東武鉄道50050系は東上線用の50000系をベースとして、東京地下鉄半蔵門線・東急田園都市線との相互直通運転に使用する車両としたものです。「人と環境にやさしい次世代車両」をコンセプトとし、かつまたイニシャルコストの低減を目指した標準化志向の車両でもあります。
車体はビード類のないすっきりとした外観となり、集中式冷房装置の採用や妻面窓の配置など、東武の通勤型車両としては流れの変わった車両です。バリアフリー対策も高度化し、床面を下げ、車いすでの乗降を考慮して車いすスペース近くの側扉のレールを車いすの車輪幅に合わせて切り欠いています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR2820F/VFI-HR1420L、主電動機は出力165kWのTM03、補助電源装置はIGBT-SIVのINV146-G0です。台車はTRS-03M/TRS-03T、集電装置はPT7112-A、冷房装置はRPU-15005を装備しています。
写真の51054Fは2006年6月に日立製作所で完成したものです。東武の50000系列は日立製作所のA-train標準仕様をベースとしている車両でもあります。側窓を固定式として新製されたため強制換気装置を備えていますが、現在では側窓を簡易開閉式に改造しています。