2019/06/09

荒川線8500形(8501号)

東京都電8500形が、7500形以来実に28年ぶりの新型車として登場したのが1990年でした。当時はバブルなどといわれた時代で、国際政治の緊張緩和と好調な経済を背景にして、現在と比べればはるかに日本社会は楽観的な空気に包まれていたといえるでしょう。
そういえば当時流行っていたものに、ソフトスーツというものがありました。現在のスーツよりも、なんとなくダボッとした代物でした。色はベージュが多かったように記憶しています。ブラックスーツが流行りの現在では見かけないというか、死語に近い存在です。
あと身近なところでは、ビールにやたらと銘柄がありました。特にキリンが豊富な経営資源にモノをいわせてファインピルスナーとかマイルドラガーとか様々な銘柄のビールを出していました。またアサヒにはスーパーイーストという凝った製法を用いた銘柄がありました。
8501号は、1990年4月にアルナ工機で完成したものです。前照灯の形状など2次車以降の8500形とは仕様が異なっています。なんとなく当時のゆとりみたいな雰囲気を現在に伝えている車両のように感じます。
【撮影:佐野次郎 2013.12.31 王子駅前ー飛鳥山間】