2020/03/20

尾久客車区の12系客車

2020年現在、JR各社の旅客用車両は電車もしくは気動車が圧倒的な存在で、機関車+客車という組み合わせは、JR九州の「ななつ星」やJR西日本の「やまぐち号」など特殊な存在となりました。
国鉄時代には、客車は寝台列車やローカル列車のほか、波動輸送用としても大きな役割を担っていました。それは動力を搭載しない客車は電車・気動車に比べてランニングコストが安く、運用路線も選ばなかったためです。
1969(昭和44)年に登場した12系客車は、当初から冷房装置・自動ドアを搭載して客車の水準を大きく高めた存在です。165系などの急行形電車に準じた設備を持ち、特急形相当の14系客車の基礎となった系列ともいえるでしょう。
首都圏では、尾久や品川などで身近に見られた客車でもあります。国鉄時代からお座敷列車に改装される編成もあり、分割・民営化に際して多くのジョイフルトレインが登場しました。1990年代半ばから廃車が始まり、今では姿を見ることはできません。
【撮影:佐野次郎 1984.9.30 尾久駅】