長年東急田園都市線の主力として活躍してきた8500系も、新鋭2020系が急ピッチで増備が進んでいるために急速に引退が進み、既に残すところあと4編成にまで減少しています。相互乗入れ先の半蔵門線、東武伊勢崎線とも有数の混雑路線ですのでよくぞここまで長く活躍したものだと思います。
8500系は1975年に最初の編成が作られました。ステンレス車体に1段下降窓、界磁チョッパ制御で回生ブレーキも使用できましたので、当時国鉄が製造を続けていた103系は、普通鋼製の車体に2段窓、抵抗制御にコイルバネ式の台車を備えていましたので、技術的には8500系のほうが進んでいました。
その8500系も5000系や2020系が主力となった現在では、盛大な走行音が昭和の電車だという印象です。扇風機を備えた電車というのも少数派になっています。もうすぐ終焉となるであろう東急線での8500系の活躍ですが、5000系の投入計画が変更されたので2010年代にも依然として多数派を形成していました。
写真の8630Fは1979年8月に東急車輌で完成したもので、8000系の10次車に相当します。当初は6連でしたが、1982年11月にデハ8852・サハ8959を組み込んで8連化されました。さらに1983年12月にはデハ8872・8765を組み込んで10両編成になりました。その後、車体更新、東武線乗入れ対応改造、スカート取り付け、行先表示のLED化が行われました。