2020/12/07

寝台特急「富士」

鉄道趣味で王道的存在といえば、まずはSL、そのあとは在来線特急とブルートレインだという感覚があります。80年代から鉄道雑誌では何度もブルートレインの特集が組まれていました。現在人気のある新幹線は0系と200系だけでそれほど人気はなかったように思います。
東京駅発着のブルートレインも国鉄の分割・民営化を乗り越えましたが、結局は電車化された「出雲」「瀬戸」以外は全廃となりました。一部個室寝台車の改造などが行われましたが、新車の導入など本格的なてこ入れがなされなかったのが残念です。
国鉄改革の方向が定まりつつあった1985年3月のダイヤ改正では、「出雲」「瀬戸」、急行「銀河」を除いて牽引機関車がEF65形1000番台からEF66形に交代しました。「はやぶさ」にロビーカーを増結したための措置でしたが、精悍なEF66形は好印象でした。
写真の「富士」は、撮影当時は東京ー宮崎間の運転でした。分割・民営化後の1989年3月にはB寝台個室「ソロ」も増結され、個室A寝台・B寝台・食堂車・ロビーカーを擁する編成となりましたが、大分までの短縮や編成変更、「はやぶさ」との併結を経て。2009年3月に廃止となりました。
【撮影:佐野次郎 1985年頃 横浜ー川崎間】