都営浅草線の5300形電車は1991年3月の北総開発鉄道との相互直通運転開始を契機として導入された車両です。現在では第三世代となる5500形に置き換えられていますが、初代の5000形に比べると冷房もつき、スタイルも洗練されずいぶんと進化したように感じました。
車体はアルミ合金製で全面に塗装を施しており、かつ丸みを帯びたデザインになっています。前面のブラックマスクがアクセントとなっています。室内も形状的に柔らかな造作で、座席も乗り心地の良いバケット式のロングシートが採用されました。
制御装置はGTO-VVVFインバータのTINV-1、主電動機は出力165kWのTDK6115-A、補助電源装置はD-Dコンバータです。台車はボルスタ付空気ばね台車のKD302/KD302A、冷房装置はTCL-1Aを装備しています。
写真の5314編成は、1993年6月に日立製作所で完成したものです。5314編成までは、スカートが小型になっています。2021年5月に廃車となりました。かつては当たり前のように走っていた5300形も5320編成を最後に営業運転から退くことになっているでしょう。