東武鉄道30000系は、伊勢崎線と営団地下鉄(当時)半蔵門線と相互直通運転を目的として1997年に導入された車両です。2003年の直通開始までにはタイムラグもあり、10030系の後継としての性格も持っています。そのため浅草駅への乗入れや西新井工場への入場を考慮し、6両+4両の分割編成で製造されました。
車体は軽量ステンレス製で、9000系量産車以降と共通のダルフィニッシュ仕上げとしています。前頭部の彫りが浅く、横長のLEDを採用したりとデザイン的な味付けは少々異なっています。車内は化粧板が白色系、座席がブルー系の配色です。腰掛の奥行きが深い東武電車らしい車内を持った最後の系列でもあります。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR1420B、主電動機は出力190kWのTM-95、補助電源装置はIGBT-SIVのINV-095-F1です。台車はTRS-95M/TRS-95T、集電装置はPT-7112-A、冷房装置は集約分散式のRPU6011を装備しています。
写真の31407Fは2001年3月にアルナ車両で完成したものです。2014年10月に中間運転台を撤去して31607Fに組み込まれ、10両固定編成になっています。30000系は早くも2005年には50050系の登場により、地上線に転用を開始しました。さらに10両固定編成化され、東上線に転用されました。