東武鉄道の30000系電車は、10000系に続く主力通勤形車両として、1996年から2004年にかけて150両(6両編成・4両編成各15本)が製作されました。半蔵門線・東急田園都市線への直通を考慮して設計され、2003年3月の半蔵門線の延伸に伴い、直通運転を開始しました。
車体は、9000系・10000系・20000系に続いて軽量ステンレス製となりました。側面の印象はビードを少なくした10030系に似ておりますが、前面のデザインや大きく張り出したスカートやクーラーキセの形状によって独特の印象があります。
主回路は日立製作所製IGBT方式のVVVFインバータ制御を採用しております。また東武鉄道の電車では初めて、現在主流のワンハンドルマスコンを採用しました。集電装置は製造当初からシングルアーム式を装備しています。
写真の31614Fは、2002年11月に東急車輌で完成したものです。早くも2006年5月には後継となる50050系の51054Fに半蔵門線・田園都市線直通用機器を供出し、直通運転から退きました。同年12月から伊勢崎線の浅草口に転じて、区間準急や普通に使用されています。