リニア中央新幹線の建設が進められていますが、私個人としては下記のような疑問を感じています。
①そもそも必要性があるのか
ビジネス関連の人流は縮小傾向(生産人口の減少、ハイブリットワークの普及)にある。
航空機ほど速くない。東海道新幹線ほど頻繁に走れない。高速バスほど安くもない。
リニアができても普通に東海道新幹線を利用する人が多く、無理にリニアに誘導したらそれこそ東海道新幹線と深刻なカニバリが起きるのではないか。
②ほんとうに速くなるのか
乗るまで・降りてからにけっこうな時間がかかるのではないか。
名古屋以遠など既存の新幹線に直通できないのは致命的な欠陥なのではないか。
実績がないリニア方式で本当に開業できるのか。(建設、車両の調達、運行体制の整備)
③経営が継続できるのか
リニア利用客のイメージが湧かない。シーズありきの建設計画ではないか。
施設・車両や乗務員なども共用できず、東海道新幹線と二重投資になるのではないか。
施設のメンテナンスや車両の更新が継続できるのか。
私自身としては、在来型新幹線(というのも変ですが)東海道新幹線の別途線増として建設する方が、まだ事業経済性が高いように感じています。
①品川と名古屋で東海道新幹線と線路を接続し、直通できるようにすれば、トータルでの所要時間が短縮でき、本来の目的である東海道新幹線のサブルートとしての価値を高めることもできる。
②運ぶのは人だけとは限らない、増加傾向にある物流に対応する貨物輸送の比重を高める方がマネタイズの機会が高まる。むしろドライバー不足が社会的には喫緊・深刻な課題であり、整備の意義が高まる。あわせて北陸新幹線を大阪まで延長し、貨物輸送も可能とすることでサブルートを含めた物流の骨格を形成することができる。
③車両・施設・人員も東海道新幹線と共用でき、管理費を抑制することができる。また線路容量の増大を利用して、岡山ー山陰・四国方面に新在直通ルートを整備し、新幹線ネットワークをさらに充実させることもできる。
もちろんさえないおっさんのたわごとで、どうにもならないことではありますし、新たな問題もあります。
①現行のJRのスキーム
②巨額となるであろう貨物施設への投資
③貨物新幹線システムの開発
などです。とはいうものの現在の方向性については、やはり疑問を禁じえません。