私にとって東武鉄道の通勤電車といえば、私鉄版103系と呼ばれた8000系の印象が強いです。ほぼ同じ外観で大量に増備され、同じ車体に更新された5000系もありました。後年はその8000系も6050系に準じた前面形状に改修され、印象が一変しました。
近年は50000系・60000系・70000系とそれぞれ違うカラーで新型車両が導入されましたが、東武の場合は会社単位というより、路線別に個性を持たせるということでカラーを統一するという考えはないようです。
8000系全盛の中で異色をはなったのが、地下鉄乗入れ用の9000系でした。1981年に試作車の9101Fが導入され、所要最低限の増備を年次をかけて行ったので、少数派の形式でありながらバリエーションがあるという8000系とは毛色の違う車両となりました。
写真の9103Fは1987年6月に東急車輌で完成したものです。2007年3月にリニューアルを行い、ATOの装備など多岐に渡る、副都心線乗入れ対応が行われました。この9000系が製造されていた頃には、東急東横線で見ることができるとは思いもしませんでした。