横浜市電の滝頭車庫跡に設けられ、市電廃止直後の1973年8月に開館した横浜市電保存館が2013年7.月20日にリニューアルオープンしました。私佐野次郎は9月8日に訪問しました。
なお横浜市電保存館は1983年に建て直されており、市営住宅の1階部分を保存館にあてています。それまでは旧工場の建屋をそのまま利用していました。
写真の523号は、少し前に引き出して、写真のような構図で撮影できるようになりました。
写真の1007号は、やはり昭和初期の電車だけあって、クラシカルな感じがしますね。この塗装は1960年から採用した横浜市電最後の塗装で、増加する自動車との接触事故を避けるために目立つ塗装にしたものです。
写真の1104号も、館内の整理によって少し撮影しやすくなりました。現代の横浜市営バスの塗装も、基本的なカラーリングを継承しているようですね。
今回のリニューアルの目玉の一つが1311号の塗装変更です。3000形として戦後すぐに製造された当初はこのカラーリングだったそうです。私も本のイラストでしか見たことのなかった塗装です。
もう一つの目玉が1510号の塗装変更で、1954年に登場した1150形の1171.1172号に施された試験塗装です。色はコーヒーブラウンだそうです。当時はワンマンカーではなかったのですが、細かいことを指摘するのは野暮というものです。よく似合っています。
横浜市電最後の新車である1600形の1601号は、横浜市電全盛期の塗装をまとって展示されています。横浜市営地下鉄の総営業キロもようやく市電の全盛時を抜いたのかな?
珍しいのは。もともとビールを運んでいたという、電動貨車。このビール工場跡は、ブラタモリでも取り上げられたそうです。路面電車の事業用車自体も珍しいですよね。
市電と並ぶもう一つの目玉は、鉄道模型のジオラマです。しっかりと横浜市電も走っていますね。鉄道博物館やリニア・鉄道館なんかに比べるとこじんまりとしていますが、入場料も100円と良心的です。周りは住宅街で何もありませんが、極端に混雑することもなさそうですし、電車に興味のある方でしたら、充分楽しめる施設だと思います。往路はJR根岸線の根岸駅からタクシー利用が快適でしょう。帰りは始発となる15分間隔の横浜市営バス21系統の時間に合わせて帰るのが賢明でしょう。
【撮影:佐野次郎 2013.9.8】