113系ばかりが走っていた東海道線東京口に、新形211系電車が走り始めたのは1986年のことでした。しかしながら田町電車区に210両が揃ったところで211系の増備は終息してしまい、2006年3月のダイヤ改正まで113系が走り続けました。
211系電車は車体のデザインが斬新で、窓も大きく非常に明るい印象を受ける電車です。その後のE217系やE231系ではなくなってしまった戸袋窓も残されていました。ただし日本経済の絶頂期ということでラッシュ時の混雑も激化し、中距離電車でありながら通勤電車と同じロングシートに移行していきました。
主回路は添加界磁励磁制御という比較的安価に回生ブレーキを使用できる方式を開発しました。通勤型の205系にも導入されましたが、分割・民営化直前の国鉄の厳しい財政事情を反映しています。昨今のJR東日本における急ピッチな車両投入を見ると隔世の感があります。
写真のチタN24編成は1989年10月に川崎重工で完成したものです。211系も東京ー上野間を結ぶ東北縦貫線が完成すると他路線へ転用されるという噂があります。実際にはどうなるのでしょうか?