2023/10/31

東急電鉄2020系(2125F)

東急田園都市線では2018年度から、2020系電車の導入により8500系の代替を再開しました。2020系はJR東日本のE235系と車両仕様を共通化し量産効果によるコストダウンを図りつつ、省エネルギー化・低騒音化を進め、沿線に調和したデザインを取り入れています。
車体はsustinaブランドによる軽量ステンレス製で、雨樋の露出がないために平滑で見栄えの良い印象を受けます。先頭形状は丸みの強い独特のデザインとなっています。客室内の配色は床下中央が明るい色調の木目調、両端が濃い木目調、座席はグリーン、化粧板はクリーム系となり明るい空間ができています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のMAP144-15V31A、主電動機は出力140kWのSEA-446、補助電源装置はIGBT-SIVのCDA175です。台車はTS-1041/TS-1042、集電装置はPT-7108-E、冷房装置はCU7080、車両情報制御システムINTEROSを装備しています。
写真の2125Fは、2018年6月に総合車両製作所新津事業所で完成したものです。長く田園都市線で活躍した8500系も8637Fを最後に2023年1月に現役を退きました。同じ田園都市線を走る東京地下鉄8000系も18000系への置換えが進んでおり、世代交代が進んでいます。

2023/10/30

東急電鉄3000系(3111F)

東急電鉄3000系は2000年8月の目蒲線の運転系統変更による目黒線の開業に備えて専用車両として導入されたものです。営団地下鉄(当時)南北線と東京都営地下鉄三田線との相互直通運転の協定に則り、運転機器等の取扱を共通化しました。1999年から2001年にかけて78両(6両編成13本)が製造されました。
車体は軽量ステンレス製でビードのない平板で、艶消しの仕上げとなりました。先頭部は曲線デザインのFRP製です。車内の配色はピンク系の暖色でまとめられました。腰掛は片持ち式とし、座面が茶色、背面が赤色としています。側扉上部にはLED式案内表示を装備しました。ちなみに2021年9月に増備された中間車の内装は2020系に近くなっております。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR2420E/SVF038-A0、主電動機は出力190kWのTKM-98・99、補助電源装置はIGBT-SIVのINV127-B0です。台車はTS-1019/TS-1020、集電装置はPT-7108B、冷房装置はRPU-11012H/HRB503-1を装備しています。
写真の3111Fは6両が3011Fとして2000年8月に東急車輌で完成したものです。2023年3月の相鉄新横浜線への直通開始に備えて、2021年9月に中間車2両を総合車両製作所横浜事業所で新製し、2022年12月に8連化・改番して3111Fとなりました。

過去の記事から
東急電鉄3000系(3011F)

2023/10/29

小田急電鉄1000形(1091F)

1987年度に導入された小田急電鉄1000形ですが、1991年度に導入された5次車で10両編成1本が初めて投入されました。小田急の一般車では初めての10両固定編成で、車両番号は1090番台が起こされました。
複々線化の完成により一般車の10両固定編成も増えましたが、人流の回復が顕著な現在でも増加は止まっている様子です。5000形の増備も行われていませんが、8000形の整理も進んでいることもあり次なる展開も期待したいところです。
1000形も未更新の車両は既に整理されていますが、残っている車両はリニューアルにより機能の向上を図っています。列車情報管理システムTIOSを導入し、制御機器・主電動機・冷房装置・室内設備なども一新していますので、新車に近い改善が図られているといえるでしょう。
写真の1091Fは、1992年1月に日本車両で完成したものです。2018年2月に車体修理と機器更新を完了しております。1000形の10両固定編成は優先的に車体修理と機器更新が行われています。

2023/10/28

E233系(トタH48編成)

E233系は中央快速線の201系を代替し、輸送改善やサービス改善を図ることを目的として導入された車両です。E231系をベースとして、主要機器の二重系化を施し、増加傾向の続く輸送障害に対して抜本的な対策を行った仕様となっています。
ステンレス製の拡幅車体を採用し、裾絞りのない201系よりも定員の増加を図っています。先頭部は運転台部分に衝撃吸収機能を導入し、運転台の寸法を拡大しております。車両の床面高さをレール面上1.130mmまで低くし、ホームとの段差縮小によりバリアフリー対策としています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC85、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はIGBT-SIVのSC86です。台車はDT71系/TR255系、集電装置はPS33、冷房装置はAU726系、列車情報制御措置TIMSを装備しています。
写真のトタH48編成は2007年1月に東急車輌で完成した6+4両の分割可能編成です。中央快速線のE233系は二階建てグリーン車の組込みが進められています。該当編成にも4号車へのトイレ設置や機器更新など変化があるものと思われます。

2023/10/27

京成電鉄3600形(3688編成)

京成電鉄3600形は、標準通勤車として1982年から89年にかけて54両(6両編成9本)が導入されました。6両編成で4M2Tの編成ですが、将来の8両化を想定して車両番号の末尾4・5は欠番となっていました。3500形の後継となりますが、回生ブレーキを使用可能として省エネルギー化が図られました。
車体は軽量オールステンレス性で、客室内は分散式冷房装置を採用したため、天井が高くなっています。大きな1段下降式の窓を採用し、蛍光灯も増設されたので客室内も明るくなりました。またサービス改善のため、吊手・扇風機を増設しています。
制御装置は界磁チョッパ制御のES-783-A-M、主電動機は出力140kWのKMM8500、補助電源装置は静止型インバータのBS483-Bです。台車がFS-513/FS-013、冷房装置は分散式のCU-15B/CU-15Cを装備しています。
写真の3688編成は、1989年7月に日本車輌で完成したものです。当初は6両編成でしたが、1998年12月に3668編成から中間車2両を増結して8両編成になりました。2020年7月には再度新製時の6両編成に戻るとともに、車体外部帯を当時のファイヤーオレンジの単色に復元しました。

過去の記事から
京成電鉄3600形(3688編成) 8両編成
https://sanojiro.blogspot.com/2019/11/36003688.html

2023/10/26

京成電鉄AE形(AE6編成)

京成電鉄AE形は2010年7月に開業した成田スカイアクセス線用に開発されたものです。成田空港アクセス輸送を担う新形スカイライナー用特急車で、成田スカイアクセス線内では160km/h運転を行っています。
車体はアルミ合金によるダブルスキン構造で、先頭形状は鋭角的な流線形としています。客室はドーム形天井を採用したことにより開放感のあるものとなっています。回転式リクラインニングシートは1.050mm間隔で先代のAE100形より10mm拡大しています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のRG6009-A-M、主電動機は出力175kWのTDK6070-A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV146-P0です。台車はSS170M/SS170T、集電装置はPT7131-C、冷房装置はCU736を装備しています。
写真のAE6編成は2010年5月に東急車輌で完成したものです。臨時シテイライナー「成田山開運号」として2023年の正月三が日と1月中の土曜・休日にヘッドマークを掲出して運転されました。

2023/10/25

205系(ケヨM26編成)

国鉄時代の1985年に第一陣が山手線に投入され、1994年までに1.461両が製造された205系ですが、JR東日本管内では現役で残るのは鶴見線などごく限られた路線となってきました。最後まで205系が多く使用されていた路線は武蔵野線となりました。
武蔵野線の205系は山手線を中心とした他路線から転用された車両が大勢を占め、8両編成で4M4Tと電動車比率を下げてコストダウンを図りました。そのため2002年から2008年にかけて72ユニットが改造されました。
改造された電動車は5000番代に改番されました。制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC71、主電動機はMT74に換装されています。また台車も主電動機換装に伴う改造により、DT70となっています。
写真のケヨM26編成は、1985年8月に近畿車両で新製され山手電車区に新製配置されました。2005年2月に東京総合車両センターで武蔵野線向け転用改造を完了しました。2018年11月に廃車となり、インドネシアに譲渡されました。

2023/10/24

東京地下鉄16000系(16133F)

長らく千代田線の主力として活躍してきた6000系も大規模改修を行いながら使用を継続していましたが、技術の陳腐化や機器の劣化が目立ち始めましたことにより代替として2010年度から16000系が導入されました。私には撮影機会の限られる車両ですが、主に小田急線内で撮影しています。
車体は10000系と同じ構造のアルミ製で、識別帯はグリーンの濃淡に白を加えた3色です。車内の配色は、化粧板を白、座席のモケットと床を紺色としています。貫通路・荷棚・脇仕切りの一部に強化ガラスを用いています。
話は変わりますが、私の撮影機材は2010年以来EOS7Dをメインとして使用してきました。2023年9月に久々の新機材としてEOSR7を購入しました。ミラーレスを初めて使用することになりましたが、少しずつ慣れていっているところです。
写真の16133Fは2017年3月に川崎重工で完成したもので、16000の5次車に相当します。16000系は2次車の16106F以降は非常用扉を中央から車掌台側に寄せています。16000系は2017年9月に完成した16137Fまで合計37編成が増備され、6000系・06系を代替しました。

2023/10/23

東京地下鉄10000系(10105F)

東京地下鉄10000系は、相互直通運転を行っている東急東横線でもよく見かける電車です。東西線の05系13次車を基本とした東京地下鉄の基本車両で、副都心線での使用にも対応しています。2006年9月から有楽町線で営業運転を開始しました。
車体はアルミ合金製のダブルスキン構体で、床面高さを1.140mmと低床化してホームとの段差縮小を図っています。車内で目を引くのは幅900mmの全面強化ガラスによる貫通路です。車端部のドアが全面ガラスというのは通勤電車では斬新に感じました。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のMAP-178-15V150/MAP-174-15V137、主電動機は出力165kWのMM-111A2、補助電源装置はSIVのINV-154-D1です。台車はFS777、集電装置はPT7136-F、冷房装置はHRB504-3を装備しています。
写真の10105Fは2007年3月に日立製作所で完成したもので、10000系の2次車に相当します。仕様は1次車に準じますが、前面のゴールド帯は省略しています。新製当初からATO装置を搭載し、車内案内装置も2画面になっています。

2023/10/22

EH200形(14号)

EH200形直流電気機関車は、中央本線や上越線など急勾配が連続する路線における貨物列車牽引用として導入されたものです。またEF64形基本番代を代替する機関車でもあります。2001年に試作車が製造され、2003年から2011年にかけて量産車24両が製造されました。
車体は箱型両運転台構造で、中央で2車体に分割されます。車体長は25mとなっています。車体には「ECO-POWER BLUETHUNDER」の愛称名が表示されています。JR貨物の新形式機関車には一般公募による愛称名の募集が行われております。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のFMPU15A・B、主電動機は出力565kWのFMT4×8、補助電源装置はIGBT-SIVのFAPU5Aです。台車は軸はり式ボルスタレスのFD7系、集電装置はFPS4を装備しています。また運転整備重量は134.4tとなります。
写真の14号機は2007年3月に東芝府中工場で完成し、高崎機関区に新製配置されたものです。根岸線を走る貨物列車ではEF210形と並んでよく使用されています。EF13形など箱形機関車を実見した経験から、2車体連接のEHクラスのEH200形からもスタイリッシュな印象を受けます。

2023/10/21

EF210形300番代(345号)

EF210形300番代は、山陽本線瀬野ー八本松間で補助機関車として使用していたEF67形の置換えを目的として2013年から製造されているものです。補助機関車として必要な機能を装備していますが、通常の貨物列車の牽引ができる機関車として作られています。
2000年に登場したEF210形100番代をベースとしており、車体色も青を基本とし前面は既存のままですが、側面の配色が変更され青をベースに黄色の帯を加え、ナンバープレートもブロック式に変更されています。近年ではさらに「ECO POWER桃太郎」のキャラクターを大きく描くようになり、「JRF」のロゴマークは入らなくなりました。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のFMPU17、主電動機は出力565kWのFMT4×6、補助電源装置はSIVです。運転整備重量は100.8t、台車は両端はFD7S、中間はFD8S、集電装置はFPS4Aを装備しています。
写真の345号機は2022年8月に川崎車両で完成し、新鶴見機関区に新製配置されたものです。また新鶴見機関区に配置されている300番代には補機運用がなく、100番代と共通運用となっています。

2023/10/20

西武鉄道30000系(38103F)

西武鉄道30000系は、「人にやさしく、みんなの笑顔を作り出す車両」をコンセプトとして、従来の車両設計にはとらわれない車両となりました。「生みたてのたまご」をモチーフとした通勤電車としては少々異色なデザインではありますが、内容的には6000系・20000系の延長線上にある車両ということができます。
車体はアルミ無塗装仕上げで、青と緑のグラデージョンを施しています。天井は中央をドーム形状の高天井とし、照明の反射によって奥行きを長く見せる意匠です。優先席のモケットはハートをイメージとし、吊手は「たまご」形の形状で、高さも従来から30mm下げられました。車内案内表示は15インチ液晶モニタを2台側扉上に設けています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR1820A、主電動機は出力165kWのHS-35234-15RB、補助電源装置はIGBT-SIVのMELSIV-ilです。台車はSS175M/SS175T、集電装置はPT7116B、列車情報管理装置S-TIMを装備しています。
写真の38103Fは2008年3月に日立製作所で完成したもので、30000系の1次車に相当します。1次車はすべて池袋線と新宿線に新製配置されました。38103Fは8両編成ですが、2両編成と併結されて10両で運行される姿も恒常的に見られます。

2023/10/19

京成電鉄3400形(3448編成)

京成電鉄3400形は、1978年5月に京成上野ー成田空港間に運転を開始した「スカイライナー」号が1993年5月にAE100形への代替が完了したことにより、初代車両であるAE形の電気部品と走行装置を活用し、相互直通運転用の通勤車として製作したものです。
車体は普通鋼製で、床板にステンレス鋼を用いています。前頭部形状は当時の最新型車両であった3700形に準じたものです。側窓は十分な採光を得るために大型の1段下降式となっています。腰掛はロングシートで1人あたりの専有幅を440mmとしています。
界磁チョッパ制御の制御装置は再利用していますが、定速運転指令方式を除外しています。主電動機は複巻電動機TDK8500A、補助電源装置はCLG-350Cを更新した上で再利用しています。台車はFS383A/FS083A、冷房装置は10.500kcal/hの能力を持つCU-15CAを1両につき3台装備しています。
写真の3448編成は、1995年9月に大栄車輌で6連で3400形に改造され、同年11月に2両を追加して8両編成になっています。5編成が製作された3400形ですが、廃車が進み現在では3448編成が最後の1編成となっています。

2023/10/18

EF210形100番代(148号)

EF210形の100番代はスイッチング素子にIGBTを使用した1C1Mのシステムとなり、補助電源装置SIVのバックアップ用に主回路ののVVVFインバータ1台を充てています。そのためSIVの故障時にも一定電圧と周波数を保つことができシステムの冗長性を高めています。
ボルスタレス台車に方押式ユニットブレーキと空転・滑走を防止するための砂撒き装置としてセラミック粉末を少量噴射するセラジェットを装備しています。また軸箱支持方式は軸梁式としています。
EF210形の軸配置はB-B-B-、総出力は3.390kWです。主回路は先述の通りIGBTを使用した1C1M、主電動機はFMT4×6、補助電源装置はSIVです。台車はFD7E/FD8、集電装置はFPS4Aを装備しています。
写真の148号機は2008年10月に三菱電機で完成し、岡山機関区に新製配置されたものです。EF210形100番代は1999年度から2010年度にかけて73両が製造され、岡山・新鶴見・吹田機関区に新製配置されました。

2023/10/17

横浜市交通局4000形(4631F)

横浜市営地下鉄ブルーラインの4000形は、3000A形の老朽取替用として導入されたもので、3000V形をベースとして安全性やサービスの向上、バリアフリーの推進を図った車両です。3000形グループ共通の「く」の字状の前面スタイルから、車体デザインを一新しています。
車体は軽量ステンレス製で、客室内は路線名と同じくブルーを基調としたインテリアです。座席は一人当たりの幅480mmのバケットシートとし、貫通路は全面ガラスに横浜をイメージした名所や建物をプリントしています。側扉上には17インチ液晶表示器を2画面設けています。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のMAP-148-75V303A、主電動機は出力140kWのMB-5170-A2、補助電源装置はSiC-SIVのNC-GBT135Aです。台車はSS162MB/SS162TB、冷房装は21.000kcal/hの能力を持つCU718を2台、列車制御管理装置YTMを装備しています。
写真の4631Fは、2022年9月に川崎車両で完成したものです。4000形の第2編成となります。4000形は2023年度までに48両(6両編成8本)を導入する予定で、既に3000A形に廃車も発生しています。

2023/10/16

横浜市交通局3000A形(3271F)

横浜市交通局3000形は3号線(現在のブルーライン)新横浜ーあざみ野間10.9kmの路線延長に対応する輸送力増強車両として、1992年から93年にかけて42両(6両編成7本)が製造されました。
車体は軽量ステンレス製で、外板はビードプレス成形として外観見栄えの向上を図っています。この車両から濃淡ブルーの帯を車体側面に貼り付けるようになりました。車内の配色は明るい暖色系でまとめ、各車両に一か所の優先席を設けています。
制御装置はGTO-VVVFインバータ制御のMAT-148-75V32、主電動機は出力140kWのSEA-331、補助電源装置はSVM120-483Bです。台車はボルスタレス台車のSS-124/SS-024、冷房装置はRPU-4001R、列車制御管理装置YTMを装備しています。
写真の3271Fは、1993年2月に東急車輛で完成したものです。2005年6月に東急車輌でワンマン化改造(運転台変更・ATO取付)を行い3000A形となりました。あわせて車内情報装置のニュース放送対応、ドアチャイムの新設も実施されました。後継となる4000形の導入により、本編成も置換えの対象になるものと思われます。

2023/10/15

EF210形(13号)

現在根岸線を走る貨物列車の牽引機関車はEF210形・EH200形の2形式が大勢を占めるようになっております。両形式ともJR貨物が導入した機関車で、国鉄から継続して使用されている機関車はEF65形1000番代だけになっています。
JR貨物が導入した新形式の電気機関車は、VVVFインバータ・電気指令式自動空気ブレーキ・ボルスタレス台車とユニットブレーキを採用していることが、国鉄時代から継続して使用している機関車と決定的に異なります。
主回路についていえば、国鉄の電気機関車の主電動機はすべて直流直巻電動機で、直流電気機関車は抵抗制御と直並列制御の併用で制御していました。JR貨物の導入した新形式は誘導電動機をVVVFインバータで制御するようになっています。
写真の13号機は1998年10月に川崎重工で完成し、岡山機関区に新製配置されたものです。2021年3月に新塗装に変更されました。岡山機関区の所属機は全般検査の都度新塗装化が進んでおり、現在では従来塗装のまま残る車両のほうが少数となっております。

2023/10/14

205系(ナハT15編成)

鶴見線用の205系は27両(3両編成9本)が鎌倉車両センター中原支所に配置されています。運用区間は鶴見ー扇町・海芝浦・大川間です。帯色は窓上が黄色、窓下が黄色・ニュートラル系・グリーン系の組み合わせです。
205系の車体は軽量構造のステンレス車体を採用しています。鶴見線用の205系は3両編成に短縮されたため、両先頭車とも中間車に運転台を接合したものです。デザインはオリジナルの先頭車とは異なり、運転台もワンハンドルマスコンを採用しています。
制御方式は界磁添加励磁直並列組み合わせ、抵抗制御で空気ブレーキ方式は電気指令式です。主制御器はCS57、主電動機は出力120kWのMT61、補助電源装置はSIVのSC72形です。台車はDT50/TR235を装備しています。
写真のナハT15編成は、1985年9月に東急車輌で完成した山手線用MM´38号と、1990年11月に川崎重工で完成した埼京線用T222を、2005年2月に秋田総合車両センターで先頭車化改造を含めて鶴見線向けの転用工事を実施したものです。2009年2月には集電装置をシングルアーム式のPS33Eに換装しています。

2023/10/13

東京都交通局5500形(5523編成)

東京都交通局5500形は浅草線で使用している5300形の更新を目的として導入されたものです。都営浅草線の開業60周年、東京オリンピック・パラリンピック開催を節目とした「浅草線リニューアル・プロジェクト」によりデザインを一新した車両でもあります。
車体は軽量ステンレス構体を採用しています。客室設備についてはユニバーサルデザインの考えを多く取り入れています。座席幅は一人当たりの幅を475mm確保しています。江戸切子をモチーフにした模様入りガラスを採用した袖仕切りも個性的です。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のTINV-1B、主電動機は出力155kWのTIM-1B、補助電源装置はSIVのCDA173です。台車はT-1D/T-1E、集電装置はPT7180-A、冷房装置はTCL-1E、車両情報制御装置INTEROSを装備しています。
写真の5523編成は2021年4月に総合車両製作所で完成したもので、2021年度の増備車両です。27編成と大所帯ですので、京浜急行線の品川ー羽田空港間では頻繁に見ることのできる電車です。同様に京成押上線でもかなりの走行頻度となります。

2023/10/12

東京都交通局5300形(5321編成)

都営浅草線の5300形電車は1991年3月の北総開発鉄道との相互直通運転開始を契機として導入された車両です。京急1500形や京成3700形と同様に浅草線を走る電車としては、第二世代の電車ということになります。
車体はアルミ合金製で全面に塗装を施しており、かつ丸みを帯びたデザインになっています。前面のブラックマスクがアクセントとなっています。5000形に比較すると洗練されたスタイルとなり、時代の空気も反映されているようにも感じます。
制御装置はGTO-VVVFインバータのTINV-1、主電動機は出力165kWのTDK6115-A、補助電源装置はD-Dコンバータです。台車はボルスタ付空気ばね台車のKD302/KD302A、冷房装置はTCL-1Aを装備しています。
写真の5321編成は、1994年7月に近畿車両で完成したものです。比較的後期に製造されたグループの特徴として、スカートが大型になっています。2019年9月に廃車となりました。5300形そのものを目的に撮影に出た意識はなく、京成車や京急車のついでとしての撮影が実情でしたが、5500形に代替された現在となっては貴重な記録となっています。

2023/10/11

E257系2000番代(オオNA11編成)

東海道線の特急「踊り子」に長らく使用していた185系の置換えには、中央本線の特急「あずさ」「かいじ」に使用されていたE257系特急形電車が充当されることになりました。あわせて「湘南ライナー」も特急「湘南」として運行されるようになりました。
車体のカラーを伊豆の空と海の色をイメージしたペニンシュラブルーを基調としたデザインに変更しています。座席モケットも同様にペニンシュラブルー基調に変更しました。また着席利用を円滑にするためE657系・E353系と同様の座席管理システムを導入しています。
制御装置はPWM-VVVFインバータ制御のSC119/SC118、主電動機は出力145kWのMT72A、補助電源装置は待機二重系SIVのSC120です。台車はDT64/TR249系、集電装置はPS36、冷房装置はAU302、車両情報制御システムTIMSを装備しています。
写真のオオNA11編成は、2002年7月に日立製作所で完成し、モトM114編成として松本車両センターに新製配置されたものです。2020年4月に長野総合車両センターで東海道線向けの転用改造と機器更新を完了し、大宮総合車両センターに転属しました。

2023/10/10

京成電鉄3100形(3157編成)

3100形は京成電鉄では約16年ぶりとなる新形車両で、2019年10月のダイヤ改正から営業運転を開始しました。京成グループの新たな標準車両として新京成電鉄と共同で設計されたもので、成田スカイアクセス専用車両の50番代が導入されました。
車体はステンレス製で先頭形状は、絞り・折りを取れ入れ急行灯・尾灯も車体上部から続くラインに合わせたシャープなデザインです。客室内にはハイバック形シートや京成では初の導入となるプラズマクラスターを採用しています。また座席の一部を跳ね上げ、大型スーツケースを置くことも可能です。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のRG-6045-A-M、主電動機は出力140kWのTDK6071-A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV192-E0です。台車はFS-583M/FS-583T、集電装置はPT-7131-D、冷房装置はCU718Aを装備しています。
写真の3157編成は、2023年6月に総合車両製作所横浜事業所で完成したもので、3100形としては4次車に相当します。3157編成の投入によって3100形は7編成となり、3050形で最後まで成田スカイアクセス線に入っていた3056編成が本線系に転用されました。

2023/10/09

京成電鉄3000形(3042編成)

京成電鉄3000形は、環境への配慮や省エネルギー化、保守の簡略化、バリアフリー化をコンセプトとして、乗入れ線を含んだ全線で運用できる汎用車両として導入されたものです。6M2Tの8連と4M2Tの6連の2タイプがあります。
車体はステンレス製のブロック構体を採用して、部品点数や製作工程の低減を図っています。先頭部のみ普通鋼製で、それほど目立ちませんが非常用の貫通路も設けています。車内はすべてロングシートで、座席幅460mmの片持ち式座席を採用しています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のRG-681-A-M、主電動機は出力125kWのTDK6174-A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV153-A0です。台車はFS-564/FS-064、集電装置はPT-7131-B、冷房装置はCU718/RPU-11013を装備しています。
写真の3042編成は2019年2月に日本車両で完成したもので、3000形の14次車に相当します。3000形は3001編成だけが8両編成であとは6両編成ばかりでしたが、2013年の3026編成から8両編成も増え、都営浅草線内・京急線の泉岳寺ー羽田空港間でも頻繁に見ることのできる形式となりました。

2023/10/08

E233系3000番代(ヤマU627編成)

E233系3000番代はE231系近郊タイプの後継となる車両で、当初の2編成はE217系の捻出を目的として導入されましたが、2011年9月からは211系の代替として増備が行われました。田町車両センター、次いで高崎車両センターに新製配置されました。
車体は軽量ステンレス製で、識別帯は湘南色です。E233系では通勤タイプと前面デザインが同じになっています。2階建てグリーン車を組み込み、側扉に半自動回路を備え、台車にヨーダンパを装備しているのは近郊タイプとしての仕様です。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC98、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はIGBT-SIVのSC86Bです。台車はDT71系/TR255系、集電装置はPS33D、冷房装置はAU726系/AU729系を装備しています。
写真のヤマU627編成は、2012年11月に新津車両製作所で完成したもの(グリーン車のみ川崎重工)です。新製配置は高崎車両センターでしたが、2015年3月のダイヤ改正で小山車両センターに転属しました。

2023/10/07

E231系1000番代(コツS-32編成)

国府津車両センターに所属しているE231系は、113系の置換えを目的として導入されたものです。既に宇都宮線・高崎線で使用していたE231系を基本に、グリーン車を加えたものです。また2004年10月のダイヤ改正での湘南新宿ラインの大増発に備えたものでもあります。
E231系では初めて導入したグリーン車は、E217系を基本とした二階建て車両で、グリーン車Suicaシステムを初めて採用しました。また普通車の座席クッションをSばねを併用した最適な柔らかさのものに変更しています。側窓もIRカットガラスに変更しております。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC77、主電動機は出力95kWのMT73、補助電源装置はIGBT-SIVのSC75/76。台車はDT61G/TR246系、集電装置はPS33B、冷房装置は普通車がAU726・グリーン車がAU729、列車情報管理装置はTIMSを装備しています。
写真のコツS-32編成は2005年9月に新津車両製作所で新製された5両の付属編成です。国府津車両センターに所属するE231系の付属編成も15・14号車にはセミクロスシートを採用しています。4扉ではありますが、長時間の乗車にも配慮されているといえます。

2023/10/06

東京都交通局6500形(6504編成)

都営三田線では、1993年から2000年にかけて導入された6300形6両編成を使用してきました。相互直通運転先である東急目黒線を含め沿線地域の開発が進んでいるため、混雑緩和を目的として8両編成化を行うことになりました。そこで環境の多様化に対応し、質の高いサービスを提供できる新形車両として導入されたのが6500形です。
車体はアルミ合金製のダブルスキン構造ですが、側構体下部が台枠の側面を完全に覆うようになっており、見映えが非常に良くなっています。客室設備はユニバーサルデザインの考え方が反映されています。扉間の腰掛を6人掛けにしたことにより、余裕のあるレイアウトになっています。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のTINV-6B、主電動機は出力170kWのMB-5188-A、補助電源装置はTSIV-6Bです。台車はT-6C/T-6D、集電装置はPT7601-A、冷房装置はTCL-6F、車両情報制御装置TCMSを装備しています。
写真の6504編成は2021年6月に近畿車両で完成したものです。6500形1次車は104両(8両編成13本)が導入され、同数の6300形が廃車となりました。6500形は2022年5月に営業運転を開始しました。

2023/10/05

東京都交通局6300形(6327編成)

東京都交通局では、2000年9月に三田線の三田ー白金高輪間を延長し、営団(当時)南北線・東京目黒線との相互直通運転を開始するにあたって、ワンマン運転に新製当初から対応した6300形3次車144両(6両編成24本)を導入しました。
車体は基本的に1・2次車と共通だが。スカート形状を変更しています。客室内は低コスト化を目的として、クロスシートの廃止。床敷物・カーテンの単色化、袖仕切りの簡易形状化、側扉内張の化粧板廃止などが行われました。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のTINV-6A、主電動機は出力180kWのTIM-6A、補助電源装置はIGBT-SIVのTSIV-6Aです。台車はT-6A/T-6B、冷房装置は42.000kcal/hの能力を持つTCL6Cを装備しています。
写真の6327編成は1999年10月に川崎重工で完成したもので、6300形の3次車に相当します。3次車は1999年6月から2000年8月にかけて営業運転に投入され、開業以来三田線の主力として活躍していた6000形が全廃されました。

2023/10/04

E235系1000番代(クラJ-14編成)

E235系1000番代は横須賀・総武快速線で使用しているE217系の老朽代替を目的として導入された車両です。山手線用のE235系を基本としていますが、近郊形タイプとなりますので、2階建てグリーン車を基本編成に2両組み込んでいることやトイレの設備があることなどの相違点があります。
車体は軽量ステンレス製でsustina構体を採用しています。これは山手線用のE235系と同じですが、基本編成に組み込まれているグリーン車だけは従来構造の構体で雨樋が露出しています。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のSC104A、主電動機は出力140kWのMT79、補助電源装置は待機二重系SIVのSC107Aです。台車はDT80/TR273系、集電装置はPS33H、冷房装置はAU737系、列車情報管理装置INTEROSを装備しています。
写真のクラJ-14編成は2022年6月に総合車両製作所新津事業所で完成した付属編成です。E235系1000番代は最終的にE217系と同数の745両(11両編成51本・4両編成46本)を導入する計画になっています。

2023/10/03

京成電鉄3000形(3004編成)

京成電鉄3000形は、環境への配慮や省エネルギー化、保守の簡略化、バリアフリー化をコンセプトとして、乗入れ線を含んだ全線で運用できる汎用車両として導入されたものです。6M2Tの8連と4M2Tの6連の2タイプがあります。
車体はステンレス製のブロック構体を採用して、部品点数や製作工程の低減を図っています。先頭部のみ普通鋼製で、それほど目立ちませんが非常用の貫通路も設けています。車内はすべてロングシートで、座席幅460mmの片持ち式座席を採用しています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のRG-681-A-M、主電動機は出力125kWのMB-5100-A/TDK6174-A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV153-A0です。台車はFS-564/FS-064、集電装置はPT-7131-B、冷房装置はCU718/RPU-11013を装備しています。
写真の3004編成は2003年3月に東急車輌で完成したもので、3000形の1次車に相当します。3000形は2021年4月現在で278両が在籍し、京成電鉄の車両の中では最多勢力となっております。

2023/10/02

東急電鉄9000系(9007F)

東急大井町線の9000系の中で、唯一大井町線に新製投入された9007Fですが、ここ数年は撮影することがありませんでした。私は撮影に際して、場所の下調べは行いますが車両の運用についてはほぼ調べることはありません。が、ようやく先日撮影できました。
大井町線に集結している9000系ですが、新形6020系?への更新も決まったようで先が見えてきたと思っていたのですが、ここにきて驚きのニュースが入ってきました。西武鉄道に有償譲渡されるというのです。
西武鉄道では大手民鉄の中では比較的VVVFインバータ制御以外の制御装置を用いた車両が多く在籍しているのですが、すべてを新製車両によって置き換えるのではなく支線区については他社からの車両で賄うとのことで、小田急電鉄の8000系も有償譲渡されます。
写真の9007Fは1988年3月に東急車輌で完成したものです。2014年2月に先頭車にスカート取り付け・行先表示のLED化が行われました。2020年9月にリニューアル工事を行い、VVVF制御装置の更新、車イススペースの設置が行われました。


2023/10/01

E217系(クラY-26編成)

E217系は横須賀線・総武快速線で使用されていた113系1000番代の後継車両として1994年から1999年にかけて745両が製作されたものです。1994年6月に運用開始以来長年過酷な運用をこなしてきましたが、後継となるE235系1000番代への置換えもかなり進んでいます。
車体は軽量ステンレス製で近郊タイプでは画期的な4扉となりました。座席はロングシートが基本ですが、一部にセミクロスシートを維持して遠距離輸送と観光輸送を考慮しました。グリーン車は朝夕ラッシュ時の座席確保を目的として二階建て構造を採用しました。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC88、主電動機は出力95kWのMT73、補助電源装置はIGBT-SIVのSC89です。台車はDT61B形/TR246系、集電装置はPS28A、冷房装置は普通車がAU720A・グリーン車がAU721を装備しています。
写真のクラY-26編成は1997年11月に東急車輌で完成したものです。2008年8月に東京総合車両センターで機器更新工事を完了しました。2018年7月にホームドア対応工事を完了しています。