみらい線Y500系、東京地下鉄17000系と比較的車種が揃っておりますが、新鋭17000系も頻繁に見ることができます。
17000系の車体はアルミ合金によるダブルスキン構体です。10000系の延長線上にある車両ともいえますが、車体上面にもフリースペースの所在を示すアイコンがついたり、防犯カメラを1両あたり4台を新製時より備えていたりとより進化した車両だと思います。行先表示のLEDも見やすくなりました。
制御装置はSiC素子適用VVVFインバータ制御のVFI-HR4420E、主電動機は出力205kWのMM-S5C、補助電源装置はSiC素子適用SIVのNC-GAT240Dです。台車はボルスタつきモノリンク台車FS781、集電装置はPT7174-B、冷房装置はCU7627を装備しています。
写真の17195Fは2022年4月に近畿車両で完成したものです。共通要素も多い半蔵門線用の18000系とともに2022年の鉄道友の会ローレル賞を受賞しましたが、都会的な18000系に比べて17000系はより親しみやすい車両とだいう印象があります。

2022/11/12

E257系5500番代(オオOM-54編成)

E257系5500番代は、房総方面の特急列車輸送体系見直しによって運用に余裕の生じていたE257系500番代のうち4編成を波動輸送用に転用したものです。同時期に特急「踊り子」の修善寺編成の185系置換え用として4編成がE257系2500番代に改造されています。
5500番代のカラーリングは爽やかさや環境などをイメージできるグリーン系に変更されております。2500番代とは異なり、座席モケットのデザイン変更は行わず、新着席サービスの導入や座席コンセントの設置を行っておりません。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC119/SC118、主電動機は出力145kWのMT72B、補助電源装置は待機二重系SIVのSC120です。台車はDT64B・TR249D/E、集電装置はPS37、冷房装置はAU302、車両情報制御システムTIMSを装備しています。
写真のOM-54編成は2005年7月に東急車輌で完成し、マリNB11編成として幕張車両センターに新製配置されたものです。2022年1月に秋田総合車両センターで機器更新・転用改造を完了し、大宮総合車両センターに転属しました。

2022/11/11

E231系1000番代(コツK-14編成)

国府津車両センターに所属しているE231系は、113系の置換えを目的として導入されたものです。既に宇都宮線・高崎線で使用していたE231系を基本に、グリーン車を加えたものです。また2004年10月のダイヤ改正での湘南新宿ラインの大増発に備えたものでもあります。
E231系では初めて導入したグリーン車は、E217系を基本とした二階建て車両で、グリーン車Suicaシステムを初めて採用しました。また普通車の座席クッションをSばねを併用した最適な柔らかさのものに変更しています。側窓もIRカットガラスに変更しております。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC77、主電動機は出力95kWのMT73、補助電源装置はIGBT-SIVのSC75/76。台車はDT61G/TR246系、集電装置はPS33B、冷房装置は普通車がAU726・グリーン車がAU729、列車情報管理装置はTIMSを装備しています。
写真のコツK-14編成は2004年8月に東急車輌で新製されたものです。6・7号車は2000年12月に川崎重工で宇都宮・高崎線用として新製され、2004年9月に小山区から転入し組み込まれました。

2022/11/10

EF210形(16号)

現在根岸線を走る貨物列車の牽引機関車はEF210形・EH200形の2形式が大勢を占めるようになっております。両形式ともJR貨物が導入した機関車で、国鉄から継続して使用されている機関車はEF65形1000番代だけになっています。
JR貨物が導入した新形式の電気機関車は、VVVFインバータ・電気指令式自動空気ブレーキ・ボルスタレス台車とユニットブレーキを採用していることが、国鉄時代から継続して使用している機関車と決定的に異なります。
主回路についていえば、国鉄の電気機関車の主電動機はすべて直流直巻電動機で、直流電気機関車は抵抗制御と直並列制御の併用で制御していました。JR貨物の導入した新形式は誘導電動機をVVVFインバータで制御するようになっています。
写真の16号機は1998年10月に川崎重工で完成し、岡山機関区に新製配置されたものです。2021年12月に新塗装に変更されました。岡山機関区の所属機は全般検査の都度新塗装化が進んでおり、現在では従来塗装のまま残る車両のほうが少数となっております。

2022/11/09

EF210形100番代(172号)

EF210形の100番代はスイッチング素子にIGBTを使用した1C1Mのシステムとなり、補助電源装置SIVのバックアップ用に主回路ののVVVFインバータ1台を充てています。そのためSIVの故障時にも一定電圧と周波数を保つことができシステムの冗長性を高めています。
EF210形は全般検査の施行の際に新塗装化を進めています。新鶴見機関区に配置されている100番代の中にも既に新塗装化された車両が増えてきています。首都圏近郊で比較的身近に見ることのできるEF210形にも300番代の登場も含めて変化が進んでおります。
EF210形の軸配置はB-B-B、総出力は3.390kWです。主回路は先述の通りIGBTを使用した1C1M、主電動機はFMT4×6、補助電源装置はSIVです。台車はFD7E/FD8、集電装置はFPS4Aを装備しています。
写真の172号機は2011年2月に川崎重工で完成し、新鶴見機関区に新製配置されたものです。EF210形100番代は1999年度から2010年度にかけて73両が製造され、岡山・新鶴見・吹田機関区に新製配置されました。

2022/11/08

E261系(オオRS02編成)

E261系は「大人のIZU 本物のIZU」をコンセプトとして導入された全車グリーン車の特急形電車です。8両編成で、1号車にプレミアムグリーン車、4号車にカフェテリアを設定しています。既存のシステムを踏襲しながら、サービス水準の向上を図った車両といえます。
車体はアルミ合金によるダブルスキン構造で、主要な寸法はE259系を踏襲しています。車内の配色は出入台→グリーン車→個室グリーン車→プレミアムグリーン車の順に明るい白系から落ち着いた黒系の色調に徐々に変化させるインテリアデザインとなっています。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のSC121、主電動機は出力140kWのMT79、補助電源装置はIGBT-SIVのSC106Aです。台車はDT88形/TR272系、集電装置はPS33、冷房装置はAU302A、情報装置はINTEROSを装備しています。
写真のオオRS02編成は、2019年11月に1~3号車が川崎重工、4~8号車が日立製作所で完成したものです。2020年3月から「サフィール踊り子」として営業運転を開始しました。現在では「踊り子」のE257系2000番代・2500番代とともに新たな伊豆特急を構成しています。

2022/11/07

E257系2000番代(オオNA01編成)

E257系特急形電車は中央本線の特急「あずさ」「かいじ」に使用されていましたが、2017年から老朽代替となるE351系を含めてE353系で置き換えることになりました。まだ車齢が若く捻出されたE257系0番代を東海道線の特急「踊り子」に長らく使用していた185系の置換えに充当することになりました。
車体のカラーを伊豆の空と海の色をイメージしたペニンシュラブルーを基調としたデザインに変更しています。座席モケットも同様にペニンシュラブルー基調に変更しました。また着席利用を円滑にするためE657系・E353系と同様の座席管理システムを導入しています。
制御装置はPWM-VVVFインバータ制御のSC119/SC118、主電動機は出力145kWのMT72A、補助電源装置は待機二重系SIVのSC120です。台車はDT64/TR249系、集電装置はPS36、冷房装置はAU302、車両情報制御システムTIMSを装備しています。
写真のオオNA01編成は、2001年5月に日立製作所で完成し、モトM101編成として松本車両センターに新製配置されたものです。9両が2020年7月に長野総合車両センターで東海道線向けの転用改造と機器更新を完了し、大宮総合車両センターに転属しました。

2022/11/06

相模鉄道21000系(21105F)

相模鉄道では来る2023年3月に開業する東急線直通に向けて着々と準備を進めています。21000系の導入もその一環です。10両編成の20000系は東横線への直通運転に使用されをますが、21000系は目黒線への直通に充当されるものです。
21000系は8両編成になったこと以外は、外観は20000系とほぼ変わりません。強いて言えば非常用のドアコックのうち一か所が車体中央部の床下に設置されていることで、これは東急目黒線の3020系などと同じになっているそうです。
客室内についても20000系の2次車と同じ仕様になっています。最近の電車でよく見るLCDの表示器は21.5インチと大形になっています。相互直通する他社線に貸し出されて試運転を行う編成もあり、当初は部分装備としていた直通運転に必要な機器の実装も進んでいるものと推測されます。
写真の21105Fは、2022年9月に日立製作所で完成したものです。21000系は2022年度の設備投資計画で24両(8両編成3本)が導入されることになっています。新製当初から8両編成表示と編成番号表示を前面に掲示しています。

2022/11/05

E235系(トウ01編成)

E235系はJR東日本がE233系の次の世代の通勤型車両として導入したものです。まずE231系500番代の代替として山手線に投入されました。新しい列車情報管理装置システムINTEROSとデジタルサイネージを導入したことなどが特徴です。
車体は軽量ステンレス製でsustinaシリーズ初の量産型となりました。客室内は床や袖仕切、荷棚等が新しいデザインとなりました。デジタルサイネージとして各扉上に17インチ、窓上および妻上部に21.5インチの表示器を設けています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC104/SC105、主電動機は出力140kWのMT79、補助電源装置は待機二重系IGBT-SIVのSC106/SC107です。台車はDT80/TR264系/TR255A、集電装置はPS33G、冷房装置はAU737系を装備しています。
写真のトウ01編成は2015年3月に総合車両製作所新津事業所で完成したもので、E235系の量産先行車に相当します。10号車のサハE235-4620はE231系から転用したものです。2018年3月に量産化改造を受けています。E235系は2015年11月に山手線での営業運転を開始しました。

2022/11/04

小田急電鉄8000形(8062F)

8000形は1982年度から1987年度にかけて7次にわたって160両(6両編成・4両編成各16本)が製造されたもので、小田急の通勤車では唯一の普通鋼製の車両となっています。従ってケープアイボリーとロイヤルブルー帯の標準カラーを保つ車両でもあります。私自身も好感度の高い塗装だと思っております。
車体修理に際して腰掛はセミバケット化され、握り棒によって区分されています。側窓がUVカットガラスに換装され、カーテンを廃止しています。車内案内表示装置は昨今の車両のようなLCD式ではなく、一世代前の設備であるをドットLEDスクロール式を千鳥状に配置しています。
制御装置はIPM-VVVFインバータ制御のMAP-198-15V115A、主電動機は出力190kWのMB-5123-A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV095-H1です。台車はFS516B/FS016、集電装置はPT7113-B、冷房装置はCU195Bを装備しております。
写真の8053Fは1986年12月に川崎重工で完成したもので、8000形の3次車に相当します。2012年11月に車体修理と機器更新を完了しております。8000形の車体修理・機器更新は2002年度から2013年度の長期間に渡って行われました。

2022/11/03

E233系3000番代(コツE-10編成)

E233系3000番代はE231系近郊タイプの後継となる車両で、当初の2編成はE217系の捻出を目的として導入されましたが、2011年9月からは211系の代替として増備が行われました。田町車両センター、次いで高崎車両センターに新製配置されました。
車体は軽量ステンレス製で、識別帯は湘南色です。E233系では通勤タイプと前面デザインが同じになっています。2階建てグリーン車を組み込み、側扉に半自動回路を備え、台車にヨーダンパを装備しているのは近郊タイプとしての仕様です。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC98、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はIGBT-SIVのSC86Bです。台車はDT71系/TR255系、集電装置はPS33D、冷房装置はAU726系/AU729系を装備しています。
写真のコツE-10編成は、2011年12月に新津車両製作所で完成したもの(グリーン車のみ東急車輌)です。新製配置は田町車両センターでしたが、2013年3月のダイヤ改正で同区の車両配置がなくなったため、国府津車両センターに転属しました。

2022/11/02

東武鉄道50050系(51055F)

東武鉄道50050系は東上線用の50000系をベースとして、東京地下鉄半蔵門線・東急田園都市線との相互直通運転に使用する車両としたものです。東急では長期間使用していた8500系が多数を占めていた時期が長いので、比較的新しい車両だという印象がありました。
現在では東急でも最新型の2020系が多数を占めるので、側扉上のスクロール式の車内情報案内装置も一世代前の設備という印象もあります。また2編成だけが残っていた30000系の置換えにも東上線から50000系をコンバートしましたので、東武車は事実上一系列に統一されています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR2820F/VFI-HR1420L、主電動機は出力165kWのTM03、補助電源装置はIGBT-SIVのINV146-G0です。台車はTRS-03M/TRS-03T、集電装置はPT7112-A、冷房装置はRPU-15005を装備しています。
写真の51055Fは2006年7月に日立製作所で完成したものです。東武の50000系列は日立製作所のA-train標準仕様をベースとしている車両でもあります。また51055Fも側面の固定窓を簡易開閉式に改造しています。

2022/11/01

EH200形(9号)

EH200形は中央線・信越線・上越線など急こう配が連続する直流電化区間での使用を目的として導入されたもので、EF64形の後継機でもあります。主電動機をEF210形と共通化するなど、JR貨物の機関車としての標準化にも配慮がなされています。
JR貨物の新型機関車の駆動装置はつりかけ式を採用しています。つりかけ式とは主電動機の片側を支え軸受けを介して車軸に装架し、反対側の突起をばねを介して台車枠に固定する駆動装置です。比較的低速度で運転される貨物列車用には適した駆動装置ということができます。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のFMPU15A・B、主電動機は出力565kWのFMT4×8、補助電源装置はIGBT-SIVのFAPU5Aです。台車は軸はり式ボルスタレスのFD7系、集電装置はFPS4を装備しています。また運転整備重量は134.4tとなります。
写真の9号は2005年3月に東芝府中工場で完成し、高崎機関区に新製配置されたものです。高崎機関区のEH200形は25両の配置ですが、近年全検を施工した車両についてはJRFマークを消去しています。