2000系は駅間距離が短く、平坦区間を走行する新宿線用として開発された車両です。西武鉄道では101系電車のように車体の長さが20mでドアが片側3か所という通勤電車を長く製造しており、20m・4扉の車両は401系(国鉄モハ63形)以来久々に導入されました。
西武では初めての直流複巻電動機・界磁チョッパ制御・電力回生ブレーキを装備した「省エネ電車」となりました。前面も長く続いた非貫通スタイルを脱して、正面に貫通扉を設けています。ちなみに戸袋窓は最初からついておりません。
制御装置は界磁チョッパ制御のMMV-HTR20D、主電動機は出力130kWの直流複巻電動機HS-835-Hrb/TDK-8030-A、補助電源装置はMG-117S(AS)です。台車はFS-372A/FS-072、集電装置はPT7116C-1を装備しています。
写真の2007Fは1977年7月に西武所沢車輌工場で完成したもので、2000系の1次車に相当します。1983年12月に8連化、2001年8月に更新修繕、2009年3月にシングルアーム式パンタグラフへの換装を完了しました。長きにわたり新宿線で活躍しましたが、2022年4月に廃車となりました。