四国を除く全国に配置され、1992年に特急「南紀」での運用を終えるまでに、実に32年の長きにわたって現役の特急型気動車として活躍しました。その独特のスタイルで「ブルドック」と呼ばれた「はつかり」形の一次車よりも、翌年に登場した貫通型のキハ82形の方が多数派であります。
キハ80形は、1960年に「はつかり」用に6両が新製されたボンネットスタイルの先頭車です。ボンネット部分には、発電機を搭載していました。車体は「こだま」形151系特急電車を基本に、走行機器は一般形で実績のあったDMH17系統を用い、既存の技術を活用して短期間にまとめられました。
写真のキハ81-3は、1960年11月に近畿車両で完成し、尾久客車区に新製配置されました。1969年10月には、秋田運転所に転属し、さらに1972年10月に和歌山機関区に転属し、1979年10月に廃車となりました。現在では、京都鉄道博物館に展示されています。
【撮影:佐野次郎 1984年頃】