2010/02/28

京浜急行電鉄600形(603編成)

  京浜急行600形は、1995年3月に2次車として603編成~605編成が製造されました。私などは京浜急行の600形といえば、先代の湘南スタイルの2扉・クロスシートで2000形の前に快速特急に使用されていた電車の印象が強いです。
   1994年に登場した現在の600形があえて600形を名乗ったのは、クロスシートの車両を地下鉄乗り入れ運用にまで拡げるということで、当時の経営層のメッセージが込められているように思うのですが考えすぎでしょうか?
 そういえば、新1000形の導入当初、ステンレス車体全盛の中で、塗装を施したアルミ車体の電車を投入するのは、「総合的な判断」によるものだといっていましたが、新1000形もステンレス製に移行した今となっては、当たり前のことではありますが、経営層の判断もときどきにより変化するものだと感じます。
 写真の603編成は、1995年3月に東急車輛で完成したものです。2007年3月に京急ファインテックでロングシート化改造を行っています。

京浜急行電鉄600形(606編成)

 京浜急行600形は1995年3月に2次車として603編成~605編成、6月に3次車606.607編成が製造されました。これらの設計は共通で600形のBグループに分類されます。
 601.602編成のAグループと主要な機器は共通ですが、車内設備などに変更を加えています。Aグループでは吊手など立ち席客がつかまる設備が少なかったので、吊手や座席の把手を増設しました。
 またAグループの投入当初は2000形と乗車位置を揃えるために、快特で使う場合に中央の扉を締め切っていましたが、紛らわしいので早々に中止されました。そのため中央扉の締切表示の装備もBグループではなくなっています。
 写真の606編成は1995年6月に東急車輛で完成したものです。2005年3月に京急ファインテックで座席をロングシート化するととともに、「KEIKYU BLUE SKY TRAIN」として青い塗装に変更しています。

京浜急行電鉄600形(602編成)

  600形は側面の窓も大きくなり、少し丸みを帯びた前面のデザインともあいまって明るいイメージの電車となりました。塗装もクロスシート〈向い合わせの座席〉を持つ電車であることを示す窓周りも白い塗装となりました。
 現在では、通常のロングシート車である新1000形が窓周り白で登場し、600形も8連はすべてロングシートに改造されたので、窓周り白=クロスシートという公式は崩れています。
 車体は1500形から大きく変化した600形ですが、走行機器については1500形のVVVF車とほぼ同じものとなっています。
 写真の602編成は1994年3月に川崎重工で完成したものです。2010年2月に京急ファインテックでロングシート化と更新修繕を行っています。602編成の改造で600形の8連はすべてロングシートになりました。

京浜急行電鉄600形(601編成)

 京浜急行600形は地下鉄乗入れ用の3扉車でありながら、最初は向い合わせの座席を備えた電車として製造され、首都圏では珍しく着席サービスを優先した珍しい電車でした。
 結局は向い合わせの座席は通常の長い座席ほど乗客が乗れないため、600形の8両編成はすべて通常の座席に改造されていまい、今では新1000系と同等の電車として使用されています。
 600形の前面デザインは、2100形と新1000形にも取り入れられていますので、京急のスタイルの流れを変えた電車だということができます。また1995年の快速特急の120km/h運転開始に備えて、ダンパーという特急用車両に用いられる揺れ防止装置を装備しています。
 写真の601編成は1994年3月に東急車輛で完成しました。京急ファインテックで2007年12月に座席のロングシート化改造、2009年に更新修繕を行っています。

2010/02/27

京王電鉄9000系(9744F)

 京王線でもっとも新しい電車が9000系で、2000年度から6000系電車の置き換えを目的として製造が進められており、既に264両が活躍しています。
 車体は軽量ステンレス製ですが、側面はフラットになっています。一見8000系の廉価版のようにも見えますがさにあらず。バリアフリー化も進みなかなか快適な車内に仕上がっています。
 主回路はIGBT素子を用いたVVVFインバーター制御を採用しています。既に京王電鉄では全車両のVVVF化も視野に入っています。JR東日本をもしのぐ急激な体質改善といえそうです。
 写真の9744Fは2008年10月に日本車輛で完成した、都営新宿線への乗り入れにも対応した10両固定編成です。

京王電鉄8000系(8701F)

 京王8000系は名車として名高い5000系の置き換えを目的として1991年から98年にかけて243両が製作された電車です。6000系から数えると20年ぶりのフルモデルチェンジした電車です。
 車体は軽量ステンレス構造で、窓も大きく開放感のあるデザインになっています。また戸袋窓も残されています。この電車からは近年の電車にはない「ゆとり」のようなものを感じます。
 主回路は新製当初よりVVVFインバーター制御を採用しています。当時主流であったGTO素子を用いるもので、主電動機の出力は150Kwに設定されています。 
 写真の8701Fは8000系の第一編成で、1992年3月に日本車輛で完成したものです、現在では行先表示がフルカラーLEDに換装されています。

京王電鉄7000系(7722F)

 京王電鉄の7000系は1987年度に新製された7721F以降、車体側面のコルゲートがなくなり、JR東日本の205系や東急9000系のようなビードブレス外板になりました。
 その他、正面貫通扉の幌座がなくなったり、標識灯が行先表示と一体化するなどの変化がありました。
 何気なく利用している通勤電車にも様々な改良が施されているといえそうですね。当初は各停専用というイメージがあった7000系ですが、今では準特急や快速など速達列車にも使用されています。
 写真の7722Fは、1987年12月東急車輛で完成したものです。当初は8連でしたが、1995年に中間車を増備して10連に増結しています。2008年12月に若葉台工場でVVVFインバーター化工事を施行し、現行の形態となりました。

2010/02/21

京王電鉄7000系(7710F)

 京王線の7000系電車はグリーンに塗られていた2010系・2700系の置き換えを目的として、1983年に製造が開始されました。仕様変更を行いながら1995年までに190両が製造されました。
 6000系の界磁チョッパ車の車体をステンレス製にしたような車両で、制御装置も主電動機も6000系と同じものを採用していました。
 2003年から主回路をVVVFインバーターに取り替える工事が行われています。車内のリニューアル工事も同時に行った編成も多く、今では製造当初よりグレードアップした姿で活躍しています。
 写真の7710Fは1984年に5両編成で新製され、87年に6連、92年に8連に増結されました。さらに2004年にはVVVFインバーター化改造を受けています。車体側面にコルゲートのある7000系としては初期のタイプです。

京王電鉄3000系(3779F)

 京王電鉄3000系は、1962年から88年にかけて145両〈5両編成29本〉が製作されました。製造年次により細かい改良が重ねられたとはいえ、25年もの長期に渡り製作された稀有な電車です。
 3000系の先頭部分の上半分は強化プラスチック製ですが、編成ごとに色を変えてアクセントにしています。「レインボーカラー」とも呼ばれましたが、編成ごとに色を変えるのは後継の1000系にも引き継がれています。
 井の頭線の主力として活躍してきましたが、1995年から1000系の新製により廃車が始まっています。廃車された車両の中には地方鉄道に売却されて活躍している車両もあります。18m級と車体が小さいので地方鉄道では使いやすいのです。
 既に井の頭線3000系は10両が残るのみとなっており、2011年度に井の頭線のATC使用開始後に引退する予定です。写真の3779Fは1988年3月に東急車輛で完成した最終増備車で軽量構体を採用しています。

2010/02/20

相模鉄道10000系(10706F)

 相模鉄道10000系は新6000系や2100系などの老朽化した電車の置き換えを目的として2002年から2006年にかけて70両〈10両編成3本、8両編成5本〉が製作されました。
 ライフサイクルコストの低減と環境への配慮をテーマにして設計された電車で、JR東日本の231系電車をベースにしています。
 前面デザインやカラー帯などは相鉄独自のものですが、客室はE231系の通勤タイプそのものです。E231系の特徴であるTIMSという情報処理システムもそのまま搭載し、保守や列車運行の効率化も図られています。
 写真の10706Fは2005年1月に東急車輛で完成し、かしわ台電車基地に新製配置されました。

2010/02/19

相模鉄道9000系(9703F)

 相模鉄道9000系は現在新塗装への塗り替えが進められています。もともと車体全体に塗装を施していたこともあり、新しい塗装も自然な感じがします。
 9000系は8000系より3年遅れて登場した電車ですが、1999年まで両系列は並行して製作が行われました。当時ビジネスの世界では「リストラ」が声高に叫ばれていましたが、鉄道車両の世界では標準化が進む今とは異なり、ほぼ同じ性能の電車をメーカー別に2系列並行して製造するようなことが行われていたのでした。今なら発注量をまとめて単価を下げようとするでしょう。
 バスの車体がメーカー別に同じデザインだとしても別に怒る人はいませんが、もし電車のデザインがどの会社でも同じだったら、趣味としては正直云ってあまり面白くないでしょうね。今は電車の標準化が 進んでいますが、その前に似たような動きがあったのは終戦後です。2010年となる現在は終戦後とは比較できないでしょうが、確かに厳しい時代ではあると感じます。
 写真の9703Fは9000系としては2次車に相当し、1995年3月に東急車輛で完成したものです。新塗装化された現在方向幕はLED化されましたが、パンタグラフは菱形のままになっています。

2010/02/18

相模鉄道9000系(9702F)

相模鉄道9000系は日立製作所製の8000系を基本としながら、1993年から2000年にかけて東急車輛で70両〈10両編成7本〉が製作されました。
9000系は8000系と異なり、製造当初から車体全面に塗装を施しています。ちなみに赤い帯は相模鉄道の「S」を表現したものです。またクーラーが集約分散式になっています。
主回路は8000系と同様のVVVFインバーター制御ですが、最高速度は120km/hに向上しています。主電動機の出力は180kwとなっています。
写真の9702Fは1993年3月に東急車輛で完成したもので、9000系としては1次車に相当します。現在でも新製当初の塗装のままで、方向幕も残っています。なおパンタグラフについてはシングルアーム式に換装されています。

2010/02/17

相模鉄道8000系(8709F)

 相模鉄道8000系は新塗装への塗り替えが行われていますが、今のところ当初の塗装のままの編成も走っています。
 旧塗装はアルミ車体のシンボルである赤帯を白帯といっしょに貼って「一体感とスピード感」を表現しています。8000系の前面は傾斜したデザインですので、現在でもスタイルの斬新さは失われていないといえるでしょう。
 また相模鉄道としては初めて、車内に次の駅などを案内する情報装置を設けた電車でもあります。この情報装置は乗客サービス、乗務員支援、保守支援という三つの機能を持つ車両情報制御装置を構成しているものです。
 写真の8709Fは8000系としては6次車に相当し、1995年4月に日立製作所で完成したものです。

2010/02/16

相模鉄道8000系(8710F)

 相模鉄道8000系は「21世紀に向けた車両」として1990年から99年にかけて130両〈10両編成13本〉 が製造されました。
 車体は7000系と同様軽量アルミ製ですが、車体の裾を絞っています。また側窓が大型化されています。私鉄の通勤電車には珍しく編成中の2両はセミクロスシートを採用しています。これは横浜ー海老名間を通しで乗車するにはうれしい設備だといえるでしょう。
 主回路はGTO素子を利用したVVVFインバーター制御を採用しています。6M4Tとモーター車の比率が高くなり、新7000系のVVVF車より編成全体では強力になっています。
 写真の8710Fは1996年3月に日立製作所で完成したもので、8000系としては7次車に相当します。既に新塗装に塗り替えられ、全面にカラー塗装を施しています。

2010/02/15

上野町「笑苑」のチャーシューメン

 「笑苑」は、大和町商店街と本牧のバス通りが交差する上野町にあるラーメン屋さんです。山手駅からだと徒歩7~8分程度というところでしょう。
 いわゆる「家系」といわれるトンコツしょうゆのラーメンですが、妙な脂っぽさはありません。コクがあるのにしっとりとした絶妙な味わいで何度食べてもおいしいラーメンです。
 店内はマンガが積んであり、「昭和」という雰囲気です。カウンターの他テーブル席もあり、常連客とおぼしき家族連れなどでかなり賑っています。
 私佐野次郎はこの店でチャーシューメンをいただきながら、店内に流れるラジオの野球中継を聞くのが好きです。今はシーズンオフなので、ラーメンだけですが・・・

2010/02/14

EF200形(13号)

 EF200形電気機関車は貨物列車の長編成化と高速化を目的として導入された電気機関車です。JR貨物が初めて新規に設計した機関車でもあり、1990年に試作車の901号が完成しました。
 当時は東海道線の輸送力が逼迫しつつあり、貨物列車より足の速い寝台特急も走っていたので、EF66形よりも強力な機関車が求められました。VVVFインバーター制御を採用し、出力は6000kw〈EF66形は3900kw〉と国内最強です。また平坦線では最高速度120km/hという高速性能をも持っています。
 1992年には量産車が登場し、次世代の電気機関車として期待されましたが、経済情勢の変化により1993年の20号機を最後に製造が打ち切られ、EF66形と同等の出力を持つEF210形が製造されることになりました。
 写真の13号機は1992年12月に日立製作所で完成し、新鶴見機関区に新製配置されました。現在では吹田機関区の配置となっています。

E259系(クラNe001編成)

新宿や横浜など首都圏の主要駅と成田空港を結ぶ特急「成田エクスプレス」に2009年10月からE259系特急形電車が投入されています。E259系の投入に伴い1991年3月の運転開始以来使用されてきた253系の3両編成は既に運用を退いています。
 E259系は253系のイメージを受け継いでいますが、車体は軽量アルミ製となっており、運転台も高運転台構造を採用しています。主回路はVVVFインバーター制御となり、E233系一般型電車と同様に主要機器を二重系化して信頼性の向上を図っています。 
車内は窓を大型化したり、天井を可能な限り高くして開放感のある空間としています。また客室天井には17インチの液晶ディスプレイを設置して各種の情報を表示するようになっています。 
写真のクラNE001編成は2009年4月に東急車輛で完成し、鎌倉総合車両センターに新製配置されました。E259系は132両〈6両編成22本〉が揃う予定になっており、来る3月のダイヤ改正でも運用が拡大されます。

253系200番代(クラNe202編成)

253系200番代は2002年に成田空港の滑走路増強やサッカーのワールドカップ開催に伴い、特急「成田エクスプレス」の輸送力増強が必要となることから12両〈6両編成2本〉を製造したものです。253系としては5次車に相当します。 
車体の構造は既存の車両と同じですが客室構造の見直しが行われ、普通車は向い合わせのボックス席をやめて、特急車としては一般的な回転リクラインニングシートに改めています。またグリーン車についても2-1人掛配置となりました。荷物棚については、忘れ物防止のため一般的な開放式に変更されました。
 主回路は既存車と同様の界磁添加励磁制御方式ですが、主制御機、主電動機、励磁装置などは205系通勤形電車の転用改造に伴う発生品を利用しています。また台車については乗り心地向上のための仕様変更を行い新形式となっています。
 写真のNe202編成は、2002年4月に東急車輛で完成したものです。成田エクスプレスがE259系に代替されたあとは、日光方面の特急への転用が噂されていますが実際にはどうなるのでしょうか?

E217系(クラY-27編成)

横須賀線と総武快速線を走るE217系近郊型電車の機器更新も順調に進んでいるようで、最近では未更新の車両の方が少なくなってきているような気がします。
さらに最近では、先頭車のスカートが大型のものに換装されているようです。そのため顔つきが少し変化しています。
 横須賀線は来る3月のダイヤ改正で武蔵小杉駅が開業します。南武線・東急のホームから離れた位置になりますが、特急を含めた全列車が停車するそうですので、新たなネットワークが形成されることでしょう。さらに横浜駅の横須賀線ホームについても増設工事が行われています。
写真のY27編成は1997年11月に東急車輛で完成したものです。2008年12月に東京総合車両センターで機器更新を行っています。

京浜急行1500形〈1625編成〉

 京浜急行では新1000形の8連と4連を製作することによって、1000形の置き換えを進めていますが、普通列車用の6連が不足するために1500形の8連と4連を6連に組み替えて補充しています。
 1500形チョッパ車を6連にした場合、加速力が性能不足になるため、VVVFインバーター制御への改造が進められています。あわせて主電動機も155kwの誘導電動機に換装しています。
 改造工事を行うことにより、加減速性能については新1000形と同等になりました。京急の普通は短い駅間距離を快速特急などの速達列車を待避しながら走るため、急速な加速・減速を繰り返しています。普通に使用される車両にも高い性能が要求されるというわけです。
 写真の1625編成は、1989年3月に東急車輛で完成したものです。2009年2月に京急ファインテックでVVVF化改造が実施されました。
【撮影:佐野次郎 2009.10.3仲木戸駅】

2010/02/12

京浜急行1500形〈1607編成〉

 京浜急行1500形は、1988年の増備車から車体がアルミ合金製となりました。大形押出形材を使用し、戸袋窓を廃止するなどして先頭車では鋼製車に比べて3.5t、中間のモーター付き車両で4.0tの軽量化を達成しています。
 車番は1600番台が新たに起こされましたが、走行機器は基本的に鋼製車と同じです。オールMを基本とした1000形とは異なり、8連では6M2Tと経済化が図られています。
 私は高校に通学していたころ、いつのまにか根岸線の新杉田駅から富岡にある高校まで歩くようになっていました。最初は杉田から京浜富岡まで京急に乗っていたのですが・・・。ある日通学途中にピカピカの1500系アルミ車が新逗子行きの急行で走る姿を見たのを鮮明に覚えています。戸袋窓のない電車は京急では初めてだったので、印象が強かったわけです。
 写真の1607編成は1988年1月に川崎重工で完成したものです。6連で登場しましたが、今では8連に組み替えられています。
【撮影:佐野次郎 2009.12.29新大津ー北久里浜間】

2010/02/09

東京急行電鉄9000系(9007F)

 9000系では東急電鉄では初めてVVVFインバーター制御方式とボルスタレス台車を採用した電車であり、1986年から91年にかけて主に東横線用として製造されました。
 東急電鉄の車両の流れを変えた電車だということがいえるでしょう。1988年に9000系を小型にしたような1000系が日比谷線乗り入れ用に登場し、1992年には田園都市線向けの2000系が9000系そっくりの風貌で登場しました。
 当時は切妻のデザインともあいまって実用本位の電車だという印象を受けましたが、最新の5000系に比べると座席も柔らかく、今となってはゆとりのようなものを感じます。
 写真の9007Fは1988年3月に東急車輛で完成し、長津田検車区に新製配置されました。9000系では唯一5連で新製され、新製以来一貫して大井町線で使用されています。東横線から転用された9002F、9009Fとは異なり、先頭車のスカートは装備されていません。パンタグラフに関してはシングルアーム式に換装されています。

2010/02/06

東京地下鉄8000系(8112F)

 1980年に東急田園都市線と相互直通運転を行う営団半蔵門線用として8000系電車が登場しました。6000系・7000系を基本としていますが、直線を強調したデザインとなって側窓は1段下降式となり、車内の天井は平天井となっています。
 またクーラーを搭載するための準備工事も行われていました。その頃はまだ営団地下鉄としては電車にクーラーをつけるとトンネル内の温度が上がるため電車にはクーラーを付けないという方針でしたが、結局は方針を転換して電車にクーラーをつけることにしたのでしょう。
 ちなみに現在の鉄道車両では主流になっているボルスタレス台車を初めて実用化した車両でもあります。外観上は6000系・7000系の流れを汲んでいますが、機器の操作は極力東急に近付けており、運転台のマスコンは東急8500系と同じくワンハンドル式になっています。
 写真の8112Fは1987年9月に川崎重工で完成し、暫定的に深川検車区に新製配置されて東西線で使用されました。1989年の半蔵門ー三越前間の延長に際して鷺沼検車区に転属して、本来の半蔵門線用となっています。

東京地下鉄7000系(7110F)

 営団→東京メトロ7000系は有楽町線用として340両〈10両編成〉が製作されました。車体は千代田線用の6000系とほぼ同じですが貫通扉の上に列車種別表示用のスペースを設けている点が6000系とは異なります。
 7000系は2008年6月に開業した副都心線でも使用するため、ホームドアやATO運転に対応するための改良工事を進めています。最終的は340両あった7000系は180両〈10両編成6本、8両編成15本〉にまで整理されます。
 さらにこれらの車両には2012年度に予定されている東急東横線との相互直通運転に対応するため、東急乗り入れ対応改修も行われることになっています。
 写真の7110Fは1974年8月に近畿車輛で5両編成が完成しました。その後10両編成への増結が行われ、さらに副都心線乗り入れ対応工事を施行して、現在の姿になっています。主回路は既にVVVFインバータに換装されています。

東京地下鉄6000系(6130F)

 東京メトロ千代田線はJR常磐線・小田急線と相互直通運転を行っていますが、三社の中で唯一直通運転開始当時から走っていた6000系電車が主力として活躍しています。常磐線の103系1000番台はJR西日本で105系化された車両が残るだけになっており、小田急9000系は全車廃車になっています。
 6000系は1968年から1985年にかけて369両が製造されましたが、現在も全車が健在で綾瀬検車区に配置されています。当時としては斬新なデザインで、現在でもそれほど古臭いとは感じません。また軽量アルミ車体にチョッパ制御と高価な電車であるということもいえます。
 今年になってから不死身の?6000系にも後継車両の投入がアナウンスされました。16000系が来年より走り始めるそうです。現在主流の誘導電動機よりさらに省エネルギーに優れた永久磁石式モーターを装備するとのことです。営団時代からの最新技術を積極的に導入するというDNAが東京メトロに継承されているといえるでしょう。
 写真の6130Fは6000系の5次車として1984年12月に近畿車輛で完成し、綾瀬検車区に新製配置されました。主回路をVVVFに換装する大規模な更新修繕を既に行っています。

2010/02/02

山手駅

 このブログもおかげさまをもちまして本日で開設1周年を迎えることができました。ご覧いただきました皆様、コメントをくださいました皆様、まことにありがとうございました。近所の情報と鉄道の情報を半々くらいでとりあげようとは思っていましたが、ほとんどが鉄道関連の記事となってしまいました。これからは近所の飲食店情報なども取り上げてみたいと思っています。
 さて、今日は私の最寄り駅である山手駅を紹介します。山手駅は1964年の根岸線の磯子開業に際して開設された駅です。仮称は大和町駅ですが、駅の位置が立野にもかかるため結局調整がつかず山手駅という名称になりました。いわゆる「山手」には隣の石川町駅のほうが近いのです。
 駅前に小学校があり、会社などは目立たない珍しい駅です。根岸線の中では一番鄙びた駅だと思います。国鉄時代には広告を一切掲示していない駅として有名でした。
 山手駅もバリアフリー対策として駅のリニューアルに着手しました。石川町寄りに1か所だけある改札を根岸寄りに100mほど移すそうです。工事のため高架下にあったファミリーマートやドトールコーヒーが閉店してしまいました。山手駅近辺はチェーン店があまり出店しない場所でもあります。
【撮影:佐野次郎 2009.11.3】