2021/10/08

東京地下鉄8000系(8111F)

東京メトロ半蔵門線で使用されている8000系電車は、1980年度から1994年度にかけて190両(10両編成19本)が導入されたものです。千代田線6000系・有楽町線7000系を基本としていますが、より洗練された前面形状やすっきりした1段下降窓などにより高品質な車両だという印象を強く受けます。
8000系の室内は、もともと穏健にまとめられたものですが大規模改修によってきれいに整備され、「パッとビジョン」と呼ばれるドア上の情報案内表示装置も備えておりますので、それほど古い電車だという印象を受けることもないと思います。「永く使えるよいものをつくる」という導入時の考え方が生きていると思います。
制御装置は新製時はAVFチョッパ制御を採用しておりましたが、VVVFインバータ制御に更新されています。6000系・7000系の更新とも使用を共通化しており、主電動機も出力165kWの誘導電動機に更新したことにより、10両編成で6M4Tから5M5Tに電動車比率を下げています。
写真の8111Fは1988年10月に川崎重工で完成したもので、半蔵門-三越前間の延長開業に備えて増備された8000系の4次車に相当します。新製当初から冷房装置を本装備、10両編成で新造されました。2009年6月に大規模修繕と制御装置更新が行われました。2021年9月には18000系の導入により営業運転を退き、廃車となりました。