2013/02/23

小田急電鉄2000形〈2053F〉

小田急電鉄では、1000形に代わって1995年から2001年にかけて2000形電車を導入しました。2000形は、一見1000形に良く似ていますが、全電気指令式ブレーキやモノリンク式台車などの新しい技術を盛り込んでいます。
2000形の基本設計は10両編成で、地下鉄千代田線への乗り入れを考慮していましたが、現在まで実現しておらず、また将来千代田線に入ることもないでしょう。実際に登場したのは近郊各停用の8両編成だけになっております。
主回路は1000形に続いてVVVFインバータを採用していますが、IGBT素子を使用したものに進化しています。またモニタ装置は、空調装置、案内表示装置、自動放送などの指令機能や検修機能を持ち、1000形に比較して大幅に機能が向上しております。
写真の2053Fは1998年6月に東急車輌で完成したもので、2000形の2次車に相当するものです。1999年5月から7月にブレーキ読替装置の実車試験を行いました。試験終了後クハ2053に装備した電気連結器を撤去しましたが、ブレーキ読替装置は次の3000形で本採用となりました。
【撮影:佐野次郎 2013.1.6 生田ー読売ランド前間】

2013/02/17

小田急電鉄1000形〈1056F〉

小田急電鉄が8000形に代えて導入したのが、1987年に登場した1000形電車です。各駅停車の8両編成化と9000形の代替として営団地下鉄千代田線乗入れにも充当されました。
小田急電鉄としては初めて、VVVFインバータ制御、ステンレス車体を採用した電車です。ステンレス車体とはいえ、戸袋窓もあり、近年の電車とはやや趣が異なりますね。
1000形電車は4連・6連・8連・10連の各タイプを交えて1993年までに160両が製作されました。2009年には箱根登山鉄道のラインカラーを施した編成が登場したり、千代田線乗入れ運用から撤退したりと変化も見られます。
写真の1056Fは、1988年2月に川崎重工で完成したもので、4連の1次車に相当します。集電装置は当初の菱型から、シングルアーム式に換装されています。
【撮影:佐野次郎 2013.1.6 生田ー読売ランド前間】

2013/02/10

小田急電鉄8000形〈8263F〉

小田急電鉄の通勤電車といえば、アイボリーに青帯の電車だという印象が強かったのですが、1987年からステンレス車体の1000形電車が登場し、近年の3000形・4000形の急速な増備によって2012年3月には5000形も引退し、8000形が残るだけになっています。
8000形は省エネルギーと保守の負担軽減・長寿命を目指して1982年から87年までに、160両〈6両編成・4両編成各16本〉が製造されました。現在は、更なる省エネルギーと検修の効率化を目的として、車体修理と制御装置の更新を進めています。
8000形と同世代の電車といえば、旧国鉄では新幹線200系や201系通勤型電車、地味なところではキハ37系気動車なども思い起こされます。201系はJR東日本では既に引退し、200系も来る3月のダイヤ改正でいよいよ定期運用から退きます。
写真の8263Fは、1985年12月に川崎重工で完成したもので、6連の5次車に相当します。2008年8月に車体修理を完了しております。LED式案内表示の書体がゴシック体になっています。
【撮影:佐野次郎 2013.1.6 生田ー読売ランド前間】

2013/02/09

小田急電鉄60000形〈60254F〉

2012年3月のダイヤ改正で、小田急電鉄・JR東海が相互乗り入れで運行している特急「あさぎり」の運転区間が新宿ー御殿場間に短縮され、使用車両も小田急20000形・JR東海371系から小田急60000形MSEに変更となりました。
御殿場ー沼津間が廃止となった格好になりますが、近年20000形の更新工事も行われず去就が注目されてはおりました。しかし20000形・371系の営業運転開始は1991年3月のダイヤ改正ですから、20年少々での引退というのは早すぎるような気もしますね。
60000形に置き換えられた「あさぎり」ですが、新宿ー相模大野間で「えのしま」と併結運転する列車が新たに登場しております。30000形による「さがみ」「えのしま」の併結運転に加えて新しい組み合わせができました。4連で走る「えのしま」の姿にはどこかユーモラスな印象もあります。
写真の60254Fは、2012年2月に日本車両で完成したものです。今回の増備で60000形は32両〈6両編成4本・4両編成2本〉の陣容となりました。
【撮影:佐野次郎 2013.1.6 生田ー読売ランド前間】