2015/06/06

京都市電1600形〈1605号〉

京都市電1600形は、600形のうち63両を1966年から68年にかけて、ナニワ工機・大阪車輌工業・交通局壬生工場でワンマンカーに改造したものです。前照灯が2灯化されたので広島電鉄に譲渡され、いまなお現役として活躍する1900形と似通ったイメージの電車であります。
原型式の600形は、1937年から47年にかけて95両が製作されたもので、京都市電を一挙に近代化し、「青電」と呼ばれて京都市電を代表する車両でありました。同時代に製作された電車には、横浜市の1100形や神戸市の700形など、なかなか水準の高い電車が揃っていたような感がありますね。
同じ600形を元形式として、ラッシュ時には2両連結で大量輸送に対応し、データイムにワンマンカーとして効率化を図る2000形に近い内容に大改造された2600形が18両登場しましたが、1600形は合理化に重きを置いて、改造内容も簡素化されています。背景には京都市の財政再建を強く迫られていたという事情がありました。
写真の1605号は、600形607号として1937年に日本車輌で完成しました。1966年12月にナニワ工機でワンマンカー化改造され、1600形1605号に改番されました。1976年4月の今出川・丸太町・白川線の廃止と同時に1600形は全廃になりましたが、1605号は保存車として残されております。
【撮影:佐野次郎 2015.5.19】