2012/01/22

上野駅の20系客車

次回のダイヤ改正で「日本海」が定期列車としては廃止になるように、21世紀になってから次々と姿を消していき、一般的な移動手段としては使命を終えつつある感の強いブルートレインですが、元祖は1958年に東京ー博多間の「あさかぜ」に投入された20系客車です。
何でも当時は現在の大衆化の進んだ特急とは異なり、文字通り「特別な急行」だったそうです。全車空調完備で、個室寝台から座席車まで多様なニーズに対応できる設備を備え、食堂車も備えた20系は「走るホテル」と呼ばれました。
私が鉄道写真を撮るようになった1980年代には、既に寝台特急はB寝台が2段式になった24系25形がブルートレインの主力となり、14系14形や24系24形のB寝台を3段式から2段式に改造していました。20系は「あけぼの」を最後に特急から退き、急行用に転用されておりました。
20系の急行転用としては、東京ー大阪間の「銀河」での運用が有名ですが、その他上野口では「津軽」「十和田」や、12系座席車との混結で「おが」に使用されていたかと思います。陳腐化してはおりましたが、丸みを帯びた優美なスタイルが魅力的でした。
【撮影:佐野次郎 1984年頃 上野駅】