東京都交通局10-300形3次車は、新宿線の混雑緩和を目的とした10両編成を増強するため、JR東日本のE233系2000番代をベースとして新製されたものです。エクステリアデザインについては、新宿線の新形車両であることをアピールするため独自のものとしています。
E233系をベースとする一方で、10-300形1次車との装置・回路などの互換性についても考慮されています。客室内のデザインは、内張色を柄のある白色とすることで、従来の新宿線車両と比較して明るい印象になっています。天井パネルや側扉などはE231系との共通部材です。
制御装置はIGBT-VVVFインバータ制御のTINV-10C、主電動機は出力95kWのTIM-10、補助電源装置はTSIV-10Cです。台車はT-10系、集電装置はPT7154-A、冷房装置はTLC-10D、情報制御装置TIMSを装備しています。
写真の10-560編成は、2017年6月に総合車両製作所で完成したものです。2022年8月に最新の10-720編成が完成し、新宿線の10両編成化が完了しました。8両編成の10-300形は2004年から製造されたものですが、早期での廃車となりました。