2017/04/30

江ノ電先代500形(502+552)

江ノ電先代500形の501編成は東洋工機・東洋電機のコンビによって製作されましたが、502編成は東急車輌で製作されました。共通設計ではありましたが、製造当初はヘッドライトやテールライトの形状が異なっていました。
502編成は、1957年4月の竣工で、これは300形の302・303編成と同時になります。100形電車の車体を流用した両編成に比較すると、車体を新製した500形のスタイルは斬新に映ったのではないでしょうか?
反面、製造当初の集電装置はポール!でしたし、台車もブリル式などの古典的な仕様のものでした。スタイリッシュな車体とは裏腹に、吊り掛け駆動の豪快な走行音で走っていたわけです。
1990年に台車と走行装置を1500形をベースとしたものに更新してカルダン駆動化し、さらに2000年に更新工事を実施して仕様の共通化が図られました。2003年1月に廃車となり、機器の一部が20形に流用されています。
【撮影:佐野次郎 1992.3.20 江ノ島駅】

2017/04/29

江ノ電300形(305+355)

江ノ電のみどころの一つは、江ノ島ー腰越間の併用軌道区間ですね。道路上を電車が堂々と走る姿はこたえられないものです。もっとも電車の乗務員やドライバーにとってはより緊張する区間であると思います。
撮影するにはまた魅力的なところですが、やはり自動車・歩行者に気を使いながらの撮影となります。電車が来れば自動車が来たりでなかなかうまく撮影できないのです。また歩行者に迷惑をかけるわけにはいきません。
写真を撮影したのは1992年ですが、300形を記録できていました。当時はフィルムカメラでフィルム代に現像代、プリント代金がかかりましたので、撮影枚数は控えめでした。そういえば当時AFの一眼レフが流行っておりましたね。
写真の305編成は、1960年に京王電鉄の木造車の台枠を利用して車体を製作したものです。1000形以降の新型車輛と旧型車は併結運転ができませんでしたが、旧型車の機器更新と廃車により徐々に可能となり、2001年3月に全車の併結運転が可能になりました。
【撮影:佐野次郎 1992.3.20 腰越ー江ノ島間】


江ノ電300形(302+352)

今でこそ、300形が1編成残る他は、1000形以降の新型車に統一された江ノ電ですが、40代後半というか終盤の私にとっては、やはり300形や先代500形の印象が強いです。300形は最盛期には6編成が在籍していました。
写真の302編成は、1957年4月に100形の連接車化改造により誕生したものです。同時に300形の303編成、車体新造の先代500形502編成が竣工しました。江ノ電に6両の新車が同時に入ったのは1931年以来でその後もないそうです。
1979年に1000形が導入されてから、江ノ電では旧型の連接車の扱いについて検討したそうです。映画やドラマの撮影に使用されることが多く、観光客にも人気の高い300形の扱いについては焦点になったそうですね。
302編成は、大きな改造を受けることもなく、1997年4月にレトロ電車である10形と入れ替わりになって廃車となりました。同じスタイルだった303編成は、車体改造、冷房化、台車・機器更新を経て、2008年3月に500形502編成と入れ替わりに廃車となりました。
【撮影:佐野次郎 1992.3.20 江ノ島ー腰越間】

2017/04/23

江ノ電先代500形(501+551)

江ノ電の先代500形は、ヨーロピアンスタイルの個性的なスタイルの電車でした。1956年当時としては、相当斬新なスタイルの電車ではなかったかと思われます。イメージを踏襲したといわれる二代目500形のほうが穏健なスタイルだと私は思います。
出入口も1956年では、珍しかった両開きを採用し、腰掛もクロスシート、自動放送装置まで備えていたそうです。ただし、自動放送装置は早期に撤去され、腰掛も一般的なロングシートに改められました。
1984年から85年にかけて、出入口を片開きに改め、前面窓の構造変更を伴う改修を行い、さらに1989年から90年にかけて走行装置を一新して、カルダン駆動に変更されました。以前の江ノ電を代表する車両として存在感がありました。
江ノ電としては比較的新しい車両でしたが、車体が重く冷房改造が困難であったため、廃車対象となりました。写真の501編成は2002年に廃車となりました。下の二代目500形の写真とほぼ同じ場所で1992年3月に撮影しておりました。
【撮影:佐野次郎 1992.3.20 七里ヶ浜ー鎌倉高校前間】

2017/04/22

江ノ電500形(501+551)

江ノ島電鉄500形電車は、在来車両の置換えを目的として2006年と2008年に1編成ずつが製作されたもので、現時点での最新型車両です。先代500形の丸みを帯びたイメージを踏襲しつつ、近代的にデザインされています。
500形の車体外板には、薄板のステンレス鋼板を使用していますが、全面に塗装を施しています。ステンレスに塗装を施しているのは珍しいですね。構造的には20形を引き継いでいますが、先頭部を100mm伸ばして乗務員の視界を改善しています。
主回路は江ノ電では初めて、現代の鉄道車両では主流となっているVVVFインバータ制御を採用しました。台車・駆動装置などは300形(304+354)から流用していますが、主電動機の換装に伴う改修を行っています。
写真の501編成は、2006年3月に東急車輌で完成したものです。300形の304編成を代替するものですが、こちらは機器を再利用するため501編成の完成に先行して2005年9月に廃車となっています。
【撮影:佐野次郎 2017.4.6 七里ヶ浜ー鎌倉高校前間】

江ノ電20形(21+61)

江ノ島電鉄20形電車は、2002年に藤沢ー片瀬(現江ノ島)間を開業してから100年にあたることを記念し、先代500形の代替車両として導入されたものです。10形に続くレトロ調の電車ですが、より実用本位に仕様を変更しています。
20形の車体は10形を基本とした2車体連接構造ですが、保守の能率向上や軽量化を目的として二重屋根や側窓アーチ形状などの意匠を改めています。腰掛は運転台の後ろだけ展望席としてクロスシートにした他は、ロングシートになっております。
台車や主要な電気部品は、先代500形の501+551から流用しております。これは500形の走行機器は更新してから日が浅く状態も良かったからです。集電装置については、シングアーム式パンタグラフを新たに装備しました。
写真の21+61編成は、2002年3月に東急車輌で完成したものです。先代500形が、走行機器を更新していたのに廃車となったのは構造上冷房改造が困難であったからだそうです。20形は翌2003年にもう1編成増備され、先代500形を置き換えました。
【撮影:佐野次郎 2017.4.6 七里ヶ浜ー稲村ケ崎間】

2017/04/16

江ノ電2000形(2001+2051)

江ノ電電鉄は、1990年にデザインを一新した2000形電車を投入しました。機構的には1500形を基本としていますが、車体のデザインが変わり窓が大きくなっているのが特徴です。
車端部には、向かい合わせの座席が配置されました。これは東急9000系とか横浜市営地下鉄2000形とか、当時東急車輌で製作された車両に見られた仕様です。ゆとりを求めた当時の世相が反映されていたのでしょうか?
その頃はバブルと呼ばれた時代でもありました。先日日経新聞を読んでいたら、私の履歴書に、いまでは考えられないような予算があったなんていうことが書いてありました。人口動態や世界情勢からみて、あんな時代は二度と来ないだろうなと私は思います。
写真の2001編成は、1990年4月に東急車輌で完成したものです。2016年にリニューアル工事を受け、塗装の変更、液晶モニタの設置、シングルアーム式パンタへの換装が行われました。行先表示はLED化され、窓上に移設されています。
【撮影:佐野次郎 2017.4.6 七里ヶ浜-稲村ケ崎間】

江ノ電1500形(1501+1551)

江ノ島電鉄では、1979年に1000形を投入してから、その後1年おきに増備を重ね、ATS化・冷房化と改良を積み重ねてきました。第四次の増備となる1986年の1500形で、初めてカルダン駆動・発電ブレーキを採用しました。
カルダン駆動というのは、国鉄の101系で採用されたもので、近代の電車としては標準的な仕様です。江ノ電は急曲線もあり、採用を見送っていたそうです。また1500形は「サンライン号」という愛称で独自の塗装が施されました。
独自の塗装というのは、江ノ電ではクリーム色にグリーンというのが、塗装の基本ですが、「サンライン号」は、湘南の太陽と海のイメージから、アイボリーにオレンジとレッドの帯という塗装を施していたのです。
写真の1501編成は、1986年3月に東急車輌で完成したものです。2009年から登場時のサンライン塗装を復元していましたが、2013年にリニューアル工事を実施した際に標準塗装となり行先表示のフルカラーLED化とシングルアーム式パンタグラフへの換装を実施しました。
【撮影:佐野次郎 2017.4.6 鎌倉高校前ー七里ヶ浜間】

2017/04/09

江ノ電1100形(1101+1151)

江ノ電1100形は、1000形に続く新造車として1981年12月に完成しました。1000形と同様に新製当初は冷房装置を搭載準備にとどめ、翌1982年になってから冷房装置を搭載しました。
現代の鉄道車両では冷房装置はほぼ標準装備ですが、1980年代は普及途上でした。私にとって最寄りの路線である根岸線の103系も当時、両端だけが冷房車で中間の車両は冷房なしなどという編成がたくさんありました。
当時はたしかに現在ほど冷房装置は普及していませんでしたが、夏も今ほど熱くなかったように思います。朝なんか涼しかったですね。夏休みの宿題は朝のうちになどと言われたものです。
写真の1101編成は、2006年と2015年の2度にわたりリニューアル工事を受けておりますが、吊り掛け駆動はそのままです。2017年1月から江ノ電の新標準塗装になり、現行の姿となりました。
【撮影:佐野次郎 2017.4.6 腰越ー江ノ島間】

2017/04/08

江ノ電1000形(1002+1052)

江ノ電1000形の第2編成であります1002編成は、「嵐電号」として京福電鉄嵐山線と同じ塗装で営業運転に就いております。京福電鉄が2010年3月から採用した「京紫」というカラーであります。
これは2009年10月から京福電鉄と姉妹提携しているためで、逆に京福電鉄嵐山線のモボ631号が「江ノ電号」として、江ノ島電鉄の新標準色と同じ塗装で営業運転に就いております。
江ノ電1000形は、2015年に2度目のリニューアルが行われ、シングルアーム式パンタグラフ、フルカラーLEDなど、JR東日本などの新型電車などでよく見られる装備を導入しています。
車内には大型の2画面のモニタも装備されています。行先を表示するLEDには鳥居を表示したりして洒落ています。でも懐かしい吊り掛け駆動のモーター音は健在です。荒川線の7000形もまもなく引退しますので、首都圏では希少な吊り掛け駆動の電車となりますね。
【撮影:佐野次郎 2017.4.6 鎌倉高校前ー七里ヶ浜間】

2017/04/07

江ノ電1000形(1001+1051)

6年ぶりに撮影目的で訪問した江ノ電でしたが、長く活躍している車両には、それなりに変化を見ることができました。
写真の1001編成は、前回撮影した2011年には、1979年の製造当初の塗装を再現した状態で営業運転に就いておりました。
2015年には、再リニューアルを行い、行先表示をLEDに、集電装置をシングルアーム式パンタグラフに換装するなどの工事が行われました。
塗装も現時点での最新型車両である二代目500形に準じたものに変更されています。都電荒川線の7000形更新車とほぼ同世代である1000形ですが、まだまだ元気に活躍してくれそうですね。
【撮影:佐野次郎 2017.4.6 七里ヶ浜ー鎌倉高校前間】

2017/04/06

江ノ電300形(305+355)

横浜在住の私にとっては、東京都電荒川線、東急世田谷線と同様に、気軽に撮影に出かけられる江ノ島電鉄ですが、撮影目的で訪問したのは2011年以来となりました。今日は仕事の休みをいただき、出かけてきました。
家内と休日に江ノ島散策などというときには、大船から湘南モノレールを利用することが多いです。江ノ電も土日はたいへんな混雑となり、運びきれないくらいになることもあると聞きます。
両数のわりに車両の種類が多く、撮影していてとっても楽しい路線ですね。さすがに近年は車両の近代化が進み、旧型車両然とした車両は300形1編成となりました。また新しい車両もそれぞれ味わい深いデザインになっております。
写真の300形305編成は、1990年に冷房改造を行い、同時に走行機器を換装して当時の最新型であった1500形と同等の性能に改善されています。車内の化粧板なども新しくなりましたが、床は木張りのままとなっています。
【撮影:佐野次郎 2017.4.6 鎌倉高校前ー七里ヶ浜間】

2017/04/01

荒川車庫 1992年

この写真は、1992年の3月に撮影したものです。東京都電荒川線の、荒川車庫を公道上から撮影したものです。おなじみの構図といえるのではないでしょうか?
当時の主力は、7000形が最多数を占め、7500形が補完し、8500形が最新型車両という陣容でした。車体更新時点では非冷房だった7000形の冷房改造が行われ、塗装もアイボリーとグリーンに変更された頃でしょう。
現在は、都電おもいで広場で展示されている7504号も現役でした。同僚が車体更新され、冷房化された中で、ワンマン化時点での姿のまま限定的に使用されていました。
何気なく撮影した写真でしたが、四半世紀も経ちますと、車両も世代交代していますね。輸送量の減少に比例して総数は減りましたが、7700形・8500形・8800形・8900形・9000形という陣容になるのでしょう。
【撮影:佐野次郎 1992.3.28】