2021/11/16

203系(マト51編成)

203系電車は1971年から常磐緩行線と千代田線の相互乗入れに使用していた103系1000番台の代替を目的として1982年から1986年にかけて170両(10両編成17本)が製造されました。抵抗制御の103系ではトンネル内での温度上昇の影響が大きいための代替でした。
203系の車体は軽量化を目的としてアルミ合金製となりました。前面はやや傾斜をもたせたデザインです。客室設備は201系に準拠したものとなりました。腰掛のモケットは茶色で中央のみ薄いオレンジ色として着席区分を示しています。新製当初よりAU75G冷房装置も搭載しました。
主回路は201系を基本としたサイリスタチョッパ制御で、機器の小型軽量化が図られています。また地下鉄線内での運転条件を考慮して回生ブレーキの使用範囲を広げています。主電動機は出力150kWのMT60、台車はDT46A・TR234を装備しています。
写真のマト51編成は1982年8月に川崎重工で完成したものです。常磐線の我孫子ー取手間の複々線化により1編成の増備が必要になった際に導入された量産先行車的位置づけの編成となります。側面の車両標記が番号板になっていたのが特徴でした。2011年6月に廃車となりました。