2023/11/30

東急電鉄2020系(2150F)

東急田園都市線では2018年度から、2020系電車の導入により8500系の代替を再開しました。2020系はJR東日本のE235系と車両仕様を共通化し量産効果によるコストダウンを図りつつ、省エネルギー化・低騒音化を進め、沿線に調和したデザインを取り入れています。
車体はsustinaブランドによる軽量ステンレス製で、雨樋の露出がないために平滑で見栄えの良い印象を受けます。先頭形状は丸みの強い独特のデザインとなっています。客室内の配色は床下中央が明るい色調の木目調、両端が濃い木目調、座席はグリーン、化粧板はクリーム系となり明るい空間ができています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のMAP144-15V31A、主電動機は出力140kWのSEA-446、補助電源装置はIGBT-SIVのCDA175です。台車はTS-1041/TS-1042、集電装置はPT-7108-E、冷房装置はCU7080、車両情報制御システムINTEROSを装備しています。
写真の2150Fは、2022年5月に総合車両製作所新津事業所で完成したもので、2020系のラストナンバーに相当します。長く田園都市線で活躍した8500系も8637Fを最後に2023年1月に現役を退きました。同じ田園都市線を走る東京地下鉄8000系も18000系への置換えが進んでおり、世代交代が進んでいます。

2023/11/29

E531系(カツK411編成)

E531系一般形交直流電車は、常磐線中距離電車で長年に渡って使用してきた403系・415系近郊形電車の置換えを目的として導入されたものです。基本編成が4M6Tの10連、付属編成は2M3Tの5連で編成を構成し、両側先頭車とも電気連結器を装備しています。
設計・仕様はE231系近郊タイプを基本としています。車体は軽量ステンレス製で識別帯は青色です。混雑緩和を目的として拡幅車体となっており、普通車はセミクロスシート車とロングシート車が混在しています。また側扉には半自動スイッチを備えております。当初は普通車のみでしたが、グリーン車を組み込みました。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のCI13主変換器/TM31主変圧器、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はIGBT-SIVのSC81です。台車はDT71/TR225系、集電装置はPS37、冷房装置はAU726、列車情報管理装置TIMSを装備しています。
写真のカツK411編成は、2006年6月に新津車両製作所で完成したものです。グリーン車は2007年2月に東急車輌で完成しました。E531系は2005年7月から常磐線で営業運転を開始しました。2015年3月のダイヤ改正で上野東京ラインが開業し、運転区間が品川まで延伸されました。

2023/11/28

E231系1000番代(ヤマU516編成)

小山車両センターに所属しているE231系は、宇都宮・高崎線で使用されていた115系の置換えを目的として導入されたものです。E231系としては初の近郊タイプの車両となります。車両番号は耐寒耐雪構造のため1000番代を基本に、セミクロスシート車は2000を付加しています。
運転室構体にE217系と同様に衝撃吸収構造を採用したため、通勤タイプに比べて運転室が長くなり、側面に窓も設けています。また前照灯も視認性向上のため上部に設けています。宇都宮・高崎線用として導入されたE231系は当初普通車のみで編成されていました。現在ではグリーン車を組み込み、湘南新宿ライン・上野東京ラインに使用されています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC59A、主電動機は出力95kWのMT73、補助電源装置はIGBT-SIVのSC66です。台車はDT61G/TR246系、集電装置はPS33B、冷房装置は普通車がAU726・グリーン車がAU729、列車情報管理装置TIMSを装備しています。
写真のヤマU516編成は2000年12月に東急車輌で新製されたものです。4.5号車に組み込まれているグリーン車は2004年6月に川崎重工で完成しました。2017年7月に大宮総合車両センターで機器更新を完了しています。

2023/11/27

EF210形300番代(337号)

EF210形300番代は、山陽本線瀬野ー八本松間で補助機関車として使用していたEF67形の置換えを目的として2013年から製造されているものです。補助機関車として必要な機能を装備していますが、通常の貨物列車の牽引ができる機関車として作られています。
2000年に登場したEF210形100番代をベースとしており、基本的な性能には変化はありません。補助機関車としての必要な機能を追加し、両端の連結器に大型のシリコン緩衝器を備えております。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のFMPU17、主電動機は出力565kWのFMT4×6、補助電源装置はSIVです。運転整備重量は100.8t、台車は両端はFD7S、中間はFD8S、集電装置はFPS4Aを装備しています。
写真の337号機は2021年10月に川崎車両で完成し、吹田機関区に新製配置されたものです。300番代は310号機以降にさらに塗装が変更されており、桃太郎と犬、猿、雉を描いたシンボルキャラクターを貼り付けています。

2023/11/26

E235系(トウ05編成)

E235系はJR東日本がE233系の次の世代の通勤型車両として導入したものです。まずE231系500番代の代替として山手線に投入されました。まず2015年3月に量産先行車のトウ01編成が完成し、営業運転での使用結果を踏まえて2017年4月から2019年12月にかけて量産車49編成が製造されました。
車体は軽量ステンレス製でsustinaシリーズ初の量産型となりました。ラインカラーのウグイス色はホームドアの整備を反映してドアに着色されています。デジタルサイネージとして各扉上に17インチ、窓上および妻上部に21.5インチの表示器を設けています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC104/SC105、主電動機は出力140kWの全閉式外扇型MT79、補助電源装置は待機二重系IGBT-SIVのSC106/107です。台車はボルスタレス台車DT80/TR264系/TR255、集電装置はPS33G、冷房装置はAU737系、列車情報管理装置INTEROSを装備しています。
写真のトウ05編成は2017年6月に総合車両製作所新津事業所で完成したものです。10号車のサハE235-502も新製車で、E231系500番代からの転用はなく、全車が新製車で統一されています。2017年6月に営業運転を開始しました。

2023/11/25

E233系8000番代(ナハN15編成)

E233系8000番代は、南武線で使用していた205系・209系の老朽取替を目的として2014年7月から2015年12月にかけて、210両(6両編成35本)が製造されたものです。輸送障害の低減を導入の目的とし、205系と比較して約7割のエネルギーで走行するとされています。
車体は軽量ステンレス製で、定員増による混雑緩和を目的として幅2.950mmの拡幅車体としています。識別帯は黄色、オレンジ、茶色のラインです。座席モケットは南武線のカラーにあわせたオリジナルデザインです。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC85A、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置は待機二重系SIVのSC86Aです。台車はDT71/TR255、集電装置はPS33D、冷房装置はAU726を装備しています。
写真のN15編成は2015年3月に総合車両製作所新津事業所で完成したものです。2020年7月にホームドア対応工事を完了しております。2020年3月に中原電車区の検修部門が鎌倉車両センター中原支所、運転部門が川崎運輸区に組織変更されています。

2023/11/24

横浜市交通局3000S形(3541F)

2007年10月のブルーラインのATO運転・ワンマン化の実施に際して、1985年3月の横浜ー新横浜間延長開業に際して導入した2000形は、機器更新時期となっており改造範囲が大きくなることから、他の3000形との共通化を進めかつ再利用品を活用した3000S形車両を導入することになりました。
車体はステンレス製で、3000R形と同一構造としております。客室は扉間6人掛でバケットタイプのロングシートを配置しています。運転台についてはATO・ワンマン運転に対応したものとなっています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のMAP-148-75V77A、主電動機は出力140kWのMB-5080-A3、補助電源装置はIGBT-SIVのSVM135-4025Aです。台車は2000形から流用したS形ミンデン式空気ばねボルスタレス台車SS-104/SS-004、冷房装置は17.000kcal/hの能力を持つCU712A-G1を1両につき2台装備しています。
写真の3541Fは2005年11月に日本車両で完成したもので、3000形の4次車に相当します。2016年1月に室内灯をLED化しています。2020年12月にはATC/O、VVVF装置、列車制御管理装置、空調装置などの電気機器更新が行われました。

2023/11/23

横浜市交通局3000R形(3421F)

3000R形は横浜市営地下鉄の開業以来使用してきた1000形の置換えを目的として導入されたものです。2004年から2005年にかけて1000形と同数の84両(6両編成14本)が製造されました。「人と環境に優しく使いやすい車両」を基本理念として設計されています。
車体は軽量ステンレス製でブロック工法を採用し、側面外板のコルゲーションも廃止して平滑な仕上がりとなっています。客室内はバケットシートを採用し、座席中間部に握り棒を新たに取り付けています。またバリアフリー化のため、床面高さを下げています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のMAP-148-75V77A、主電動機は出力140kWのMB-5080-A2、補助電源装置はSIVのNC-WBT135です。台車はSS162/SS062、冷房装置は17.000kcal/hの能力を持つCU712Aを1両につき2台装備しています。
写真の3421Fは2004年6月に日本車両で完成したもので、3000形の3次車に相当します。新製当初からATO運転・ワンマン運転に対応しています。2017年1月に照明をLED化、2022年1月に車内案内表示装置更新を完了しています。

2023/11/22

E233系7000番代(ハエ126編成)

E233系7000番代は、埼京線で使用されていた205系の後継車両として2013年3月から12月にかけて310両(10両編成31本)、2019年1月から6月にかけて相鉄線乗入れを目的として70両(10両編成8本)が製造されたものです。当初から川越線・りんかい線にも入線しています。
車体は軽量ステンレス製の拡幅車体です。帯色は205系と同じ緑15号で、座席モケットも緑色系統としています。車内には液晶画面を用いた車内案内表示器を備えていますが、コンテンツの更新にWiMAXを活用しています。また新製当初からLED室内灯・防犯カメラを装備しております。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC85A、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置は待機二重系SIVのSC91です。集電装置はシングルアーム式のPS33D、台車はDT71系/TR255系、冷房装置は50.000kcal/hの能力を持つAU726系を装備しています。
写真のハエ126編成は2013年9月に総合車両製作所で完成したものです。2016年6月にATACS(無線式列車制御システム)対応改造、2019年8月に相鉄線乗入れ対応工事を完了しています。

2023/11/21

横浜市交通局3000N形(3361F)

横浜市交通局3000N形42両(6両編成7本)は、1999年8月の横浜市営地下鉄戸塚ー湘南台間の延長開業に対応して導入されたものです。3000形1次車を基本として、安全性・快適性・経済性・省保守化を追求して改良されました。
車体は前頭部をステンレスによる直線と平面によるカット面で構成するデザインとしたため、1次車に比べてシャープな印象となりました。客室内は座席幅を460mmに広げ、袖仕切を大型化しました。また側窓には遮光ガラスを採用しています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のMAP-148-75V77、主電動機は出力140kWのMB-5080A、補助電源装置はIGBT-SIVのMELSIV-7000です。台車はSS153/SS053、冷房装置は17.000kcal/hの能力を持つCU712を1両につき2台装備しています。
写真の3361Fは1999年7月に東急車輌で完成したもので、3000形の2次車に相当します。2006年9月に東急車輌でワンマン化対応工事が行われ、運転台の変更やATOの装備が行われています。2015年2月に照明のLED化が行われました。

2023/11/20

横浜市交通局3000A形(3291F)

横浜市営地下鉄ブルーラインのうち、北側のあざみ野ー新横浜間10.9kmについては、沿線の開発を促し横浜市の発展に大きく寄与したといえるのではないでしょうか?この区間は利用客層も比較的若いように思えます。
この区間の延長開業に対応して導入されたのが3000形電車です。開業以来の1000形と新横浜延長時に登場した2000形は既に引退してしまいましたので、この3000A形が横浜市営地下鉄では最古参の車両となるわけです。
車体は軽量ステンレス製で、前面形状は三曲面構成として「く」の字形状に深く傾斜させて丸みを帯びた流線型にしました。また「港ヨコハマ」をイメージしたブルーのラインを側面に配置するようにしています。主回路はVVVFインバータ制御を採用しております。
写真の3291Fは、1993年2月に東急車輌で完成したものです。あざみ野開業にあわせて導入された3000A形は、先行試作車を含めて48両〈6両編成8本〉が製造されました。2007年12月のワンマン運転開始に合わせてワンマン運転用の設備を追加しております。

2023/11/19

E233系6000番代(クラH009編成)

E233系6000番代は横浜線で使用されていた205系の置換えを目的として2014年1月から8月にかけて一気に224両(8両編成28本)が製造されました。205系と同じく4M4Tの8両編成ですが、拡幅車体の採用により、定員は1.244名と1割増加しています。
車体は軽量ステンレス製で、識別帯は黄緑とグリーンです。腰掛は占有幅460mmのバケットシートでモケットはグリーン系の配色です。客室内の照明はLEDになっています。また17インチの液晶モニタによる情報案内装置を出入口上に設けています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC85A、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はSC91です。台車はDT71/TR255、集電装置はシングルアーム式のPS33D、冷房装置はAU726を装備しています。
写真のクラH009編成は2014年4月に総合車両製作所新津事業所で完成したものです。2017年3月にホームドア対応工事改造を完了しています。当初各編成につけられていた「駅スタンプ」のステッカーは既に撤去されています。

2023/11/18

E233系5000番代(ケヨ512編成)

E233系5000番代は、京葉線で使用していた201系・205系の老朽取替を目的として導入したものです。10両貫通と4+6に分割可能の2タイプの編成を導入し、バリアフリー化や主要機器の二重系化による安定輸送の強化を行いました。
車体は軽量ステンレス製で、車体断面はE233系0番代と同様の車体幅2.950mmの拡幅車体です。客室の内装はモダンであたたかみのあるカラーデザインとしています。側窓ガラスは熱線吸収ガラスを採用し、カーテンを省略しています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC85A、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はIGBT-SIVのSC86Aです。台車はDT71系/TR255系、集電装置はPS33D、冷房装置はAU726、列車情報管理装置TIMSを装備しています。
写真のケヨ512編成は2010年11月に新津車両製作所で完成したものです。京葉線用E233系の識別帯はワインレッドとなっています。E233系5000番代は2010年3月から2011年6月にかけて集中的に導入されましたが、209系500番代1編成も機器更新を行い継続して使用されています。

2023/11/17

東武鉄道30000系(31402F)

東武鉄道30000系は、伊勢崎線と営団地下鉄(当時)半蔵門線と相互直通運転を目的として1997年に導入された車両です。2003年の直通開始までにはタイムラグもあり、10030系の後継としての性格も持っています。そのため浅草駅への乗入れや西新井工場への入場を考慮し、6両+4両の分割編成で製造されました。
車体は軽量ステンレス製で、9000系量産車以降と共通のダルフィニッシュ仕上げとしています。前頭部の彫りが浅く、横長のLEDを採用したりとデザイン的な味付けは少々異なっています。車内は化粧板が白色系、座席がブルー系の配色です。腰掛の奥行きが深い東武電車らしい車内を持った最後の系列でもあります。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のVFI-HR1420B、主電動機は出力190kWのTM-95、補助電源装置はIGBT-SIVのINV-095-F1です。台車はTRS-95M/TRS-95T、集電装置はPT-7112-A、冷房装置は集約分散式のRPU6011を装備しています。
写真の31402Fは1996年12月にアルナ車両で完成したものです。2015年1月に中間運転台を撤去して31602Fに組み込まれ、東上線用として10両固定編成になっています。4両編成で伊勢崎線系統に使用されていた時点ではクハ31400形が浅草方の先頭車でしたが、10両編成になる場合でも中間になるためATC装置は最初から搭載されていませんでした。

2023/11/16

東武鉄道20050系(21855F)

東武鉄道伊勢崎線と営団地下鉄(当時)日比谷線の相互直通運転に使用する車両として、1988年から20000系8両編成13本を増備してきましたが、1992年度には編成の一部を5扉車とし、車椅子スペースの設置、行先表示のLED化などの設計変更を行った20050系が導入されました。
車体は基本的に20000系と同仕様のステンレス製ですが、5扉車の側窓は構造上固定式となりました。室内の配色は化粧板を白を基調とし、腰掛・床敷物をブロンズ系、天井をジャスミンホワイトと配色を改め、より明るくソフトなイメージとなりました。
制御装置はGTO-VVVFインバータ制御のATR-H8150-RG642A、主電動機は出力150kWのTM-92、補助電源装置はSIVのINV-033-A0です。台車はSS-133/SS-033、集電装置はPT-1815-A-M、冷房装置はRPU-4019を装備しています。
写真の21855Fは1993年7月にアルナ工機で完成したものです。中間車4両は2021年5月に廃車となり、両端の4両は津覇車輌工業でワンマン化・5扉→3扉化を含むリニューアル工事を受け21430形21438Fとして支線区に転用されています。

2023/11/15

E233系2000番代(マト10編成)

E233系2000番代は、東京地下鉄千代田線と相互直通運転を行っている常磐緩行線で主力として使用されていた203系の代替を主たる目的として導入されたものです。2009年から2017年にかけて190両(10両編成19本)が製造されました。2016年3月から小田急線への乗り入れを開始しています。
車体は軽量ステンレス製で、千代田線内の車両限界にあわせて車体幅は2.770mm幅のストレート車体としています。内装はE233系1000番代などと同様に、クリーム系統のカラーデザインとしています。腰掛は片持ち式のバケットシートで一人分の幅を460mmとし、Sバネの採用など座り心地の改善を図っています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC85B、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はIGBT-SIVのSC91です。台車はDT71/TR255、集電装置はPS33D、冷房装置はAU726、列車情報制御装置TIMSを装備しています。
写真のマト10編成は2011年2月に東急車輌で完成したものです。2015年7月に東京総合車両センターで小田急乗入れ対応工事・車内情報案内装置の2画面化改修を完了しています。さらにE233系2000番代はワンマン運転の実施に向けてATOなどの関連装備の搭載も進んでいます。

2023/11/14

東京地下鉄18000系(18103F)

18000系は半蔵門線で約40年間使用してきた8000系190両(10両編成19本)の代替を目的として2021年に導入されたものです。半蔵門線では08系以来約18年ぶりの新型車両となります。設計工数低減のため有楽町・副都心線用17000系と共通化した部分もあります。
車体はアルミ合金によるダブルスキン構体を採用しています。室内はラインカラーのパープルを基調に床から天井に向かって明るい色になるように配色しています。袖仕切・荷棚・車内貫通路に強化ガラスを採用して見通しを良くしているのは近年の新型車両に共通する仕様です。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のMAP-214-15V336、主電送機は出力205KWの永久磁石同期電動機、補助電源装置はSiC-SIVです。台車はFS-781形、集電装置はシングルアーム式パンタグラフ、車両制御情報管理装置TISを装備しています。
写真の18104Fは2021年7月に日立製作所で完成したものです。18000系は2021年8月に営業運転を開始しました。2022年度も8000系を目的として増備が継続されており、5編成が投入される見込みです。2025年度で8000系の代替を完了する予定です。

2023/11/13

東京地下鉄10000系(10129F)

10000系は2008年の副都心線の開業に向けて導入された車両です。副都心線のワンマン・ATO運転に対応しますが、有楽町線とも共用されています。快適性・使いやすさ・車体強度の向上、保守の省力化、火災対策の強化、コストダウンに重点をおいて設計されました。
車体はアルミ合金によるダブルスキン構体ですが、鍵穴風の標識灯などレトロ感もあるデザインになっています。客室はシートがブラウン系の配色でまとめられ、天井構造の工夫と貫通扉・荷棚に強化ガラスを採用したことによって開放感が実感できる空間が作られています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のMAP-178-15V150/MAP-178-15V137、主電動機は出力165kWのMM-111A2、補助電源装置はIGBT-SIVのINV154-D3/E0です。台車はFS777/FS777T/FS777CT、集電装置はPT-7136F、冷房装置はCU7610です。
写真の10129Fは2009年9月に日立製作所で完成したもので、10000系の5次車に相当します。5次車の仕様は4次車に準じ、同様に7000系の未改造車の置換用となります。5次車では縦手すりの材質、荷棚の構造が変更されています。

2023/11/12

E233系1000番代(サイ171編成)

E233系1000番代は京浜東北・根岸線で使用していた209系0番代を置換え、保守の効率化や輸送障害の対応を図ることを目的として導入されたものです。電動車比率を6M4Tに変更となり、6扉車の連結はなくなりました。209系に比べて車内も広く、かつ明るくなりました。
中央快速線用の0番代では前面窓上の表示器に列車番号を表示しますが、1000番代では助士側窓下に移設しています。前面窓の左右を白色として前面窓下にカラー帯を通すようになりました。室内では側扉上の車内案内表示VISが17インチとなりました。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC85A、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はIGBT-SIVのSC86Aです。台車はDT71系/TR255系、集電装置はPS33D、冷房装置はAU726系、列車情報制御装置TIMSを装備しています。
写真のサイ171編成は2009年10月に新津車両製作所で完成したものです。2016年6月にホームドア対応改造、2018年1月に前照灯のLED化を完了しております。その他室内灯のLED化、セキュリティカメラの設置が行われています。

2023/11/11

E233系3000番代(コツE-03編成)

E233系3000番代はE231系近郊タイプの後継となる車両で、当初の2編成はE217系の捻出を目的として導入されましたが、2011年9月からは211系の代替として増備が行われました。田町車両センター、次いで高崎車両センターに新製配置されました。
車体は軽量ステンレス製で、識別帯は湘南色です。E233系では通勤タイプと前面デザインが同じになっています。2階建てグリーン車を組み込み、側扉に半自動回路を備え、台車にヨーダンパを装備しているのは近郊タイプとしての仕様です。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC98、主電動機は出力140kWのMT75、補助電源装置はIGBT-SIVのSC86Bです。台車はDT71系/TR255系、集電装置はPS33D、冷房装置はAU726系/AU729系を装備しています。
写真のコツE-03編成は、2011年9月に新津車両製作所で完成したもの(グリーン車のみ東急車輌)です。新製配置は田町車両センターでしたが、2013年3月のダイヤ改正で同区の車両配置がなくなったため、国府津車両センターに転属しました。

2023/11/10

京成電鉄AE形(AE7編成)

京成電鉄AE形は2010年7月に開業した成田スカイアクセス線用に開発されたものです。成田空港アクセス輸送を担う新形スカイライナー用特急車で、成田スカイアクセス線内では160km/h運転を行っています。
車体はアルミ合金によるダブルスキン構造で、先頭形状は鋭角的な流線形としています。客室はドーム形天井を採用したことにより開放感のあるものとなっています。回転式リクラインニングシートは1.050mm間隔で先代のAE100形より10mm拡大しています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のRG6009-A-M、主電動機は出力175kWのTDK6070-A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV146-P0です。台車はSS170M/SS170T、集電装置はPT7131-C、冷房装置はCU736を装備しています。
写真のAE7編成は2010年7月に日本車両で完成したものです。まるで新幹線のような成田スカイアクセス線内と異なり、東京の下町を走る堀切菖蒲園駅付近では昔ながらの地上区間を走る姿が楽しいです。

2023/11/09

京成電鉄3000形(3037編成)

京成電鉄3000形は、環境への配慮や省エネルギー化、保守の簡略化、バリアフリー化をコンセプトとして、乗入れ線を含んだ全線で運用できる汎用車両として導入されたものです。6M2Tの8連と4M2Tの6連の2タイプがあります。
車体はステンレス製のブロック構体を採用して、部品点数や製作工程の低減を図っています。先頭部のみ普通鋼製で、それほど目立ちませんが非常用の貫通路も設けています。車内はすべてロングシートで、座席幅460mmの片持ち式座席を採用しています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のRG-681-A-M、主電動機は出力125kWのMB-5100-A/TDK6174-A、補助電源装置はIGBT-SIVのINV153-A0です。台車はFS-564/FS-064、集電装置はPT-7131-B、冷房装置はCU718/RPU-11013を装備しています。
写真の3037編成は2018年2月に日本車両で完成したもので、3000形の13次車に相当します。3000形は2021年4月現在で278両が在籍し、京成電鉄の車両の中では最多勢力となっております。

2023/11/08

E231系1000番代(ヤマU535編成)

小山車両センターに所属しているE231系は、宇都宮・高崎線で使用されていた115系の置換えを目的として導入されたものです。E231系としては初の近郊タイプの車両となります。車両番号は耐寒耐雪構造のため1000番代を基本に、セミクロスシート車は2000を付加しています。
運転室構体にE217系と同様に衝撃吸収構造を採用したため、通勤タイプに比べて運転室が長くなり、側面に窓も設けています。また前照灯も視認性向上のため上部に設けています。宇都宮・高崎線用として導入されたE231系は当初普通車のみで編成されていました。現在ではグリーン車を組み込み、湘南新宿ライン・上野東京ラインに使用されています。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC59A、主電動機は出力95kWのMT73、補助電源装置はIGBT-SIVのSC66です。台車はDT61G/TR246系、集電装置はPS33B、冷房装置は普通車がAU726・グリーン車がAU729、列車情報管理装置TIMSを装備しています。
写真のヤマU535編成は2002年3月に東急車輌で新製されたものです。4.5号車に組み込まれているグリーン車は2005年3月に川崎重工で完成しました。2016年11月に東京総合車両センターで機器更新を完了しています。

2023/11/07

サステナ車両からの連想

西武鉄道が「サステナ車両」として、東急電鉄・小田急電鉄から車両の有償譲渡を受けて支線区の車両更新を進めるいうニュースを見て連想した。それは住宅にもサステナブルな発想が必要ではないかということだ。
日本の戸建て住宅は新築中心で長年の使用には不向きなものが多いように見える。当初からライフサイクルを考慮して、長期的な視点に立って住宅を整備しても良いのではないだろうか。方向性としては、①住居系の区分の見直し、②土地の所有と分離、③SI住宅建設の推進である。
今回は③SI住宅について述べてみたい。ここでいうSI住宅とはスケルトン・インフィルを分離するのはもちろんだが最低60年の使用を見込んで、当初から長期修繕計画や解体までを考慮して建設する集合住宅である。15年ごとに修繕し、15年は新築時への回復、30年でリノベーション、45年でリノベ時点への回復、60年で継続使用か解体を判断するのである。
断熱性・遮音性を確保するために規格を厳重に設定し、標準化を進めてメーターモジュールを採用し、広さは内寸30・60・90・120平米に統一。建材・設備も極力規格化を進めリサイクル性を考慮するのが良いと思う。

例えば戸建て住宅を維持するのが難しくなってきたシニア層向けに、戸建て住宅を引き取る形でSI住宅の一室を提供する。公的部門に土地を集積することで、土地の所有権と利用を分離して使用権のみを分譲する住宅を作る。使用権を分譲することで建設費を回収する。
こういったアプローチで介護に関わる問題や空き家問題などを緩和できるのではないか。いずれにせよ国や地方自治体がオーケストレーターになって、建設・修繕、銀行、介護などさまざまな規模・分野の民間企業を組み合わせた大掛かりかつ継続的な公共事業になる。

2023/11/06

西武鉄道40000系(40104F)

西武鉄道では2016年度より40000系の導入を進めています。30000系に続く新型通勤車両で、2000系の老朽置換えに充当されています。アルミダブルスキン構体を採用した10両固定編成となっています。西武鉄道の最新型スタンダード車両となります。
40000系の基本番代は座席がロング/クロスの転換式シートになっています。モケットを青色で転換動作はS-TIMによって行われます。大窓が印象的なパートナーゾーンが池袋方先頭車に設けられています。また全車にプラズマクラスターによる空気清浄機を備えます。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSVF-102H/SVF-098E、主電動機は出力190kWのSEA-547A、補助電源装置はIGBT-SIVのMELSIV-Gです。台車はSS185M/SS185T、集電装置はPT7116-D、冷房装置はCU723A、列車情報制御装置S-TIMを装備しています。
写真の40104Fは2017年11月に川崎重工で完成したものです。基本番代は副都心線・東急東横線・みなとみらい線ではSライナーと呼ばれる秩父方面への座席指定列車のみの運用で、6000系・40000系50番代と同様の特急や急行には使用されていません。

2023/11/05

相模鉄道8000系(8712F)

相模鉄道8000系は、斬新なデザインを採用したアルミ製の拡幅車体やVVVFインバータ制御装置など先進的な車両で、1991年から99年に130両(10両編成13本)が製造されました。継続使用する後期の編成について機器更新工事が行われましたが、ついて前面改修と自動放送設備の追設が行われ、10月完成の8713Fを最後に原型で残る編成は既になくなっています。
VVVFインバータ制御装置は、既に更新工事を完了していた9000系との機器共通化を図りIGBT素子を用いた1C4M×2群制御としたものに換装しました。基本的な走行性能については更新前と大差がないようにしています。冷房装置は容量拡大を図ったため、補助電源装置も換装しています。
更新後の制御装置はVFI-HR2820T、主電動機は出力150kWのHSV-03、補助電源装置はIGBT-SIVのSVH260-RG4076Aです。台車はKH-132B/KH-135A、集電装置はシングルアーム式のPT7103C/F、冷房装置は50.000kcal/hの能力を持つHRB504-5を装備しています。
写真の8712Fは1998年3月に日立製作所で完成したもので、8000系の9次車に相当します。2014年12月に新塗装化、2018年6月に機器更新工事を完了しています。2023年8月に前面改修が完了しました。

2023/11/04

E217系(クラY-15編成)

E217系は横須賀線・総武快速線で使用されていた113系1000番代の後継車両として1994年から1999年にかけて745両が製作されたものです。朝夕ラッシュ時の混雑緩和を最重要視し、近郊形普通車としては初の4扉構造を採用しました。
車体は軽量ステンレス製で、座席はロングシートを基本とし、一部にセミクロスシートを採用して遠距離輸送と観光輸送を考慮しました。グリーン車は朝夕ラッシュ時の座席確保を目的として二階建て構造を採用しました。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のSC88、主電動機は出力95kWのMT73、補助電源装置はIGBT-SIVのSC89です。台車はDT61B形/TR246系、集電装置はPS28A、冷房装置は普通車がAU720A・グリーン車がAU721を装備しています。
写真のクラY-15編成は1996年12月に川崎重工で完成したものです。2011年6月に東京総合車両センターで機器更新工事を完了しました。2018年7月にホームドア対応工事を完了しています。

2023/11/03

東京都交通局5500形(5503編成)

東京都交通局5500形は浅草線で使用している5300形の更新を目的として導入されたものです。都営浅草線は1960年12月に、都心を走る地下鉄と郊外を走る民鉄が相互直通を行うという現在では広くみられるようになったシームレスな運転形態を初めて実現した路線であります。
浅草線では第三世代の車両となる5500形の車体は、先頭部と台枠の一部を除き軽量ステンレス鋼を採用しています。万一の衝突事故に備え、屋根・側面・台枠などの主要部材をレール方向に揃え、結合強度の強化・耐オフセット衝突構造を備えています。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のTINV-1B、主電動機は出力155kWのTIM-1B、補助電源装置はSIVのCDA173です。台車はT-1D/T-1E、集電装置はPT7180-A、冷房装置はTCL-1E、車両情報制御装置INTEROSを装備しています。
写真の5503編成は2018年7月に総合車両製作所で完成したものです。5500形は27編成すべてが総合車両製作所で製作されました。歌舞伎の隈取をモチーフとした外観デザインは地上区間でかなり目立ちます。

2023/11/02

東京都交通局5300形(5305編成)

都営浅草線の5300形電車は1991年3月の北総開発鉄道との相互直通運転開始を契機として導入された車両です。車両冷房化によるサービズ向上や老朽化した5000形電車の置換えを考慮して新形車両が導入されましや。
車体はアルミ合金製で全面に塗装を施しており、かつ丸みを帯びたデザインになり5000形・5200形から大きく変わりました。座席は乗り心地の良いバケット式ロングシートで、座布団はグレー系、制刷りはピンク系、各車に設けられた優先席はバイオレット系の配色となっていました。
制御装置はGTO-VVVFインバータのTINV-1、主電動機は出力165kWのTDK6115-A、補助電源装置はD-Dコンバータです。台車はボルスタ付空気ばね台車のKD302/KD302A、冷房装置はTCL-1Aを装備しています。
写真の5303編成は、1991年6月に川崎重工で完成したものです。初期に製造されたグループの特徴として、スカートが小型になっています。2020年9月に廃車となりました。5300形は5320編成を予備車的に残しましたが、後継となる5500形に代替されました。

2023/11/01

E235系1000番代(クラF-13編成)

E235系1000番代は横須賀・総武快速線で使用しているE217系の置換えを目的として導入されたものです。E217系と同じく4扉・近郊タイプの車両ですが、先頭車は当初から完全な非貫通タイプとなっています。
車体は軽量ステンレス製ですが、雨樋の突起がなくなり側面は非常にすっきりとした印象です。普通車の全車の腰掛がロングシートとなりました。山手線用のE235系とは座席や床のカラーが異なり、袖仕切の形状が変更されています。
制御装置はSiC-VVVFインバータ制御のSC104A、主電動機は出力140kWのMT79、補助電源装置は待機二重系SIVのSC107Aです。台車はDT80系/TR273系、集電装置はPS33H、冷房装置は普通車がAU737系・グリーン車がAU742系、列車情報管理装置INTEROSを装備しています。
写真のクラF-13編成は2021年6月に総合車両製作所新津事業所(グリーン車のみ横浜事業所)で完成したものです。E235系1000番代は徐々に増備も進んでおり、並走する京浜東北線の車窓からもかなりひんぱんに走行する姿が見られるようになっています。