小田急電鉄8000形は、1982年度から87年度にかけて160両(6両編成・4両編成16本ずつ)が製造されました。省エネルギー化や長寿命化を意図して設計されたのが功を奏して、現在でも十二分に活躍しています。
車体は普通鋼製ですが、防蝕性外板やステンレス鋼を部分的に用いたり、シーリングなどの工夫により長寿命化が図られました。客室内は、寒色系の色調でまとめられていました。またラインデリアを取り入れて天井はフラットになっています。
制御装置は界磁チョッパ制御で、出力140kWの直流複巻電動機を制御します。回生ブレーキを使用することで省エネルギー化を図っています。台車はアルストムリンク軸箱支持式の空気バネ台車を装備しました。
写真の8253Fは、1983年4月に川崎重工で完成したもので、8000系の1次車に相当します。2005年11月に車体修理・機器更新を行い、制御装置はIPM-VVVFインバータ制御に変更され、主電動機も出力190kWの誘導電動機に換装しています。そのため6両編成で4M2Tから3M3Tへと電動車比率を下げています。