自由に使えるお金など、たかが知れていましたので、カメラは父から拝借し、最低運賃で一筆書きのように大回りしていろいろな駅を回るというスタイルでした。しかも現像と焼き増しにお金がかかりますので、三か月に一回くらいの出動でした。
そんな状況下でビビッタのが鶴見駅。京浜東北線を降りて、鶴見線のホームにいくまでに改札があるのです。当時は有人改札でしたので、おそるおそる許可を求めると少し間をおいて「いいよ」と言ってくれました。
そこで撮影できたのが写真の101系電車です。モハ72形に代わって弁天橋電車区に配置されたものです。冷房などという気の利いたものもありませんでした。101系の冷房車、103系を経て今では205系になりましたが、自動になったとはいえ中間改札が今でもありますね。
【撮影:佐野次郎 1983年夏頃 鶴見駅】