東武鉄道が8000系に代わる通勤形標準車両として、1983年から製造したのが10000系電車です。1981年に量産先行車がデビューした地下鉄有楽町線乗り入れ用の9000系電車をベースに、地上線用としてコストダウンを図った電車です。
車体は9000系と同様に軽量ステンレス製としています。室内の配色は8000系と同じですが、側窓は1段式となり、座席の奥行きも少し深くなっておりますので快適性は増しています。
主回路は9000系が採用した値段の張るAFEチョッパ制御を諦め、エコノミー版ともいえる界磁チョッパ制御を採用しています。台車は空気バネ式のS形ミンデン台車を装備しました。ちなみに10000系はパンタグラフを1両に2基搭載していますので、なんとなく迫力を感じますね。
写真の11005Fは、1985年9月に富士重工で8両編成で完成しました。1989年に中間車2両を増結して10両編成になっています。スマートな最近の電車とは異なり無骨な印象の強い電車ですね。