2019/03/31

広島電鉄900形(910)

広島電鉄の900形電車は、1969年に全廃された大阪市電の2600形電車を譲り受けて、1969年10月から営業運転に使用しているものです。近年急速に廃車が進んでいるとはいえ、大阪市電の全廃から既に50年、今だ現役車輌があるのは驚異的です。
大阪市電2600形は、1955年から61年にかけて旧型車の走行機器に新製車体を組み合わせてできた電車です。同時代の国鉄の電車は、70系・80系・101系・151系・153系などですからいかに古い電車であるかがうかがえるでしょう。
広島電鉄では企業努力の蓄積により、新しい電車への更新が徐々に進んでいると思います。大阪市電から譲り受けた750形・900形、神戸市電から譲り受けた570形・1100形・1150形、西鉄から譲り受けた600形・3000形も多くが置換えの対象となりました。
写真の910号は、もと大阪市電2635号です。1987年1月に冷房改造を行いました。最近、営業運転から退いて廃車・解体された模様です。2013年に鉄道書で何度も見たもと大阪市電を実際に撮影できたのは感慨深いものがあります。
【撮影:佐野次郎 2013.9.13 寺町ー十日市町間】