EF64形1000番代は、上越線の勾配が連続する区間を走行するEF58・15・16形の置換えを目的として、1979年から82年にかけて53両が導入されたものです。EF64形を基本としながら高出力、高粘着性能、安定性に優れた抑速発電ブレーキを確保し、保守省力化対策を導入して大幅に設計変更しています。
車体はEF81形と同様の寸法となり、全長・幅共にEF64形より大きくなりました。機械室を仕切戸を用いて三分割し、搭載機器を機能別に分散配置しました。これは雪・塵芥の侵入を防止し、騒音の低減を図るためです。
車軸配置はB-B-B、重量は運転整備状態で96トンです。主電動機は出力425kWのMT52Bを6台搭載しています。両端台車はDT138A、中間台車はDT139Aです。集電装置はPS22C、列車暖房装置としてSIVのSC14を装備しました。
写真の1043号機は1982年6月に川崎重工・富士電機で完成し、長岡運転所に新製配置されたものです。八王子機関区・高崎第二機関区(JR貨物に継承)を経て、2010年3月に愛知機関区に転属しました。愛知機関区とはかつての稲沢機関区です。2016年3月のダイヤ改正で根岸線には入線しなくなりました。