京浜急行600形は、1994年から96年にかけて88両(8両編成×8本、4両編成×6本)が製造されました。製造当初は特別料金が不要な通勤電車には珍しいクロスシートを採用しておりました。快適な通勤をめさぞうという意図があったようですね。
また2100形・二代目1000形と続く現代の京急電車のスタイルを確立した電車でもあり、比較的少数派の形式でありながら、京急ファンには人気のある電車ですね。今では二代目1000形のアルミ車とほとんど同じスタイルに見えますが、側窓と外板がフラットでなかったり、集電装置が菱形のパンタグラフであったりと年代による差異はあります。
現在では、全車の更新工事が完了し、扉間が一般的なロングシートに換装されています。やはり首都圏の混雑では、立席の収容力が限定されるクロスシートはきついのでしょう。また前面には形式名「600」の切り欠きが設けられています。
写真の607編成は1995年6月に川崎重工で完成したものです。2007年7月に京急ファインテック久里浜工場でロングシート化改造を受けております。また前面の方向幕はフルカラーLEDに換装されています。
【撮影:佐野次郎 2015.4.19 京急田浦ー追浜間】