2009/11/13

碓氷峠鉄道文化むらクハ189-5

 1990年から上野ー長野間を結ぶ特急「あさま」の需要の維持・向上を目的として189系電車のグレードアップ工事が行われた。
 工事内容は、編成全体の塗装変更と車内設備の改善で、グリーン車は腰掛を1+2の3列配置というゆxたりとしたレイアウトに改善した。また指定席車は腰掛の間隔を50mmから60mm拡大して、960mmから970mmとした。またグリーン車と指定席車については側窓の拡大と、床の一部かさ上げを行っている。
 これらの改造内容は1988年から行われた中央東線の特急「あずさ」に使用する183系1000番台に準じたものである。
 それなりに好評を博した189系グレードアップ車であるが、抜本的な改善は新幹線に委ねることになった。1997年には長野新幹線が開業し、「あさま」の愛称も新幹線に継承された。
【撮影:佐野次郎 2009.7.23】

2009/11/11

特急「あさま」

 碓氷峠鉄道文化むらに保存されている189系特急形電車は、現役時代上野ー長野間を結ぶ特急「あさま」に使用されていた。
 189系は1975年から長野新幹線が開業した1997年まで走り続けたものである。現在でも一部の車両が団体輸送用に残っている。
 写真は現役時代の189系を上野駅の地平ホームで撮影したものである。
 1985年3月のダイヤ改正で、東北新幹線の上野ー大宮間が開業したことにより、在来線の特急は相当整理されたが、常磐線の「ひたち」 と信越本線の「あさま」は相当な本数を維持していた。
【撮影:佐野次郎 1985年頃 上野駅】
 

碓氷峠鉄道文化むらクハ189-506

 信越本線の横川ー軽井沢間を通過する信越本線の優等列車にはEF63形電気機関車と協調運転を行うことができる特急用電車189系・489系、急行用電車169系といった専用車両が用意されていた。
 これらの専用車両は最大12両編成で運転され、特殊な急こう配区間を抱えるにも関わらず、通常の幹線と同等の輸送力を誇っていた。
 横川運転区の敷地を利用して開設された碓氷峠文化むらに189系電車が保存されている姿は感慨深いものがある。
 また国鉄末期には183系・189系のグリーン車を大改造してEF63形の助けを借りることなく碓氷峠を通過できる187系特急形電車が構想されたが、実現しなかった。
【撮影:佐野次郎 2009.7.23】

2009/11/09

東西線5000系

 営団地下鉄5000系は1964年から1981年にかけて7次にわたり428両が新製された。東西線用の主力車両であるが、一時的に千代田線で使用されたこともある。
 車体はセミステンレス製を基本として、一部アルミ製の車両が存在した。今では信じられないが、冷房装置も装備していなかった。
 主回路は抵抗制御であるが、多段制御を採用し、乗り心地は悪くはない。
 既に05系と07系に代替され、東西線での運用は終了している。現在は千代田線の綾瀬支線用に少数が活躍している。
【撮影:佐野次郎 1986年冬中野駅】

2009/11/08

東西線05系〈05040F〉

 2004年度に導入された13次車である第40編成~43編成が、おそらく05系の最終増備ということになると思われる。5000系の代替を目的として製造されたもので、相互乗り入れを行っている東葉高速鉄道2000系と共同発注という形態をとり、既存の05系より約15%のコストダウンを図っている。
 デザインは一見1999年の05系8次車以降と同じように見えるが、車体はオールダブルスキン構造に変更している。この構造は新幹線の700系などに取り入れられているもので、強度の向上や衝撃の吸収性能の改善がなされている。
 客室内では、一人当たりのシート幅が従来より10mm広がった460mmとなっている。私はほぼ毎日京浜東北・根岸線のE233系1000番台を利用するが、はじめて乗車したときに感じたことは、JR東日本の通勤電車もようやく地下鉄の電車のレベルに近づいたかということだった。
 また副都心線・有楽町線用として増備を継続している10000系はこの05系13次車を基本として設計された車両である。
【撮影:佐野次郎 2009.10.24西葛西駅】

東西線05系〈05035F〉

 05系のうち2002年から2003年にかけて導入された第34編成~39編成は、半蔵門線用の08系と仕様を共通化することによりコストダウンを図っている。
 前面のデザインは1999年に導入された第25編成~33編成と同一となっている。
 この前面デザインは05系の初期型のデザインが優れていたこともあり、無理に変えたような気がしてならなかった。しかし見慣れてみると面白いデザインに思えてきた。ヘッドライトのあたりは目が吊り上がっているように見える。
 第34編成~39編成は05系の第11次~12次車に相当する。
【撮影:佐野次郎 2009.10.24西葛西駅】

東西線05系〈05022F〉

 05系も1993年度に新製された第19編成から主回路をVVVFインバーター制御に変更した。
 写真の第22編成は1994年に新製された第7次車である。
05系のVVVFインバーター装置は、当時の最新形式であった千代田線06系・有楽町線07系の仕様に準じたものである。
 07系については既に全車東西線に転属し、05系と同様に運用されている。
【撮影:;佐野次郎 2009.10.24西葛西駅】