首都圏の通勤電車の座席といえば、横方向に長く伸びたいわゆるロングシートが一般的ですね。なにしろ定員が多く取れるわけですから、朝夕に大量の輸送力を必要とする首都圏の電車には最も適していると思います。
一方で長距離の利用に適しているといわれる、向い合わせのいわゆるクロスシート。かつては東海道線や横須賀線を中心とした中距離を走る路線では当たり前の装備でしたが、現在では編成の一部分にあるだけになっております。
京浜急行の600形電車は、快適性を求めて3扉ながらクロスシートを採用して新製されました。また混雑時に対応するための工夫として、一部の座席を収納可能としておりました。せっかくの試みでしたが、結局一般的なロングシートへの改装が進んでいます。
写真の602編成は1994年3月に川崎重工で完成したものです。2010年2月に京急ファインテックでロングシート化と更新修繕を行っています。