2017/06/11

広島電鉄70形(76号)

広島電鉄70形は、元西ドイツ・ドルトムント市電のGT-8形を、1981年に譲り受けたものです。1959年製の西ドイツで多く見られたデュワグカーの一員ですが、ドルトムント市電が地下線を新設したために余剰となったものです。
1982年に改修工事が完了し、広島電鉄での営業運転に投入されました。車内は極力西ドイツ時代のままとされましたが、つり革が取り付けられ、冷房改造も行われました。当初は宮島線への直通運転に充当されました。
取り扱いや保守には難点があったようで、3700形が投入されてからは、稼働率も下がったそうです。1994年には千田車庫に転属し、5系統のラッシュ時に転用されましたが、3000形の市内線転用により1998年には使用されなくなってしまいました。
写真の76号は、2012年5月に廃車となってから、広電100周年記念事業の一環として、同年7月から翌年3月まで広電本社前電停近くでレストラン電車「トランヴェールエクスプレス」として利用されました。
【撮影:佐野次郎 2013.4.23】